トウコにTS転生した俺と変態ヒヒダルマ   作:三笠みくら

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喋るだけで面白いってバグだろ


ヒヒダルマの自己紹介

 

 

「初めまして。ヒヒダルマです」

 

「……は、初めまして……」

 

「無理しなくっていいんだぞ、ベル」

 

 

俺がヒヒダルマをゲットしたという情報はあっという間にベルやチェレンにも伝わって、2人とも家にヒヒダルマを見に来た。まあ流石に喋るとは思わなかったみたいで最初はめっちゃ驚いてたけど。

 

 

「すごい…本当に喋ってる、着ぐるみとかじゃないよね?」

 

「もちろん!私は正真正銘のヒヒダルマですよ!」

 

「うわあ……なんか映画みたいだねえ」

 

「…………」

 

 

ちなみにトウヤくんは喋るヒヒダルマが怖いのか、ずっと俺の後ろに隠れている。まあ無理もない。あの顔で流暢に人語を話されても怖いだけだ。つーかベルとチェレンの適応力がすげーんだわ。

 

 

「ねえねえ、ヒヒダルマさんはどうしてトウコのポケモンになったのお?」

 

「はい、それはですね!未来予知で成長したトウコさんと一緒に旅する未来を視たからでございます!」

 

「未来予知!?すごおい、そんなのもできるんだ!」

 

「トウコと一緒に旅を?それってどんな?」

 

「ふむう、私も断片的にしか視れていないのでアレですが……要はイッシュを冒険する、アレです」

 

「ほんとお!?すごおい、トウコ、冒険するんだ!」

 

「まだ決まったわけじゃないけど……まあ、憧れではあるよな」

 

 

実際俺はイッシュの冒険……BWが大好きだ。俺の中での最高傑作に鎮座している。ただ不安なこともあるんだよな、経験値振りとか。あの頃はまだ経験値が全体に行き渡る仕様じゃなかったからタブンネ狩りが横行していた。流石にリアルでタブンネ狩りはしたくないぞ。

 

 

「いいなぁ、あたしも旅したい……」

 

「ベルは無理だよ、怖がりだし、ベルのお父さんもすっごく過保護だし……」

 

「でもでも!あたしだってポケモンと一緒なら……」

 

「いやあ、目の前のこいつを比較対象にしちゃいかんよ」

 

「うぅ……」

 

 

だってヒヒダルマだぜ?BW屈指のパワーゴリラだぜ?ちからずくで放たれるフレアドライブの威力たるや。俺も旅パに入れていたから分かる、進化してからの頼もしさと恐ろしさを。

 

 

「まあ僕は旅に出るけどね。イッシュで最強のトレーナーになるんだ」

 

「最強になってどうするの?」

 

「え?最強になることが僕の目標だよ」

 

 

うーん、この危うさよな。チェレンくんってその辺どうなんだろう、なんで強さにこだわるようになったとかの描写ってゲームだとないからなぁ。なんか分かったりするんだろうか。

 

 

「…ぼくは、トウコと一緒がいい。トウコが旅に出るなら、ぼくも行く」

 

「も〜、トウヤったら!かわいいやつめ!!」

 

「えへへ、トウコやめてよ……」

 

 

それから少し話して、今日のところはお開きになった。ちなみに晩御飯の時間もヒヒダルマは我が家に馴染んでいた。皿洗いをするヒヒダルマの姿はシュールすぎて笑えた。

 

 

「おやトウコさん、まだ起きていらしたのですか」

 

「トウヤくんがすぐ寝ちゃってさ。喉乾いたから」

 

「そうでしたか、お水をどうぞ」

 

「ありがと」

 

「そういえば……トウコさんは家族なのにトウヤさんのことをくん付けで呼ぶのですね」

 

「え?まぁ、俺は本当の家族じゃないし……」

 

「それはいけません。トウヤさんはとても貴女になついている。そうやって突き放すのは良くないですよ」

 

「そうだよなぁ……でもなぁ〜〜」

 

 

一応俺って中身21歳の冴えない青年なわけで。全力で子供のふりをしてはいるが、やっぱり無理なもんは無理で。流石に心の底から子供になることはできんのだよ。

 

 

「……トウコさん、貴女何か隠していませんか?」

 

「げふっ!!な、何を……」

 

「子供にしてはやたらと落ち着いた人格、そして豊富な語彙……まるで大人が中に入っているようだ」

 

「……そうか、やっぱ気づくよな」

 

 

ヒヒダルマ相手に隠しても仕方ないか。観念して俺は、ヒヒダルマにTS転生の事実を打ち明けることにした。

 

 

「なんと、そんなことが……」

 

「悪いな、純粋な子供じゃなくて。おまけに中身も男だし……」

 

「いえ、むしろ興奮します!幼女の人生を歩むのはどんな気分ですか?もしやベルさんと一緒にお風呂に入ったりしたことも?ああ、素晴らしい!!」

 

「死ね!!」

 

「あぁっ!!」

 

 

結局今日もまた、俺はヒヒダルマに飛び蹴りをかますことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ゲーチスさま、残念ですがあのヒヒダルマは見つかりませんでした」

 

「そうですか……あのヒヒダルマは優秀でしたから。プラズマ団の監視を掻い潜るのは容易だったのかもしれませんね」

 

「どうなさいますか?」

 

「引き続き捜索を。あれ程強力なヒヒダルマなら、我らが王の手持ちポケモンに相応しい」

 

「畏まりました」

 

 




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