ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
ケイズ達が襲ってきてから数日が経つ、現在は早朝で、俺は部屋でとある物を眺めていた。
「…この銃とナイフをどう持ち運ぶか」
ケイズの部下から奪った銃だが、撃つことはなく、そのまま家に持って帰ってきてしまった。
(御門先生から聞いた感じ、9mm拳銃と装弾数も反動も変わらないが、威力は9mm拳銃よりあるらしいな)
俺は学校の手さげのカバンを机に置いて、カバンの改造を始める、改造と言っても銃とナイフ隠す為に少し中をいじるだけだ。
普通に入れて持っていった場合、時々ある風紀委員の抜き打ち持ち物検査でバレてしまう。
「ほう?良い物を拾ったな?」
久しぶりに聞き慣れた女性の声が後ろから聞こえてくる。
「何の用だ?」
「この前の救出は見事だったな、少しは勘を取り戻したか?」
この人が俺を褒めるとはな、明日は隕石か?
「だが、銀河の王様との戦いは惨敗だったようだな」
「…デビルーク王のことか?」
「そうだ、昔のお前なら、もう少しは戦えていた」
確かに俺はデビルーク王と戦って惨敗だった。
「次に銀河の王様ぐらいの強者が来た時に、その銃とナイフがあれば、多少の時間稼ぎは出来るかもなぁ」
「言われなくてもわかってる、だからこうして───」
「優斗、お前はケイズと戦って、何も疑問を持たなかったのか?」
「…疑問?」
「まだ気付かないのか?」
一つ気になったことがあった、ケイズもほかの部下達も武器など持っていたが、戦闘能力などは三流以下だ。
「…デビルーク王と敵対関係にあるはずなのに弱すぎた」
「そうだ、銀河の王様の実力に対して、奴らは弱すぎる」
「…まさか」
「捨て駒だろうな」
ソルゲムのボスはケイズだと思っていたが、違うのか?ソルゲムには他にボスがいて、ケイズ達を最初から切り捨てるつもりだった?
「…何のために?」
「さあな、なぜだと思う?」
「御門先生以外に別の目的があったのか?」
「そう考えるのが妥当だな」
別の目的、奴らのボスの本当の目的はなんだ?
「なんの目的があったか知らんが、奴らにとってイレギュラーが起きた、それはお前の介入だ」
「………」
「もしケイズとやらがボスじゃない場合、あの医者だけじゃない、お前の大切なお友達まで危険な目に会うだろうなぁ?」
ボスが本来の目的の為にどう動いてくるか分からないが、またリト達が巻き込まれる可能性がある。
「守りたければ、その武器で命を奪う覚悟をしろ」
「…これは守る為に使う、殺す為には使わない」
「そんな甘いことを言ってられるほど、世界は甘くないぞ?」
そんなことは言われなくてもわかってる。
「冬華教官、あなたに何を言われても俺は───」
後ろを向くと女性───戦極冬華教官(せんごくふゆか)は消えていた。
「………」
俺は手さげカバンの改造に戻る、それから時間が経ち、朝食を食べて学校へ行く準備をしてから、結城家に向かった。
「ケイズはソルゲムのボスじゃない?」
「うん、そうみたい、ザスティンがケイズ達に尋問して聞いたらしいんだけど、ボスは別にいるって!」
リト達と合流してから学校に登校中、俺はララさんにケイズについて聞いていた。
「でもそれ以上は何も教えてくれないんだってー」
「…そうか」
やはり、ケイズ達は捨て駒だった可能性が高い、そうなると、またいつ何が目的で襲ってくるか分からないな。
「…なぁ優斗、次ソルゲムってやつらが来たら、一人で何とかするって思ってねーよな?」
デビルーク王との戦いを見て、春馬さんとの関係を知ってからリトは俺を気にかけることが増えた。
「少しはオレ達を頼ってくれよ、足手まといになるかもしれねーけど、一人で抱え込むより───」
「宇宙人相手に一人で戦えるわけないだろ、今回だって御門先生が一人で解決したんだぞ?」
リト達には、俺が偶然、御門先生の傍に居たから手伝いをするために着いて言ったと話している、まあ、リトは信じていなそうだったけど…
「少し宜しくて、時雨優斗!」
学校の正門で後ろから声をかけられる、声がした方を向くと、黒い高級車の前に天条院先輩が立っていた。
「今日の放課後、あなたをわたくしの屋敷へ招待しますわ!」
「…いきなりですね?」
天条院先輩から急に屋敷へ招待された、なぜ急に俺を…
───天条院先輩が言ってたんだ!優斗が親父さんに不幸な目に遭わされるかもしれねぇって!
