転生したらスライムだった件forDevil May Cry 作:サイトーサイト
書けました〜!! あと 来週はお休みします。
カリュブディスとの激闘が幕を閉じ、戦場に心地よい静寂が戻る。
リムル「さてと.........」
私は横たわるフォビオを見下ろしながら、腕の中から最高級の「
それを彼の口元に流し込むと、青白かった肌にみるみるうちに血色が戻っていく。
『告。対象の肉体組織の修復、および魔素の安定化を確認しました。間もなく意識を取り戻すと思われます』
大賢者の報告に、私はホッと胸をなでおろした。
スパーダ「お疲れさん、さとり。これであの無鉄砲な魔王の使い魔も、少しは反省するだろ」
恭二が伊邪那岐を完全に収納して、私の隣へと歩み寄ってくる。
その視線が、私の身体へと向けられた。
戦いが終わったことで意識が引き締まったせいか、私の身体は、いつも以上に「女性」としての輪郭を帯びていた。細い腰つき、しなやかな脚のライン、そしてどこか儚げで美しい少女........いや、大人の女性への階段を上りかけの妖艶なプロポーション。
スパーダ「........にしても、改めて見るとお前、やっぱりめちゃくちゃ綺麗だな。その姿、ちょっとドキッとするぜ?」
リムル「わ、わわっ、何言ってるのさ恭二! 変なからかい方はやめてよ!」
私は顔を真っ赤に染めながら、ふわりと広がる髪を両手で押さえて抗議した。女性の身体になった私に、恭二が時折見せるこういう男らしい視線や言葉は、どうにも心臓に悪くていけない。
ミリム「む? リムルよ、スパーダを独り占めするのはずるいのだ! あたしもスパーダにカッコいいところを見せたのだから、もっと近くで褒めてもらう権利があるぞ!」
タタタ、と軽い足取りでやってきたミリムが、恭二の背後にぎゅっと抱きついてきた。
リムル「ひゃっ!? み、ミリム! 何をやって........!?」
突然のミリムのダイブに 戸惑いを隠せない私。
スパーダ「おいおい、たしかにお前のかっこいいところは見たが.......言いたいことが多くて何を言えばいいのかわかんねぇぞ?」
ミリム「ッ........そ........そうなのか........」
恭二は 何事もないように しかし 恋心を知り尽くした男のような発言をして ミリムの顔が赤くなった。
リムル「.......むぅ........」
私は ムッとした、ミリムに あんな言葉を出せるなんて........
正吉「あはは......ほんとに 凄いなぁ スパーダさん........あの ミリムを 子供のように からかっている........」
オルタリングの輝きを完全に収めた正吉くんが、少し頬を染めながら苦笑いしている。
謙信「にゃはは! 姿形がどうあれ、魂の絆が深いのは良いことです! マスターもミリム殿も、リムル様を心から愛しておられるのが伝わってきますね!」
謙信さんは元の姿に戻り、悪戯っぽく微笑んだ。
スパーダ「そうだな........つっても 俺が 名付けしたのは ヴェルダの甘さを直しただけだけどな。」
恭二は優しくミリムの頭を撫でる。ミリムは大人びた極上の美貌を少しだけ綻ばせ、嬉しそうに目を細めて彼に身体を預け。
外見は完璧な絶世の美女なのに、恭二に甘える仕草だけは、どこか昔の無邪気な彼女を思い出させて、なんだかとても愛おしい。
ミリム「ふんす! スパーダのおかげで、あたしは最強で最高のレディになったのだ! だからリムル、あたしのこともっと撫でてもいいんだぞ?」
リムル「もう、二人して私をからかわないでよ.......」
私は呆れ半分、照れ半分でため息をついた。
だけど、カリュブディスという強大な脅威を、誰一人欠けることなく、フォビオさえも救い出して解決できたのは、間違いなくここにいる仲間たちの力だ。
正吉くんの覚悟の変身。
謙信さんの圧倒的な神威。
恭二の時空を切り裂くような剣技。
そして、魔力を解放して見事な手加減を見せたミリム。
リムル「........でも、本当にありがとう、みんな。お陰で最高の結末だよ」
私が人間の、可憐な女性の姿で心からの笑顔を浮かべると、恭二も、ミリムも、正吉くんも謙信さんも、みんなが温かい眼差しを返してくれた。
フォビオ「.......う、うう.......」
その時、地面に横たわっていたフォビオが、小さく呻き声を上げてゆっくりと目を開いた。
どうやら、無事に意識を取り戻したようだ。
フォビオ「あ........あれ........? 俺は.......」
リムル「気がついた?」
私が屈み込んで顔を覗き込むと、フォビオは朦朧とした目を泳がせ、やがて自分の手が黒い鱗に覆われていないことに気がついた。
フォビオ「........確か俺は、あいつの力に呑まれて.........ッ!!!」
すると なにかを思い出したかのように フォビオは即座に土下座をし始めた。
フォビオ「申し訳ございませんでした!! あの時 俺は........」
突然のフォビオの土下座に、私は思わず「え......えぇ.......!?」と声を裏返らせてしまった。
だって、あの傲慢でプライドの塊みたいだった三獣士のフォビオが、地面に額を擦り付けんばかりの勢いで謝罪しているのだ。前世のOL時代でも、ここまできれいなジャンピング土下座(実際は這いつくばっただけだけど)は滅多にお目にかかれなかったよ!?
