ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~   作:アイスが食べたいマン

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~デビルーク王vs優斗~

ヤミさんを御門先生の診療所に連れて行ってから1ヶ月ほど経つ。

西連寺さんの誕生日パーティでララさんが宇宙人なのが西連寺さん達にバレてしまったが、俺達は特に問題なく日常を過ごしていた。

 

「ふわぁ…ようやく放課後かァ…一日って短いようで長いよなァ…」

「でも楽しい時間は直ぐに終わるよ」

「確かになーしっかしララのヤツ、どこいったんだろ」

「授業が終わって、すぐに走ってどこかに行ったな」

「げっ!!優斗、あれ」

 

リトが指を指す方を見ると天条院先輩たちがいる、げって言うほどか?

 

「天条院先輩だな、近くの子供は一体どこから─────ッ!!?」

「優斗、どうした?」

 

こいつ何者だ?ただの見た目は幼く、子供を演じているみたいだが、こいつは危険だ、天条院先輩達から引き離す。

 

「おい、優斗どこ行くんだよ!」

 

リトの声を無視して俺は天条院先輩達の元へ走っていく。

 

「おんぶしてよ~キレイなお姉ちゃん!」

「し…仕方ありませんわね」

「天条院先輩、その子供から離れてくださいッ!!」

「と…時雨優斗!?」

 

俺は天条院先輩へ庇うように前に出る、急に離れろと言われた天条院先輩達は困惑しているが、理由は話している場合じゃない。

 

「…お前は誰だ?何が目的でここに来た?」

「オレ様は迷子なだけだ───────」

「質問に答えろ」

「時雨優斗、どうしましたの?いつものあなたじゃないですわよ?」

「少し落ち着け、君らしくない、この子供はただの迷子だ」

 

俺は子供を睨みつける、天条院先輩達は出来れば、今すぐ逃げて欲しい。

 

「ほぅ?貧弱な地球人がよく気づいたな?だが少し甘いんじゃねーか?」

 

子供はそれだけ言って一瞬で姿を消す、どこに行った?

 

「それっ!」

「「キャッ!!?」」

「なッ!?」

「こいつ、いつの間に」

 

後ろから三人の声が聞こえ、後ろを向くと天条院先輩達は胸を揉まれたり、スカートを捲られたりしていた、回り込まれた事に気づけなかった。

 

「おい、優斗!なにやって────」

「あ!お兄ちゃん!!」

 

子供はリトへ抱きつきに行く、お兄ちゃんだと?こいつ何がしたいんだ?

 

「お兄ちゃん助けて────!!怖いお姉ちゃん達がいじめるー!!」

「お兄ちゃんですって!?結城リト…またしてもあなたの仕業ですのね!!時雨優斗の前で良くも辱めをッ!!」

「うわーっち…違…」

「お待ちなさーい!!!」

 

天条院先輩はリトを追いかけていく、俺は天条院先輩の後を追おうとした九条先輩の手を掴む。

 

「すみません、九条先輩頼みがあります」

「悪いが、今君と話している場合じゃない、助けてくれようとした礼は今度──────」

「九条先輩が持っているその木刀を俺に貸してください」

「君は何を言って────」

「必要なんです」

 

あの子供相手に武器無しでは絶対に勝てない、正直木刀を使っても、相手になるか分からない、だけど無いよりマシだ、それに武器を探している暇はない。

 

「…わかった、何に使うか分からないが君に貸そう」

「ありがとうございます」

 

俺は九条先輩から木刀を借りて子供を追いかける。

さっき逃げているリトから離れて、テニスコートに向かっているのは見えた。

 

「見つけた」

 

子供は佐清先生とテニスコートに立っている、まさかテニスでもしてるのか?