…もしかして春馬さんの事か?
「放課後、あなたを迎えに行きますから、予定を開けておきなさい!」
天条院先輩はそれだけ言うと、俺達の横を通り過ぎて下駄箱へ向かう。
「なあ優斗、ずっと気になってたんだけどさ、天条院先輩になんかしたのか?」
「…何もしてないと思う」
「何もしてねーのに親父さんの事とか調べねーだろ」
リトはジト目で俺を見る、多分何もしてないと思うけど、自信なくなってきたぞ。
◇
時間が過ぎて放課後、予鈴がなり皆は帰る準備をしていると教室の扉が開く。
「迎えに来ましてよ、時雨優斗!」
天条院先輩が声高らかに言うと俺の席まで来て腕を掴む。
「沙姫様、正門に車が止まっています」
「わかったわ、凛」
俺の手を掴んだ天条院先輩はそのまま走り出す、教室を出る時に一瞬見えたが、籾岡さん達、三人の目が非常に怖かった。
「お嬢様、どうぞお乗り下さい」
運転手が俺達を乗せると車が出発する。
「あの、なんで急に俺を屋敷へ招待してくれたのですか?」
「それは…わたくしが…あなたと一緒に…過ごしたいから…ですわ」
「…え?」
天条院先輩が言葉を詰まらせながら言う。
「俺と一緒に過ごしたい?」
「君が最近、クラスの女子や御門先生と仲良くしているのを見て沙姫様はヤキ──────」
「凛っ!!」
天条院先輩は顔を赤くして九条先輩を静止する。
「一緒に過ごしたいなら、別に天条院先輩の屋敷じゃなくても街とかで───」
「それだと結城リトやララに邪魔されますわ」
「…なるほど」
確かに天条院先輩は、いつもララさんの発明品に巻き込まれている気がする。
「…わたくしの屋敷なら誰にも邪魔されず、貴方と居られますわ」
天条院先輩は俺をチラチラ見ながら恥ずかしそうに言う。
車が泊まる、天条院先輩の屋敷についたらしく、運転手が車のドアを開ける。
「ここがわたくしの屋敷ですわ!」
目の前には巨大な屋敷が立っていた、クリスマスパーティーの時にも見たけど、やっぱり凄いな。
俺は天条院先輩について行くと、2階の部屋へ案内される。
「天条院先輩、この部屋は?」
「この部屋は、今日あなたが寝る部屋ですわ」
「…はい?」
この人は今とんでもないこと言わなかったか?
「聞き間違えかもしれないので、もう一度いいですか?」
「この部屋は、今日貴方が寝る部屋ですわ」
「俺は泊まるんですか?」
「そうですわよ?」
俺、何も聞いてないんですけど?
「ちょうど夕食もできたようですわ、あなたはベットの上に置いてある服に着替えてたら、降りてきなさい」
「え?」
「それともわたくしが着替えさせてあげましょうか?」
「…自分で着替えます」
「それは残念ですわね、とりあえず、着替えましたら、降りてきなさい」
俺がそういうと天条院先輩は残念そうな顔をして部屋を出ていく、俺は泊まるの確定なんですか?
