[悲報]虎杖成り代わり、縄文時代に立つ[言葉が分からん] 作:夕暮れの家
「店長、何読んでるんですか?」
そんな声が聞こえてきた方向に目を向けると、ソファに座って何かを読んでいる悠仁の後ろから肩越しにのぞき込むようにして同じものを読もうとしている彩葉の姿が目に入った。
彩葉と悠仁では本を読む速度がかなり違う。悠仁はゆっくり楽しみたいから、と時間をかけて読むのに対して彩葉はもう、本当に人間なのか疑いたくなるくらいの速度でどんどん進む。だから、全然テンポが合わないはずなのに。彩葉はゆっくりとページがめくられるのを機嫌良さそうに待っている。
「…どう思う?」
「ずるい」
いつのまにか隣に来ていたヤチヨの方に目を向けることなく尋ねると、とてもシンプルな3文字の返答がすぐさま投げ返される。そういう事を聞いてるんじゃないんだけど。
「ちなみに、それはどっちが?」
「どっちも!」
あぁ、一文字増えたな、何て阿呆なことを考えながらお昼ご飯を作る手を止めないでいると、ヤチヨは台所の隅で体育座りをしながらいじけ始めてしまった。
「彩葉はずっと悠仁と一緒に居るから悠仁が構ってくれないし」
「悠仁はずっとあの彩葉のこと独り占めしてるし」
二人ともずるい、とついには指で床に“の”のじを書き始めてしまったヤチヨに呆れた目を向ける。でも、私も心の中では同意である。何か悔しいから顔に出したりはしないけど。
でも、ずるいものはずるい。高校生の時のようにあの時よりも短くなった髪の毛を後ろ手ひとまとめにして。「店長、店長」とひな鳥のようにずぅっと悠仁の後をついて回る彩葉のとてもかわいい姿が見れた、ということを差し引いたとしてもずるいものはずるい。
「でもさー」
見てよあれ、と分かりやすくいじけて見せているヤチヨの肩を叩く。指差した先には、悠仁と二言三言何か話した後に、へにゃりと力の抜けた笑みを見せる彩葉の姿があった。
「彩葉さ、高校の時はあんな笑い方しなかったじゃん」
安心しきった笑みだ。色々重すぎる覚悟を決めた後の彩葉は、かっこよく笑うことの方が多かったから。あんな表情はほとんど見せなくなっていた。
でも、悠仁と居たらずっとだ。ずっとあの感じだ。
「もうちょっとだけ、好きにさせてあげようよ」
「…そうだねぇ」
ヤチヨが目を細めてその情景を見つめる。
「どのくらいの頃の彩葉だって言ってたっけ」
「卒業式終わったばっかりだって」
「そっか。だからかぁ…」
もう一度膝を抱えていじけだしてしまう。きっと今度はヤチヨから彩葉に近づくと挙動不審になられて挙句の果てに悠仁の後ろに隠れられてしまったことを思い出して勝手にダメージを負ったのだろう。彩葉は、面と向かってヤチヨと目を合わせて話せるようになるまで結構かかったからね…。
ヤチヨも、当時はあんまり気にしていない様子で何なら彩葉をからかってたりしてたけど、改めてやられるとちょっと来るものがあったようで。
哀れ、と雑に手を合わせてから火に掛けたままだった鍋の前に戻ることにした。
★
変な感じだ。自分の部屋も、このマンションの窓から見える景色も、自分の記憶の中のそれとほとんど変わりはしないのに。探せば家のどこかにいつも店長とヤチヨがいる。
最初は、本当に飛び上がらんばかりに驚いたけど。だって私に都合の良い夢だとばかり思っていたから。でも、夢なら一度寝て目が覚めた後も続いているのはおかしいから。きっとこれは現実なのだろう。
呼びかけたら、返事をしてくれる。恐る恐る触れてみると暖かくて、消えたりなんかしない。ヤチヨも、店長も。二人とも確かにそこにいた。
というか、店長は当たり前のように同じ家に住んでいるけど、何がどうしてそうなったんだ。もしかして私が提案したのか。凄いな私。
「店長、店長」
「ん?」
声をかけると、手に持っている文庫本に落とされていた視線が私の方に向けられる。何か記憶よりも気安いな、とか。八月以外にいる店長って新鮮だな、とか。もう少しだけ近くによって座ってもばれないかな、とか。
