ゴジラvsモゲラ   作:サイレント・レイ

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第6話 ゴジラvsガイラ

――― 伊浜原発 ―――

 

 

 自衛官やIS学園の生徒達が驚き戸惑っている中、威圧合戦をしていたゴジラとガイラだったが、なんの前触れも無く相手に向かい、両者の間に存在している伊浜原発の施設を二頭がほぼ同時に取り付いて破壊しながら前進していた。

 

「こんな所で戦うな!!」

 

「迂回するか、向こうでやれ!!」

 

 殆どの者達は悲鳴を上げながら逃げていたが、比較的冷静な自衛官の何人かが傍迷惑な戦いをするゴジラとガイラに叫んでいた。

 勿論、ゴジラとガイラへの対応を司令部(と言うより桜)に意見を求めるのが相次いでいた。

 

「中止だ!! 二頭への攻撃を一時中止!」

 

「はい、攻撃中止……中止!?

中止するのですか!?」

 

「そうだ!! 漁夫の利を狙う!

さっさと中止を伝えろ!!」

 

 桜の狙いが分かると、直ぐ全部隊に攻撃中止命令が言い渡されたが…

 

「攻撃中止だって言ってんだろうが!!」

 

「すみませ、げ!!」

 

…言っている傍でゴジラに銃撃する生徒達を桜が見付けて、その内の一人に鉄帽を投げ飛ばして止めた。

 だが混乱してゴジラかガイラに攻撃する者達がかなりおり、中には施設の上に留まっていた為、二頭のどちらかに凪ぎ払われていた。

 

「…そら見た事か!」

 

 ゴジラかガイラに凪ぎ払われている者達を見ながら、自分の命令が聞き届かない程に混乱している現状に悔しそうにしていた。

 

「…非常事態宣言を出す!

直ちに原子炉を止めろ!!」

 

「止める、原子炉を止めるのですか!?」

 

 元々IS学園の事実上の所有物と言っていい伊浜原発は、例え日本政府と言えど学園の意見無しでは出来ないのだが、それを無視した桜の停止令に摩耶が真っ先に反応した。

 

「此の現状を良く見ろ!!

直接アイツ等に壊されなくても損傷とかして炉心融解(メルトダウン)を絶対起こすぞ!」

 

 桜に怒鳴りながら指を指されたゴジラとガイラはその直後に遂に接触、ガイラの右の拳打を避けたゴジラがガイラの咽に掌打を叩き付けて先手を取っていた!

 変な咆哮を上げながら僅かに下がったガイラだったが、素早くゴジラの両肩を掴むと首に噛みついた。

 だがゴジラも驚いたような咆哮を上げたが、ガイラを無理矢理突き放し、二頭は同時に咆哮したらそのまま接近戦(インファイト)で争っていた。

 

「…織斑先生、一体どうなるのでしょうか?」

 

「………」

 

 不安そうな摩耶が千冬に質問したが、困惑していていて答える何処か全く反応しなかった。

 だがこんな時に悪い報告が入った。

 

「大変です!! 管制室との連絡が途絶しました!」

 

「なんだと!?」

 

「しかも不味い事に、注水装置を初めとした原子炉の冷却関連設備が全て止まってしまったそうです!」

 

 後日判明するのだが以前から伊浜原発は随分前から注水装置に異常が現場から確認されていたが、管理すべきIS学園と電力会社が揃って長らく無視していて最近になって漸く修理の予定が組まれたのだが、その修理が行われる予定日の正に前日である今此の時にゴジラ達が来てしまったのだ。

 勿論、此のツケとして現在、原子炉の至る所で異常事態が相次いでいた。

 しかし管制室等の現場の者達は事前の備えや的確な対処をしていたのだが、その肝心要の管制室が作業員達諸共ゴジラが粉砕してしまった。

 

「どうするんですか、此れ!?」

 

「……大丈夫だ。

まだ非常用のが…」

 

 管制室と冷却装置の異常事態から不安になった摩耶を千冬が宥めようとしたが、ゴジラ目掛けて生徒達がロケットランチャーを放ったが、それ等はゴジラがガイラを押して前のめりになった為に外れ……よりにもよって非常用の発電機に直撃した!

