ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
「ユウトー、リトにプレゼントをあげたいんだー!何がいいと思うーっ!」
俺はララさんから話したいことがあると言われて二人で一緒に帰っている、リトは日直の仕事がある為いない。
「急だね、ララさん」
「もうすぐリトの誕生日だから、とびっきりのプレゼントをあげたいの─────っ!」
なるほどね、だから話がある呼ばれたのか。
「美柑には聞かなかったの?」
「聞いたよー?でも優兄に聞いた方がいいよって美柑が言ってた!それにリトとユウトは親友なんでしょっ!」
…親友か、俺にとってリトは…
「ちなみに何をあげようって考えてる?」
「うーん?宇宙の通販で人気の商品とか考えたけど、美柑に危ないものはダメだって」
まあ、最悪の場合、家が無くなるかもしれないわけだし、美柑の言っていることは正しいな。
「ちなみにいくら好きな人に送る物でも高価なやつはダメだよ?」
「え?なんで?」
「気を使うから、貰った相手が困るのもダメ」
「じゃあ、どーゆーのあげたらいいの?」
「好きな物、もしくは相手が欲しい物」
「リトの好きな物、欲しい物……」
ララさんはうーんと言いながらずっと考えている、余計に悩ませてしまったらしい。
「ユウト、リトの好きな物ってなに?」
「そうだね、植物、ゲーム、サッカーとかかな?」
「植物?」
「昔、俺が結城家の植物を増やして水あげてたら、リトが興味を持ってね、そこから好きになったらしい」
「…決めた!植物にするっ!」
プレゼントは植物になったらしい、じゃあ少し店を回って見てみるか。
「ユウト、チキュウの植物じゃなくて、宇宙の植物ってどうかな?」
「なるほど、お店で観葉植物を見てみない?って言うつもりだったけど、宇宙の方が印象に残るかな?」
「ありがとー!ユウト!私探してくるね!」
「ララさん、俺も1つ聞きたいことがある」
俺は飛ぼうとしたララさんを引き止める、ずっと聞きたかったこと、リトや美柑がいる場所では聞けないこと。
「何が聞きたいの?」
「宇宙のアイテム、もしくはララさんの発明品に過去に戻るか、過去を変えられることが出来る物はある?」
もし、変えることができるアイテムがあるなら、俺は────
「うーん、私はもってないし、宇宙にもそんなアイテムないと思う」
「ララさんが作ることもできない?」
「ムリかな、過去に戻ったり変えたりするって宇宙のエネルギーを使ってもすっごく難しいと思う」
あるわけないと思ってた、あったらきっとみんな使ってる、でももしかしたらって思ってしまった。
「どーしてそんなこと聞いたの?」
「え?あーちょっとね」
[変えたい過去でもあるのですか?]
ペケに聞かれた、変えたい過去なら沢山ある、やり直したい事なんて数え切れないくらい。
「ないよ、ただ気になって、未来に行けたり、過去に行けたりするのかなーってね?」
「ユウトもそんなこと考えるんだー!」
「まあね、ありがとう、くだらない話しをして時間を取らせたね」
「全然大丈夫っ!じゃあ私、宇宙で珍しい植物探してくる!」
「危なくない物にしてね?」
ララさんは飛び立って行った、俺もリトのプレゼント考えないとな。
「時雨くん!」
…今度は西連寺さんに話しかけられた、内容はララさんと一緒でリトへのプレゼントらしい。
「ついさっき同じこと聞かれたな」
「え?」
「なんでもないよ、リトが好きな物は、植物とかかな」
「結城くん、教室のお花の手入れしてるよね、植物か…」
まて、もしこのまま西連寺さんのプレゼントが植物だと、植物被りになって間違いなくララさんの方が印象に残ってしまう。
「ジョウロとかどうかな?」
「ジョウロ?」
「そんな高価な物じゃないし、植物の手入れに必要なものでしょ?それにリトの家には、植物いっぱいあるからさ」
まあ、植物増やしたのは俺と林檎さんなんだけど、俺もちゃんと手入れしてるから許して欲しい。
「ジョウロ…ありがとう!時雨くん、私少し探してみるね」
「あぁ、決まったなら良かったよ」
西連寺さんは走ってどこかへ向かっていく、二人とも良いものが見つかるといいな。
この時の俺はまだ知らない、約束一ヶ月後、美柑の誕生日プレゼントでララさんや西連寺さん以上に頭を抱えて悩むことになることを…
◇
リトの誕生日当日、ララさんは学校を休み、俺はリトより先に結城家にいた、昨日準備してたケーキの仕上げに取り掛かる。
「優兄、昔から思ってたけど、お店で出るケーキを一から作ることって普通できないよ?」
「そうか?」
「そうだよ、しかもお店よりおいしいし」
俺は美柑と話ながらケーキにクリームをしぼっていく。
「……いい感じかな?」
「いや、もう見た目はお店レベルだよ?」
「わぁー美味しそ───ッ!ユウト、ケーキも作れるんだね!」
「趣味くらいしかできないよ」
「趣味のレベル超えてるよ、優兄?」
「おめーは昔から料理うめぇよな、そりゃ優斗に教えてもらった美柑も料理がこんな上手くなるワケだわ」