ごちゃごちゃ色んな事を考えながら、さっきから店長の読書の邪魔ばかりしている。そのままじっと視線をそらさずにいると、首を傾げた店長が手にもっていた本を横に置いた。
「彩葉、どうしたんだ?」
あぁ、こうだったなぁと耳を打つ声に、胸が熱くなってしまう。たくさん名前呼んでくれるな、何て。こんなの。こんなの、一年半程前までは日常だったはずなのに。
「店長、わたし」
今はどうして
「私、東大に首席で受かったんですよ」
どうしてこんなに、手放し難いんだろう。口に出しておいて、その続きを言うことが出来ずに視線が下がってしまう。そもそも店長からしたらとっくに知っている事だろうに。何を言っているんだ、私は。
「凄いな、よく頑張ったなぁ」
言葉と共に伸ばされた大きな手が私の頭をかいぐりかいぐり撫でる。小さな子供のような扱い。まだアルバイトをしていた頃の私だったら、きっと多少の不満を見せたかもしれない。
でも、今は。今の私には、一番欲しい言葉だった。
「…はぃ、頑張ったんです」
まだまだスタートラインに立った程度。「そないなところで満足して足掬われんようにな」と言ってこちらに振り返る母の姿が脳裏によぎる。
別に、今更その言葉で傷ついただなんていうつもりはないし。合格が決まった時には皆して盛大にお祝いをしてくれたから。誰にも褒められなかったわけでも、認められなかったわけでもない。
でも、それでも。私はこの人に一番に褒めてもらいたかったんだ。1年にも満たない短い時間だったけど、ずっと私のことをちゃんと見ていてくれた、この人に。
下を向いていてよかった。こんなにも緩んだ口元を見られずに済むから。
「お母さんとも、ちゃんと話せました」
「仲直りじゃないですけど、面と向かって自分のやりたいことを貫けました」
「うん」
「八月だって、店長がいつ帰ってきてもいいように、綺麗にしてます」
「うん」
「ちゃんと、人に頼れるようになりました」
「うん」
「もう、目の下に隈作って店長に心配かけたり、しませんよ?」
あぁ、どうしてだろう。店長にあったら話したいことが沢山あったはずなのに。共有したい時間が山ほどあったはずなのに。口から出てくるのは、どうでもいい自分の話ばかり。
とりとめのないことをぽつぽつと私が話して、それに店長が静かに相槌を打つ。そんなことをそれからも何回か繰り返して。
「あと、えっと」
私の口がようやく止まった時。顔を上げた私と店長の目があった。
「自慢の看板娘だよ」
俺も鼻が高いな、と店長が笑う。店長から初めて聞いた言葉に、ほんの少し目頭が熱くなってしまった。
「…ほんまに、そう思てくれてたんですね」
人づてにしか聞いたことの無かった言葉だ。別に疑っていたわけではないけれど。
「もっと。…もっと早く言ってくださいよ」
もっと早く、面と向かって聞きたかったですよ。ぽかり、と緩く握った手で店長の腕を叩く。あの場所が私の場所でもあった内に。もっと早く聞きたかった。
私だって、言いたかったのに。口を開こうとして、変に気恥ずかしくて口ごもる。店長は簡単に言ってのけるのに。店長と店員、なんて薄いにも程がある関係が一つ無くなっただけで一歩踏み出すのは、なんでこんなに難しくなってしまうのだろう。
「店長は、あほや」
「すぐに売りもんおまけしてまうし、割引するし」
それを見てた私がどれだけ心配してたか分かってるんですか。いつも曖昧にごまかすばっかりで。
「そのくせお礼や言う親御さんたちからは、何も受け取らんし」
皆、店長が受け取らないからって私に色んなものを渡してくれて。私は、何もできていないのに。
「ようとんちきなこと言うし」
「隠し事ばっかりやし」
年齢も、誕生日も。店長は私のことはちゃんと知ってるくせに。忘れずにちゃんと祝ってくれたくせに。自分の事は何も言わないで。結局、全部全部私だけもらってばかりで。
「私のこと、色んな人に自慢するし」
