ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
「右腕も大丈夫そうね、今包帯取ってあげる」
「ありがとうございます」
俺は保健室で御門先生に右腕を見てもらっている、新学期からある程度は右腕を使えるようになったが、誰かを支える時に痛みがあったが、痛みはもうない、これで完全に元通りに使える。
「治ったからと大丈夫って思って、無茶な事しないようにしなさい?前にも言ったけど、あなたが怪我をしたら悲しむ子がいるのよ?」
「わかってます」
右手を握ったり開いたりして確認する、問題ないな。
「さて、治療費についてだけど…」
「いくらですか?」
「私の質問に答えてほしいの、それで治療費は無しにしてあげるわ」
質問ね、一体何を聞くつもりだ?
「答えられる質問なら」
「あなたとあなたのお父さん、時雨春馬さんについてよ?」
「…は?」
なぜ、春馬さんのことを知っている?いや知っているのはこの際、問題じゃない、何を聞くつもりだ?
「私の予想だと、あなたとお父さんは家族じゃない」
「……」
「11年前、とある殺人事件があった、死亡したのはホストクラブで働いていた男性、そして犯人の女性は男性を殺した後、自分の子供も殺そうとした所を警察が突入して、現行犯逮捕に至った、殺されそうになった子供は無事に保護されて、孤児院に預けられた、その子供はあなた、違うかしら?」
「ッ!?」
なぜ、その事件を知っている?どうやってそこまでたどり着いた?
「確かに子供の名前とあなたの名前は違ったわ、でも調べてみたら────は一緒だった、これってどういう事かしら?」
「…よくそこまでたどり着けましたね」
「美柑ちゃんが言っていたわ、結城くんのお父さんが電話をしたら、生きているなら、どうでもいい、そんなことで電話してくるなって電話を切られてたってね」
リトも同じことを言っていた。
「普通家族なら、そんなことを言わないわ?でもあなたのお父さんはそう言った、あなたとお父さんに何かあると思って調べたら、ヒットしたのよ、この事件が」
「なるほど、それでですか」
「あなたの反応が答えなんでしょうけど、一応聞くわ、あなたは11年前に起きた事件の子供、違う?」
「正解ですよ」
答えを聞いた御門先生は悲しい顔をする。
「結城くんたちは?この事知ってるの?」
「教えてないので知りませんよ」
「どうして?あなたは─────」
「リト達に話す必要がないので、もうこれくらいでいいですか?」
「…良いわ、教えてくれてありがとう」
御門先生は俺に睡眠薬を渡してくる。
「治療費がタダになるだけじゃないんですか?」
「辛いことを聞いたお詫びよ」
「ならありがたくいただきます、この事はリト達には絶対に言わないでください」
「…わかったわ」
俺はそう言って保健室を後にして教室へ戻って行く。
◇
保健室から戻ってきてから時間が経ち、今は昼休み。
「ねーねー聞いた?最近ウワサの幽霊話!!」
「え…?幽霊!?」
「なになに幽霊ってお化けの事?」
「まー似たよーなもんね」
「旧校舎あるでしょ?最近あそこに幽霊が出るってウワサがあんのよ!」
ララさん達が話している、旧校舎に幽霊、定番な組み合わせだな。
「ただのウワサだろ?ありえねーよ、幽霊なんて」
「ホントの話なのよ!怪しい物音が聞こえたりとか」
「不気味な声で″出ていけ~″っていうの聞いた人もいるんだって!」
「どーかなァ…優斗いると思うか?」
「いるんじゃない?実際、宇宙人がいたんだ、幽霊がいてもおかしくないよ?」
それを聞いたリトは驚いた顔をする、似たような事を前に籾岡さんにも聞かれたが答えは変わっていない。
「じゃあさ!ホントかどうかみんなで確かめに行こーよ!!」
ララさんは目を輝かせて提案する、籾岡さんと沢田さんは賛成する。
「あの~…勝手に旧校舎に入るのはどうかと思うの…一応、クラス委員としては私は………」
「つべこべ言わずにあんたも来るのよ!」
籾岡さんの言葉に西連寺さんは顔を青ざめてしまう、そういえば、前にリトが春菜ちゃんはお化けが大の苦手だったとか言ってたな。
「オ…オレも行く!」
「時雨、あんたも来なさいよ!」
「俺も?」
「結城だけじゃ頼りないでしょ」
