ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~   作:アイスが食べたいマン

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今回長いです


~親友、クリスマスパーティー~

 

リトと美柑の誕生日が過ぎてから一ヶ月後、俺は今保健室にいる。

本当は初診で終わって来るつもりはなかったが、睡眠薬が切れたこと、また結城家に泊まる機会も増えたこともあって、あれから何回か診察に訪れていた。

 

「今日はなにを聞かせてもらおうかしら」

「いつも言っていますが、話したくないことは話しませんよ?」

その言葉を聞いた御門先生は少し悩んでいる、どこまで踏み込むべきか考えているのだろう。

今までは当たり障りのない日常の話だった。

 

「少し踏み込んだ質問をしましょうか、最後に心の底から笑ったのはいつ?」

最後に心の底から笑った?

 

「友達といる時に笑ってますよ?」

「嘘ね、あなたは笑っていない、この学校に来てから、いや、ずっと前から笑うことができないんじゃない?」

「…」

「あなたは誰かと関わる時、一線を引いているわ、関わる人間が幼なじみの結城くんでもよ、彩南祭の時もあなたはずっと一人で厨房にいた」

「ずっと厨房にいたのは、俺しかできなかったから─────」

「回ろうとも考えてなかったでしょ?みんなが笑って、良い思い出になってくれればそれでいいって」

 

なぜわかる?どうして俺の考えを理解している?

 

「…あなたが笑えなくなった理由を教えて?」

 

笑えなくなった理由、俺は笑って…

 

────おはよう優斗、今日は久々の休みだ!どこへ行こうか?

 

────さあ優斗!お互いに全力で行こうか!

 

あぁそうだ、あの時の俺は心の底から笑っていた、それに比べて今は笑っていない。

 

あの夜は雨だった、俺は間に合わなかった。

 

 

俺達は与えられた救出任務を遂行する為に戦った、そして俺は判断を誤った。

 

「優斗、二手に分かれよう、その方が多くの人を救える!」

「…危険だ、本部とも連絡が取れてない、俺達二人で行動した方が────」

「危険かもしれないよ?でも僕達は⬛︎⬛︎⬛︎だから、みんなを助ける、君だって約束したんだろ?」

 

約束したよ、大切な人とたくさんの人を救うと。

空は雨が降っていて、辺りは炎に包まれている、近くからは何かが爆発する音、そして銃声が響く。

 

「わかった、分かれよう」

「集合場所は────」

 

俺達は集合場所と時間を決めてお互いに別れた、俺は後でこの決断をした自分を憎んだ。

 

「あのバカどこいんだ!」

 

集合場所に現れない、あいつを探して俺は走った。

 

「応援部隊もなんで来ないッ!この状況だぞ?応援部隊すら来ないのはおかしいだろ!」

 

無線は繋がらない、周りから聞こえてくるのは雨と断末魔、状況は最悪だったのを覚えてる。

 

「…ッ!?」

 

見つけた時には遅かった、俺は間に合わなかった。

 

「ごめん、優斗、しくじったよ…」

「嘘だろ、おい、しっかりしろ、輝!!」

 

俺がアイツ─────虹崎輝(にじさきひかる)を見つけた時、既に致命傷だった。

心臓は避けていたようだが、胸部に弾丸を受け、腹部は刺された後がある。

仮に医療部隊まで運べたとしても助からない。

 

「優斗…最後に…頼みが…あるんだ…」

「喋るな!今、たすけ────」

「頭のいい、君なら…わかるだろ?もう僕は…助からない」

 

輝は俺に9mm拳銃のトリガーをこちらへ向け渡してくる。

 

「僕を…楽にしてくれ、僕を…この苦痛から…救って欲しい」

「…ッ!」

 

俺は9mm拳銃を受け取った、そして輝に向けて構えた。

 

「優斗…1つだけ…伝えたいことが…あるんだ」

 

アイツは俺を笑顔で見る。

 

「君と…出会えて…良かった、君と過ごした…日々は…最高の思い出だよ…」

 

輝は続ける、苦痛に苛まれてもその言葉を伝えようと笑顔で。

 

「ありがとう」

 

俺はトリガーに指をかけ、引き金を引く前に伝えた、今までの事を。

 

「お前が居たから、俺は壊れなかった、お前のおかげでここまで来れたんだ…ありがとう、輝」

 

トリガーを引く、弾丸は輝の眉間を貫通した。

 