店長がいなくなってから色んな人に店長が私のことをこういってた、あぁやって褒めてたよという話を山ほど聞かされて。とても嬉しかった。嬉しかったけど、それ以上に寂しかったですよ。
「私には頼れっていうくせに、自分は一人で全部抱え込んで」
どんどんと全く言おうと思っていなかった言葉が零れ落ちてくる。店長にこんなこと言ったの初めてだな。嫌われたくなかったし、只の店長と従業員だったし。でも、きっとこれも、私の本心。
店長、知らないですよね。私がどれだけあなたに感謝してるか。
店長、私寂しかったし、悲しかったんですよ。店長は私に頼ってくれて嬉しかったって言ってくれたじゃないですか。私だって、店長に頼られたら嬉しいです。頼られなかったら悲しいです。そういうものだって、言ってたじゃないですか。
もっと、なんでも言ってくださいよ。いつもみたいに八月の扉を開けたらそこに座っててくださいよ。なんで勝手にいなくなるんですか。私たちの為だってことは考えれば考えるほど分かったけど。私は、店長がいないと寂しいですよ。
「でも」
「店長は、ずっと私の自慢ですよ」
小さい子にすぐ好かれるところ、皆に頼られてるところ。人を助けるために少しも迷わず動けるところ。泣いてる人を見たら、放っておけないところ。店長の周りに集まった人は、大人も、子供も。皆笑ってるところ。他にも、たくさん。
全部全部、私には出来ない。自慢に思っていた。外で店長のことを褒められる度に、まるで自分の事のように誇らしく思っていた。そうだ、と。店長はすごいんだって。
「やっと、言えました。」
怖がらせるから、何て言ってフードで顔を隠そうとしてたけど、誰も怖がってなんてなかった。いつもいつも鋭い癖に、自分の事になるとなんでそんなに評価が低くなるんですか。
「…あほ」
もう一度、今度は先ほどよりも強めに店長の腕を叩く。今までよけられた記憶しかないのに、今日に限って店長は全く避けるそぶりも見せない。
後悔していた。あなたに贈りたい言葉は、沢山、沢山胸の内に溢れてしまうほどに溜まっているのに。時間がたてばたつほどにどんどん増えていくのに。照れ臭いだなんて幼稚な理由で伝えることが出来なかったことを。
ずっとずっと、後悔していた。言葉にして伝えられていなかったのは、私の方だった。
「そうか」
店長が目を見開いて、同じか、と小さく呟く。
「嬉しいなぁ、自慢か」
そのままくしゃりと笑って見せた。力が抜けたのか、肩が少し下に落ちて。前かがみになった店長と、私の顔がほんの少し近くなる。
「ありがとう彩葉、嬉しいよ」
初めて見る笑い方だな、だったり。こんなに喜んでくれるならやっぱりもっと言うべきだったな、だったり。頭の中で色々考えて。それでも、隠すように口元に手をあてた店長と目が合うと、言うべき、ではなく言いたい言葉が溢れ出してしまう。
「ありがとうございます、店長」
「支えてくれて、見守ってくれて。沢山、たくさん」
ありがとう、ともう一度繰り返す。本当はもっと言葉を尽くして私の感謝を伝えたいのに。店長は知るはずがないんだ。だって、私が言えてなかったんだから。もっともっと、私があなたに思ってることを伝えたいのに。出てくるのはありきたりな言葉ばかり。
「あなたのお陰で、元気に生きてます」
自慢しても、いいんですよ?そう呟くと、顔の見えない店長が顔を上げて大声で笑った。これも、初めて見るな。
「そうか、そうかぁ!」
「わっ」
そのままの勢いで、背中と膝裏に手を入れられてぐるぐると回される。ようやく止まったところで初めて自分の体制を理解して、驚きに体がかたまってしまった。
「ご褒美がなきゃなぁ、何がいい?」
「ご褒美ですか?」
話したいことも、一緒にやりたいこともたくさんある。急に言われると悩むな、と一瞬考えて。やっぱりこれかな、と頭の中から選択肢を一つ拾い上げた。
「夏祭り、行きたいです」
「みんな一緒に」
「うん、行こうか」
あの夏の日、かぐやと二人で行った夏祭り。私がちゃんと店長と話せていたら。あの電話に出ていたら。もしかしたら3人で行けていたかもしれないあの日。ずっと後悔している。あそこで、店長も来ていたら、全く違う未来があったのではないか。