 

「あ!あんな所にいやがった!!」

 

ボロボロのリトがいる、天条院先輩にボコボコにされたか、とりあえず中に入ってあの子供を何とか…

 

ドッ、ガオッ

 

テニスコートに入ると同時に音が響く、見ると佐清先輩の背後にクレーターができていた、佐清先生に当たってはないが、立ったまま気絶したようだ。

 

「クックック情けねーヤツだ、じゃあ、あとは俺の好きにさせてもらうぜ」

 

子供は一瞬で新井さんの後ろへ行く。

 

「フハハハハハー!!!もませろ─────ッ」

「新井さん、ごめん」

「え?時雨くん?」

 

俺は新井さんの近づき腕を掴む、そのまま抱き寄せて子供に向かって木刀を振る、抱き寄せたこともあり、牽制で振っただけの木刀は簡単に避けられる。

 

「てめェーさっきから邪魔すんじゃねぇ」

 

子供は舌打ちをしながら、俺を睨んでくる、テニスでボールを打っただけでクレーターになる威力、この場所でこいつと戦えば、周りの人は間違いなく巻き込まれて死ぬ。

 

「おぉ!!いい女発見!!チューしてェ!!」

 

子供は西連寺さん達を見つけて追おうとするが、リトが西連寺さんの手を掴み逃げていく、子供はその後を追いかけていく。

 

「と…時雨くん、その…周りの人が見てる」

「悪い、新井さん、怪我はない?」

「…大丈夫、ありがとう、また助けられちゃったね」

 

新井さんは顔を赤くして呟く。

 

「ごめん、もう行く」

「え?あ…」

 

俺はリトの後を追って走り出す、おそらく子供もそこにいるはずだ。

 

「あんた、今紗弥香抱き合ってなかった!?なんで─────」

「籾岡さん、ごめん、話はまたあとだ」

 

リトを追うと屋上まで行っているのが見えた、後を追って扉を開けようとすると、とある物が目に入る。

 

─────武器が無くなれば、物を使えどんな些細な物でも武器にできる

 

前世で教わったことを思い出す、九条先輩に借りた木刀もあるがこれも持っていこう、木刀とこれがあれば、時間稼ぎくらいはできるかもしれない。

 

『パパ!!』

『パ…パパ!?』

屋上からララさんの声が聞こえた、あれがデビルーク王、強いわけがやっとわかった、いくらデビルーク王でも、娘のララさんの話なら聞くかもしれない。

 

─────てめェがオレの期待を裏切ったなら───…その時はてめェの命、ちっぽけなその惑星ごとぶっ潰す…!!…覚えておけ

 

本当にそうか?ララさんに無理やりお見合いをさせ続けた父親が、ララさんの話を聞くのか?少しここで様子を見よう、もし、リトを殺そうとしたら、勝てないだろうけど、俺が出ればいい、

それで俺が死んだとしても、今度こそ守り抜く。

 

 

 

~リトside~

 

「何言ってんだよララ…こいつどう見ても子供だぞ!?」

 

ララがパパといった人物が、どう見ても子どもにしか見えなかったオレはララに言う

 

「いや…リト君、そのお方こそ、まちがいなく銀河を束ねる我らが主…ララ様のお父上だ」

「そーゆーこった結城リト、見た目で判断しているようじゃ、この宇宙では生きていけねーぜ?まあ、気づいていた男が一人いたけどなァ」

 

気づいてた男って優斗の事か!?確かにあいつ、天条院先輩たちの時に走って前に出ていたし、テニスコートにも新井を守るように庇っていた。

 

(優斗、おまえなんでわかったんだよ、こいつがただの子供じゃねーって、それになんで言わねーんだよ)

 

オレはこの場にいない親友に内心で悪態をつく、わかってる、優斗はオレに心配かけないように伝えなかったんだって事も、あいつは昔からそういうヤツだから。

 

「オレがデビルーク王、ギド・ルシオン・デビルークだ、ララ…オレが何のために地球へ来たか、ザスティンから聞いてるな?俺の後継者……つまり、お前の結婚相手が正式に決まった」

 

(え!?ララの結婚相手が決まった!!?それってまさかっ!)

