何となく女装を始めたら、だんだん拘り過ぎてしまった件   作:古都礼奈

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忘年会の少し前

悠人と美咲の日々は、互いに自然体でいられる心地よさに包まれていた。

 

女装サロンに行かない日は、美咲と会う時間が増え、二人の距離はますます近くなっていた。

 

休日には、映画を見たり、買い物をしたりして、一緒に過ごす時間が当たり前のものになっていった。

 

その日の夕方も、二人はいつものように食事を済ませてから悠人の家に戻った。

 

リラックスムードに包まれながら、ソファに並んで座ると、自然と話題が流れていく。

 

「ねぇ、今日もメイドさんに変身してもらおうかな?」美咲が微笑みながら提案すると、悠人は軽く笑って応じた。

 

「もちろん。美咲の前だと、メイド服着るのがすっかり習慣になっちゃったよ。」悠人はノリノリでクローゼットに向かい、そこからいつものメイド服を取り出して着替え始めた。

 

悠人はクローゼットから真っ白なレースのついたブラジャーとショーツを手に取る。

 

女性物の下着に着替えると、メイド服を身にまとった。

 

メイド服の上からもブラジャーの存在が感じられる。

 

胸のカップがしっかりとフィットし、体に馴染むその感覚は、もう彼にとって慣れたものだった。

 

「どう?これで完璧でしょ?」悠人は姿見の前で一回転してみせた。

 

美咲は笑みを浮かべながら彼をじっと見つめる。「うん、バッチリね。」

 

その言葉に悠人は少し照れながらも、嬉しさを隠しきれなかった。

 

フリルたっぷりのエプロンと、シックな黒いワンピースが彼の体を包み込むと、悠人は姿見の前で軽く回ってみせた。

 

似合ってるよ、さすが。」美咲が嬉しそうに拍手すると、悠人は照れくさそうに笑った。

 

「じゃあ、家事でも始めようか?」悠人は少し冗談っぽく言いながら、キッチンへと向かい、掃除や片付けを始める。

 

メイド服姿の悠人は、意外と手際よく家事をこなしていった。

 

そんな彼の姿を、ソファに座って眺める美咲の目は、どこか満足そうだった。

 

「本当に、こんな風に悠人が家事をしてくれるなんて思ってなかったわ。でも、見てるだけで癒される。」美咲は軽く笑いながら、悠人の動きを追いかけていた。

 

「美咲が喜んでくれるなら、何だってやるさ。まあ、メイド服を着るのも楽しいしね。」悠人も楽しそうに返し、二人の間には柔らかい笑いが絶えなかった。

 

夜になると、お風呂を済ませた悠人は、美咲のリクエストに応えてまた女性物の服に着替えた。

 

ふんわりとしたパジャマに身を包み、彼は美咲の前に現れた。

 

「どう?ちょっと可愛すぎるかな?」悠人が照れながら尋ねると、美咲は笑顔でうなずいた。

 

「可愛すぎるわよ。でも、それがまたいいのよね。」美咲は悠人の隣に座り、彼のブラ越しに胸に手を当てた。

 

彼女は、その触感を楽しむように軽く撫でながら、微笑みを浮かべていた。

 

「なんか、毎回これやられてる気がするな…」悠人が少し照れくさそうに言うと、美咲はいたずらっぽく笑った。

 

「だって、触るの楽しいんだもん。悠人だって嫌じゃないでしょ?」

 

「まぁ、嫌じゃないけどさ…」

 

そんな軽いやり取りをしながら、二人は布団に入ると、自然に抱き合って眠りに落ちた。

 

二人で過ごす夜が続き、彼らの関係はますます深まっていった。

 

朝になると、今度は美咲が悠人のためにメイド服を着て朝食を作ってくれた。

 

サイズが悠人用なので少しぶかぶかだったが、それが逆に愛らしく感じられた。

 

「どう?私のメイド姿も悪くないでしょ?」美咲がエプロン姿でキッチンに立ちながら、悠人に笑顔を向けた。

 

「いや、すごくいいよ。でも俺の服だから、ちょっと大きいんじゃない?」悠人は笑いながら返した。

 

「そうかもね。でも、着てみたかったのよ。だって、普段は悠人が着てるから。」

 

そんな冗談を交えつつ、二人は朝食を楽しんだ。

 

これが彼らの日常となり、毎日が充実した時間で満ちていた。

 

そんな日々を送るうちに、悠人はついに決心した。

 

美咲との将来を真剣に考え、彼女に結婚を申し込む日がやってきた。

 

ある晩、二人で食事を楽しんだ後、悠人は美咲を自分の家に招き入れ、いつも通りのリラックスした雰囲気の中で、ついに心の中で温めていた言葉を口にする時が来た。

 

「美咲…」悠人は真剣な表情で、ポケットから小さな箱を取り出した。

 

「何?」美咲は少し驚いた様子で彼を見つめ返す。

 

「これを、ずっと言いたかったんだ。」悠人は箱を開け、中から美しい婚約指輪を取り出した。

 

「美咲、俺と結婚してくれないか?」悠人の声は真剣で、彼の気持ちが全て込められていた。

 

「歳ももうそんなに若くないし、これが最後のチャンスだと思ってる。君が初めて、本当に結婚したいと思った人なんだ。」

 

美咲は一瞬息を飲み、その後ゆっくりと微笑んだ。

 

「悠人…やっと言ってくれたのね。」彼女は少し呆れたようにしながらも、指を前に出した。

 

「もちろん、私もそのつもりだったわ。これからも一緒に歩んでいきましょう。」

 

二人は、まるで時間が止まったかのようにしばらく見つめ合い、悠人は美咲の指に婚約指輪を嵌め、そして自然と抱き合った。

 

悠人の心の中は、これまでにない安堵感と喜びに満ちていた。

 

彼らの未来は、今まさに新しい一歩を踏み出したのだ。

 

その夜も、二人はいつものように布団に入って抱き合いながら眠りについたが、心の中には新しい絆と、これからの人生への期待が確かにあった。

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