何度も何度も考えて、そんな仮定に意味はないと分かってるはずなのに。考えずにはいられなくて。もし
、もし。あの時私が間違えなければ店長は今も居てくれたんじゃないかって。ずっと考えていた。
「ヤチヨも、かぐやも。一緒に行ってくれる?」
★
「つぎあれーっ」
「おー!」
テンション高く次の獲物と定めた屋台を指差して突撃していくかぐやに、同じくテンションの高いヤチヨが続く。ヤチヨは普段落ちついているように見えるけど、こうしてみるとやっぱりかぐやだ。燥いでいるときの何をしでかすか分からない無軌道さが本当にそのもの。
「それ以上買ったら後で苦労するよー?」
「悠仁がいるから大丈夫!」
「店長の両手はもう一杯なんですが」
そう言いながら、隣を歩く店長に目を向ける。普通なら文句の一つや二つ言いたくなるほどの量の戦利品やら食べ物やらを両手に抱えて持った店長は、こちらの意図を察したのか私と目を合わせて。まだいけるが?みたいな顔をしている。何故なのか。
かぐやに甘いのは、全然変わりませんね。
「よっ」
「えぇ…」
果ては、両手が一杯なのが悪いのならとでも言いたげに片手に全ての荷物を集約してもう片方の手をフリーにして見せた。もはやそれは曲芸の域なんですが。それに、店長の身体はわたしは作った人工のもののはず。それなのになんでこんな常識外れの出力をしているんだろう。人類の技術は進歩しすぎでは?
「よーし勝負っ」
「勝った方が今日のデザート2倍ね」
「え゛?」
金魚すくいの屋台の前に座り込んだかぐやとヤチヨが二人とも器用にひょいひょいと金魚を掬っていくものだから店主らしきおじさんの笑顔が先ほどからひきつりはじめてしまっている。可哀そうだからやめてあげて下さい。
「そんなに取ってどうするの?それに持てないでしょ」
「…でも悠仁が」
「これ以上店長に頼ってはいけません」
「えーっ⁉」
なんだかんだ頼まれたら店長は二つ返事で受けてしまうだろうから、その前に止めなければと大量の金魚がウチの住人になることを阻止。二人とも結局一匹ずつを包んでもらっていた。
「彩葉、次。つぎあれ行こ!」
「行くよーッ」
「ちょっと、転ばないでよ?」
かぐやとヤチヨに手を引かれながら、次の屋台に向かって小走りで向かう。受験勉強で忙しかったから、去年は夏祭りに行けなくて。だから、最後に夏祭りに行ったのは、あのかぐやと一緒に二人で行った時のことだ。
あの時は二人だけで。それでもとても楽しかったけれど。二人ともどこか終わりのことばかりを考えていて。楽しいばかりの想い出ではなかった。かぐやも笑っていたけど、どこかその笑顔の隅には影があって。
でも、今私の傍にいるかぐやの笑みは向日葵みたいに輝いていた。良かった、私の知ってるかぐやだ。
楽しそうで、良かったな。店長がいて、ヤチヨがいて、かぐやがいて。夢のような時間の中に私はいて。みんな笑っていて。だからこそ、多分私一人だけだ。
この時間の終わりを考えてしまっているのは、私だけなんだろうな。
★
暗い夜空に光の線を引きながら小さな球が打ちあがって。消えてから幾ばくもしないうちに大輪の光の花を咲かせて見せた。でも、その美しい姿は一瞬で。直ぐに夜闇に溶けてなくなってしまう。
「きれーッ!」
「火薬の匂い…」
決して広いとは言えないレジャーシートの中で、前にかぐやとヤチヨが。後ろに私と店長が並んで座る。前のかぐやは両手を掲げて感動を表現しているし、ヤチヨは鼻をひくつかせて空気の匂いを嗅いでいる。
二人ともとても楽しそうで。私も、それを見ていると嬉しくて。目を細めていると、横から静かな声が私の耳朶を打つ。
「彩葉、考え事か?」
「…分かっちゃいますか」
一応隠してたつもりだったんだけどな、と心の中だけで嘆息して。ここで何でもないですと誤魔化してしまうのは簡単だ。店長もきっと無理に聞き出そうとはしない。