 

「相手はこいつ…結城リトだ」

「な…なにィ──────!?なんでいきなりそんな!?」

「別にいきなりじゃねーさ、ザスティンから常にお前に関する報告は受けていた、その上での判断だ、貧弱な地球人にデビルークの跡を継がせるのは不安もあるが…ララの意思を尊重することにしたワケだ」

そ…そんな…オレは春菜ちゃんのことが。

 

「私の意思…?」

「フハハハ!そーゆーこった、どうだ、オレも中々いい父親だろ!?さてそーゆーワケだ、たのむぜ後継者!」

「ちょ!…ちょっとまて!オ…オレは…」

 

ララが嫌いとかじゃないけど…けどオレはオレが好きなのは──────

 

「オレは?………まさか、イヤだとか言うんじゃねーだろーな?」

 

ズオッ

ビシビシ

 

ララの親父がオレに殺意を放った途端、屋上の扉が開かれて、木刀と赤い何かを持った優斗が出てくる。

 

 

~優斗side~

 

 

デビルーク王がリトに殺気を放った瞬間扉を開けて消化器を投げつける、意識はリトに向いていた、完全な不意打ちにだった。

 

「舐めるなよ?」

 

この男は何も無かったように消化器を爆発させる、止められる事はわかっていた、狙いは当てることじゃない、爆発された消化器の中から液体と粉末で辺りが見えなくなる。

 

「リト!西連寺さんを連れて逃げろッ!」

「おい、優斗!?」

 

リトにそれだけ伝え、オレはデビルーク王がいた所に、木刀を構えて突きをする。

 

「…意外とやるじゃねぇか、地球人のガキッ!!」

「チッ、ダメか」

 

デビルーク王は片手で木刀を受け止め、そのまま木刀ごと俺を壁に投げ飛ばす、壁に叩きつけられたと同時に木刀が俺の手から離れる、おそらく背骨が折れただろう。

 

「ぐッ…」

「だが甘いな、そんなんで勝てるほど甘くねぇぞ?」

「王!お怪我はありませんか?」

「ザス、オレがあんなので怪我するとでも思うか?」

「いえ、そんなこと思っておりません、時雨優斗ッ!貴様、王に向かってなんて無礼をッ!!」

「時雨優斗?」

 

俺の名前を聞いたデビルーク王は何かを考える、俺は立ち上がり、そのままデビルーク王に向かって攻撃を仕掛ける。

 

「ほぉ?まだ立てたのか」

「ッ!?」

「ガラ空きだぜ?後ろがよォ」

 

デビルーク王は目の前から一瞬で姿を消し背後に回られる、俺は後ろを向いて右腕でガードをするも右腕ごと脇腹に蹴りが入ってしまう。

 

「今の体制からガードを間に合わせるか、まあ無駄だったなようだがなァ」

「…クッソ」

 

ガードしたもう右腕は使い物にならない、おそらく肋も折れている。

 

「優斗ッ!?」

「時雨くん!?」

「てめェか、ザスから報告があった、マウルを倒し、ザスを退けた地球人って奴は」

「……ぐッ」

「…確かに随分戦いが手馴れてるみたいだなァ、何者だてめェ…」

 

俺は近くに落ちていた木刀に手を伸ばすが届かず、デビルーク王は俺に近づき、髪を掴み顔を上げさせられる。

 

「…お前が言った貧弱な地球人だよ」

「その目は戦いを地獄を知ってる奴の目だ」

「なんのことだが」

「そうかよッ!!」

「ぐっ……が…げっほッ!」

 

そのままデビルーク王は俺の腹を蹴る、俺は腹を抑えて吐血する。

 

「お前ッ!優斗になにすんだよッ!」

「前に言ったはずだよな?オレの期待を裏切ったら地球ごとツブすってよ、てめェも時雨優斗みたいになるぞ?」

「地球をツブす…リトにそんな事を?ユウトもその事を知ってて、パパ…」

 

デビルーク王がリトにまた殺気を向ける

 

─────片腕がちぎれても剣を振るえ、足が砕かれても前進しろ、例え両目が潰されようと気配を探り敵を探して斬り進め

 

─────お前が呆気なく死ねば、次に死ぬのはお前が守り生き延びるはずだった人間が死ぬ

 

…そうだ、このまま俺が倒れたら、リトだけじゃない、みんなを失う、もううんざりなんだよ、失うのは、見たくないんだよ、大切な人が死ぬところは。

 

「今は抑えているが力を解放すればこんな星、簡単にコナゴナにできる、どうなんだ?結城リト──────ッ!!」

 

ズドンッ!

