ゴジラvsモゲラ   作:サイレント・レイ

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第1話 銀の福音

――― 太平洋・マリアナ諸島近海 ―――

 

 

「…目標捕捉、目視で確認出来ました」

 

 雲量が少ない晴天のある日、太平洋のマリアナ諸島近くの空域で、米軍のF22の大編隊が自分達の制御を離れて暴走している人型の白いある物を追跡していた。

 

『…目的の物で間違いないか?』

 

「……間違いありません!

“福音”で………っ!」

 

 間も無くして、隊長が自分達が追跡しているのが、祖国アメリカがイスラエルと共同で開発したIS銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)である事を目視で確認して、司令部に報告したその直後、福音が突然反転したと思ったら光弾をF22群目掛けて多数発射した。

 

「…回避だ、全機回避しろ!

急げ!!」

 

 隊長からの指示を受けるまでもなく、各機それぞれに回避運動を始めていたが、かなりの機体が光弾群から逃れられずに飲み込まれていった。

 

「…畜生!!」

 

 自分の部下達が一瞬で、しかも脱出を許されずに撃ち落とされた光景から隊長はおもいっきり機体を殴った。

 

『…オイ、何があった!?

状況を報告しろ!?』

 

「福音にやられた!

編隊の三割がやられた!」

 

 司令部も衛星画像やレーダーで現状を把握している筈だったが、隊長からの報告に仰天しているのか、通信機越しでも分かる位に向こう側がパニックを起こしているのが聞こえ感じ取れた。

 更に嫌な事に、福音はF22を多数落としたのを確認して、嘲笑うかの様に機体を揺らしたら、自分達に向って翔んで来た。

 

「…福音がこっちに向って来た!

此より、あのブリキに攻撃を開始する!」

 

『……了解した!! 撃墜を許可する!』

 

 彼等が乗り込んでいる世界最強の戦闘機F22と同等以上に国税を注ぎ込んだ福音への撃墜指令を出す事に、司令部から未だに未練が感じられたが、そうしないと彼等が生き残れないと判断して渋々許可が下りた。

 

「全機突撃!! あのブリキを叩き落とすぞ!」

 

 隊長の指示に全員が「了解!」と一斉に返事をして攻撃が開始された。

 福音に距離を取られたらどうなるかを、たった今知った彼等は必死に福音に食らい着いていたが…

 

『何だコイツ! 速い、速過ぎる!!………うわぁ!』

 

『に、逃げ切れn…』

 

…福音は四方八方から機銃掃射を仕掛けるF22群を、巧みに躱しながら次々に撃ち落としていた。

 中には空対空ミサイルを放つ機体もいたが、福音にビームライフルで迎撃されるのはまだ良い方で、F22に接触するとミサイルが来た直後に離脱してそのF35を身代わりにして、味を方誤射して呆然としていたミサイルの発射主を撃墜していた。

 そんな悲惨なF22群とは違って福音はかすり傷一つ無い全くの無傷であった。

 否、稀に直撃しそうなのがあったが、それ等は全て福音の…IS全機に装備された『絶対防御』に悉く防がれていた。

 

「…畜生ぉぉーー!!」

 

「う、うわぁぁーー!!!」

 

 そのせいか、F22の中に発狂して福音に体当たりを仕掛ける者や、怖じ気づいて悲鳴を上げて逃げ出す者達が出始めていたが、福音はそんな者達を容赦無く撃墜していった。

 

「…俺の部下が……俺の部下達が!!」

 

 最早、戦闘ではなく一方的な虐殺と化している此の光景……かつて此の空の下で彼等の偉大な先人達が旧日本軍に七面鳥落し(ターキーシュート)と呼ばれる完勝をやったマリアナ沖海戦を思い浮かばせる光景に、隊長が怒りと悔しさが混じった状態で戦いながら見ていた。

 しかも相手は自分達の祖国が生み出したIS第三世代型の最新最強(第四世代型の超最新機“紅椿”がほぼ同時に完成していたので、実は微妙)のISとの理不尽なのだから尚更であった。

 だが空戦で厳禁の物思いに耽ってしまった隊長に、突然前方から影が差し込み…そこに目線を向けると機首に福音が立っていた。

 

「…神よ……こんな…こんな理不尽があって良いのですか!?」

 

 ビームサーベルを展開して振り上げる福音に隊長は世界を変えた白騎士に重なって見えていた。

 その直後、福音は隊長諸共機体を斬り捨て、F22が全て墜ちたのを確認にして移動を再開した。

 此の出来事はまるで男卑女尊の此の世を表すかの様な理不尽な光景であった。

 だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 鬼岩島 ―――

 

 

 日本に向けて飛行していた福音だったが、その途上で無人の島・鬼岩島の近海が沸き立ちながら点滅し、しかもそれ等が移動しているのを確認して空中で停止した。

 