「輝、一人は寂しいよ…」

 

落ちた薬莢の音と雨の音が辺りに響き渡る、つぶ濡れになりながら、俺は一人叫ぶしか無かった。

 

 

あの日を最後に俺は心の底から笑えなくなった、

 

「親友がいました、たった一人の親友が…」

 

話すつもりなかったのにな、断りを入れて別の話をすれば良かった。

 

「親友?結城くんのことじゃないみたいね?」

「はい、俺にスポーツの楽しさとか、色々なことを教えてくれました」

「その子にサッカーとか教わったの?」

「教わった訳じゃないです、アイツに負けた時、アイツの動きを見て、休みの日に必死になって勉強しました」

「それだけであそこまでのプレイができるものかしら?」

 

あの時の俺は知らなかったが、輝はどのスポーツもかなりのレベルで上手かったらしい。

 

「負けたくなかったんですよ、アイツにだけは…」

「あなたにとって最高の親友だったのね?今はその子とは────」

「アイツは死にました、俺の目の前で」

「っ!?」

 

間に合わなかったのは誰のせいだ?救えなかったのは誰のせいだ?引き金を引いたのは誰だ?殺したのは誰だ?

 

全部俺だ、俺のせいで輝は死んだ。

 

「ごめんなさい、亡くなっているとは思わなかったわ」

「いえ、ただ、もし今の俺が心の底から笑わなくなったとしたら、それが理由かもしれないです」

「そう、そんなことが」

 

何故、俺は話したんだ?御門先生にこんな話をする必要はない、嘘をついたって良かったはずなのに。

 

「今日はこれで終わりでもいいですか?」

「えぇ十分よ、はいこれ、約束の睡眠薬よ」

「いつもより多くないですか?」

「辛い事を思い出させたお詫びよ」

「ありがたく受け取らせてもらいます」

 

俺は保健室を出ようとすると声がかかる。

 

「時雨くん、学校が休みの日はここへ来て?」

 

住所が書かれた紙を渡される。

 

「宇宙人の患者とかも来るけど、あなたなら大丈夫でしょ?」

「……」

「伝えてなかったけど、私宇宙人だから」

「何となく、わかってましたよ」

 

睡眠薬がこの地球に存在する物じゃない、もしかして、宇宙人なんじゃないか思っていた。

 

「失礼しました」

 

それだけ御門先生に言って俺は保健室を後にして教室へ向かう。

 

「君は保健室で何をしていたんだ?」

「……」

 

教室へ向かう途中、九条先輩が俺に声をかけてきてた。

彩南祭が終わってから、九条先輩は何故か俺に付きまとってくる。

 

「御門先生に用があっただけですよ」

「朝早く保健室に来て、授業が始まる直前までかかる用事とは一体なんだ?」

 

保健室に入る所を見られているのは気づいていたけど、なぜそんなことを聞く?

 

「プライベートな事なので話せません」

「なら質問を変えよう、君は御門先生が好きなのか?」

「…は?」

 

予想外な質問すぎて驚きを隠せなかった。

 

「まさか、そんなことあるわけないじゃないですか」

「本当か?」

「本当です」

「…今は君を信じよう」

 

丁度いい、俺も気になっていたことを聞くか。

 

「俺からも1つお聞きします、前は木の茂みに隠れて、俺達を見ていただけなのに、最近はなんで俺に話しかけに来るか教えて貰えますか?」

「悪いがその質問には答えられない」

「天条院先輩に俺について情報集めて来いって言われましたね?」

「……」

 

図星か、まあ何となくわかってた、九条先輩は天条院先輩を慕っていることから、天条院先輩から指示があったから動いていると考えられる。

 

「確かに私は沙姫様に指示で動いているが、沙姫さまと同じ様に私も君に興味があるから、君に話しかけている」

「九条先輩が俺にですか?」

「君は木の茂みから君たちの教室を見ていた時気づいただろ、今回の保健室だって君は気づいていたのにあえて見逃した」

「……」

 

巻いたりするのも面倒だったが、九条先輩はバレても、バレなくても途中から開き直って俺を付けていた為、俺が諦めた。

 

「私自身も何故か分からないが気になったんだ、君のことを」

「そうですか」

 

予鈴がなる、このままだと授業に間に合わなくなる。

 

「時間を取らせてすまなかった、今度のクリスマスパーティー、君も来るのだろ?私も沙姫さまも君が来るのを楽しみにしてる」

 