苺を乗っけて完成したケーキを見る、上出来だろう、味も美味しいはず、ララさんと栽培さんとザスティンさんの三人がやってくれた部屋の飾り付け、机には美柑が作った美味しい料理と俺が作ったケーキが並ぶ。
ララさんはクラッカーを持って玄関へいく、今ザスティンさんもそれについて行くが、手に持っているのは何故か日の丸の扇子だ。
「美柑、俺達も行くか」
「そーだね、優兄、お父さんもいくよ」
俺達も玄関へ行きリトが来るのを待っていると玄関の扉が開く。
「ただいまー」
「リト──!!誕生日おめでとー!!!」
「へ…?」
「やっぱり忘れてたか」
「今日は10月16日!おめーの誕生日じゃねえか」
「え…あ!そーいえば」
カレンダーを見て思い出したリトはぼーっと何かを考え始める、この様子だと、西連寺さんからプレゼント貰ったみたいだな。
「どしたのリト、ボーッとして」
「いや、何でもねーよ、ありがとうみんな!!」
リトは嬉しそうに笑った、そしてみんなプレゼントを渡す。
「リト、これプレゼント」
「おめー大切に使えよ?」
「ありがとな、美柑、親父」
美柑と栽培さんがプレゼントを渡す、次は俺の番かな。
「はい、これ」
「サンキュー優斗」
俺はリトにプレゼントを渡した、あとはララさんだけだ。
「私のプレゼントは庭にあるんだー!」
「ララ様はリト殿へのプレゼントを探すため、一人で宇宙に出かけておられたのだ」
「プランダス星にだけに咲く、宇宙でもすごくレアな花なんだよ!どーしてもリトにプレゼントしたくて…」
「ララ…」
俺達も何なのかは知らない、ララさんに庭には近づかないよう言われていた為、誰も見ていない。
「こっちこっち、早く見て!」
「あ…あぁ、へ?うわっ」
伸びてきたツタに捕まったリトはそのまま庭で宙吊りになる。
「どう、リト?カワイーお花でしょ────!!」
庭には巨大な花が置いてあった、花弁もデカく、人を食べそうな口が付いている、大きい物はダメだと伝えればよかった。
「こりゃスゲェーいいモンもらったなァ、リト!!」
呑気なことを言う栽培さん、大丈夫かこれ、近所から丸見えなんだけど?俺の家からも見えるぞ?
「優兄?なんで一緒に選ばなかったの?」
「いや、アドバイスしたから平気かなって」
「…優兄も責任取ってもお世話頑張ってね?」
「…リトと頑張るよ」
その後、夕食をみんなで食べ、気づけばかなり遅い時間になっていた。
「じゃあ俺はそろそろ帰るよ」
「え?優兄泊まっていかないの?」
「ユウトも泊まろーよ!」
「優斗せっかくなら泊まってけよ」
みんなに泊まれと進められる、あれから御門先生の診察に何度か行っているため、残り僅かだが睡眠薬はある。
「おめー今日は帰らせねえぞ?」
「わかりましたよ」
栽培さんにも捕まってしまった、それに誘われたら断るつもりはなかった。
「いやー優斗のケーキうまかったぜェ?」
「それは良かった」
ララさんは風呂に入って、リトは2階へ上がって行った。
俺は美柑と一緒に洗っていたら、栽培さんに呼び出された。
今は俺は栽培さんと庭にいる、ララさんがリトにプレゼントした植物を見ながら話している。
「この前の話、考えは変わらねェーか?」
「…変わりません」
この前話した養子縁組の話だろう、栽培さんはまだ俺の事を気にしてくれている。
「なんでだ、優斗?なんで全て知った上で春馬の元にいるんだ?」
「…春馬さんには、感謝してます」
「おめーを利用する為に引き取ったのにか?」
「春馬さんが引き取ってくれたから、学校に通うことができた」
前世では行けなかった学校、アイツから聞いていた、とても楽しい学び舎だと、そして何より。
「春馬さんが引き取ってくれたから、結城家のみんなに出会うことができた」
「っ!?」
「俺は、それだけでいい、満足してます。」
リトと美柑に会えた、それだけでもう十分なんです、俺が生きる理由は、あなた達が居たから。
「ならなんでそんな顔して─────」
「お風呂空いたよ優…どうしたの?優兄?何したのお父さん!?」
「いや、オレは何もしてねェよ!」
「何もしてないのになんで、優兄がこんなに悲しい顔してるの!」
今俺は悲しい顔してるのか、やっぱり泊まるんじゃなかった。
「美柑、本当になんでもないよ?」
「え?でも…」
「栽培さん、お風呂先に入りますか?」
「いや、オレはそろそろ戻らねェーと〆切が…」
「なら、俺が入ります、美柑呼びに来てくれてありがとう」
俺は脱衣所に向かい、服を脱いでシャワーを浴びる。
俺がリト達と一緒にいれる時間は、もうそんなに長くないかもしれない、春馬さんに呼ばれたら、俺はもう────
「優兄?入るよ?」
「は?」
扉が開くとタオルで前を隠した美柑が入ってきた。
「いや、まて、なんで入って───」
「き…近所迷惑だよ、優兄?それに、慌てることないでしょ?ちょっと前まで一緒に入ってたんだし」
「いやそれは昔の話で今は違うだろ」
美柑はそう言ってお湯で体を流すが顔が赤い、美柑も無理してるのになぜ入ってきた?