「…まあ確かに」
「おい優斗!」
「よし、じゃあ昼休みにみんなで行ってみよー!!」
結局この場にいた全員で行く事になった。
「………」
古手川さんがバレないように俺達の方を見ている、リト達が変なことしないか、監視目的で古手川さんもこっそり着いてきそうだな。
時間が経って、授業も終わり昼休み。
「おーい、幽霊さんいますかー?」
「…ララさん、呼んでも幽霊は出てこないと思うよ?」
俺達は旧校舎に探索に来たが、特に変わった事は起きていない。
「キャ────ッ!」
そんなことを考えていた時、後ろから西連寺さんの悲鳴が聞こえてきた為、俺は後ろを向いて反射で構えてしまう。
「ど…どーした西連寺!!」
「落ち着いて春菜」
「ネズミが走っただけだよ、もー」
「何だ、ネズミか…」
「いや、お前はなんで戦闘体制に入ってんだよ」
西連寺さんがネズミにびっくりしただけらしい、本当に幽霊とか苦手なんだな。
「大丈夫?春菜」
「う…うん…」
「でもさァ、別に大した事起きないね」
「やっぱただのウワサかもねー幽霊なんて」
「西連寺さんも怖がってるから、そろ─────」
ゴドッ
物音が聞こえた、何かを動かした音が。
「…聞こえた?」
「うん…この中から聞こえたような…」
ミシッ…ミシッ…ミシッ…
誰かが扉に向かって歩いてくる。
「ちょっと…誰か扉に近づいてきてるよ」
「やだ…まさか本当に…!?」
…幽霊か?いや、誰か住み着いていた可能性もあるな。
「俺が確認する」
「ちょッ!時雨、危ないってッ!」
籾岡さんの静止を無視して扉を開ける、そこにいたのは金色の綺麗な長い髪をした女の子。
「ヤミさん、なんでこんな所に?」
ヤミさんが扉の前に立っていた。
「優斗…私はただここには古い本がたくさんあるので読んでいただけです」
俺は教室を示すプレートを見る、ここは図書室だったのか。
「優斗こそこんな所で大勢で何を…まさか、また無茶なことをするつもりですか?」
ヤミさんはそういうと髪を手の形にして、俺を掴もうとする。
「前に言ったはずですよ?無茶をしたら、あなたの弱点である耳を攻撃すると…」
「俺も言ったけど、弱点ってそういう意味じゃないから」
「時雨、そのコ…前のスケートにいたコだよね?それに時々、あんたと仲良く校内を歩いてるところを見かけるけど…どーゆー関係なワケ」
籾岡さんの方を見ると明らかに不機嫌で目が怖い、俺にとってはこの状況がホラーだ。
「ヤミさん、ただの友達のだよ」
「…ただの友達ですか」
ヤミさんが少し落ち込んだ、言い直すか。
「友達のヤミさん、可愛いだろ?」
「ッ!?」
「…は?」
落ち込んでいたヤミさんは顔を赤くするが、籾岡さんからドスの効いた声が聞こえる、どんな回答しても無駄なやつだな。
「ホ…ホントかわいー!」
「ヤミちゃん、カワイーよね!」
沢田さんが気を利かせて、ヤミさんに抱きつく、ララさんは素で抱きついている、ありがとう沢田さん。
俺は沢田さんに心の中で感謝していると、誰かの気配を感じた。
「…ヤミさん」
「はい、何か…います」
「え?」
「何かって…何?」
俺とヤミさんが警戒していると誰かに声をかけられる。
「あなた達!!」
「!!?」
声に驚く、西連寺さん、声をかけた人物は俺達に近付いてくる。
「そろいもそろってどこへ消えたかと思ったら、こんな所へ入り込むなんて!ここは校則で立ち入り禁止のはずでしょ!!」
「なーんだユイかー」
「なんだとは何よ!気安く呼ばないでっ!!」
現れたのは古手川さんだった。
「西連寺さんもどういうつもり!?クラス委員のあなたがいながら!!」
「ゴ…ゴメンなさい────」
「まあ、落ち着いて古手川さん、そんなに怒らなくても…」
「時雨くんもあなたがこういう事をする人なんて思わなかったわ!」
古手川さんは今度は俺を怒る、怒られるのはいいけど、まだ他にも誰かいる。
出ていけ…
出ていけ…
出ていけ…
「ちょっ…気味の悪い声出すのやめてよ、ララさんっ!!」
「わ…私じゃないよー」
「ほ…本物の幽霊…!?」
出ていけ…
さもなくば…
「ッ!みんな下がれ!!」
声が聞こえた瞬間、床にヒビが入り崩れ落ちる、俺が声をかけた時には遅かった。
俺が落ちそうになった時、何故か古手川さんは俺に抱きつきて、そのまま一緒に落ちていった。