それだけ言い残して九条先輩は教室へ戻って行った。

 

 

 

 

 

クリスマスパーティー当日、俺達は天条院先輩の別荘にいる。

 

「しっかし天条院センパイも意外にいいトコあるよな、別荘でクリスマスパーティーやるからって、オレらまで招待してくれるなんてさ」

「ん───どうかなァ、あの人の事だからなーんか、オレはウラがあるような気がしてならねーんだけど…優斗どう思う?」

「何かしらあると思うぞ?」

 

天条院先輩のクラスは分かる、だが俺達一年A組を呼ぶ理由がない、おそらく何かしらあるだろうね、ララさん関係か、もしくは俺か。

 

「そーかもな、でもいーじゃん、うまいメシもある事だし楽しもーぜ!!お?あれうまそーだな、オレ行ってくるわ!」

 

猿山は少し離れた場所にあるローストビーフを取りに俺達から離れる。

 

「結城くん、時雨くん、ここにいたんだ、広いからすぐわからなくなっちゃうね」

 

声をかけられた方を見ると西連寺さん、籾岡さん、沢田さんがいた。

 

「どう?時雨、私のパーティー仕様の服は似合う?」

彩南祭の準備の時も同じことを聞かれたな、あの時は良い反応をしろと言われた。

 

────女性の服装はイベント事などに合わせて自分の身体を最大限に活かす為、努力してる、褒める時はスタイルを褒めるといい。

 

昔、アイツにこんなこと言われたな。

 

「とてもよく似合っているよ、へそ出しコーデは男性からしたらたまらないだろうね、それに、そのズボンも籾岡さんの細い足がよく───」

「っ!?わかったから!もう十分ッ!」

 

籾岡さんは顔を赤くして怒り出す、この前の仕返しも含め、良い反応したつもりなんだが?

 

「クッソ…顔アッツ」

「前に言われたから、ちゃんと良い反応してみたよ」

「…あんた、なんでそんな恥ずかしいこと簡単に言えるのよ?」

「思ったことを言ってるだけ」

 

そんな話をしていると天条院先輩がサンタ姿で出てきた。

 

「はーい皆さん!ようこそ、私天条院沙姫のクリスマスパーティーへ!!さぁ!!今日は思う存分楽しんでいらしてね!」

 

天条院先輩言葉に周りの人は拍手する、天条院先輩はその光景を満足そうに見ていた。

 

「見ろよ、おい!」

「スゴーイ!」

「カワイー!」

 

周りが急に騒がしくなる、騒がしくなってる方向を見るとララが派手なドレスを着ていた。

 

「おまたせ─────!」

「スゴーイララちぃド派手ー」

「でもカワイ───!!」

 

ララさんが俺達の元へ話に来ると、周りの人も一斉にこちらへ集まってくる。

 

「あ、サキだ!こんばんはー」

「気安く呼び捨てにしないでっ!!」

 

ララさん、今の天条院先輩にそれは悪手だ。

何か独り言を言っている天条院先輩に俺は近づいて声をかける。

 

「やはり、これを機に思い知らせて────」

「こんばんは、天条院先輩、その衣装よく似合っていますよ」

「…時雨優斗」

「確かにみんなはララさんに注目してますが、天条院先輩のサンタの衣装は、今この場にいる誰よりも似合っています」

「っ!?」

「人にはそれぞれ魅力がある、イベントに合わせて、今それを最大限活かしているのは天条院先輩だけですよ」

「わかりましたから、もう黙りなさい!」

 

アイツが言ってること本当に合ってるのか?

 

「…あなたもその服似合っていましてよ」

「ありがとうございます」

「パ…パーティー思う存分楽しみなさい!」

 

天条院先輩は顔を赤くしてどこかへ行ってしまう、アイツの言葉を信じない方がよかったか?

