「な、なんなのよあんた!」
「提督」
「いやそうじゃなくて…」
鈴谷が文句を付けるが、提督は気にしない。
「で、他の艦娘に挨拶したいんだけど…どこにいるか分からないかな?」
「挨拶っていう意味にもよるよ…」
「相撲部屋的な意味じゃないから大丈夫」
「……ほんと?」
「分かった。俺の大事な財布を預けるよ。嘘だったらその財布あげる」
「嘘であって欲しくなってきた…」
次は正規空母の所へ。だが、部屋に入ろうとドアノブに手をかけた瞬間、艦載機が飛んできた。
「提督危ない!」
「ほっ」
提督は今度は杖を降らなかった。提督を中心にカミーユバリの金縛りが発生。艦載機も動きが止まった。
「え…体が……」
「鈴谷、さんだっけ?」
「え?うん」
「着替え中ってことはないよね?」
「な、ないんじゃん?」
一応ノックして鈴谷は部屋を開けた。着替えてるわけでもなかったが、加賀と赤城が中にいる。二人にも金縛りが効いて動けない。
「って、そこの赤い人が…鈴谷さん誰?」
「赤城さん」
「赤城さん怪我してるじゃん!なんで入渠しなかったのさ!」
「提督の命令よ!大破したからここから出禁喰らってたの。次、ここに来たら爆撃してでも赤城さんを助けるつもりだったのだけれど…」
「ふーん。まぁいいや。俺の前だと入渠ドッグとか必要ないし」
「それはどういう意味!?」
加賀のクワッ!とした声に心底ヒビりつつも提督は杖を振った。その瞬間、赤城から傷が消える。
「へ……?」
そして最後にひゅっと杖を向けると赤城は眠ってしまった。
「あなた!赤城さんになにをしたの!?」
怒られた瞬間、鈴谷の後ろに隠れながら説明した。
「き、傷を治したのでゆっくり寝てもらおうと思って…」
「へ?そ、そう……」
「す、鈴谷!次の人のところお願い!」
そんな感じで全艦娘に挨拶を終えた結果。
「す、鈴谷離して!」
「んふふー!可愛いじゃん提督ー!」
「やりました」
「か、加賀さんも!なんで膝枕させようと…」
「ありだな!」
「なしだよ!」
超懐かれた。ペット感覚で。それでもまだ何人か前の提督の恐怖が消えてないみたいだし、遠征に行ってる子達もいるから挨拶していない子もいるのだ。それでもなんとか受け入れられた。
次の日からデスクワーク開始。杖を一振り。はい終わり。そこでノック。
「てーとく!艦隊が戻りました!」
入って来たのはスク水の子達。
「あれ?誰、ですか?」
提督は答えた。
「新しい提督だよ。それで、遠征ってなに?」
「ぜ、前任提督の命令で行ってたでち!……あっ!」
「バカ!でちなんて言ったら怒られるのね!」
避けられてるのに気が付き、少し気まずくなってしまったが、提督は言う。
「えっと…とりあえず報告とかいいなら楽にしてていいよ」
『へ?』
全員声を揃える。
「あ、その前に自己紹介だけ」
「え?ご、ゴーヤです!」
「タメ語で自分の話しやすい口調でいいよ」
「ゴーヤでいいよ!」
「イクって呼んでもいいの!」
「ハチと呼んでくださいね」
「い、イムヤです…」
一人だけまだ緊張が消えてないみたいだ。
(この子はなにか酷いことされたのかな。まぁいいや)
「うん。とりあえず遠征お疲れ様」
提督はイムヤの頭を撫でた。
「きゃっ」
「ご、ごめん。嫌だった?」
「い、いえ…もうすこしだけ…」
まぁ、こんな感じで頑張りましょう。