 暫くすると、巨大な咆哮が二種類も時間差を置いて響いたら、それ等の主である白い烏賊型の怪獣が鬼岩島に向って航行し、烏賊型を黒い恐竜型の怪獣が背鰭と時折尻尾を海面から突出して追い掛けていた。

 

 先に烏賊型が海面から飛び出して鬼岩島に着地(と言うより墜落?)しながら滑って行き、停止すると同時にその巨体を器用に起き上がらせ、遅れて恐竜型も鬼岩島の浅瀬に着くと立ち上がった。

 

 相手を敵と認知している二頭は咆哮し合い、烏賊型は触手群を目一杯伸ばし、恐竜型は身体と尻尾を大きく振り回して威圧し合いながら前進を開始した。

 

 そして組合った二頭だが、恐竜型が烏賊型の超低体温に驚いて少し後退した隙を突いて烏賊型が恐竜型を突き飛ばし、間合いが出来たのを確認したらロケット頭突きで恐竜型が大きく後退した。

 

 更に烏賊型は素早く立ち上がったら、力んで身を屈めながら大型触手二本を頭上に上げると身体の至る所から放電が始まった。

 

 烏賊型の現状に恐竜型が唸り声を上げながら首を傾げていたが、福音は烏賊型の頭上に雲が密集し……雷雲に変わって雷鳴を轟かせ始めたのを確認して回避行動を起こした。

 

 何か行動を起こそうとした恐竜型も雷鳴から要約烏賊型がしようとしているのに気付いて雷雲に目線を向けた直後、その烏賊型に特大の落雷が直撃した!

 

 予想より強過ぎたのか大型触手の先端が少し焦げて涙目になっていた烏賊型は落雷を一旦吸収した後……必殺の『サンダーブレイク』を放射、それが直撃した恐竜型が悲鳴を上げて前のめりに倒れた。

 

 恐竜型が呻き声を上げながら悶えている光景に、烏賊型が触手群を大きく広げて歓喜とも取れる巨大な咆哮を何度も上げた。

 

 しかも無様な姿を自身に晒している怪獣王を称する恐竜型を見下している事から……クラーケンを始めとした海魔達の母体として人類の神話上で恐怖の存在として記録される海魔王と言う身である自身との格の違いを示そうとしていた。

 

 だが恐竜型が突然咆哮を上げて立ち上がり、再び咆哮に怒気を交ぜて上げて突進を開始した。

 

 勿論、烏賊型も驚いてはいたが、コチラも直ぐに突進した。

 

 そして再び組合った二頭だが、低体温は気構えていた為になんともなかったが、烏賊型の身体に『サンダーブレイク』の余剰が残っていて恐竜型の接触部分が感電しながら焼かれていた。

 

 その所為で驚きの咆哮を上げる恐竜型に、先端に雷を刃状に収束させた大型触手を何度も刺したり、切り付けながら押して余裕を見せていた烏賊型だったが、恐竜型が止まって咆哮したと思ったら自身に謎の浮遊感を感じた。

 

 何故なら恐竜型が烏賊型の頭部を掴んで持ち上げて、そのまま振り回していたのだ!

 

 そして恐竜型は烏賊型を岩壁を粉砕する程に投げ着けて、生き埋めにした。

 

 更に直ぐに岩石を吹き飛ばしながら立ち上がった烏賊型に「さっき迄の攻撃など効いていない」と言わんばかりに大きく咆哮した。

 

 此等に烏賊型が怒ったみたいに咆哮していたが、恐竜型も挑発するみたいに身体を揺らしながら咆哮した。

 

 恐竜型と烏賊型はそのまま咆哮合戦を初めていたが、烏賊型が再び『サンダーブレイク』の再充填をしようと身構えたら、今度は恐竜型も何かをしようと尻尾を大きく振って身を屈めた。

 

 だがその直後、今まで文字通りの高みの見物をしていた福音が、何を思ったのか、恐竜型に突進しながら光弾群を叩き込んだ。

 

 だが先程までのF22と違って恐竜型は多少は驚いてはいたが、傷らしいもの等が全く出来ず不快そうな声を上げるだけであったが、当の福音は恐竜型の脇を通り過ぎてビームサーベルを抜いて今度は烏賊型に切り掛かろうとした。

 

 だが烏賊型は恐竜型の時よりかなり控え目な『サンダーブレイク』を福音目掛けて恐竜型諸共放ったものの、巻き添えを食らった恐竜型は二度目で、しかも初弾より弱かった事から不快そうにしているだけだった。

 

 だが福音は『絶対防御』で防いだと思われたが、直撃ではないが『サンダーブレイク』は電子パルス波として『絶対防御』を貫通して福音に襲い掛かった。

 

 福音が機体の至る所の機器をショートを起こしながら黒煙を上げ始めて、痙攣する様に空中で震えている福音に、背後の恐竜型が「邪魔だ!」と言わん許りにはたき落とした。

 