 

「ありがとう、君のおかげで沙姫さまの機嫌も良くなった」

「それなら良かったです」

「私は準備があるからもう行くが、君もパーティーを楽しんでくれ」

 

トナカイの格好をした九条先輩は奥へと戻っていく、準備ね、何かあるのは間違いないか。

俺はリト達と合流して、皆と雑談しながら食事をした。

少しすると九条先輩がマイクを持ってステージ立つ。

 

「さて!ではそろそろ本日のメインイベント!!プレゼント交換を行いたいと思います!」

 

準備とはこれのことか?周りを見渡してもプレゼントらしきものは無い、それに天条院先輩がただのプレゼント交換をするのだろうか。

 

「ただし!入場の際、皆様から預かったプレゼントはここにはありません!」

「?」

「どーゆー事だ?」

 

リトと猿山は九条先輩の言葉を理解できず固まっている。

 

「フフ…普通に交換しあってもつまらないでしょう?そこでわたくしが素晴らしいゲームを発案しましたの、名付けて!!プレゼント争奪ゲーム!!!」

 

…嫌な予感しかしない、それに奪い合いは出来ればもうしたくない。

 

「ルールは簡単!この屋敷のあちこちに隠されたプレゼントを探しだす事!!見つけたプレゼントはその人のモノとなります」

「へーおもしろそー」

「しかし!!それだけではありません」

 

天条院先輩が両手を広げるとモニターから映像が映し出される、リゾートホテルか?

 

「プレゼントの中には一つだけ!わたくしからのプレゼントとして、″豪華リゾート三泊四日の旅″をご用意してあります、高級ホテルで高級料理がタダでご堪能できましてよ!」

 

天条院先輩のプレゼントを聞いて、パーティー会場は歓声が響く、これを狙って争うことになりそうだな。

 

「すごいじゃん!!こりゃいただくっきゃないね、春菜!!」

「え?私は別に…」

「時雨ーあんたもこれ狙いになるっしょ?」

「…俺は参加しない」

「え?なんで?」

「それと最後にもう一つ!」

 

俺と籾岡さんが話していると、天条院先輩はまだ伝えることがあるようで、声高らかに告げようとすると、金髪の男が扉へ走っていく。

 

「フン、リゾートの旅はオレがいただく!!」

「「「さすが弄光センパイ!!まだ話の途中なのにスタートしたぜ!!!」」」

 

最後まで話を聞かずにそのまま走っていく先輩らしき人の足元に穴が空く。

 

「へ?あぁあぁぁぁぁぁぁぁ…」

「このように、この屋敷のあちこちには、トラップが仕掛けられてあります、プレゼント探しは慎重に行く事をおすすめしますわ」

 

先輩は穴に落ちていき、天条院先輩から至る所に罠があると言われる、落ちた先輩は大丈夫なのか?

それではスタート!!と天条院先輩が告げると会場にいる全員が走り出す。

 

「リト!一緒に行こーよ」

「わ!無理やり引っぱんなって」

 

ララさんはリトを連れて走り出す、ララさんが入ればリトは大丈夫か?

 

「走れ、春菜!」

「あ!ちょっと…」

 

沢田さんは西連寺さんを連れて走っていく、俺はその場で立ち止まっていると籾岡さんから声がかけられる。

 

「あんた、ホントに参加しないの?」

「俺はしないかな、籾岡さんは参加するの?」

「リゾートの旅が手に入るチャンスならやるっしょ」

「…そっか」

「リサ〜行くよー」

「わかったー今行くー時雨、あんたも後からでいーから来なよ?」

「俺は…」

「…何悩んでるか知らないけどさ、こーゆーのは楽しんだもん勝ちよ」

 

そういって籾岡さんは沢田さんと西連寺さんの元へ走っていく、籾岡さん最後少し悲しい顔してなかったか?

奪い合いと聞くとどうしても昔を思い出す、あの地獄を、守るために奪って、奪われない為に戦った。

けど所詮ただのゲームだ、誰かが死ぬわけじゃない。

 

────こーゆーのは楽しんだもん勝ちよ

 

「…俺も行くか」

 

別に欲しい物がある訳じゃない、けど籾岡さんに言われた言葉を思い出して、何故か俺は走ってしまった。

 

「キャハハハ~やめて~」

「ムッ、大丈夫かキミッ!!待ってろ今すぐ…ぶっ」

 

レンくんとクラスの女子…確か新井紗弥香さん?がだったかな?が目の前でトラップにかかっている。

 

「いや、た…助けて、アハハハ」

「すぐ助けるよ」

 

俺は走って新井さんをくすぐっている機械から、無理やり抱き寄せて部屋から出る。

 

「大丈夫か?」

「はぁはぁ助かっ──あ…ありがとう、ってと…時雨くん!?」

「あのプレゼントが欲しいの?」

「え?う…うん」

「わかった」

「あ…危ないよ!」

 