フォビオ「俺は.......自らの未熟さと、抑えきれぬ怒りに身を任せ、
必死に声を震わせ、己の不始末を詫びるフォビオ。その必死な姿には、彼なりの忠義と、自分が仕でかした事の重大さへの恐怖が滲み出ていた。
スパーダ「.......おいおい、いきなり神妙な顔して平伏すなよ。さっきまでの威勢はどこに行っちまったんだ?」
恭二がミリムを背中に引きずったまま、やれやれと肩をすくめてフォビオの前に歩み出る、恭二から放たれる絶対強者のオーラは隠せていない。
フォビオ「つ、強い.......! あなたは、あの時カリュブディスの空間ごと時を止めて見せた......」
スパーダ「俺の名前はスパーダ・ナーヴァ=テンペスト。ま、細かいことはいいさ。リムルがポーション使って助けたんだ、お前を殺す気なんてハナからないよ」
ミリム「うむ! あたしの
ミリムはフンスと豊満な胸を張り、大人の色気を漂わせながらも、中身はいつもの調子でドヤ顔を決める。
フォビオ「ミ、ミリム様........」
正吉「フォビオさん、まずは落ち着いてください。リムルさんもスパーダさんも、あなたを責めるために助けたわけじゃないですから」
正吉くんが、優しくフォビオの肩に手を置く。その穏やかな声音に、フォビオの肩の力が少しだけ抜けた。
謙信「にゃはは、戦いが終わればノーサイド、ですっけ? マスターの言う通り、命があるだけ儲けものですよ。今後はその命、主君とこの国への恩返しに使いなさいな」
謙信さんもいたずらっぽく笑いながら、フォビオを諭すように言葉をかける。
リムル「うん、みんなの言う通りだよ。フォビオ、君をそそのかした黒幕の影に関しては........後で 聞くから、とにかく 君も利用されただけ!カリオンさん には私から上手く伝えておくから───」
?「その必要はねぇよ。」
その声と同時に振り向くと そこには 大柄で ガタイの良い金髪の男性が 歩いてきた。
その豪快で地響きを立てるような足音と、圧倒的な獣の気配。
そこに現れたのは、黒と金を基調とした豪華な衣装に身を包んだ、獅子王の異名を持つ魔王───カリオンだった。
フォビオ「カ、カリオン様.......っ!?」
フォビオは弾かれたように顔を上げ、その場に固まった。己の不始末を主君に知られた恐怖と恥入る気持ちで、その身体が小刻みに震え出す。
カリオン「フォビオ。てめぇ、俺の留守中に随分と派手な真似をしてくれたじゃねぇか」
カリオンは鋭い眼光でフォビオを見下ろすしかし フォビオは 過ちをしっかりと理解して カリオンさんにも謝った。
フォビオ「......はい.......俺にできる罰があるんなら 喜んで受けさせていただきます。」
カリオン「そうか、んなら......」
そう言って カリオンさんは一歩、また一歩とフォビオの元に近付いていく。その威圧感に誰もが息を呑む中、カリオンは躊躇なく右拳を振り抜き、フォビオの顔面へと叩き込んだ。
フォビオ「グボッ......!?」
凄まじい衝撃音と共に、フォビオの肉体が地面を何メートルも転がっていく。そのままフォビオは気絶し、カリオンはフォビオを方に担いだ。
そうして、カリオンさんはふぅと短く息を吐く、そして カリオンさんの視線が 私へと向けられ、そして隣に立つ恭二、大人びた姿のミリム、正吉くん、謙信さんへと移っていく。
カリオン「ジュラ・テンペスト連邦国の盟主リムル・テンペスト、そしてそこの旦那方。うちの馬鹿がとんだ迷惑をかけちまったな。.......それと、ミリム」
ミリム「うむ! カリオン、久しぶりなのだ! 見るが良い、あたしはスパーダのおかげで、こんなに最強で最高のレディになったのだぞ!」
