ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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文化祭の結末

 

文化祭がほぼほぼ終了した。今は、文化祭最終日の12時頃の事だ。

 

「あー、疲れたな」

 

「帰って来てから早々それか?」

 

「おつかれ」

 

ミーシャとネルがカルドロンから帰って来た俺達を出迎え、愚痴ってしまった俺を苦笑しながらミーシャはそう言った。

 

俺達を狙った誘拐未遂事件は、下手人の完全解体で幕を閉じ、狂乱の戦いがすぐに幕を開けた。

 

文化祭のシミュレーターの意趣返しと言わんばかりに俺達を狙う、D・E・Fランクの星進隊(プロトン)連合、他星進隊(プロトン)の流れ弾の対処や、うっきうきで狙ってくる生徒会長。

 

それが半日伸びて丸2日間戦い続けた、闇鍋のような2日間、最後の最後に全員撃破されてしまったが、状況から見れば上々な範囲の戦果だっただろう。

 

「さっき教師陣から連絡があった。大変だったようだな」

 

「あ、ミーシャは知らなかったのか」

 

流星は今気が付いたようだ。事のあらましを説明しようとする流星を、ミーシャは手で制した。

 

「事の概要は大体聞き出した。襲撃したの人物は勾留、覚えているか?あの商船コロンボの船長だったようだ」

 

「えっ!?あの人捕まったのか?」

 

「…………これは先出し情報だったのか、済まない」

 

俺も驚いている。確か水星学園の星進隊(プロトン)を輸送していた船だったはずだ。

騙して悪いがされた経験は、記憶に新しい。

 

「元々裏の仕事をしているようでな、今回は地球領で事を起こしてくれたから、勾留まで至ったらしい」

 

「何回も俺達を狙うなんて、暇なもんだな」

 

「私達なら、何度でも叩き潰せるさ」

 

そう言ったベローナは不敵な笑みを浮かべている。

その後は皆で軽口をたたき合った。ひと段落したその瞬間、ネルが俺の腰当たりに抱き着いた。

 

どうしたんだ?甘えたくなっちゃったのか?なんて思っていると、ミーシャが俺以外の全員に、不可解な指示を出した。

 

「全員、太一の所に集まれ。ほらもっとくっ付いて」

 

その指示を聞いた皆が、不可解な顔をしながらも、俺の周りを肩が触れ合うぐらいまで距離を縮めた。え?何?怖い?

 

「みんなありがとう」

 

そう言って、ひと固まりになった俺達に飛び込み、両手いっぱいに抱きしめるミーシャ。

アリアの胸に顔を埋めているから、表情は分からないが、泣いているのは分かる。

 

「こちらこそ」

「この4日間ミーシャさんが居なくて寂しかったですわ」

「居なきゃいけないよ、ホント」

「1人でも欠けたくない存在が、ここまで心を軽くしてくれるとはな思わなかった。ミーシャ、それに気が付かせてくれてありがとう」

「奪わせませんから!このみんなを、絶対に奪わせませんからね!!」

 

口々に、感謝の言葉を語り、時間が経っていく毎に、全員の顔から涙が流れている。ゼリアとピールは、感謝の言葉すら聞き取れない位、ずびずびと泣いている。

 

 

「あのぅ…………なんで俺と流星を中心にこうなってるんですか?」

 

 

そう、俺のまわりで。

流星は皆を抱き締め返しながらも泣いている。

 

「だって、太一はそうやって逃げるだろ?」

 

「…………」

 

あまりにも正論すぎた。こうやって言葉で逃げようとするが、物理的に抑え込まれている。

個人的に湿っぽいのはニガテだ、文化祭が終わる頃位には笑顔でいてくれよ。なんて言えるほど、俺は面の皮が厚くなかった。

 

半ばあきらめて俺は、涙の円陣に揉まれ落ち着くまで、心の中を無にする事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

「続いては、文化祭貢献賞発表です!」

 

「「「うおおおおおおお!!」」」

 

あの後、どうにか落ち着いた俺達は、文化祭最終日エンディングセレモニーに出ていた。

全学年、全生徒が屋外に集まって、このカオスな祭りを締めくくる為に集まっている。

 

「まずは銅賞!数々の研究を文化祭に合わせ発表し、そのどれもが業界に嫌な震撼を与えた!星進隊(プロトン)名!メンカルだぁ!!!」

 

「「「「うおおおおおお!!」」」

 

発表と同時に会場が沸き立つ。

 

「あ、ガイノイド空に飛ばした人じゃん」

 

「どんな研究!?」

 

それは業界に嫌な震撼を与えますよ!?