俺はもう一度部屋に戻る、さっきのくすぐっていた機械は俺に狙いを定め、襲いかかってくる

 

(これくらいなら躱せる)

 

掴んでこようとしたをスライディングで躱す、今度は横からパンチが飛んでくる。

 

(パンチ?これにレンくんはやられたのか、これは受け流せばいい)

 

身体を後方に逸らして避ける、そのまま拳部分を弾き飛ばして、くすぐっていた機械にぶつけて、そのままプレゼントを取って部屋から抜け出す。

新井さんは俺の動きを見て唖然としていた。

 

「はいこれ」

「あ…ありがと、え?いや、さっきの動き…」

「「「きゃぁぁぁ」」」

「…話してる余裕ないかな、もう行かないと、悪いけど、レンくん起こしておいてくれない?」

「え?わかった」

 

俺はそのまま叫び声が聞こえた方へ走っていく。

 

 

 

「ちょ…重い───」

「が…がんばるのよリサッ!!」

「ひゃ~」

 

いくらテニス部一の力持ちの私でも春菜と未央をか かえて耐えられるかっつーの!つーか未央、どこ触って──

 

「まじ…もう…ムリ…」

 

私は掴んでた手を離してしまった、ヤバ、下に落ちるって思ったのに…

 

「間に合ったな」

 

時雨が私の手を掴んでた、そのまま私たちを引き上げる。

 

「時雨くん、ありがとー」

「助かったよ、時雨くん」

「……」

「無事でよかったよ」

 

肝だめしもそうだけど、あんたはいっつも私が困っている時助けてくれる。

 

「あんたなんで、さっき参加しないって」

「あとからついてきなって言ったのも楽しんだもん勝ちって言ったの籾岡さんでしょ?」

「そーだけど、さっきあんた辛そうな顔してたし」

 

さっき時雨に行かないか聞いた時、辛そうな顔をしてたから、何か悩んで苦しそうで、見てた私が辛くなって。

 

「…悪い、心配かけたね」

「いや、別に心配なんて───」

「リゾートの旅には興味は無いけど、参加してみることにしたよ」

 

時雨は笑顔で私を見る、心臓の鼓動がうっさい、顔がアツい。

 

「「ぎやぁぁぁぁぉぁぁぁ」」

「とりあえず、俺は行くよ」

 

時雨は悲鳴が聞こえた方へ走っていく、私、時雨の事が─────

 

「あーもうッ!なんでこんなアツいのよ」

「リサ、やっぱり時雨のこと…」

 

 

 

 

「凛、脱落者はどんな感じですの?」

「それが、あまり出ておりません」

「あら、意外と皆さん根性あるようですわね」

「いえ、それが時雨優斗が脱落しそうになった者を助けているようで」

「そう、彼が助けているの」

 

時雨優斗、変態校長から沙姫さまを助けた男、学校でも色々な人を助けている、さっきもくすぐりトラップに引っかかってた女子生徒を助けていた。

 

(あの動き、普通の高校生が出来るものなのか?)

 

「やはりわたくし自ら出向くしかないようですわね…行きますわよ、凛、綾」

 

(彼は木の茂みに隠れた私を見つけ、尾行していたことにも気づかれた、彼は一体──)

 

「凛!」

「は、はい」

「どうしましたの!?行きますわよッ!!」

「はい、沙姫さま」

 

私は沙姫さまについて行こうとすると彼が結城リトたちと合流した所がモニターに映っていた。

 

 

 

 

俺は色々回って助けていたら、リトとララさんと合流した。

 

「ララさんかなり集めたね」

「うん!いっぱい集まったよ!ユウトは?」

「俺は一個も手に入れてない」

「お前今まで何してたんだよ」

 

取れる機会は幾らでもあったけど、最初に見つけたのは、俺が助けた人達であって俺じゃない、だから取らなかった。

 

「あ、ここにも部屋がある!」

 

ララさんは扉を思いっきり開け中に入っていく、ララさん少しは警戒してくれ。

 

「そこまでですわ!!これ以上好きにはさせませんわよララ!!」

 

天条院先輩たちが持ってるのは、M4カービンとAPC9か?