でも、それでは駄目だ。ちゃんと話さなければいけない。夢はいつか、覚めてしまうのだから。
「私、いつまでここに入れますか?」
分かっている。私は本当は此処に居るべきではないんだ。この時間は、私よりも未来の私が。努力して努力して、手を伸ばして夢を掴み取った私が過ごすべきもので。
今の私は、何も成してなどいないのにその成果だけを享受している。そんなずるがいつまでも通るわけもなくて。
もうすぐ、お別れだ。
「消えたく、ないな」
分かっている。今の私はただの一時的な記憶の混乱で偶々昔までの記憶しかもっていない“私”が出てきているだけ。元に戻れば、きっと今の私はどこにもいなくて。きれいさっぱり無かったことになる。
それが、正解。それが、正しいんだ。
でも。
「忘れたく、ないな」
やっと言えたのに。なかったことにしたく無いな。店長が笑ってくれたことも、また昔と同じように助けてくれたことも。全部忘れちゃうのかな。
「まだ、やりたいこと沢山あるのに」
最後に一回くらい、八月で店長と一緒に。あのエプロンをつけて、いつも通りの時間を過ごしたかったな。我儘かな。
「店長、忘れないでくださいね」
約束ですよ、と袖を引く。店長は、私の目をじっと見て。それから空に浮かぶ月をまっ直ぐに見上げた。雲に隠れてしまっているそれは。辛うじて雲間から見える光で場所が分かるのみ。
「めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに」
知っている、雲がくれにし夜半の月かな と続く紫式部が詠んだ有名な歌。確か、意味は。
「大丈夫、直ぐにまた会えるさ」
ほら、と指差した先には雲間から抜けて光り輝く月の姿があった。短い再会を、雲隠れしてしまう月に例えて見せたこの歌。月がまた見えた、ということは。
「忘れないよ」
未来で待ってる。そう言って差し出された店長の手を笑って握る。
もう、迷いはなかった。
★
朝、開けられた窓から吹き込む風にカーテンが揺られるのを横目で見ながらソファに座って片手に持った本を読み進める男が一人。
二階の部屋のドアが開けられる音に少し反応して顔を上げた。ぱたぱたと慌しく階段を下りてきた女性が、そんな男の前に立った。
「彩葉」
「…久しぶり、かな?」
「はい、久しぶり、です」
「夢だと思ってたんですよ、すっかり忘れてたみたいで」
「あの時ちゃんと自分の研究成果確認しておけばよかったなぁって凄い後悔してます」
「次、何がやりたいかですか?そうですねーーーー」
最終回みたいな引きになってしまいましたが続きます。とはいえ記憶喪失彩葉のお話はおしまいです。
更新頻度を下げます、とは言いましたけど流石に下がり過ぎかなと反省をしている次第です。
ですので、ストックなんて一つもありませんが決めごとをしたいと思います。1週間に一度は必ず更新することにしました。具体的には、今日と同じ金曜日に。書き終わり次第上げるか、出来なければ土曜日の18時に上げられるようにします。
出来る限り、9月の再上映が始まるまで書き続けられたらいいなと思っています。
めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに 雲がくれにし夜半の月かな
「久しぶりに再び出会ったのに、本当にあなたかどうかもわからないうちに、あわただしく帰ってしまいましたね。まるで雲に隠れてしまう夜中の月のようです。」
「めぐり」と「月」が関連して使われ、再会と月の情景を結びつけた歌です
ifの扱い
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このまま最後まで書く
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普通の後日談も交えつつ書く
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書かんでいいから後日談だけ書く