そんな俺の困惑をよそに、次は銀賞の発表に移った。

 

「続いては銀賞!カルドロン内で利益を上げる!?まるで異質、全く持って異質!文化祭への全精力をカルドロンに向けながらも利益を上げた異質の星進隊(プロトン)!デネブだぁ!!」

 

「「「「「うおおおおおお!!」」」

 

「ああ、あの人たちそんな事してたんだ…………」

 

「太一は知っているのか?」

 

「カルドロン中に交渉された」

 

「それは受けたのか!?最悪ケツの毛まで毟られるぞ!?」

 

「受けてない、褒めろ」

 

「グッジョブ!」

 

「2人で何してるんですか…………」

 

俺はドヤ顔をさらしながら次の発表へ。

 

「金賞!執念!まさに執念!対話型インターフェースは、これまで何人もの研究者が挫折した!低ランクの星進隊(プロトン)の研究費でも作り!それを執念で乗り越え、シミュレーターにまで搭載した奇跡の星進隊(プロトン)!アザレアだぁ!!」

 

あ、ホーモットの所じゃねえか。アイツ頑張ったんだな。研究のオープンソース化()を乗り越えた先でも、こんな事になっているとは。

…………まあ、なんというかその、それの元となった奴は性欲で出来ているんだがな!

 

そんな事を知ってか知らずか、知ってても喜んでいるのか、学生は盛り上がっている。

 

「そして最後に、最優秀賞の発表だ!!」

 

ここまで発表されていないから俺達は無いんだろう。…………いや、まさかな。

 

「この星進隊(プロトン)は、イカレている!」

 

開口一番それなのかよ!?

 

「マルチに活動し、それを破綻させず、謎の協力者まで存在する!かつて!ここまでの少人数で!ここまでの短期間で!これまでの成果を上げた星進隊(プロトン)が居るだろうか!」

 

星進隊(プロトン)にとって、搭乗科(パイロット)の腕は生命線!腕を披露する事はあっても!その腕を指導に振り切り、学園のレベルアップを画策した星進隊(プロトン)が何処にいただろうか!」

 

「飲食系を専門とする卸売科(セール)の生徒!それは卸売科(セール)にとって軽んじられる存在だった!だがしかし!その販路を持ってしてもCランクの星進隊(プロトン)の予算や依頼でも開発出来る総合OS改造機が作れる星進隊(プロトン)が何処にいただろうか!!」

 

「ライブ!それは一口に言っても、規模、集客、など考える事は多い!そして、皆さんもご存じの通り、全てを熟す経営と運営力を持った星進隊(プロトン)が何処にいただろうか!!」

 

「ここまで言えば勘の悪い奴でももう分かる!あれだけ目の敵にされていたのにも関わらず、カルドロンをギリギリまで耐えきった!イカレた最高な星進隊(プロトン)!」

 

そこまで、勘の悪い俺でも分かった。と言うか、理解したくなかった。

 

 

「オウムアムアだぁ!!」

 

 

割れんばかりの拍手と歓声が俺達の耳を劈く。

 

「やったな!」

 

「1年目の星進隊(プロトン)では快挙ですよ快挙!」

 

そうして、俺とミーシャ以外が喜んでいる。

銅賞でも、星進隊(プロトン)の仕事が増えるという事は、最優秀賞なら…………?

 

「忙しくならない?」

 

「…………金星の仕事辞めて来る」

 

「良いのか?」

 

ミーシャにとって金星の仕事は、唯一と言っても良いはずの親との繋がりだ。

 

「いいさ、だから、太一はこれまで通り頑張ってくれ」

 

「こき使うぞって言ってない!?」

 

「冗談だ、もう、太一が過労で倒れるなんてことはさせないさ」

 

「だと良いけど」

 

そんな軽口の後に、俺達は全員呼び出されて賞状を貰った。

俺達にとって、文化祭は大成功に終わったのだった。

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