 

「さあ、カラシ弾を────」

「天条院先輩、それは本物じゃなくても人に向けては行けない物です」

「中身はカラシ弾ですわ!問題ありませんのよ!」

「そうゆう問題じゃ─────」

「時雨優斗!あなたに恨みはありません、どこかへいきまなさいッ!」

 

天条院先輩はM4を構えて撃つ、天条院先輩と九条先輩が持っているM4のマガジンは20あるいは30、もし30だと仮定しても発射速度は700~900発/分で約2.57秒で打ち尽くす。

藤崎先輩が持っているAPC9K(サブマシンガン)はマガジンは30発射速度は1080発/分だ、避けることはまず不可能、物陰に隠れてリロードのタイミングを狙って武器を取り上げる。

 

「うわッ!?いってぇー優斗なにすんだよ!」

「あれの餌食になりたかったか?」

 

俺はリトを物陰に突き飛ばして俺もリトがいる所に身を隠す。

 

「狙いはララさんか…」

 

天条院先輩達はララさんを狙って撃っている。

 

「キ───ッ何て身のこなしですの!!」

 

この空間とあの距離でM4とAPC9Kの銃撃を避けるのは人間じゃ無理だが、ララさんは簡単に避けている。

 

カチカチ

 

「た、弾丸が」

 

タイミングは今しかない、天条院先輩と九条先輩の弾切れのタイミングで俺は二人に近づき銃を奪い取る。

 

サブマシンガンを持っている藤崎先輩は、それを見て慌て転んでしまい、サブマシンガンを遠くへ落とす、あの距離なら取りに行かなくて平気だろう。

 

 

「すみませんが、これは回収しまさせてもらいます」

「…早い、見えなかった、君は一体──」

「時雨優斗!?こ、こーなったら素手で!!合気道クイーンとよばれたこのわたくしの恐ろしさ!教えてあげますわ!!」

 

九条先輩は俺を見て何かを言いかけ、天条院先輩は諦めず素手でララさんに突っ込んでいく。

 

「もう終わりなの?コレ面白かったのに、そーだ!私が改造してもっとすごいのにしてあげよーか!」

 

ララさんは藤崎先輩が落としたサブマシンガンを拾って改造し始める。

 

「ちょっと…何してるの!?」

「よし!できたっ!!ちょっと強力かもしれないから、気をつけてね!」

 

見た目が明らかにヤバい武器になってる。

 

「な…何だか分かりませんが、敵に塩を送ったつもり!?愚かですわね!!!覚悟!!!」

「天条院先輩!それ絶対使ったらダメなヤツです!!」

 

ボヴッ

 

銃から絶対ならない音がしたあと、被弾した壁からヒビが入り、別荘が揺れ出す。

 

「ここに居たらまずい!外へ逃げるぞ!!」

 

俺はララさん達に声をかけ、みんなで外へ逃げだそうする。

 

「きゃっ!?」

「「沙姫さま!」」

 

天条院先輩は足を躓いて転ぶ、このままだと別荘の下敷きになる。

 

「天条院先輩、失礼しますよ」

「ちょっ!?時雨優斗!これは!?」

「時間がないのでこのまま行きますよ!」

 

俺は天条院先輩を抱き抱えて運ぶ、何とか別荘の外へ逃げ出すとそのまま別荘は全壊する、これ色々と大丈夫なのか?

 

「あら〜ちょっと強力すぎたみたい」

「べ…別荘が…」

「あっそーだ!私、みんなに集めたプレゼント配ってくるね!!」

 

そういうとララさんは他の人達にプレゼントを渡しに行ってしまった。

 

「って!いつまでわたくしのことをその…とにかくは、早くわたくしを下ろしなさい!!」

「すみません、今下ろします」

 

俺は天条院先輩を下ろすと顔を赤く染め上げ、別荘の方へ向く。

「あ…ありがとう」

「本当、無事でよかったですよ、じゃあ俺は帰ります」

「もう少し────」

「時雨〜?」

 

天条院先輩が何かを言いかけると籾岡さんが後ろから抱きついてくる。

 

「すみませんーセンパーイ、私たちこれから用事があるんでー失礼しまーす」

 

笑顔だけど全く笑ってない籾岡さんに俺は連れていかれる。

 

「随分楽しそうだったじゃん」

「彩南祭でも似たようなこと無かった?」

「あんたのせいでね?」

「これ俺が悪いの!?」

 

まさか籾岡さんまで俺の事、いや考えるのやめとこう。

その後、しばらく脇をつねられた、今日は色々あったけど、悪くないクリスマスだったかもしれない。

 

 




優斗の過去はこれだけじゃなく、全然まだあります。
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