カリオン「.......あぁ ? いや、誰だてめぇ.......って、魔素の質は間違いなくミリム、だよな? なんだその、急に色気づいた絶世の美女みたいな格好は。頭がバグりそうだぜ........,」
完璧なプロポーションを誇るミリムに、流石のカリオンも一瞬言葉を失い、頭を抱えている。そんなカリオンの様子を見て、恭二はやれやれと肩をすくめた。
スパーダ「まぁ、こいつの姿に関しては色々あってな。それより獣王カリオン、わざわざここまで自ら出向いてくるとは、随分と部下想いのいい王様じゃねぇか」
恭二が不敵な笑みを浮かべながら一歩前に出ると、カリオンの目が一変した。彼から放たれる、底の知れない絶対強者のオーラを察知したのだろう。カリオンの身体が一瞬、戦闘態勢のように強張る。
カリオン「.........あんたが、フォビオの言ってた『空間ごと時を止めた』って化け物か。ナナシノ・サイフォス、だっけか。なるほど、とんでもねぇ格がここにいるな」
リムル「あはは.......カリオンさん、フォビオの件に関しては、さっきも言った通り、裏でアイツをそそのかした奴らがいるんだ。だから、これ以上彼を責めるつもりはないですよ。」
私は苦笑いしながら割って入り、場をなだめるように手を振った。前世のOL時代、取引先のミスを上司が庇う光景は見たことがあるけれど、まさか魔王自らがここまで綺麗にケジメをつけにくるとは思わなかった。カリオンさん、意外と話せるタイプの魔王かもしれない。
正吉「そうです。フォビオさんも深く反省していますし、幸い、僕たちの街にも被害はありませんでしたから」
正吉くんが穏やかに微笑むと、謙信さんも「にゃはは!」と同意する。
謙信「それに、こうして魔王自らが頭を下げに来てくれたのです。ここは一つ、大きな貸しを作ったということで、手打ちにするのが大人の選択というものですよ、リムル様」
カリオン「ハッ、手厳しいお姉さんだ。だが、その通りだ。今回の件、完全に俺たちの負け、そしてそっちに大恩を作っちまった。カリュブディスを誰も死なさずに、フォビオの命まで救ってくれたんだからな」
カリオンは潔く認めると、ガリガリと頭を掻いた。
カリオン「この借りは、いずれ必ず返す。俺の国、獣王国ユーラザニアは、ジュラ・テンペスト連邦国との間に正式な国交を結びたい。.......これでどうだ?」
リムル「えっ!? 国交!?」
思わぬカリオンさんからの提案に、私は目を丸くした。
強大な魔王の国との国交。それは、これからのテンペストにとって、これ以上ないほど心強い後ろ盾になる。
スパーダ「いいんじゃねぇか、リムル。これであの無鉄砲な三獣士も、少しはこっちの役に立つって近道になるだろ」
恭二が私の腰にそっと手を添え、耳元で優しく囁く。その距離の近さと、男らしい低音に、私の心臓がまたドキンと跳ね上がった。女性の身体って、本当にこういう刺激に弱いんだから........!
ミリム「うむ! あたしのマブダチとスパーダの国が仲良くなるのは、あたしも嬉しいのだ!」
ミリムが喜んだ姿を見て、私はようやく、この戦いが完全に終わったのだと実感した。
リムル「よし! それじゃあ決まりだね。カリオンさん、国交の件、よろしくお願いします!」
カリオン「おうよ!」
そう言って カリオンさんは そのまま歩いて帰って行った........さてと。
リムル「みんな! これから宴会だよ!」
「「「おぉぉぉぉ!!!」」」
私の号令に、仲間たちの歓声が響き渡る。
恭二の腕に抱きつくミリムと、それをちょっと羨ましそうに見つめてしまう私。正吉くんと謙信さんが笑い合う。
激闘の終わりは、新しい絆の始まり。最高の仲間たちと共に、私たちは温かい我が国へと歩き出したのだった。
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次回「さらば 正吉」