「いっつ…」
「キャ!?はむっ…」
目を開けると俺達は下の階に落とされていたが、それよりも今は。
「…古手川さん、降りてくれないか?」
俺は古手川さんの下敷きになっている。
何故か、俺の服ははだけて、下着は古手川さんの手によってたくしあげられる。
そして何より問題なのは、俺の胸板に古手川さんがキスをしているこの状況だ。
息がくすぐったいので早急に退いて欲しい。
「ッ!?な!なんで!?」
「…俺が聞きたいよ、どうやったら、落下と同時に俺の服をはだけさせれたのか」
「わ…わざとじゃないわよっ!!」
「わざとだったら怖いよ」
古手川さんは顔を赤く染め上げて言う、この場に籾岡さんがいなくて良かったよ、見られてたら後が怖い。
「よかった、みんな元気そうだね!」
これを見て元気そうって言えるのララさんくらいだよ。
「ヤミちゃんとリサミオは落ちずにすんだかな」
[そのようですね]
「は…早く皆と合流して外へ出よう…ここ…やっぱりおかしいよ」
西連寺さんは恐怖で涙目になっている。
「だって、さ…さっきの声…″出ていけ″って…やっぱり幽霊の声だよね…」
「バカバカしい!ありえないわ、幽霊なんて!!どうせ、またララさんのイタズラでしょ」
「へ?」
[それは違いますよ!]
「尻尾といい…そのおかしなしゃべる髪かざりといい…あなたが、怪しげなメカをたくさん持った宇宙人って事は認めざるを得ないけど、幽霊は別よ、非科学的!信じないわ」
[お…おかしな…]
宇宙人も十分非科学的だと思うのは俺だけか?
「さ!早く行きましょ、旧校舎にいるのは校則違反なんだから」
ガクッ
「?」
そういって古手川さんは歩きだすと何かに躓き、転びそうになった。
「古手川さん、大丈夫?」
「と…時雨くん、か…顔が近い」
倒れる前に俺が支えた為、倒れることはなかった。
「あぁ…ごめん、怪我はない?」
「な…ないわよ!」
「……?」
「あっ、と…時雨くん、その…あ…あり…」
古手川さんが何かを伝えようとしどろもどろになっている、今一瞬ピアノの音が聞こえた気がしたが気のせいか?
「キャアァアァ!!!」
「!?」
「春菜!?」
「ど…どうしたの!?」
悲鳴を上げた春菜さんはリトに抱きつく、恐らくピアノの音が聞こえてびっくりしたのか。
「い…今、ピ…ピアノの音が…」
「え!?ピアノ…!?」
「ピアノの音は、この音楽室からか」
「お…音楽室…!」
中からポロンポロンと音が聞こえてくる。
「ゆ…幽霊なんていないんだよな、古手川…」
「あ…当たり前でしょ」
「た…確かめてみたら…?」
「な…なんで私が!こういうのは男子のあなたが─────…」
「俺が行ってくるよ」
「ユウト!私も行くー」
俺とララさんは躊躇なく扉を開ける。
「誰ですかー!?ってあれ?」
「…誰もいないね」
[ララ様…これは一体…]
「う──ん」
誰かは分からないが、幽霊、もしくは透明になって俺達をつけてる奴がいる。
「と…とにかく!そんなに怯える必要なんてないのよ、幽霊なんて空想の産物、怖いと思うから変な音が聞こえたりするんだわ」
「じゃあ唯も怖いと思ってたって事?」
「そんなワケないじゃない!私は別に何も聞いて…」
古手川さんは話の途中で黙り込む、目を擦って二度見してるけど、そっちには何もいないはずだ、正面にはいるけど。
「どうしたの?唯」
「い…いえ別に何も…」
「話し中に悪いけど、何か来るよ」
「え?」
俺が言った途端、奥から何かが歩いてこちらへ向かってくる、徐々に姿が見えてきた、正体は人体模型と骸骨だった。
「で!!出た──────!!」
「あ…ありえない…幽霊なんて空想の産物であって…」
リトは悲鳴を上げ、古手川さんは尻もちを着く。
「西連寺!?」
出ていけ…という声を聞いた西連寺さんはリトの方へと倒れて気絶する。
(戦うしかないか)
俺が構えて戦闘体制に入るとララさんが骸骨に近付いて。
「コレ、どこから声出してるんだろー?」
「何やってんだー!!?」
「ゆ…幽霊に失礼よ、返しなさいっ!!ってあれ?」
「古手川さん?」
ララさんは骸骨から頭を取ってしまう、古手川さんが返しなさいと言っては立とうとするも立つことができない、まさか、腰が抜けたか?