 しかも燃料タンクにも誘爆して派手に爆発炎上した所為で、修理の為に近付く事が出来そうになかった。

 勿論、全ての電源が失われてしまった上、管制室が破壊された所為でバッテリーが全く起動出来なくなった伊浜原発は全ての明かりが消えてしまった。

 

「銃持ってこい!!

あの馬鹿ども粛清してやる!」

 

「二佐、落ち着いて下さい!」

 

「今そんな事をやっている場合じゃないです!」

 

 ゴジラとガイラに加えて火災の炎以外の光源が失われた現状に至る所で驚きと戸惑いの悲鳴が上がっており、更に司令部では原子炉の事もあって混乱が生じていたが、それを収めるべき桜が怒り狂いかけていた為に取り押さえられていた。

 

「二佐、原子炉の温度と圧力が上昇しています!

このままだと燃料棒が露出しそうです!」

 

「もし炉心融解が起こって放射性物質が流出した場合、現在の風向きだと首都圏に被害が及ぶ可能性があります!

指示を願います!」

 

「……っ!」

 

 最も桜は直ぐ正気に戻っていた。

 

「…それで原子炉の状態はどうなっている!?

分かる範囲で良い!」

 

「既に原子炉は緊急停止装置が作動して止まり、消防車を使っての注入作業が行われています!

ですが注水量が少な過ぎるんです!」

 

「消防車を増加すれば良いのじゃないか?」

 

「それが既に必要量を遥かに超える量を送っている筈なのに、実際に原子炉への注水量が半分近くしかないのです」

 

「……と言う事は何処かで水漏れが有るんだな…」

 

 桜は直ぐ手を考え出そうとしたが…

 

「…二佐、私に任せてくれませんか?」

 

…楯無が名乗り出た。

 

「…出来るのか?」

 

「此所には学園の社会科研修で来た事があります。

原子炉の構造もある程度理解し、私のISの能力を考えれば妥当だと思いますが?」

 

 桜は千冬と摩耶に目線を向けて“学園最強”と同義語の生徒会長とは言え、楯無を原子炉に向かわせる事に懸念が有るものの、反対では無い(と言っても反対だったとしても強硬した)と判断した。

 

「二佐、急いで下さい!

既に核燃料棒が流出した可能性があるそうです!」

 

「温度だけでなく原子炉内の圧力も危険域に達するのも、時間の問題だそうです!

ベントの準備の許可を求めています!」

 

「……っ!?」

 

 それでも桜に迷いがあったが、ガイラが派手な音を上げながら押し倒されたのでそちらに振り向くと、近くに倒れていた煙突をガイラは掴みながら立ち上がってそれをゴジラの顔に叩きつ付けていた。

 

「…頼んだ」

 

 桜の許可を得た楯無は一礼したら直ぐ原子炉に向かった。

 只、今更ではあったが危機的状況をなんとかしようとする桜達などお構いなしに、ゴジラが施設を薙ぎ払いながら派手に振り回した尻尾でガイラを横倒しにし、そのまま上下に振ってガイラを何度も叩いて自身は愉快そうに手を叩いていた。

 

「…人の気なんか気にしないで」

 

 そんなゴジラに桜は歯軋りした。

 

「…全ての責任は私が取る。

ベントを許可する!」

 

「…っ!? 待って下さい!」

 

 ベントの許可を出した桜に摩耶が真っ先に反対した。

 

 此の為に摩耶は早速動こうとした自衛官達に睨まれて少し怯えていた。

 

「…い、伊浜原発にはフィルター類が一切無いんですよ!

今の状態では首都圏に危険域の放射性物質が飛散してしまいます!