「すまないが、今日は諦めて泊まっていってくれ」
九条先輩はそれだけ言って天条院先輩の後を追って行ってしまった。
「とりあえず、着替えるか」
俺は制服からベッドの上にあった服に着替える。
ジャケットは黒、中のシャツは白、パンツはグレーでスマートカジュアルな服装だ。
(天条院先輩はなんで俺の服のサイズを知ってるんだ?)
着替えてみると全ての服サイズがピッタリで驚いた、それに質感的に全ての服が高級品だ。
こんな良いものに着替えていいのか分からないが、とりあえず着替えて、天条院先輩の元へ行くことにした。
「待っていましたわ!時雨優……」
「どうしました?」
天条院先輩がいる、ダイニングルームに入ると俺を見た天条院先輩は固まってしまった。
「…似合ってなかったですか?」
「あ、違いますわ!ただ見とれていただけで…とてもお似合いですわ!」
俺の言葉に天条院先輩は席から立ち上がって言う。
「その服、沙姫様があなたの為に用意してくれたのよ!」
「俺の服のサイズはどうやって調べたのですか?」
「それは天条院家の力を使って君の身長、体重など学校側に問い合せて聞いたんだ」
藤崎先輩と九条先輩が言う、いや、学校も教えたらダメだろ、個人情報だぞ?しかもめっちゃくだらない事に家の力を使うなよ。
「さあ、お座りになって、食事にしましょう!」
「わかりました」
このマイペースな感じ、なんだか少し懐かしい、何故だ?
──────おはよう優斗、今日は久々の休みだ!どこへ行こうか?
──────あ、そうだこれ、優斗の外出証
あぁ、そうか、あのバカもこんな感じでマイペースだったな。
「時雨優斗、どうかしまして?」
「いや、すみません、少し昔のことを思い出しただけです」
あの時は本当に楽しかった。
「さっ!召し上がって!」
「いただきます」
テーブルの上に豪華な食事が並ぶ、並べられた全ての食事が美味そうだ。
(美味いな、料理人の腕もあるだろうが、高級食材の味を存分に引き出している)
こんなに美味いとワインを飲みたくなってしまう。
「…流石だな、テーブルマナーが完璧だ」
「ありがとうございます」
九条先輩にテーブルマナーを褒められる、前世で覚える必要があったから、覚えていたがこんな所でも役に立つとは思わなかった。
「時雨家でもこんな豪華な食事は出るの?」
「いえ、俺は一人暮らしなので基本自炊です」
「え、一人暮らしなの?使用人とかは…」
藤崎先輩の質問に答えると驚いた顔をして言わる。
「父親は海外に居ますので、使用人も向こうに入るんじゃないですかね?」
「やっぱり、そうでしたのね…」
天条院先輩は何かを察したのか、それ以上は誰も何も聞いてこなかった。
その後、食事が終わり食後のコーヒーが出てくる。
「時雨優斗、あなたに聞きたいことがありますわ」
「春馬さんの事ですよね?」
「よく分かりましたわね?」
天条院先輩は驚いた顔をしている、当てれると思ってなかったのか。
「リトから聞きました、天条院先輩が俺と春馬さんの関係を教えてくれたと」
「そう、結城リトが…動きましたのね、取り返しがつかなくなる前に…」
デビルーク王との戦いで負傷した時の春馬さんの対応以外で、普段のリトなら家庭の事情だから、こちらから言わない限り、聞いてくる事はなかった。
…そうか、天条院先輩がリトに助言したのか、だからリトは後悔しない為に動いた。
「時雨春馬はあなたを養子に迎えた後、すぐに海外に行ったきり、一度も家に帰っていませんわね?」
「…そうですね、帰ってきてないです」
俺は正直に話す、きっと嘘をついても、天条院家の力を使えば直ぐにバレるだろう。
「時雨春馬はあなたを使い捨ての道具として利用しようとしている」