「頭返せ~」
「わっ」
人体模型がララさんから、頭を奪い取った時、人体模型の腕が蛇口に当たって水が噴射する。
「キャッ」
[わぁ]
「蛇口が壊れた!?おい、ララ大丈夫かー!?」
「わーん、リト~冷たぁ~い」
全裸の姿になって出てくるララさん、水が噴射した時にペケが取れてしまったらしい、リトとペケが揉めていると骸骨と人体模型が腰を抜かした古手川さんに襲いかかる、あのままじゃ避けられない。
「冷たい~」
「水キライ~」
「キャ────」
「古手川さん!」
俺は古手川さんを抱えて、骸骨と人体模型から距離を取る。
「え!?な…なんだコイツら!?」
「…これが人体模型とかを操っていた正体か」
小さいくて丸い謎の生物は逃げていく、幽霊の正体ってもしかして…
「と…時雨!そろそろ下ろして!」
「下ろすのはいいけど、歩けるのか?」
「そ…それは」
「西連寺さんも気絶してるから、一回休憩するけど、移動する時はまた抱えるか、背負うかどっちかだよ」
「そ…そんなのハ…ハレンチよ…」
「置いてかれるよりは良いでしょ」
俺は古手川さんを壁の近くに下ろすと古手川さんは、顔を赤く染め上げて、壁の方を向いてしまった。
ゴゴゴゴゴ…
「こ…今度は何!?」
「地震!?」
「いや違う!上から何かくるぞッ!!」
上から巨大な紫色の物体が落ちてくる。
「ぐはははは!!思い知らせてやる───!!!」
「バ…バケモノだ─────!!」
「ヤミさんッ!!」
紫色のタコの様な見た目をした巨大な1つ目のバケモノ、その触手にヤミさんが捕まっていた。
「ゆ…優斗…不覚です…私、こういうニュルニュルしたのが苦手で…」
「「キャ~助けて───」」
籾岡さんと沢田さんも捕まっている。
(どうやって助ける、目玉を手で突ければ、拘束されてるヤミさん達を救えるか?)
助ける方法を考えていると、俺と古手川さんの方に触手が向かってくる。
「ごめん、古手川さん!」
「え?」
俺は古手川さんを抱えて回避する。
「うわっ」
「リト!危ないっ!!」
俺は声をした方を見るとララさんがリトの身代わりになって触手に捕まっていた。
「は…離して────」
「ぐへへへ…」
ララさんまで捕まってしまった。
「くっ…不快ですっ…」
ヤミさんはトランスで髪を刃に変えて攻撃しようとしたが、ニュルニュルな触手のせいで刃はペラペラになってしまう。
「あ──シ…尻尾はやめてぇ~」
「うおお───」
「悪い、リトそれを貸せ」
俺は古手川さんを座らせて、リトからフライパンを奪い取って、紫色のタコに向かって走り出す。
「「時雨!?」」
「時雨くん!!」
「ぐははは、オレ達のナワバリに入った事を悔やむがいい~!!」
触手が俺に向かってくる、スライディングをして交わす。
「おいタコ野郎ッ!これやるよ!!」
やり投げのように巨大な目玉に向かってフライパンを投げる。
「がァァァァァァ目がぁぁぁぁあ」
「まだ終わってない」
俺が投げたフライパンは目にあたり、ヤミさん達は触手から解放される。
俺はそのまま落ちたフライパンを拾い追い打ちをかけるように頭をフライパンで叩く、タコは気絶して動かなくなった。
「無事か、みんな」
俺はみんなを見るが怪我は無さそうだ、奥の方からたくさんの宇宙人が来ていたが、巨大な1つ目タコ野郎が俺に倒された所を見て動きを止める。
「君らのボスみたいなの倒れたけど、君らもまだ戦うかな?」
「「「辞めときます」」」
宇宙人は全員、手を挙げて降伏する。
「…時雨くん…まともな人だと思っていたのに…」
「ユウトすごーい!」
「やりますね…ですが、まだ治ったばかりなのに無茶をするとは…」
引き気味な古手川さん、純粋に褒めてくれるララさん、ヤミさんはジト目をしながら俺を見る、今回は仕方ないだろ。
「それにしてもお化け、たくさんいたんだねー」
「違いますよプリンセス、どうみても皆、宇宙からの来訪者です」
「え?」
「そ…その通り、オ…オレ達…みんな故郷の星でリストラされたんだ、宇宙を放浪しているうちにここに流れついて、いつの間にかそんな連中が集まって…」
やっぱり宇宙人だったか、てか宇宙人のリストラってなんだ?
