ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~   作:アイスが食べたいマン

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~スケートと修羅場~

ヤミさんとの戦いから翌日の朝、戦った後は色々大変だった。

 

──────優斗、次は負けません

 

この言葉を聞いたリトは驚いた顔をして。

 

「優斗!お前宇宙でもトップクラスの殺し屋に勝ったのか!?」

「いや、逃げて時間を稼いだ」

[無傷で逃げ切るのも充分すごいと思いますが…]

 

誤魔化すのにかなり苦労した、今度ヤミさんに会った時、秘密にして貰えるよう伝えないと。

そして今日はリト達からスケートに誘われているから準備しないとな、スケート初めてだが──────

 

「格上相手に勝つなんてさすがですね、先輩」

「は?」

 

聞こえてきた声に思考が止まる、いや…まて、この声はまさか、後ろを見る、そこにはいつもと違う、青年が立っていた。

「お前なんで…」

「久しぶりですね?優斗先輩」

 

前世の俺の後輩がそこにいた。

 

「先輩はなんで金色さんを殺さなかったんすか?下手したら、結城リトを殺しかねないですけど…」

「……」

「質問変えるっす、なんで彼女を変えたいって思ったんですか?」

「輝が言ってだろ、きっかけがあれば人は変われるって、俺はそれを信じると決めた」

 

信じると決めた、きっとヤミさんは変われる。

 

「…なるほど、先輩らしい、ただ先輩気づいてるでしょ?」

「何だ」

「あれは爆弾ですよ?何が理由で起爆するかも分からない」

「……」

「おそらく彼女は何かが理由で全力を出し切れていないだけだって」

 

確証は無いけど、何故かあれがヤミさんの全力じゃない気がするのは確かだ。

 

「優斗先輩、もし彼女を変えたいのなら、起爆した場合も考えてくださいね?」

「言われなくてもわかってる」

「先輩は優しすぎますからね、まあそこがいいところなんすけど、あ、優斗先輩、そろそろ約束の時間じゃないですか?」

時間を見ると約束の時間まで残り20分ほどだ。

 

「スケート、楽しんできてくださいね?」

 

それだけ言うと青年は消えた、⬛︎⬛︎、お前は俺を恨んでないのか?

 

 

 

 

俺達は今スケート場にいる。

 

「見て見てーリトー、美柑ー、ユウトー!!」

「おぉ~上手いねーララさん!」

「うわわわわっ」

「それに比べてこっちは…」

 

リトは転んでスケート場に顔を打つ。

 

「う…うるせー美柑!オレはスケートなんてほとんどやった事ないんだよ!!」

「ララさんだって初めてじゃん」

「あいつは特別なの!それに優斗だってできてねーじゃんか」

「リトは壁掴むので精一杯でしょ?優兄はリトと違って今日が初めてなのにすべれてるよ?曲がれないみたいだけど…」

 

ドゴン!

俺は壁にぶつかって転倒する。

 

「…痛い」

「優兄大丈夫?怪我してない?」

「大丈夫」

 

何とか立ち上がってもう一度すべる、真っ直ぐは出来るのに曲がれない。

 

「…もう一回やってくる」

「気をつけてね?優兄」

「優斗はなんであんな頑張れるんだよ、くそ~やっぱ家でノンビリしてればよかったぜ…いやでも一人でいたら、また命を狙われるかも…」

「あーそういやリト、殺し屋の女の子に狙われてるんだっけ?」

 

俺はさっきぶつかった壁まですべってくるが、このままだとまた曲がれない。

 

「何て言ったっけ、確か金色の…」

「ッ!?」

「″金色の闇″です」

 

俺は曲がりきれず壁にぶつかりそうになった所をヤミさんがトランスを使って助けてくれた。

 

「優斗、大丈夫ですか?」

「ありがとう、ヤミさん」

「こんな所でお遊びとは余裕ですね、結城リト、でも油断大敵です、私はいつでもあなたを狙っているんですよ」

 

リトはビビって尻もちをつく、ビビりすぎて震えてるな。

 

「優斗、これ…どうぞ」

「たい焼きだ」

「はい、さっき買いすぎてしまったので一つあげます」

「嬉しいよ、ありがとうヤミさん」

「いえ…じゃあ私はこれで…」

 

ヤミさんはスケートリンクの外へ向かっていく。

 

「な…何しに来たんだ?あいつ…」

「…なんか優兄といい雰囲気だった気がする」

 

後ろから美柑の目が突き刺さる、聞かなかった事にしよう。

 

「あーいたいた、ララちぃ、時雨、結城!!」

 

声をした方を見ると籾岡さん、西連寺さん、沢田さんの三人がいた。

…まて、誰が呼んだ?この状況、かなりまずい気がする、俺達は三人と合流するため、一度スケートリンクの外へ行く。

 