 

俺は気配を消して落ちていた木刀を拾って立ち上がり突きをする、さっきよりも強く踏み込み、トップスピードでデビルーク王に食らわせて、そのまま壁に突っ込む。

 

「…このオレが貧弱な地球人に一発貰うとはなァ、てめェ、マジで何者だ?」

「リトを殺すなら、俺を殺してからにしろよ、暴君」

「そうかよ、ならお望み通り殺してやるよッ!!」

 

デビルーク王は俺の周りを高速で移動する、俺はデビルーク王の動きにはついていけない、今できることはカウンターだけ、これで決めないとリトどころか地球が無くなる。

右手はほぼ使えないが両手で木刀をなんとか構えて気配を探る、一瞬でもタイミングをミスすれば死ぬだろうな。

 

「ユウト!ダメッ!!」

「優斗、ダメだ逃げろッ!!」

「お前が早く逃げろよ、リト」

 

俺は目を閉じる、この一撃に全てベットする。

 

「くたばれ、地球人のガキッ!」

「…ッ!!」

「なんだとッ!?」

 

デビルーク王の突っ込んできたタイミングで木刀でカウンターが決まるが、デビルーク王を地面に叩きつけると同時に木刀が折れる、完璧な一撃だったが、デビルーク王の意識を刈り取ることができなかった。

 

「ッ!?クソがァ、貧弱な地球人に二発も貰うとはな?だが、てめェは腕はもう使えねェ、これで終いだ」

 

叩きつけられたデビルーク王は立ち上がり、オレに向かって拳で殴りかかってくる、今のオレに避ける体力はない、体も限界で腕は使い物にならない。

 

…ここまでか、みんなごめん。

 

「パパッ!!」

 

ララさんが俺の前に飛び出してくる、デビルーク王はララさんに拳が当たる寸前で止める。

 

「ララどけ、時雨優斗を殺す」

「もうやめてッ!ユウトはリトを、みんなを守ろうとしただけッ!それに私、リトとは結婚しない!」

「結婚しない!?どーゆー事だッ、せっかくオレがお前の意志を尊重して───」

「ちがうよ!ホントは早く王位をゆずって遊びたいだけでしょ」

「うっ」

 

図星かよ、こいつ…そんなことの…為に、視界がぼやける。

 

「リトの気持ちを無視してまで…一方的に結婚しても嬉しくないの!」

「そいつの気持ち…?」

 

ララさん、ダメだ、その先…を伝えたら、デビルーク王はまた…リトを殺そうと…動き出すッ!

 

「リト…私ね、何となく気付いてたんだ、私がいくら好きって言っても…リトの本当の気持ちは私に向いていないって事…」

「何ッ!?」

 

デビルーク王は殺気を放つ、俺はもう一度構えようとするとララさんに止められる。

 

「大丈夫だよ?ユウト、ありがとう、リトを…みんなを守るために頑張ってくれて」

「…ララさん」

「後は、私に任せて?パパ結婚のこともう少し待って」

「…ララ、なにを考えてる!?」

 

ララさんは何かを覚悟した目をしていた、今は…ララさんを…信じよう…

 

「ッ!優斗!!」

 

リトの声が聞こえた、きっと今のララさんならこの状況を何とかできる、俺はララさんを信じて意識を落した。

 

 

~リトside~

 

 

「ッ!優斗!!」

 

優斗が地面に倒れる、オレはすぐに優斗に駆け寄るが意識がない、血も吐いていて体はボロボロだった、優斗、ウソだろ?死ぬのか?

 

「リト、ユウトを御門先生の所に連れて行ってあげて?」

 

ララはそういうと謎のアイテムを取り出す。

 

「バイバイメモリーくん、これで地球のみんなから、私の記憶を消す」

「お…おいララ、どういう事だよそれ!!」

「ごめん、リト、プリンセスとか婚約者候補とかそういうのナシでもう一度…ゼロからの私でがんばってみたいの」

 

さっきの優斗とララの親父の戦い、優斗が倒れる、ララが記憶を消そうとしている、その三つが立て続けに起こってオレの理解が追いつかない。

 

「私の最後のわがまま…聞いて…」

 

そんな…ウソだろ?

