ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった   作:なんちゃってメカニック

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講義

 テラマキナ学園に限った事ではないが、こう言ったSE系の学校は単位制であるが、それは1年生と2年生以降ではかなり毛色が違う。

 星進隊(プロトン)があるからだ。

 

 1年では、優秀成績者以外の学生は、星進隊(プロトン)に入れず、学園の用意した講義の成績で単位が付与される。

 

 2年以降では、それに加え星進隊(プロトン)の活動に応じて単位が付与される。

 他の学科の事は分からないが、俺のような整備科(メカニック)に至っては、整備記録を整備科(メカニック)の先生たちに渡せば、それで単位取得となる。

 

 普通ならば、チームでSEを整備・修理しているので、貰える単位は微々たるものなのだが、俺は一人で全てを熟しているので大量の単位が貰えている。

 

「極東式単位錬金術だな!」

 

 とはミーシャの談。笑いごとではない。

 最早描写こそしていないが、依頼を受けた後で直しているのは俺なのだ。

 そもそも整備科(メカニック)は、失敗したら最悪搭乗科(パイロット)の命が失われる可能性がある。

 だからこそ、それを忘れない為の体育会系。上下関係を築き、その可能性を忘れないように、口ずっぱく肉体と言葉の両方で叩き込み、体調不良になって失敗しました、なんてことが無いように体を鍛えているのだ。

 …………いや、まあ、鍛えすぎなような気がするが。

 

 まあ、俺なんかは、体自体頑丈なため、今でこそ何とかなっているが、来年こそは新しい整備科(メカニック)を入れたい物だ。

 

 話はそれたが、星進隊(プロトン)があるとはいえ、2年生でも講義には出る。

 

 ある者は、足りない単位取得に、そして、またある者は自身に足りない知識を補う為に。

 

 今日の俺は後者だった。

 

 教室に向かい、その扉を開けると、既に何人かは講義の準備をしていて、俺は中央に開いてる席を見つけ、そこに座る。

 俺も講義の準備をしながら、始まりの時を待っていると俺の背後から俺を呼ぶ声が聞こえた。

 

「太一か、講義に出てるなんて珍しいな」

 

「あ、スミス先輩じゃないっすか。スミス先輩もこの講義を?」

 

 俺に声を掛けたのは、生徒会に所属しているスミス先輩だ。

 俺の質問に「ああ」と短く答えて、俺の隣に座る。そして、スミス先輩が俺がなぜここに居るかの、質問を再度続けた。

 

「電気制御の講義って、なんの吹き回しだ?」

 

「ほら、俺の星進隊(プロトン)に、金星機(マクスウェル)が居るでしょう? 改造の参考になればいいと思って」

 

「なるほどね。ギル教授に門前払い喰らったタイプだ?」

 

 その通りである。校風が自由なら、教授も自由。

 電気制御系の権威でもあるギル教授は、かなり気難しいタイプの教授。メールを送ったんだが「講義に出ろ」の一点張りで、取りつく島も無かった。

 

「そうなんっすよ」

 

「ははは、それは仕方ないね」

 

 肩を落とす俺と、それを見て楽しそうに笑うスミス先輩。

 そんな事をしていると、直ぐに時間が経って、教授も登壇して講義が始まった。

 

 

 内容としては、基礎とその発展。電気の制御と言えば、前世では銅線やコンデンサー、抵抗位しかなかったが、今では、ほぼファンタジーの領域まで制御を可能にしている。

 チートによる勘を、前提に、感覚で俺は制御していたが、理論立てて制御出来ているかと言われれば怪しい所がある。

 

 久しぶりの講義を受け、俺は心の中で唸りながら講義を受け、そして終わり際に成ってから、教授が一言発した。

 

「この講義に地井太一は出ているか?」

 

「はい! ここに」

 

「メールは見た、少しばかり研究室に顔を出してもらおう」

 

「分かりました、ありがとうございます!」

 

 そう言って、この講義のまとめを言ってから、お開きとなった。

 

「やるね太一、しかし教授も悪いね」

 

「ん? 何がですか?」

 

「たぶん行けば分かる」

 

「?」

 

 スミス先輩の言葉に疑問を浮かべながら、足取りは少し重く、ギル教授の研究室に向かった。

 扉を開け、教授の開口一番に、俺は面食らった。

 

「悪いね、私は気難しい事で通ってるんだ」

 

「そう言うの気にするんですね?」

 

 そう言うと、ギル教授はハッハッハと笑う。

 

「明け透けだなぁ。君と同じく、体育会系ではないからね、優しくしてると付けあがる者も多い。だから、学生では講義に出た人間とゼミに参加している者のみ、こうして直接話を聞くことにしている」

 

「そうだったんですか…………難儀な物ですねぇ」

 

 俺も、体育会系の部活には入っていない。俺が教授に成ったら、こんな事しなきゃいけないのだろうか?

 少し想像してみたが、俺に体育会系の部活を止める術はない。

 

「気遣ってくれてありがとう。それで、単刀直入に言うが、太一君、うちのゼミに入らないか?」

 

「ゼミって確か3年からでしたよね?」

 

 前世の大学基準だとそんな感じだ。

 

「教授が気に入れば2年からでもゼミ単は取れる。どうだ? 君の能力をウチに生かしてみないか?」

 

「気持ちはうれしいのですが、今はお断りします。仲間がいるんで」

 

 今は確実に星進隊(プロトン)の事に注力した方が良いし、良い誘いなのは分かってるが、それでも、その誘いを受けた上で今の仕事を完璧にこなす自信が無かった。

 

「あらら、振られた。よし、それじゃあ、今度は君の番だ。何でも聞いてくれ」

 

「はい、それではこの真空電気制御の事なんですが…………」

 

 確かに、良い時間だった。最新の情報、研究も聞けたし、それの応用とかも知れた。

 そう、この研究室を出るまでは…………。

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 昼時、学園の食堂で、イルシアは流星にご飯が乗ったお盆を両手に話しかけていた。

 

「流星、太一を見なかった?」

 

「ん? 見てないなドックに居るんじゃないのか?」

 

「それが居なかったんだよね…………」

 

 そう言いながら、流星の隣に座るイルシア。

 

「珍しいな」

 

「そうだよね。なんか変な事に巻き込まれてなきゃ良いんだけど…………」

 

 そう言ったイルシアは、ミートソーススパゲティを口に運ぶと、食堂全体が揺れる。

 

「なっ!? 何!?」

 

「SEの音!? 行ってくる!!」

 

「ちょっと! う~、私も!!」

 

 そう言って、2人は音のなった方へ向かう。すると、そこに居たのは…………ッ!!

 

 

 

「ひっさしぶりだなお前ら!! 俺が何したってんだ!!!」

 

 

 

 地球機(ゲイザー)の手の先端にゴムが括りつけられ、強制バンジージャンプをしている太一の姿だった。

 

 

「なんで我もぉぉぉ!? うわぁぁああああ!!」

 

 

 何故かついでに小太りの男も、強制バンジーをしていた。

 

 

「文化祭中、火星留学生とイチャコラした挙句!! 木星留学生の膝に顔をうずめた事が報告に上がっている!! 後、ザイレムは木星留学生の胸を押し当てられたついでだ」

 

「ついででやるなぁ!!」

 

「ザイレムは俺の仲間を助けてくれたんだ!! ザイレムは見逃してやってくれぇ!」

 

「うん、分かった。ちょっと下ろしてあげて」

 

「俺もついでに」

 

「それは駄目だ」

 

「なんでだぁ!!」

 

 

 

 

「帰ろっか」

 

「…………そうだな」

 

 

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