「へへ~私が呼んだの!大勢いた方が楽しいかなって思って」

「こんにちは結城くん、時雨くん」

「ぁ、あぁ」

「こんにちは」

「美柑ちゃんも久しぶりだね」

 

俺はヤミさんから貰った、たい焼きを食べながらリトを見る、リトは明らかに嬉しそうな表情をして、美柑もリトの様子を見てニヤニヤしている。

「お──────っ、さすがララちぃ、鮮やかなすべりだねー」

「よーし私らも負けないよ!!」

「時雨!あんたも行くよ!」

「籾岡さん、俺曲がれないんだ」

 

籾岡さんは俺の言葉を聞いた瞬間、キョトンとした顔をした。

 

「あんたスケートできないの?」

「できなくて悪かったね」

「意外、時雨にもできないこと、マジであるんだ」

「俺だって人間だからね、できないことくらいある」

「私が教えてやろーか?」

 

教えてもらうか、確かにそろそろ見て覚えるのに限界を感じていたしな、頼んでみるか。

 

「籾岡さん、お願いしても──」

「籾岡さん大丈夫ですよ?優兄は私と練習するので、ね?優兄?」

 

美柑が俺の右腕に抱きついてくる。

 

「…へぇ?時雨~、私教えるの上手いよ?それに、せっかく遊びに来てんだからさ~たまには私と一緒に遊ぼうぜ?」

 

籾岡さんも対抗して俺の左腕に抱きついてくる。

 

「…最近、優兄と遊べてないなー?久しぶりに優兄と遊びたいなぁ?」

「もし私と遊んでくれるなら、カラオケの時とは違う、大人のキスしてやるよ」

「…キス?優兄?何の話?」

 

籾岡さんそれは特大な地雷だよ?

 

「違う美柑、あれは事故だ、倒れそうになった籾岡さんを支えようとして一緒に─────」

「事故ってひどーい、私の初めて時雨だったのになぁシクシク」

 

籾岡さん、嘘泣きやめよ?

 

「…私は優兄とこの前、お風呂で裸で抱き合いましたから」

「は?」

「優兄が泊まりに来てくれた時はいつも一緒に抱きついて寝てます」

「……」

 

美柑、あれは抱き合ってない、事故だ、それに一緒に寝てる件も美柑が勝手に潜り込んでいるだけで俺は抱きついてはいない。

美柑と籾岡さんの間でバチバチと火花が散る。

 

「それに籾岡さん、優兄から未だにさん付けなんですね?ただのクラスメイトって思われてるんじゃないですか?」

「…美柑ちゃん、呼び捨てだから特別ってワケじゃないんじゃないかなー」

 

そのままお互いに言い合いになりそうになる。

 

「二人とも流石にもうおしまい、とりあえず、曲がり方、二人で教えてくれない?」

 

二人からのスケート指導が始まった。

 

「優兄、行く方向に対して斜めを意識してみて?」

「…斜め」

「あーそのままじゃまたぶつかるぞ〜」

 

ダメだ、このままだとぶつかる、そう思って諦めかけていると、前に籾岡さんが来る。

 

「だいじょぶ?あんたマジで曲がれないんだ」

「…助けてくれてありがとう、でもちょっと恥ずかしいから離してくれない?」

 

俺は籾岡さんと抱きついた状態になっている

 

「時雨ェーホントに離していいの?こんな美女とハグしてんだぜ?」

「いや公共の場だから…」

「それ言ったらあんた、肝だめしの時、私の事、お姫様抱っこしたじゃんか」

「……優兄のお姫様抱っこ」

 

籾岡さん、あなたこれわざと言ってますよね?美柑の事これ以上煽らないで?

俺を抱きしめる力が強くて、何がとは言わないがあたっている、わざとあてているんだろうな。

 

「籾岡さん、優兄が嫌がってますよ?離して貰えますか?」

 

美柑は俺を籾岡さんから引き剥がそうと引っ張ってくる、この状況だとバランスが取れない。

 

「二人とも一回離れてくれ、バランスが────」

[わ──────っ!]

「ッ!」

「「きゃっ!」」

 

俺が二人の下敷きになるように倒れてしまう、気のせいだといいが今ペケが飛んでこなかったか?

 

「二人とも大丈──」

「ギャッ、なにコレ────!!?」

「えっ、わぁ────っ!!?」

 

ペケは美柑の髪にくっつく、美柑の服がスクール水着に変わり、籾岡さんはセクシーな下着姿になる。

二人の下敷きになってる俺の姿は下は履いているが上裸になっていた。

二人はそのまま俺に身を寄せてくる、二人の柔らかい感触が俺の身体に伝わってきて。

 

(これは色々とまずい、許せペケ)

 

俺は美柑の髪からペケを取り投げ飛ばす。

 

「一瞬私たちの姿、とんでもない事に…」

「今のペケ…?」

「とりあえず、二人とも離れてくれない?」

 

