五条悟は若人のハッピーエンドを守りたい   作:かるあるおみ

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初投稿です。ルビ(ふりがな)は上のを口に出してる(または読み上げる)イメージでお願いします。

追記:各話の投稿の都合上一部の表現を変更しました



プロローグ


「大丈夫、僕最強だから」

 

いつかの自身が放った最強としての自負が、僕の頭の中を走馬灯のように駆け巡る。

その言葉に宿儺というイレギュラーを除いて嘘はない。

もっとも、そのイレギュラーの存在が言葉の信憑性を持ち去ってしまったが。

あの日あの空港で捨て去ったはずの戦いへの密かなる渇望は、あの時とは同じようで違う、、はずの意味を持ち、僕の中で再燃していた。

 

(彩葉は天守閣に向かえているはず、こっちは、、)

 

視線を移した五条悟の視界に広がるは電子の支配者とも言える月の使者たち。

その巨体に秘められた力は、僕が親友を殺めた日に軽く屠ったあの呪霊とは訳が違う。

 

加えて───

 

 

(蒼が出来たとはいえ、やっぱ本題は赫か、、)

 

流石は何百年ぶりの無下限呪術と六眼の抱き合わせというべきか。その天性の才能は転生して尚、五条悟の肉体に術式を刻み込んだ。

 

魂と肉体の関係、術式は世界……

 

どこかの世界で五条悟たちを阻んだ男たちの対話。

そして魂の通り道。それらは誰も解き明かすことの出来なかった術式ならぬ世界のブラックボックス。

 

その奇跡に等しい道を通り抜けても、このツクヨミ(世界)が第2の関門だと言わんばかりに立ちはだかっていた。

 

(現実の身体からの呪力、そしてそれを流し込んだ術式を利用した電子の操作……原子レベルで呪力を操作する無下限呪術でも、物質関係なし電子世界のツクヨミじゃあままならない)

 

そんなことを考えている間に、大型の月人が家来と思われる月人たちを召喚していく。

召喚された月人による圧倒的なまでの"物量"

本来彩葉たち全員に向けられるはずだった矛先を一手に引き受ける五条悟。

 

帝やSETSUNAでの戦いを通し環境(世界)に適応し何とか慣れてきた無下限の壁は、それらの物量で負荷が増した処理を請け負っていた。

 

『下手な呪術よりも、こういう基礎でゴリ押しされた方が僕はキツイよ〜?』

 

 

「───こういう意味じゃないんだけど…ね!!──!」

 

 

接近してきた月人をパンチで吹き飛ばしつつ、迫り来る後続を吸い込む反応、術式順転蒼で一掃する。

それと同時に、術式を通して電子世界に強制的に反応を創り出した影響で、六眼により最小限に収められた呪力消費が現実の僕に生じる。

 

でも慣れた"蒼"なら問題はない。

 

「8対7なのに3体も僕に割いちゃって大丈夫なの〜?」

 

五条の前に対峙するは敵の大将であるボサツ型・マスコットのようにも見えるズイジュウ型・不気味な海洋生物のような姿をしているホテイ型の3体。

 

煽りと探りを入れつつ、月人の大軍、倒しても倒しても湧いてくるそれらの猛攻を再び無下限で受け止める。

蒼と同様に、慣れた無下限オートも処理落ちはしない。

 

 

『出しっぱじゃ脳が焼き切れるよ〜』

 

かつての学友の声が嫌に思い起こされる。

 

即座に反転術式でオーバーヒートしそうな現実の脳を癒す。

 

如何に電子世界での術式の操作が難しいといえど、それらを処理する脳は現実のもの。かつて現代最強と謳われ畏れられた五条悟が領域以外で焼き切れを起こすはずもない。

 

 

 

 

───焼き切れ、且つ現実ならば

 

「───ッ!?」

 

「ХЩШФЫЯ」

 

ゴリゴリという領域展延を想起させる音とともに、電子の肉体を守る無下限が削れていく。

前世の経験から余裕だった笑みを崩すことこそしないが、五条悟の脳内はこのイレギュラーについての原因究明と対策を立てるために、今一度高速で回転し始める。

 