 

「春菜友達になってくれてありがと!楽しかったよ」

「ララさん!」

「ユウトごめんね?色々な事に巻き込んじゃって、その度にリトを守ってくれてありがとう」

 

ララは春菜ちゃんと意識を失った優斗に声をかける。

 

「また仲良くしてくれるとうれしいな…」

「ま…待てよララ!!そんな事しなくても─────…」

「さようなら…」

 

ララがスイッチを押すと視界が光で覆われ、目をつぶる、目を開けるとララとララの親父、ザスティンの姿はなかった。

 

「ララさんは?」

「西連寺、もしかしてララのこと覚えてる?」

「うん、覚えてる」

 

ララの発明品は失敗に終わったらしい、まだ問題は

残っていた。

 

「優斗ッ!!」

「時雨くん!」

 

優斗は目を覚まさない、怪我も酷い、今すぐ御門先生に連れていかないと、そう考えていると金色の髪が優斗を包み込む。

 

「優斗ッ!?結城リト、ここでなにがあったのですか!」

「ヤミ、事情はあとで話すから優斗を御門先生まで運んでくれッ!!」

「…わかりました」

 

ヤミは優斗の状態を見て、トランスで優斗を御門先生の元まで運んでくれた。

 

 

 

 

御門先生の診療所に着いたオレたちは、御門先生に優斗の治療をお願いした。

 

「御門先生、優斗の容態は?」

「もう大丈夫よ、あとは目を覚ますのを待つだけ、ただ、しばらく一人で生活するのは難しいでしょうね」

 

ベットで眠っている優斗を見ながら御門先生は言う、優斗は右腕と腹部を包帯でぐるぐる巻きにされている。

 

「優兄ッ!?」

 

美柑が扉を開けて入ってくる、ここまで走ってきたのか、凄い汗をかいていた。

 

「リトっ!優兄は大丈夫なの!!」

「もう心配ないってさ、御門先生とここまで運んでくれたヤミのおかげだよ」

「ありがとうございます、優兄を助けてくれて」

「…私は運んだだけです」

「時雨くん、しばらくは一人で生活できないからあなた達で彼をサポートしてあげてね?」

「え?」

 

御門先生の言葉を聞いた美柑は驚いた顔をして、眠っている優斗に近づく。

 

「…優兄、こんなボロボロになるまで、一人で戦ったの?なんで…こんなになるまで一人で背負っちゃうの?」

 

美柑は涙を流しながら、眠っている優斗の手を握る、昔から優斗はオレたちや他の人にも手を差し伸べ助ける、一人で誰にも頼らずに。

 

「…少しでいいから、私たちに頼ってよ、優兄っ!」

「…美柑」

「結城くん、時雨くんの親御さんに連絡してくれないかしら」

 

オレたちは小さい頃から一緒にいるけど、優斗の親父さんの連絡先を知らない。

 

「じゃあ、オレ、親父に電話して、優斗の親父さんに────」

「リト、それならもうお父さんが電話してくれたよ…」

「え?」

 

どうやら、ここに来るまでに美柑が親父に伝えてくれたらしい、親父なら、きっと連絡して…

 

「今日お父さん早く帰ってきたの、だから優兄のお父さんに電話してくれたけど、…生きてるなら、どうでもいいって、そんなことで電話してくるなって電話切られてた」

「は?」

 

なんだよ…それ、冷たすぎるだろ、家族じゃねーのかよ!?

 

「…優兄の着替えとかは、お父さんが後で持ってきてくれる」

 

美柑の表情が見えない、泣いているんだろうけど、おそらく怒ってもいるんだと思う。

オレも優斗の親父には昔からずっとムカついてた、ずっと優斗を一人にして、誕生日すら祝いメッセージも送ってこない。

まるで家族じゃない、必要だからそうしてるだけに見えてしまう。

それに昔から思ってたけど、今日の戦いを見て確信した、優斗はオレたちに何かを隠してる。

 

─────その目は戦いを地獄を知ってる奴の目だ

 

優斗は否定したけど、もし、ララの親父が言ってることがホントなら、優斗、お前は一体何を見たんだ?オレたちの知らない所で何かあったのか?

仮にあったとしてなんで教えてくれないんだよ、オレはそう思いながら眠っている優斗を見ていた。

 

 

 

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