ペケを吹っ飛ばした為、服はすぐに戻ったが、二人の下敷きになっている事は変わらない。

…何がとは言わないが二人の柔らかい物の感触が身体まだ消えない。

 

『いやぁあぁああ!!!』

 

声をした方を見るとリトが全裸姿にクリーム付けた変態になって、西連寺さんに平手打ちをされている。

悪いリト、俺のせいだ。

 

 

 

 

あの後、二人からの指導もあり、何とか曲がれるようになった俺は一旦スケートリンクの外に出る、理由はヤミさんを探すため。

 

「ここに居たんだ」

「はい、見てました、大変そうでしたね、優斗」

「でも、楽しかったよ、ヤミさんはスケートを見てどう持った?」

「氷の床をただすべるだけの原始的な娯楽だと思いました」

 

…原始的な娯楽ね。

 

「不思議なことに原始的な娯楽でも友達と一緒にやると楽しんだ、ヤミさんも一緒にやらない?」

「…興味ありません」

 

残念、振られちゃったか。

 

「ヤミさんに一つ頼みがあるんだ」

「なんですか?」

「俺がヤミさんに勝った事と俺が話した内容はみんなには秘密にして欲しい」

「どうしてですか?」

「リト達には知られたくないんだ」

 

ヤミさんに言った、大切な人を殺した話は前世の話だ、それをリト達に話せば、全て話さないと行けなくなるかもしれない。

 

「あなたと結城リトたちは親しい中だと思っていましたが、違うのですか?」

「仲はいいよ?ただ訳があって話せないんだ」

 

俺がそういうとヤミさんは何かを考えている。

 

「…わかりました、ただ秘密にする代わりに優斗、あなたに一つ聞きたいことがあります」

「何?」

「あなたはなぜ、私とともだちになりたいのですか?」

「昔の自分に似てると思ったんだ」

「似てる?」

 

─────こんな平和な星に住んでいるあなたには分からないでしょうね、たった一人でこの宇宙を生きる孤独など…

 

この言葉を聞いて、あの目を見た時、昔の自分を思い出してしまった。

 

「一度は希望を見つけて幸せに過ごしていたのに、その希望が消えて絶望した」

「……」

「俺も絶望した時の辛さを、一人になった寂しさを知ってる」

 

初めて希望を見つけて、幸せに過ごしていた時に大切だったあの人は殺された。

 

「ヤミさんの過去がどんなものか分からない、でも何となく俺と似てる気がした」

「…似ているからともだちになりたいと?」

「それともう一つ、俺はヤミさんが変わって幸せになるきっかけを与えたいんだ、だから覚悟しといてね?」

「ッ!?」

「てことでまずは一緒にスケートをやろう!」

 

俺は笑顔でそう言って、顔が赤くなったヤミさんの手を掴みスケートの道具借りに受付へ向かう。

 

「あなたは強引ですね」

「そう?」

 

道具を借りてスケートリンクへ向かうとヤミさんは初心者のはずなのに上手にすべっていた。

 

「あれ?俺より上手いじゃん」

「優斗みたいに壁にはぶつかりませんよ」

「俺ももう壁にはぶつからない…あ、このままだと曲がれ────」

 

俺は曲がりきれずそのまま壁にぶつかりそうになると、ヤミさんが俺の手を掴み引き寄せてくれた

「ありがとう、また助けられたよ」

「まったくしょうがない人ですね」

 

俺はそのままヤミさんに手を引かれてすべっていく。

 

「…なーんかいい雰囲気じゃない?あの二人?」

「…優兄?」

 

あとが怖いがとりあえず、あの二人は見なかったことにしよう。

 

「…優斗」

「どうしたの?」

「スケート、意外と悪くありませんね」

 

ヤミさん照れくさそうに言った、どうやら楽しんでくれたようだ。

 

もし彼女が何時起爆するのか、分からない爆弾だったとしても俺はヤミさんを変える、だってこんなふうに笑う子が殺しの世界で生きたいはずがないんだから。

 

スケートが終わったあと俺は二人に捕まった。

 

「優兄、楽しそうだったね?」

「……」

「籾岡さんとキスした話、ホント?」

「あれは事故です」

「ふーん、事故でもしたんだ」

 

美柑が怖い。

 

「時雨、小学生と裸で抱き合うって、まさかそーゆー趣味なワケ?」

「…なんか変な勘違いしてないか?」

「で?ホントに抱き合ったの?」

「抱き合ってはない、あれも事故で…」

「あんた、事故って言えば済むって思ってるでしょ」

 

籾岡さん怖いです、それなあれも本当に事故だ。

 

「美柑ちゃん」

「なんですか?」

「…負けないから」

「それは私のセリフです」

 

考えたくなかったが、籾岡さんもやっぱり俺の事が好きなんだろう、二人とも悪い、俺に残された時間は少なくなっている、二人の想いに答えられないんだよ。

それに俺には幸せになる権利がない。

 

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