執務室を出て歩く。
「吹雪!大丈夫だった!?」
パタパタよってくる駆逐艦達。
「あ、みんなー!」
「大丈夫!?あのクソバカゴミクズ消費税野郎に変なことされなかったか!?」
「大丈夫だよ深雪ちゃん。思いのほか好い人だもん」
「バカ!前の司令官(ゴミ)もそうだったでしょ!?最初だけ優しい生き物なのよ司令官って生物は!」
「叢雲ちゃんも平気だって」
なんてきゃあきゃあはしゃぐ吹雪型六人。
(早く紹介してくれねぇかな。この待ってる時間が嫌なんだよなぁ…)
「それで吹雪、その後ろでぼさっと立ってるのはだれよ」
「あぁ。この人が新しい司令官だよ」
その瞬間、吹雪以外の五人が構えた。特に叢雲…。
「あ、あんた…っ!」
「あのさ、ラスボスじゃないんだから…」
提督が呟くが五人は姿勢を変えない。よく見れば、睨んでいるのは叢雲だけで、他の四人は完全に怯えていた。睨んでいる叢雲の目にも涙が浮かんでいる。
「叢雲ちゃん!大丈夫だよ!」
「あの……」
「話し掛けんな!」
頭を撫でて落ち着かせようとした提督に叢雲が構えた単装砲を放った。が、近くにいた吹雪も巻き込みそうになる。
「ばっ…叢雲……!」
「しまっ……」
が、二人に当たる直前、弾が止まった。なにが起こったのか分からないって顔する吹雪型六人。提督が杖を振るって弾を止めた。
「っぶねぇ…ナイス、俺の反射神経」
全員、所さんもいないのに目が点。そらそうか。
「えっと…この砲弾どうしよう…」
「……へ?あ、あぁ…私が片付けますね!」
白雪が止まった砲弾を持って工廠へ。そして、磯波と深雪が腰から崩れる吹雪の元へ駆け寄った。
「だ、大丈夫吹雪!?」
「う、うん…ちょっとビックリしただけ…」
叢雲がビシィッ!と音がしそうなほどビシィッ!と提督を指差した。
「あ、あんた!一体何者……」
「ねぇ!今砲撃の音がしたけど大丈夫!?」
後ろからタタタッと走ってくるのは鈴谷と熊野。が、提督の姿とへたり込んで涙目になってる吹雪を見るなり、鈴谷が主砲を出した。
「す、鈴谷!いけません…」
「その子達になにをしたぁっ!」
飛んでくる弾。
「バカ!あれじゃ吹雪ちゃん達にも…」
「あっ……」
爆発。割と本気で殺しにいったため、威力は抜群で後ろの執務室ごと吹き飛んだかと思われた。が、煙の中から出て来たのは、なんか杖からビームシールドみたいなのを張っている提督の姿。後ろにいる吹雪型の子達には薄緑に光った球体のシールドみたいなのが纏っている。
「………へ?」
鈴谷の間抜けな顔。
「あの…やったの俺じゃなくて叢雲なんだけど…」
こんな感じでこいつの提督としての生活が始まった。