それに学園や電力会社に許可無くそんな事を…」

 

「だから此の空腹なんか、かっぱ裂いてやると言っているだろ!!」

 

 正論にして基準を守る事を優先しろと言った摩耶に桜は自身の腹を音を出す程に大きく叩きながら怒鳴った。

 

「御言葉ですが、確かに放射性物質の離散はかなり問題です」

 

 只、部下達も危惧した為に流石に桜が命令を取り消そうと迷いが生じた。

 

「いえ、その心配はありません」

 

 だが山根が否定した。

 

「…博士、どう言う事です?」

 

「アレを利用すれば良いのです!」

 

 当初は桜さえ理解出来ないでいたが、山根が油断した一瞬の隙を突いて立ち上がりながら尻尾を掴んだガイラを振り向いて驚いているゴジラを指差した事から全てを察した。

 

「原子炉に連絡、直ちにベントの準備をさせろ!

但し開放するのは三分間だけだと伝えろ!」

 

 部下達は桜に「了解!」と返事をして直ぐ動き出した。

 しかも此の間ガイラは投げ飛ばそうと後ろ屈みに、対するゴジラは耐えながら逆に撥ね飛ばそうと半ば前屈みになって各々唸りながら力んでいた為、全く動かなかった。

 

「…ベントの準備が出来ました!」

 

 準備出来たのを聞いた桜は人差し指をねぶって立てると、全神経を使って風向きを感じ取っていた。

 

「千冬、ガイラの右足首を狙撃させろ!」

 

「……え?」

 

「地上からだと巻き込まれるか逃げ遅れる危険性があるから、空からISで狙撃する事でガイラを利用してゴジラを原子炉の風上に移動させるんだ!」

 

「……セシリア! ラウラ!

ガイラの右足首を狙撃しろ!」

 

 突然の千冬の通信機越しの指令に当のセシリアとラウラが戸惑い意図を理解出来ないでいたが、取り敢えず指令通りにガイラに狙撃を行い、更に周囲の生徒達も二人に続いた。

 右足首に攻撃を受けたガイラが悲鳴を上げ、此の一瞬の隙をゴジラは見逃さず、ガイラを大きく吹き飛ばしてそのまま追撃しようと振り向いて歩きだそうとした直前に…

 

「…風上にいる者は一人もいないな!?」

 

「はい、全員待避しました!」

 

「原子炉にベントさせろ!!」

 

…桜の指示通り、原子炉から放射性物質を大量に含んだ蒸気が排出されるのを感じたゴジラが歩みを止めて硬直した。

 そして原子炉にゆっくり振り向いたゴジラは、笑みを浮かべる様に軽く口を開けて唸り声を上げると、後ろに仰け反る程大きく息を吸い込んだ。

 しかも軽く固定されていない物が吹き飛ばされる台風級の突風であった為、周囲の者達が悲鳴を上げていたが、それに耐えながら山根は近くの放射能測定器に取り付き、桜もそれに続いた。

 

「…っ! 博士!!」

 

「ゴジラが排出した放射性物質を全て取り込んでしまいました」

 

 測定器が少しの間、警報を鳴らしていたが、直ぐ通常に戻ってしまった事からゴジラが放射性物質を吸収した事が分かり、現にゴジラがゲップをするも物足りなかったのか不満そうに唸り声を上げた。

 だが此の隙に傷を再生したガイラがゴジラの右脇腹に体当たりし、気を緩めて奇襲を許したゴジラはなす術無く大きく押された後、そのまま悲鳴を上げながら倒されてしまった。

 此の攻撃でガイラが倒されているゴジラに見せ付ける様に両腕を上げて特大の咆哮を上げたが、対するゴジラは静かに立ち上がって身震いをすると「何も効いていない」と言わんばかりに身体を大きく振りながら特大の咆哮を上げた。

 そのままゴジラとガイラは唸り声を上げながら暫く睨み合っていたが、同時に咆哮すると共に頭を突き出して前進して……両者頭突きで衝突した。

 両者共に立ち眩んだのか、ふらつきながら僅かに後ろに下がったが、頭を振って気を取り直すとまた同時に咆哮して前進し、お互いの右肩をぶつけ合うとそのまま組み合って争い始めた。

 二大怪獣の戦いはまだまだ続きそうだった…

 




 感想・御意見御待ちしています。

 次回ゴジラとガイラが決着を着けます。
 そして決定事項ですが、メインヒロインの誰か一人の身に悲劇が起こります。

……あ~…早くモゲラを出したい…
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