何となく女装を始めたら、だんだん拘り過ぎてしまった件 作:古都礼奈
悠人は、アニメの女の子が着ている制服のレプリカを通販で見つけ、興味を持って購入した。
普通の制服は何度か試していたが、今回は変わり種のアニメ制服。
これなら、普段とは違う新しい楽しみがあるかもしれないと感じた。
しかし、ウィッグまでは買わず、髪型をどうしようか悩んでいた。
「髪型だけなら、サロンで相談してみればいいか」と考えた悠人は、さっそく行きつけのサロンに予約を入れた。
サロンに到着すると、いつも担当してくれるスタッフの奈々が明るく迎えてくれた。
「今日はどうする?また制服コーデ?それとも新しい挑戦?」
悠人は持参したアニメの制服を見せながら、「実は、これを着てみたいんだけど、髪型が…ウィッグはないから、なんとかアニメのキャラっぽくアレンジできないかな?」と相談した。
奈々は制服をじっくりと見て、ニヤリと笑った。「ああ、このキャラか!いいじゃん、似合いそう。髪型も少しアレンジすればキャラクターの雰囲気に近づけられるよ。ちょっと待ってて、いいアイデアがあるから!」
奈々はすぐに準備に取りかかり、髪を軽く巻いて、アニメのキャラっぽいふんわり感を出し始めた。
普段のナチュラルなヘアスタイルとは異なり、どこか夢幻的でかわいらしい仕上がりになっていく。
悠人は、鏡越しに少しずつ変わっていく自分の姿を見つめ、徐々に期待感が膨らんでいった。
「これでどう?少し手を加えて、キャラに寄せてみたけど。」奈々が髪の仕上がりを見せてくれた。
「おお…すごい!まるでイベントに出るコスプレイヤーみたいだな。」悠人は感嘆の声を上げた。
奈々は満足げに頷いた。「でしょ?じゃあ、早速着替えてみようか。今日のテーマはしっかり楽しんでよ!」
悠人は持ってきたアニメの制服を着用し、再び鏡の前に立った。
制服はアニメのキャラクターを忠実に再現しており、袖や襟のデザインが独特だ。
髪型もそれにマッチしていて、自分がまるでそのキャラになりきったような気分だった。
「うわ…本当にアニメの中にいるみたいだな。」悠人は思わずつぶやいた。
「でしょ?今日は特別に、サロンの中でちょっとした撮影会をやっちゃおうよ!」奈々が提案してきた。
「え、撮影会?」悠人は驚いたが、奈々はすぐに彼を誘導してくれた。「大丈夫、リラックスして!サロンの中で楽しむだけだから、イベントに行くみたいに気張らなくていいの。ほら、せっかくだし、アニメキャラっぽいポーズを取ってみて!」
悠人は最初こそ戸惑ったものの、次第に雰囲気に慣れてきた。
鏡に映る自分を見ながら、少しずつアニメのキャラらしいポーズを取ってみる。キャラクターの特徴的な表情や動きを思い出しながら、少しずつ自分を解放していった。
「いいね!そのポーズ、すごく雰囲気出てるよ!」奈々はカメラを構えながら褒めてくれる。
「恥ずかしいけど、なんだか楽しいな…」悠人は自然と笑みをこぼした。
撮影が終わった後、奈々は「はい、これ今日のベストショット!」と笑顔で悠人に写真を見せてくれた。
「わあ…これ、ほんとに自分?」悠人は驚きながら写真を見つめた。
普段とは全く違う自分の姿がそこに写っていた。まるでアニメキャラそのものだ。
「ね、コスプレも悪くないでしょ?こういう遊び方も楽しいよね。
しかも、アニメ好きならさらに楽しめるはず!」奈々が楽しそうに言う。
「うん、確かに。今まで制服しか着たことなかったけど、アニメの衣装もいいもんだね。」悠人は同意し、すっかりコスプレの魅力に引き込まれていた。
悠人が撮影を終えてホッと一息ついていると、サロン内の他の常連客たちが近寄ってきた。彼らもアニメ好きらしく、今日の彼の衣装に興味津々のようだ。
「すごいじゃん、その制服!まるで本物のキャラが出てきたみたいだね!」一人の女性が声をかけてきた。彼女はロリータ風のコーディネートをしており、目を輝かせている。
「ありがとう。実はこのアニメ、最近見始めたばかりなんだけど、すっかりハマっちゃってさ。」悠人が少し照れくさそうに返すと、彼女はにっこりと笑った。
「いいよね、あのキャラの衣装、細かいところまで再現されてて。私もいつかその制服を着てみたいな~。髪型もバッチリだし、めっちゃ似合ってる!」
他にも、サロンにいた数人が近くに集まり、アニメやコスプレについて話し始めた。
コスプレ経験者の男性が「俺もこのアニメの別キャラでコスプレしたことあるけど、やっぱりこの制服が一番人気だよな」と話すと、他の人たちも「わかる、わかる」と同意していた。
奈々が飲み物を用意しながら、笑いながら「今日はサロンで小さなアニメ談義が始まっちゃったね。でもこうやってみんなで楽しむのもいいじゃん?」と声をかけた。
悠人は一瞬、自分が普段とは違う空間にいることを意識していたが、次第にその場の雰囲気に馴染み、自然と会話に入っていった。
アニメの話題で盛り上がり、次に着てみたい衣装や、今度のイベントに行くかどうかなど、話は尽きなかった。
「こんなに盛り上がるとは思わなかったな…。サロンの中だけでも、こんなに楽しいなんて。」悠人は心の中でそう思いながら、他の人たちとアニメやコスプレの話を続けた。
「そうだ、せっかくだし、この写真美咲に送ってみたら?喜ぶと思うよ。」奈々が提案してきた。
悠人は美咲に写真を送ることを決意し、さっそくスマホを取り出した。「美咲も、このアニメ好きだったよな…送ってみよう。」
写真を送り、「どうかな、似合ってる?」とメッセージを添えた。
すると、美咲からすぐに返信が来た。
「めっちゃ似合ってる!しかもそのキャラ大好き!今度一緒に観ようよ~♪」
その返信を見た悠人は、心の中でガッツポーズをしていた。
だが、続けて美咲から冗談交じりのメッセージが届いた。
「次会うとき、またそのコスプレしてね♪」
悠人は苦笑いしながらも、「またかよ…でも、ちょっと楽しみかもな」と思わず期待してしまっている自分がいた。
コスプレの楽しさに目覚めた悠人は、これからも新しい挑戦を続けていくのかもしれない。