天条院先輩はそう言いながら拳を握る、怒っていると人目見ただけでわかる。
「なぜ時雨優斗だったのか、理由は分かりませんわ、でもあなたじゃないといけない″何かがある″違いまして?」
…凄いな、恐らく俺についての情報を天条院先輩はそこまでもっていない、知っていて養子くらいだ。
たったそれだけで俺に何かがあると気づきかけている。
「時雨春馬はあなたを養子に迎えてどうするつもりですの?」
「………」
「このままあなたが時雨春馬の元にいれば、あなたは不幸になるのではなくて?」
「…天条院先輩は春馬さんのことをどこまで知っていますか?」
天条院先輩の質問を俺は質問で返す。
「時雨春馬は、タイムレインズカンパニーの社長で歴代の社長の中でもトップクラスのカリスマ性と優しさを持つ社長と言われていますわ」
「そうですね」
「時雨前社長は、パワハラなど社員たちを道具として扱い、労働基準法を無視した仕事をさせていたのに対して、時雨春馬は、彼らを人間として扱い、ホワイト企業に戻した、功績者」
元々、タイムレインズカンパニーはブラック企業だった、労働基準法を完全無視した出勤時間、連続勤務、社員に対しての暴力など、上げていくとキリがないほどに…
時雨前社長が今まで訴えられたり、捕まったりしなかったのも、権力が働いて居たから。
「ただ時雨春馬には不可解な点が多すぎますわ」
「…不可解な点ですか」
「時雨春馬は時雨家の次男でタイムレインズを引継ぐ予定はなく、長男の時雨桜が継ぐ予定だった」
そう、春馬さんは社長を引継ぐ予定はなかった、けど事態は大きく変わる出来事があった。
「本来社長を継ぐはずだった、時雨桜は失踪し、すぐに時雨前社長の不可解な死を遂げた」
「………」
「その結果、時雨春馬が社長を継ぐことになった」
長男の失踪と前社長が死んだことで、春馬さんが社長を継いだ。
「…時雨春馬の身のまわりで不可解なことが起きすぎている」
「でも、春馬さんはたくさんの社員を救った」
「そうですわね、そこは評価していますわ、でも前社長の死に関しておかしな点が多すぎますわ」
世間では時雨前社長は脳梗塞で死んだことになっている、けど、天条院先輩は知っている本当の死因は脳梗塞じゃないことを。
「お父様から聞きましたの、時雨前社長の死体には何発も撃たれたあとがあったらしいですわ」
「そんなこと、よく知ってますね」
「第一発見者はお父様でしてよ」
第一発見者は天条院劉我、天条院先輩のお父さんだった。
「あの日、時雨前社長の悪事の証拠を見つけた、お父様は警察を連れて時雨前社長を捕まえる為にタイムレインズに行きましたわ」
「けど、あったのは時雨前社長の死体だったと」
「そして警察の捜査もすぐに打ち切られましてよ、まるで何かの力が働いたように…」
警察はろくに捜査も出来ずにすぐに捜査は打ち切られた。
「当時、お父様は天条院家の力を使って捜査の再会をしようとしていたようですけど、できませんでしたわ」
当時の天条院家の力では時雨家の権力には勝てなかった、何かしらの重大な証拠がない限り。
「お父様は時雨春馬を疑っていましてよ、長男の時雨桜も既に殺されているかもしれませんわ」
…この事件の真相を″全て″俺は知っている。
「あの家は危険ですわ、あなたのような人間がいていい場所じゃない」
「………」
「あなたさえよろしければ、天条院家があなたを───」
「天条院先輩、ありがとうございます、でも俺は大丈夫です」
今の天条院家の力を使えば、時雨家の権力に抗うことはできるだろう、でも両家に多大なダメージが入る、下手をすれば天条院先輩は…
「時雨の力を知ってるはずです、もし何かあっても、天条院先輩を巻き込めませんよ」
