俺たちは少し歩いてサンヨウシティへとたどり着いた。基本はゲーム通りなんだけど…サンヨウジムがすっごいでかい!!やっぱりレストランも併設してるからこれぐらいはなきゃ違和感あるよなあ。
「やあトウコ、それにトウヤも」
「チェレン!」
「あたしもいるよお!えへへ、みんな大集合だねえ!」
「2人はどう?なんかあった?」
「えっへへ、あたしはヨーテリーを捕まえたんだあ!すっごく可愛いんだよお!」
「僕はチョロネコを。そういう2人は?」
「…ぼくはまだ捕まえてない。ひとまずミジュマルを鍛えたけど」
「そうなのか…でもサンヨウジムに挑むなら他のポケモンを捕まえたほうがいいと思うけど」
「あーそっか、サンヨウジムは…」
「あたし知ってる!確か最初に選んだポケモンのタイプで相手が決まるんだよねえ!」
「おっ、ベルよく知ってるじゃん。えらいえらい」
「えへへ〜、チェレンがよく勉強してたから、あたしも覚えちゃったあ。」
そう、あの癖のあるイケメン3つ子で有名なサンヨウジムだ。ただのイケメンを出さないところにゲーフリのこだわりを感じるが…ぶっちゃけトラウマなんだよなあ。俺もリアルタイムでプレイしたときは何回負けたか。意地になってチャオブー単騎で突破しようとしたけどみずでっぽう急所に当てられて心折れた。んで結局控えのヨーテリーを育成したんだよな。いやあ懐かしい。
「あれ?それじゃあトウコは誰と戦うことになるのかなあ?」
「あ、確かに。あたし最初の3匹から選んでないもんな…」
「その時は相棒のポケモンのタイプで決まると書いてるよ、ヒヒダルマだから…みず担当のコーンさんと戦うことになるね」
「まじか、さすがチェレン」
「ご安心を。たとえみずタイプ相手であろうと私は負けませんよ」
「そうは言うけどなあ。お前うちに来てからまともにバトルしてないじゃん」
「相手になるポケモンもトレーナーもいなかったもので……ですがブランクはご心配なく!私はいつだって全盛期ですので!」
「あっそ?ならいいけど。」
まあ何であれジムバッジは欲しいよなあ。秘伝技ってまだあるんだろうか…あと単純に生でジムバッジを拝みたい。
サンヨウジム
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
「あ、えっと1人で……ジムリーダーに挑戦しに来ました!」
「そうでしたか……それではこちらにお名前を」
「はい、あと1個言わないといけないことが…」
「はい、なんでしょう?」
「うちのヒヒダルマ……レベル55なんですけど」
「………はい?」
ウェイトレスさんは笑顔のまま固まってしまった。すいませんねほんと。それから少しして、デントさんがやってきた。うわあ、生で見るとちゃんとイケメンだなあ…この顔から宮野ボイスが出るのか、恐ろしや。
「お話は聞かせてもらいました、そちらのヒヒダルマ…本当にレベル55なんですか?」
「はい、ポケモンセンターで見てもらったんで間違いないです」
「そうですか…すみません、うちは初心者用のジムで通っていますのでこういった事態が珍しくて…」
「ですよね、ほんとすみません」
「いえいえ、謝られることではないので!あの…お嬢さんさえよければ、本気でお相手をしても?」
「ええと、本気って…」
「普段僕たちジムリーダーはチャレンジャー用に調整されたポケモンを使いますが…それほどのレベルのポケモン相手ならば、本気の手持ちを使ってもよいでしょう!本気のコーンがお相手いたしますよ!」
「ええ、それって大丈夫なんですか!?」
「はい、こういう事例はレアですがあるので……ポケモンリーグからも正式に認可されています」
マジか、ポケモンリーグすげえ。やっぱ他の地方でジムバッジ集め終えた人が来たりすんのかね。
「うーん、でもあたしはトレーナーとしてまだ未熟だし…」
「そうですか、では中級の難易度でも…」
「いえ、本気でお願いします」
「ヒヒダルマ!?」
「え、今喋っ……えっ!?」
「失礼、私はかなりの場数を踏んでいます。たとえトウコさんが未熟であっても私の手で勝利を掴めるでしょう。アピールをしたいのです私は!」
「そうか……ならあたしは全力でお前のサポートをするよ」
「そういうわけですので…よろしいでしょうか?」
「あっ……はい、分かりました…」
こうして本気のコーンさんとの戦いがセッティングされることになった。特例だから前座のバトルはなしでOK。観客席には本気バトルということで大勢の観客がいる。あといつの間にか幼馴染たちもいる。
「トウコー、ヒヒダルマー、頑張れえ!」
「大丈夫なのかな、いくらヒヒダルマが強くてもトウコが勝てるかは…」
「……トウコ、大丈夫かな……」
やがてカーテンの奥からコーンさんが現れて、華麗なお辞儀をしてくれた。
「やあ、まさか本気のバトルをすることになるとは……ぼくがコーンです、お見知り置きを」
「…トウコです、こっちがヒヒダルマ」
「ごおお!」
なお、流石に目立つのでヒヒダルマは普通の演技をしている。何か言いたいことがあったら脳内にテレパシーで声をかけてくる仕組みだ。エスパーってすごいね。
『両者位置について……バトル、スタート!!』
「行ってください、ヒヤッキー!!」
「行け、ヒヒダルマ!」
お相手は……流石にヒヤッキーか。ちなみにレベルは40後半。やっぱトレーナーでもそれぐらいが限界なのか。それにサンヨウトリニティはダークトリニティに負ける設定だからちょっと弱めになってるのかも?