(向こうが電子の流れを弄った?僕の六眼はあくまでも呪力の流れを視て、呪力消費を減らすことに特化したもの。それに気づけないというのも有り得なくは無い)

 

しかし、その思考を直ぐに切り捨てる。

そんなことを家来レベルのこの月人たち一体一体が微弱であろうと可能ならば、KASSEN形式の勝負を受け入れた初手で、物量による押し切りという選択を取ろうとするはずだからだ。

 

(となると、やっぱりこの電子世界そのものの仕組みによる影響の可能性が高いかな。本当の意味で空間が切れ目なく繋がっている物理世界(現実)と違って、ツクヨミ(ここ)は1ピクセルごとに切れ目が存在する)

 

現実とは違い、この電子世界では1フレームごとに相手の攻撃がどの何ピクセル分で何座標(位置)に存在するか計算し、また次のフレームに移動し再計算するを繰り返し、五条悟との距離の開きを生じさせることで無下限呪術を発動しなければならない。

 

このツクヨミに初ログインしてから色んな経験を通し辿り着いた術式発動法とこの現象の辻褄を合わせようと思考した答えは……その再計算の同時進行数だった。

 

(脳を何度リフレッシュ出来たとしても、一体につき何千もの再計算をこれだけの人数で詰められちゃ、全面に展開しなきゃいけない無下限の処理が追いつかないのも自然か)

 

「呪力特化の六眼じゃ無理な話だねっ!!!」

 

何年も鍛え上げ続けた体術で月人を圧倒し、自分のスペースを取る。

きっと、現実の僕の脳は凄いことになってるんだろう。

反転を回して。最悪を避けて。そのままなんとかベストパフォーマンスを保ってはいるものの、ツクヨミに痛覚があったら情報処理で脳がとんでもないことになっているはずだ。

 

 

そんな中、月人を捌く僕の前に一見マスコットのような見た目をしてる月人が立ち塞がる。

 

「ЫШЩЯХФ」

 

相変わらず人間の身体では何を言ってるのかはさっぱりな言語。だがその雰囲気が、長年呪術師として第1線を張ってきた現代最強の勘に警鐘を鳴らした。

 

(この感じ、やっぱりただの従者的なやつじゃないよな)

 

その予想は的中し、その月人はまさに大将と言わんばかりの巨体と2本の大剣を携えた風貌へと変化した。

 

 

 

───仮に月人が現実に干渉してきたのであれば負けないのに。などというのは、強者からすれば言い訳にしかならない。

 

 

五条悟は違った。

電子で構成された世界、仮想空間ツクヨミという現実では敵がほとんどいない彼にとっては不利にしか働かない場。

実際状況は良くない。

召喚された月人の軍勢、無下限を破るその物量に加え、大将格が前線に出てきた。

 

しかし、彼は余裕の笑みを未だに崩さない。

 

「仕事だっけ?連れ戻しに来たところ悪いけど、僕も仕事はラクしたい派だし………何より若人にかっこ悪いところを見せる訳にはいかないんでね」

 

(きっと彩葉が居たら『あんた同い年でしょ、?』とか言うんだろうけど)

 

若人の青春(大切なもの)を守るために、二度と悲劇()を与えないために

 

 




あとがき
プロローグなので先を書きすぎないようにしましたが、何文字くらいが読者様からしてちょうどいいのでしょうか、?

月人全員ワンパン〜や、逆に五条悟の評価を下げる書き方もしないために設定を試行錯誤すぎましたし。
前者に関しては、五条悟はそれくらいがいいのかもとも思いましたが、今回はバランスを取ったということで。(プロローグなので設定も基盤的なところだけで全部は出してません)

自分はストック作ったりしないタイプなので今日中に出す1話(実質2話目以降)は数日に1度(書いて確認してその場投稿)でやろうと思ってます。

感想いただけると嬉しいです!(設定の抜けがあった場合は見逃してください…)
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