「…そう、けれどわたくしは諦めませんわ!あなたに何かあった時、わたくしはあなたを必ず助けますわ」
真っ直ぐな瞳で俺を見つめる。
「…お願いしたいことが一つあります」
「っ!?なんでも聞きますわ!」
「─────────」
「ッ!?」
「お願いします、これに関しては天条院先輩にしかお願いできません」
天条院先輩は俺の頼みを聞いて驚いた顔をする。
「…少し不愉快ですが、聞いてあげますわ」
「ありがとうございます」
俺は天条院先輩に向かって頭を下げる。
「その代わりこれからわたくしのことは″沙姫″とお呼びなさい!」
「え?いや天条院先輩にそんなラフに───」
「沙姫ですわ!」
「…せめて沙姫さんでお願いします」
俺が天条院先輩を沙姫さんと言うと固まってしまった。
「…もう一度呼んでくださる?」
「沙姫さん」
「もう一度」
「沙姫さん…ってなんですかこれ?」
「…良いですわね」
満足してくれたらしい。
「沙姫様、そろそろお風呂の時間です」
「ッ!?わ…わかりましたわ!優斗、あなたを天条院家が誇るバスルームに案内しましてよ!」
俺は天条院先輩にバスルームへ案内された、今、さりげなく俺の事、名前で呼ばなかったか?
「優斗、ごらんなさい!ここが天条院家が誇るバスルームですわ!!」
「いや、広すぎでしょ」
あまりの広さに声が出る、金色のマーライオンと噴水もある、流石にこれは前世でも見たことないぞ?
「凛、あれを持ってきて」
「はい、沙姫様」
沙姫さんに言われた九条先輩は水着を取ってくる。
「優斗、これに着替えて一緒に入りましょうか!」
「…マジですか?俺達の年齢的に色々と問題が───」
「水着なら問題ありませんわ!」
まあ、温泉施設でも水着で入れる混浴とかあるらしいけど…これはいいのか?美柑とはいつも入ってるし、ヤミさんともこの前…それより全然マシだな。
「…変なことしなければと約束できるなら、大丈夫です」
「なら大丈夫ですわね!変なことをするのは、あのララと結城リトだけですわ!」
沙姫さんの言葉に九条先輩と藤崎先輩も頷いて反応する、沙姫さん達の中でリトとララさんはもう変なことをする人認定されているらしい。
水着に着替えて風呂に入る、改めて見るとやっぱり広いな。
「シャワーを使いたいんだが…いつ開きそうだ?」
「いや、なんでいるんですか?九条先輩?」
俺がシャワーを使っていると水着を着た九条先輩に隣から声をかけられる。
「君と一緒に入るのに緊張した沙姫様に強引に着替えさせられたんだ」
「………」
なんで一緒に入ろうなんて言ったんだあの人。
「その…あまり見るな」
「すみません」
九条先輩も水着とはいえ一緒にはいるのは恥ずかしいのか、いやこれが普通の反応か?
「君は何か習っていたのか?」
「急にどうしました?」
「いや、随分と鍛えられた肉体だと思ってね、それに…前に…触れてしまった時も…」
俺の身体を見て九条先輩は言う、俺の身体を触った時のことを思い出しのか、顔を赤らめ言葉を詰まらせる。
「何も習ってませんよ」
「…本当か?なら君に木刀を借した時、あれを何に使ったんだ?」
「あれは…」
銀河の王様と戦って折れましたなんて言えるわけないよな。
「何かを叩かないとあんな折れ方にはならない、それに君は木刀を貸した日に大怪我を追った、君は──────」
「優斗!凛とばかり話してないでわたくしと一緒にジャグジーに入りますわよ!」
九条先輩と話していると沙姫さんが俺を呼ぶ。
「…君は沙姫様の所に行ってくれ」
「わかりました」
俺は沙姫さんの元へ向かう、お風呂も入り終わり、就寝の時間になる、明日学校だけど、俺あの車に乗って登校するのか?