(さーて…どうするよ?ヒヒダルマ。流石に炎技は使えないだろ?)
(ふっ……ご安心を。頭を使うのですよ、トウコさん)
(頭を使う……?やっぱり戦略が)
「ごおっ!!」
『おぉーっと、ヒヒダルマのずつき!!これは痛いぞ!!』
頭突きじゃねぇーーか!!頭を使うって物理かよ!!でも効いてるからいいのかな……?まあいっか、ずつきが使えるならそれはそれでよし!!
「やりますね……ヒヤッキー、ねっとう!」
「避けて、ヒヒダルマ!!」
「とうっ!」
『おおっと華麗な身のこなし!このヒヒダルマ、なかなか強いぞ!?』
「ヒヒダルマ、ヒヤッキーの頭をつかめ!!」
「な……!!」
「そのままずつき!!」
ごきゃっ!!
『これは!!頭突きが1番効くようにトレーナーが指示を出した!!ヒヤッキー、ダウンだ!!』
ふっふっふ…俺はヤンキー漫画を読んでたから詳しいんだ、頭突きは相手の頭を押さえて動けないようにしてから放つほうが効く!!
「これは…人間の喧嘩のようなやり口ですが、なかなかに威力が高かったようですね…いいでしょう、ブルンゲル!!」
(うげ、ブルンゲルじゃん…ノーマルわざもかくとうわざも効かんぞ、どうするんだ?)
(ふっ、それならば……ここは“耐え”ですよ!!)
(は?耐え?お前攻撃耐えれんの?)
(ブルンゲルはそこまで特攻が高くありません。私ならば耐えられます!)
(信じるからな!!)
「ブルンゲル、なみのり!!」
『大きな波がフィールドを覆う!!これはひとたまりもないかーー!?』
「ごぅ……」
「耐えた!」
「ごおおっ!!」
『これは!!後攻であれば威力が2倍になる“しっぺがえし”だ!!まさかわざと後攻になったと言うのかーー!?』
「なんということだ…あっという間に最後の1匹になってしまった……行きましょう、シャワーズ!!」
さあ、いよいよ最後の1匹……シャワーズは素早いし、何よりさっきのなみのりでダメージも受けてる……早めに決めないとな!!
(悪いがヒヒダルマ、速攻で決めるぞ!)
(ええ、お任せしますとも!)
「シャワーズ、ハイドロポンプ!」
「ヒヒダルマ……そのままとっしん!!」
「なっ……」
ハイドロポンプはそのまま受ければ確かに威力100超えのやばい技だ。だがとっしんしながら進んでいけば威力は殺せる…はず!!ヒヒダルマならそれができる!!
「そして掴んで……“ずつき”だぁ!!」
ごきゃっ
『シャワーズ戦闘不能!よって勝者…チャレンジャー・トウコ!!』
「よっしゃあ!!やったぜヒヒダルマー!!」
「ごお!」
(ふふ、トウコさんのボディを合法的に味わえる…やはり勝利は格別ですね!)
(お前あとで覚えてろよ)
「いやはや…お見それしました、本気の僕が負けてしまうとは。まだまだ精進しなければいけませんね……勝利の証、トライバッジをどうぞ」
「やった……トライバッジ、ゲットだぜ!!」
「それから、技マシンもどうぞ。こちらでさらにヒヒダルマが強くなりますよ」
「ありがとうございます!」
こうして俺とヒヒダルマはサンヨウジム…コーンさんに勝利して、トライバッジをゲットしたのでした。
「トウコ、ヒヒダルマ、お疲れ様!すごかったねえ!」
「えへへ、ほとんどヒヒダルマのおかげだけど…」
「そんなことはございません、トウコさんの指示は的確でした」
「ああ、僕もそう思う。ハイドロポンプを正面から打ち破る…なかなかできない判断だよ」
「…トウコ、すごかったね。ぼくももっと強くならなきゃ」
「えへへ……ヒヒダルマ、ありがと!」
「トウコさん…こちらこそ、私に勝利をありがとうございました」
それから、3人が同時にサンヨウジムに挑戦するのを観戦して…勝利するのを見守りながら、俺はピカピカのトライバッジをケースに仕舞った。
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