 そして烏賊型へ前進した恐竜型が脇を過去るのと同時に、地面に叩き落とされた福音が立ち上がろうとしたが、その直前に恐竜型の尻尾が落下して無残に踏みつぶした。

 

 恐竜型と烏賊型は破壊されて機能停止した福音など存在しなかったかの様に無反応のまま組合って再び争っていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 太平洋・別所 ―――

 

 

「……先程、米軍から試験運用中の福音が暴走したと連絡が入ってな…」

 

 此の時、織斑千冬が引率するIS学園の一年生達は臨海授業中であったのだが、暴走した福音が日本を目指している一報とその福音の迎撃要請が入った為、世界各国の代表候補生(IS専用機持ち)であるセシリア・オルコット(イギリス代表)、鳳鈴音(中国代表)、シャルロット・デュノア(フランス代表)、ラウラ・ボーデヴィッヒ(ドイツ代表・千冬ドイツ軍教官時代の教え子)、篠之乃箒(日本代表・束の妹)、そして千冬の実弟で、男性でありながら世界で唯一ISを起動させた織斑一夏の六人を呼び出して、福音の状況説明と作戦会議が行われていた。

 千冬の説明に、若輩ではあるが国を背負った代表候補生である全員が、真面目に聞いて意見していたが…

 

「……一夏、聞いているのか!?」

 

「御免! 千冬姉…」

 

「織斑先生だ!」

 

…一夏だけは何処か不真面目さが感じられた上、公私混同した為に千冬が弟目掛けて粛正の湯飲みを投げた。

 湯飲みが狙い通りに一夏の顔に直撃して後ろに倒れた直後、騒がしい足音が近付いて来たのを感じたら…

 

「……織斑先生!!」

 

…襖が勢いよく開いて、副担任の山田摩耶が血相を変えて飛び込む様に入室した。

 

「山田先生、どうしました?」

 

「今しがた、出撃が取り止めになりました」

 

「…は?」

 

 摩耶の言葉を理解出来ずに変な声を出した千冬だったが、後ろの箒達(一夏は摩耶入室時に落下した額縁写真が額に直撃した事もあって伸びている)は隣りの者達と目線を合わせて戸惑っていた。

 

「鬼岩島で福音が撃墜したそうなんです」

 

「撃墜!? 墜落じゃなくて何者かに落とされたのか!?

しかも此の短時間で!」

 

「はい!! しかも只事ではないらしく、鬼岩島調査に自衛隊が出撃。

織斑先生には直ぐに現地調査部隊と合流して欲しいそうです」

 

「分かりました。

念の為、お前達は待機していろ!」

 

 箒達が了承したのを確認した千冬は摩耶と共に急いで出て行った。

 

「……一夏、大丈夫?」

 

「何やってんのよアンタ」

 

 で早速、シャルロットと鈴音が伸びている一夏の介抱を始めた。

 箒・セシリア・ラウラの三人は出遅れた為に殺気を放っていたが…

 

「…? そう言えば此の写真何ですの?

よく見たら他にも沢山ありますし…」

 

…セシリアが落下した写真を手に取り、似た様な物が多数ある事に気づいた。

 

「それなら女将さんから聞いたが、何でも六十年近く前に、此の島の近くにある大戸島で大災害があって、東京から大規模な調査隊が派遣された時の物だそうだ」

 

「…よく見たら此のお爺さん、三葉虫を持っているな」

 

 箒が説明し、ラウラがセシリアの写真に三葉虫を持った老人……山根恭平博士を見付けたが、何かを察して期待と不安が混じった表情をしている山根と違って、箒達処か出て行った千冬さえ悪しき予感を全く感じていなかった。

 そして大戸島を襲った災いが再び起ころうとしていた…

 




 感想・御意見お待ちしています。

 次々回辺りから一夏達がゴジラと戦って自分でも何所に行くか全く分からないオリジナル展開になります。
 では!!









千冬&ラウラ
「「チョット待て!!」」
セシリア
「チョットお待ち下さい!!」

…あら御三方、どうしました?

千冬
「何であの烏賊、オリジナルと違って電撃が使える様にした?」

セシリア
「そうですわ。 パワーアップさせたのは許しますけど…」

ラウラ
「止まっている“龍魔王の来襲(PIXIVで連載)”でもそうだったが関連性が全く分からん」

…ラウラ、分からないの?
 セシリアと千冬の後輩でもあり、君の友達の黄色い子だよ。

千冬&セシリア
「「……後輩?」」

ラウラ
「……シャル…じゃないのか?」

 ほら、日曜の国民的テレビアニメに戦争を吹っ掛けたあざとい人気者だよ。

セシリア&千冬&ラウラ
「「「……!! ああ、アイツか!」」」

 他の人は分かりましたかな?
 此の三人もヒントです。
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