ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった 作:なんちゃってメカニック
地球領宙内。
そこは、普段なら細かいデブリと宇宙船が飛び交う、人類のメッカであった。だが、今日から3日間、宇宙船はおろか人工衛星すら店じまい。
細かいデブリを湛えた静かな水の星。それが今の地球の姿そのはずだった。
そんな中宇宙に漂う船が1隻、その中では、女がヒステリックに叫んでいる。
「一体どういう事なのよ! 絶対に成功するって言ったじゃない!! これは賠償責任よ分かってるの!?」
40代ほど女が、ファンデーションをにじませながら、10代の女に詰め寄りながらそう言った。詰め寄られた少女は、気だるげに言い返す。
「悲鳴を上げるな、神経が苛立つ」
「誰のせいだと思ってるのよ!」
ヒステリックに叫ぶ女を尻目に、こめかみを抑えながら、少女はさらに言い返す。
「まあ、よかったじゃないか、現状お尋ね者になっていないなら、
「私は連れて来いって言ったのよ! それが出来ていない時点で契約違反よ!!」
「はっ、元旦那に親権奪われて手出しできない位の振舞いをしたのが悪い」
「アレは私の子よ!! 私の元に来る義務があるの!!」
女はこめかみにファンデーションでも隠せないほど青筋を立てながら怒鳴る。
少女は表情から出る不快感を隠そうとせず、冷たい目で女を見ていた。
そして、別の少女がその少女に声をかける。
「まあ、状況としては上々でしょうねぇ。私達だけでは接触すら不可能でしたもの、それに、あの妙なメカニック…………誤算は織り込み済みです、引き続きよろしくお願いしますねエドワウ?」
「ああ、そんな名前で名乗っていたな、今はクワトロ・レム・アズナブルだ」
「偽名は可変制なんですか?」
冷や汗を流しながら、少女はクワトロに突っ込んだが、クワトロは意に介さず続けた。
「出資者は無理難題をおっしゃる、そんなものだ、それに、我々には次の手がある」
「惑星交流戦ですね?」
「そうだ」
少女同士の会話の最中にも、女は叫んでいる。
やはり無視されて、少年が1人、少女たちの会話に混ざろうとする。
「そうそう、もっと僕のSE強くしてよ! アイツに勝てる位のさ!」
「…………腕次第だ、こっちはお前をゴーストファイターに出来るんだぞ?」
「何それ!? カッコイイ! やってやって!」
脅しをかけたはずの少女は、呆れたようにため息を吐いて、手だけであっちへ行けと示した。
「ちょっと彼が恋しいな」
「誰ですか?」
「例の妙なメカニックさ」
「お、恋ですか?」
「そんなんじゃないよ…………。それに別の人間が居るしな」
やはり、少女は恋バナが好きなのだろう、ニマニマする少女と、苦笑しながらはぐらかすクワトロ。そこに、また別の人間が入ってくる。
今度は20代ぐらいの女が、部屋の中の惨状を見て苦言を呈した。
「少しは落ち着いてくださいな」
「っ!? これが落ち着いていられますか!?」
女は対面した。噛みつかんばかりのババアはガミガミと、歯牙にもかけない女は淡々と話す。それを横目に、少女たちは愚痴りだした。
「ババアも王女様位おしとやかになって欲しいよ…………」
「王女様、妹ぶっ殺そうとしているヤバい人ですよ?」
「ここまで来たら関係ないよ」
「それもそうですね」
そんな事を言いながら、愚痴り合う2人。どこか呑気な物だったが、その空気は艦内放送で打ち破られる。
「あー、お嬢さん方。なんか学園からめちゃめちゃ出撃しているんだが、どうする?」
「「「「「は?」」」」」
艦内のモニターに、全
一瞬で硬直した空気。思考が止まり、思考が動き出した者達から、母艦がキャッチした映像を正しく認識し顔が青くなっていく。
「どういう事なんですか!? アレ大体の
「分からん! オウムアムアにそんな資金力は無いはずだ!」
「まずは落ち着くのです。とりあえず紅茶でもアチィ!? ぶっ殺すぞ!」
「ティーカップに切れてどうするのよ!!」
「こんなルートあったのか!?」
「僕出撃る?」
「出んな! 勝てる訳ないだろ!」
しかし、言い合っている間にも刻一刻と、大船団が追いかけてきている。
そして、通信越しに先ほどとは別の男性の声が聞こえてくる。
「
「訳わからんが、みんな行くぞ!」
「なんでエドワウが音頭取ってるんですか!!」
それでも、ヒステリックなババアはついて行く。
そんな最中、エドワウもといクワトロは気が付いたように独り言を喋る。
「…………あー、冷静になってきたらあのカス、母艦捨てて逃げる気だわ」
「えっ!?」
それに反応した人間に返すように、クワトロは走りながら説明を続けた。
「この船に乗ってる
「なるほど、それなら私達は助かるわね! よし! コロンボの船長を犠牲にしましょう!」
「ついでにそこのゴミはおいて行こう!」
「それ大切な出資者ですわよ!?」
そうして、会敵まで後5分。
ギャグ落ちするまで、後30分。