「ゆ…優兄が身体洗わないと私洗えないから早くして?」
「俺、後で入り直す」
「優兄待って…きゃっ!」
「美柑っ!?」
美柑は俺の手を掴もうとして、足を滑らせ俺の方へ倒れてくる。
美柑を支えようとするも支えた俺も美柑が落としたタオルで足を滑らせ、俺は美柑の下敷きになる。
「!!?」
俺が下敷きになったのはいいが、美柑の胸が直で俺の体に…、とりあえず足を動かして。
「いやっ!優兄、足動かしたら────」
「ごめん美柑!」
俺の太ももに美柑の股が重なっている事に気づかなかった、美柑に動いて貰わないと俺は動けない。
「美柑、悪いが動いてくれ」
「……」
「美柑、なんで、俺の身体を触って…触り方が─!?美柑そこはやめ──」
「ゴ、ゴメン!優兄!」
そう言って離れる美柑、美柑の身体が重なった感覚が消えない。
「その優兄、とりあえず身体洗わない?」
「いや、俺はあとで」
「いいから!」
結局そのまま俺は身体を洗った、(背中は美柑に強引に洗われた)美柑も身体を洗って浴槽へ入ってくる。
「…………優兄こんなに浴槽狭かったっけ?」
「最後に一緒に入ったのは美柑が1年生の時だったからね」
「…そっか」
「なんで、入ってきたの?」
「…リトから最近、優兄が色んな女の人と一緒にいるって聞いたから」
美柑の俺に対する想いは前より強くなってるような気がする。
「優兄はなんでみんなに優しいの?」
「え?」
「優兄は自分より私たちを優先するのはなんで?」
約束したから沢山の人を助けると、でもそれだけじゃない。
「身近な人だけでも、笑って幸せでいて欲しい」
「私も?」
「もちろん美柑もだよ、ずっと笑って幸せになって欲しい」
「!!」
美柑は俺の言葉を聞いてた瞬間、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった、お互いしばらく無言になったあと美柑が俺に告げる。
「私は優兄がそばに居てくれたら、それだけで幸せだよ」
「……」
「だって私は優兄のことが──────」
「はぁ、今日は嬉しいことばっかで……って美柑、優斗!?なんで風呂に!?」
風呂のドアが開きリトが入ってくる、俺と美柑を見て慌てている。美柑は下を向き少ししてリトを見て。
「タイミング悪すぎ!出てけバカぁ─ッ!!!」
ブチ切れた美柑風呂から上がり、リトをボコボコにする、風呂から出て時間を見ると寝る時間になっていた為、みんなにバレないように残り僅かな睡眠薬を飲んで寝る。
朝起きると隣には俺に抱きついて寝ている美柑がいた。
おまけ
数週間後
「リト、美柑の誕生日何がいいと思う?」
「優斗から貰った物ならなんでも喜ぶと思うけど」
お前は気が楽でいいよな?好きな人から貰うプレゼントだぞ?美柑は今まで俺があげたプレゼント全部しっかり保管してるんだぞ?
子供っぽい物をあげれば、私は子供っぽく思われているんだと傷つける、だからといって大人っぽい物を渡せば……、嫌な予感がする。
「そんな深く考えなくて大丈夫だって、オレは────」
「リト、ユウト!美柑の誕生日プレゼントこれとかどうかなー?」
ララさんはそう言って通販サイトのヤバそうな見た目の機械の画面を見せてくる。
「ララ、それなんだ?」
「これはね?使うと──────」
まずはララさんをどうにかした方が良さそうだ、じゃないと庭の次は家が無くなる。