何となく女装を始めたら、だんだん拘り過ぎてしまった件   作:古都礼奈

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美咲と秘密のお茶会

「今度さ、悠人くんの部屋に行ってみたいな」と、ふと美咲が言い出したのは、飲みに行ったときの帰り道だった。

 

まだ少し酔いが残っていたせいか、彼女の声はほんのりと甘く、誘われるような響きを持っていた。

 

悠人は驚きつつも、断る理由はなかった。

 

以前の飲み会で知り合って以来、何度か一緒に飲みに行ったり、街で会ったりする中で、彼女とは自然に距離が縮まっていた。

 

しかし、家に招待するとなると少し緊張が走る。

 

「え、家に?別にいいけど、あまり片付いてないよ」と、軽く答えながらも、心の中では急に心配が湧き上がってきた。

 

家の中を整える必要があるし、何より彼女が何を期待しているのかがわからない。

 

「ううん、全然気にしないよ。ただ悠人くんの普段の生活をちょっと覗いてみたいだけだからさ」と、美咲はにっこり笑って応えた。

 

数日後、予定通り美咲が家にやってくる日がやってきた。

 

朝から部屋を片付け、何度も家具の位置を確認し、見栄えのいい配置に整えようとした。

 

部屋が広いわけではないが、居心地の良さを感じてもらえるように細心の注意を払った。

 

「やっぱり、女の子を家に呼ぶって緊張するな…」と、悠人は心の中でつぶやいた。

 

美咲が来る時間が近づくにつれ、徐々に緊張感が高まっていく。

 

ピンポーン。

 

玄関のインターホンが鳴り、ついにその時が来た。

 

ドアを開けると、笑顔の美咲が立っていた。少しラフな服装だが、どこか女らしさが漂う。

 

「お邪魔しまーす!」と明るく言いながら、彼女はさっそく部屋に上がり込んできた。

 

「どうぞ、あんまり広くないけど…まあ、ゆっくりして」と、悠人は少し照れ臭そうに彼女を案内した。

 

美咲は部屋を見回しながら「思ったより綺麗じゃん!」と軽く褒めてくれた。

 

その後、二人はお茶をしながら軽く雑談をしていたが、突然美咲が切り出した。

 

「ねえ、今日さ、目の前で女装してみてよ。悠人くんがどうやって変身してるのか、実際に見てみたいんだよね。」

 

その言葉に悠人は少し驚いた。「え、今ここで?」と尋ねると、美咲は真剣な表情で頷いた。

 

「もちろん!前からずっと興味があったんだ。どうやってあんなに綺麗になってるのか、近くで見てみたいし、今日なら二人きりだから遠慮しなくてもいいでしょ?」と、彼女は楽しそうに目を輝かせていた。

 

「そういうことなら…まあ、別にいいけど、メイクはできないよ。着替えるだけでも大丈夫?」

 

「うん、それで十分!実は、そういうシンプルな部分も見たかったんだよね。」彼女の反応を見て、悠人は安心すると同時に、少し恥ずかしさを感じた。

 

普段はサロンで整った状態で女装を楽しんでいるが、自宅で、しかも女性の前で着替えるというのは初めての経験だった。

 

悠人は部屋のクローゼットからお気に入りの制服を取り出した。

 

セーラー服ではなく、今日はブレザーの制服を選んでみることにした。

 

「じゃあ、ちょっと着替えてくるね」と言い、隣の部屋で着替えを始める。

 

下着も含めて完全に女の子の姿になるのは、やはりどこか恥ずかしい。

 

特に、美咲がすぐ隣にいるという事実が、彼の心拍数を早めた。

 

部屋に戻ると、悠人は下着姿で美咲の前に現れた。

 

彼女の顔が少し赤くなったのが見えたが、それでも彼女は興味津々な様子でこちらを見つめていた。

 

「おおー、下着姿も見せてくれるなんて、サービス満点じゃん!」と美咲は冗談めかして言ったが、少し照れた表情も見え隠れしていた。

 

「いや、これはただの途中経過だから」と、悠人も少し照れ笑いを浮かべながら、次にブレザーの制服を着込んでいく。

 

襟元を整え、スカートを履くと、鏡に映った自分の姿に、少し自信が戻ってきた。

 

「どう?これがいつもの変身って感じだよ」と言いながら、悠人は軽くポーズを取ってみせた。

 

「すごい!やっぱり似合うねぇ。制服姿、めっちゃ可愛いじゃん!」美咲は拍手をしながら感心していた。

 

その後、二人はお茶を飲みながら談笑を続けた。

 

普段とは違う状況にいるせいか、会話も少し緊張感が漂っていたが、それでもどこか安心感があった。

 

美咲は時折、悠人に触れながら「本当に可愛いなぁ」などと言ってきたり、軽く肩に寄りかかってきたりした。

 

そのスキンシップに、悠人は心臓がドキドキしてしまったが、悪い気はしなかった。

 

「こんなに近くで女装姿を見れるなんて、今日は本当に特別だなぁ…」美咲が少し感慨深げに言った。

 

「まあ、俺も女性の前でこんなことするのは初めてだから、ちょっと緊張したけどね」と悠人は笑った。

 

やがて、夕方になると、悠人は元の服装に着替え直した。

 

そして、二人で外に出て夕食に出かけることにした。

 

夕食の席でも、先ほどの出来事について話し合い、二人は少しずつ親密さを深めていった。

 

外食を終えて美咲を家まで送る頃には、初めての女装体験を共に過ごした特別な一日が、二人の心に残る思い出となっていた。

 

「今日は本当に楽しかった。また、ぜひ見せてね!」と、美咲は玄関の前で笑顔で言った。

 

「うん、ありがとう。俺も楽しかったよ。またいつでもおいでよ」と、悠人も微笑みながら返事をした。

 

その日、悠人は初めて女性の前で女装して過ごしたが、思った以上に楽しく、そして特別な時間を過ごせたことに気づいた。

 

彼は、また次に美咲と会う日が楽しみになっていた。

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