あーあ、俺死ぬんだ。
冴えない人生だったなぁ……顔も地味、特に才能もなし…しかも突然信号無視のトラックに撥ねられるとかどんな不運だよ、フザケンナ。
せめて来世では可愛い女の子に生まれたいなあ。
「……少女を発見!意識不明です!急いで救急車を!」
……ん?なんか聞こえるな。少女?まさか俺以外にも轢かれた子がいたのか?
目を開けると、雨がざあざあ降りだった。しかも体のあちこちが痛い。まぁ撥ねられたんだから当たり前だよな。……ん?てか俺生きてる?
「ああ、目を覚ました!大丈夫か!?」
「ぇ……」
「無理しちゃダメだ、すぐに救急車が来る!」
警察官が俺を抱きかかえる。あれ、何か違和感。俺の体って、こんな軽かったっけ。というかまるで子供の体みたいな……
「到着しました、患者は!?」
「この子だ、急いでくれ!」
救急車が到着して、俺を担架に乗せて運ぶ。その姿が、近くの建物の窓に映る。そこにいたのは……
……BWの女主人公・トウコちゃんをまんまロリにした姿だった。
「……はい?」
そこでまた、俺の意識は途絶えた。何回目だよ。
「よかった、検査でも問題なしだって」
「……ありがとうございます」
俺が再び目を覚ますと、そこは病院だった。ただし以前と致命的に違う点がひとつ。それはポケモンが存在しているということだ。タブンネやラッキー、イエッサンまでいる。そして俺の今のルックス。
間違いない、ここはポケモン世界だ。
だって病室のテレビではアイドルポケモンとしてピッピたちがダンスしているし、なんなら今目の前にいる警察官もモンスターボールを腰にぶら下げている。なんてこった、ポケモン世界に転生するとは!!
正直素直に喜べない。だってあれはゲームだからレベル上げとかバトルがトントン進んでいた訳で、ここは現実だ。ポケモンには意思があるから、言うことを聞かないことだってあるしそもそも育てるのも大変だ。……って本に書いてある。
「きみは…トウコちゃんと言ったね。申し訳ないけど、きみのお母さんやお父さんは見つからなかったんだ。本当にごめん!」
「謝らないでください…わたしも正直なんで自分がここにいるのか分かってないんです」
「そうか…きみは随分大人びてるんだな」
まあ実際享年21だからな。今のトウコちゃんが4歳くらいって言われたから……え、俺実質アラサー?うん、考えないことにしよう。
「その、それで……いきなりこんなことを言われて困ると思うんだけど、いいかな?」
「? はい、なんですか?」
「きみさえ良ければ…うちの子にならないかい?」
「ブッフォ!!」
あまりの衝撃発言に、俺は飲んでいたモモンのみジュースを吹き出した。警察官さんのせいです、あーあ。
「ご、ごめん!困るよね、ごめんね!」
「大丈夫、です……でもなんで?」
「実は……うちには1人息子がいるんだけどね、本当は双子で生まれるはずだったんだ」
「……はず?」
「ああ。もう1人は性別もわからないうちに亡くなってしまって……それを妻はひどく悲しんでいてね。きみは息子にそっくりだから、驚いてしまって。もしかしたら亡くなったあの子の生まれ変わりかもって、俺たちは思ったんだ」
「なるほど…」
「もちろん、急ぐ必要はない。嫌だったら、断ってくれていいからね」
「いや…お願いします!」
俺は即答した。いくらなんでも転生直後のロリが天涯孤独は勘弁だ。それに今日までこの警察官さんは毎日俺の様子を見に来てくれて、おもちゃや絵本を差し入れしてくれていた。もちろんさっきの理由もあるんだろうが、あの優しさを無下にしたくない。
「そうか……分かった、ありがとう!きっと妻も喜ぶよ!」
「はい!それで、息子さんって……」
「ああ、この子だよ。」
そう言って、警察官さんは写真を取り出す。うんうん、仲睦まじい3人家族の写真だね。警察官さん、それからBW主人公のママ、そして……
「ゲホ!ゲッホゴホ!!」
「ああ、また喉に詰まったかな!?」
この息子……なるほど、俺(というかトウコちゃん)にそっくりな訳だよ。だって……
BWの男主人公・トウヤくんだものね!!
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