「なるほどね…それで住処を守るために幽霊騒ぎを起こしたワケ」
聞き覚えのある声が聞こえてくる、声の方向を見るとそこに居たのは御門先生だった。
「御門先生」
「今朝ぶりね、時雨くん」
「…今朝ぶりねぇ」
「…随分仲がいいみたいですね」
俺に向かってウィンクしてくる御門先生、おかげで後ろにいる二人の視線が痛い。
「ミカド…?あの有名なドクター・ミカド!?」
「フフ…あなた達、このコ達に手を出して、よくその程度ですんだわね?」
「え?」
「この二人は─────」
ララさんとヤミさんの正体を御門先生が言うと宇宙人達は殺さないで、許してくださいと謝り倒す。
「しっかし…事情はわかるけど、ここに住むのはやっぱマズイと思うのよね~」
御門先生の言った通り、ここに住むと色々と問題がありすぎる。
「…仕方ない私があなた達に仕事紹介してあげよっか!」
「え?」
「知り合いに地球で遊園地の経営者をやってる宇宙人がいるの、あなた達、オバケ屋敷とかピッタリじゃない?」
「ホントすか!」
宇宙人が経営してる遊園地ってなんだ、てか宇宙人って地球で経営出来るんだ。
「時雨くん、もしかしてあの先生も宇宙人…?」
「そうだよ、闇医者だとさ、古手川さんは大丈夫、もう立てる?」
「えぇ、何とか立てるわ、その…あ…ありがとう、あなたのおかげで助かった」
古手川さんは顔を赤くしながら言うとぷいっと顔を逸らしてしまう。
「「……」」
後ろのヤミさんと籾岡さんの二人はもう見なかったことにしよう。
「よかったですね…皆さん、お仕事が見つかって…」
「え?」
「これで私も静かに過ごす事ができます、どうもありがとう」
半透明で着物を着た女の子がそこにはいた。
「あ、申し遅れました、私400年前にこの地で死んだお静と言います!」
『ぎゃ──────本当に出た────!!うわぁぁぁぁあ~』
驚いた、信じてなかったわけじゃないけど、幽霊は本当にいるんだな。
おまけ
旧校舎の幽霊探索が終わった後、俺が教室に戻ろうとするとヤミさんに手を掴まれる。
「ヤミさん?」
「優斗、身体も右腕治ったばかりなのに無茶をしましたね?」
「いや、今回はしょうが────」
「前に言いましたが無茶をしたら、耳を攻撃すると」
「……」
ヤミさんが俺を引き寄せる、そのまま肩を掴んでこちらをじっと見つめる。
「覚悟はできてますか?」
「攻撃ってそういう意味じゃ────ッ!!?」
ヤミさんに耳を甘噛みされる。
「ヤ…ヤミさん!なにして…」
「籾岡里紗から聞きました、これが弱いんですよね?」
ハムッ
「!??」
俺の耳を加えてチロチロと舌を耳たぶに当ててくる、ゾワッてする、振りほどかないとマズイ…
「にはしません(逃がしません)」
トランスで髪を腕に変形させて俺を捕まえる、動けないっ。
「…もう、や…め──」
「これは無茶をした罰です、あと30秒はこのままですよ優斗」
「なっ!?」
そういってまた甘噛みを始める、俺は力が入らず倒れ込み、そのままヤミさんに好き放題やられてしまった。
「えっちぃのは嫌いなはずですが、これは嫌いじゃないです」
終わった後、満足そうな顔をして去っていくヤミさん、俺は未だに力が入らない身体に鞭を打って教室に戻った。