◇
次の日の朝、沙姫さんの屋敷で朝食を食べてから車に乗って学校へ登校する、正門に車が着きいて、車を降りると周りの目が一斉にこちらを向いた。
「時雨のヤローなんで天条院先輩の車から降りてきたんだ?」
「オレ、昨日の放課後、時雨が天条院先輩の車に乗ってる所みたぞ!」
「まさか、朝帰りか!なんであいつばっかり───」
猿山とクラスメイトが大きな声で話しているのが聞こえてくる、頼むから、朝帰りって言い方やめてくれ。
「時雨!あんたなんで天条院先輩の車から降りてきてんのよ!」
「朝帰りなんてハレンチだわっ!」
「なにしてたの、時雨くん?」
籾岡さん、古手川さん、新井さんの三人がこちらへ向かってくる。
「優斗、昨日はとても楽しくてよ?また泊まりに来なさい」
沙姫さんはそういうと三人に見せつけるように俺の腕を掴む。
「天条院先輩、離れ───」
「沙姫、ですわよ?」
沙姫さん、この場で俺に地雷を踏めと?
「いいのかしら、このまま離しませんわよ?」
俺の耳元で小声で囁く。
「ッ!?」
「優斗、どうかしまして?」
「…離れて下さい、沙姫さん」
「「「なっ!?」」」
「わかりましたわ、優斗また一緒にお風呂に入りましょう?」
沙姫さんは満足そうには離してこの場を去っていく、さて色々地雷をぶち抜いていかれたがどうするか。
◇
デビルーク星のとある一室でザスティンが、ケイズの尋問を行っていた。
「ソルゲムのボスは誰だ!答えろ!」
「無理だ!これ以上答えれば、あの方に我らが消される!!」
ケイズは答えない、いや答えられないといって拒絶する。
「隊長、交代の時間です」
「もうそんな時間か、すまないが任せたぞ、ブワッツ」
ザスティンはブワッツにそう言って部屋を出ていく。
「…行ったかな~?」
ブワッツはザスティンを行ったか確認し、ケイズへ向き直る。
「数日ぶりだね~ケイズくん?」
「その声はまさか、ボス!?」
ブワッツ?はニヤリと笑い、ケイズを見る。
「ボス、申し訳ありません任務に失敗しました」
「あ~そのことはね、気にしなくていいよ~元々成功するとは思ってなかったしね」
「…何を言って」
ブワッツの姿をした男はに言われた言葉にケイズは驚く。
「助けに来てくださったのではないのですか?」
「いや?助けに来た訳じゃないよ?」
「…は?」
「ケイズ君、私がキミにドクター・ミカドの任務を与えた本当の理由はね?トランス兵器とデビルークのプリンセスの強さが知りたかったからなんだ~」
ブワッツの姿をした男は話を続ける。
「最初からキミは捨て石だったんだ~すまないね」
「…何故ここにまさか!?」
「そのまさかだよ?」
ブワッツの姿をした男は銃を取り出し、ケイズに向ける。
「ケイズ君の部下は先に行ったよ?キミも部下の元に行くといい」
「待っ───」
トリガーが引かれ、ケイズの眉間に弾丸が貫かれる。
「まあ、キミのおかげで面白いものが見れたからそれだけは感謝するよ~ってもう死んでたね」
ブワッツに変装した男はケイズが死んでるのを確認して部屋を出る。
「キミが本物の優斗くんか、近いうちに確かめないといけないね、ただもし、本物なら″時雨″に生まれたのもめんどーだなぁ~」
ブワッツに変装した男は独り言を言いながら、歩いていく。
「ブワッツ何故ここにいる?」
「隊長、私はマウルと一緒にここにいましたよ?」
「…まさか!?」
ザスティンが異変に気づき、尋問室と牢屋に向かった時には全てが遅かった。
「ッ!?遅かったか!!」
そこにあったのはケイズとその部下の死体のみ。
デビルーク星を全区域を捜索した時にはブワッツに変装した男はデビルーク星を去った後だった。