ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
「まだ終わってない、早く立て」
「うぁ………あぁ…」
ボロボロで倒れている少年に木刀を構えた女性は冷たく言い放つ。
そして少年は片目は布で覆われ片腕と片足が拘束されていて中々立つことができない。
この場所には少年と女性の2人しかいない為、止める者も助ける者もいない
「その体たらくで本当に人を救えると思ったか?この程度で倒れている奴が人を救えるわけがないだろ?」
諦めろ、女性は倒れている少年に告げると興味をなくしたようにその場を去ろうとする。
「まだ……たて…る」
「……ほう?いいだろう、続きだ」
少年は立ち上がり落とした木刀を左手で拾って構える。
女性は興味を取り戻したのか、また木刀を構え、少年に向かって打ち込む。
「ぐぅぁぁっ」
「…!」
少年は女性が打ち込んだ一撃を避け反撃する
「甘い」
「うっぐ…あぁ」
女性に当たりそうになる寸前で躱しそのまま木刀を腹部へ打ち込む。
「お……おれは…こんど…こそ…すく……うんだ」
少年の体は痣だらけで骨も折れているだろう。
それでも少年は諦めず立ち上がる。
女性は少年が立ち上がる度、木刀で打ち込み続ける。
「手足を封じたのは状況をより戦場に近づける為、体の1部を失っても戦い続ける、これはその為の訓練だ」
「う……あぁ…」
「片腕がちぎれても剣を振るえ、足が砕かれても前進しろ、例え両目が潰されようと気配を探り敵を探して斬り進め」
女性は少年見下ろしながら告げる。
「武器が無くなれば、物を使えどんな些細な物でも武器にできる、武器や物が無くなれば、最後の武器は己の体だ」
「自身よりも強者が相手の時は攻撃を避けて逃げる者の為に時間を稼げ、お前が呆気なく死ねば、次に死ぬのはお前が守り生き延びるはずだった人間が死ぬ」
それが嫌なら死ぬ気で強くなれ、その言葉を最後に女性はその場から立ち去っていく。
◇
リトが間違えてララという少女に告白してから、時間は進み現在は昼休み
あれからリトは授業中に悲鳴をあげたり、誤解を解こうと休み時間に西連寺さんのストーキングをしていた。
「優斗!オレ、この昼休み中に春菜ちゃんに本当のこと話して誤解を解いてくる!!だから…その、優斗手伝ってくれ!」
「それは構わないけど、西連寺さんが戻ってくる前に弁当食べないか?」
「そーだな!春菜ちゃんが戻ってくる前に腹ごしらえしとくか!!」
俺が弁当を食べる準備をしている横でリトは鞄を探っていた。
「っかしーなぁ…弁当がねェ」
「家を出る時に入れ忘れたか?ないなら少し分けるぞ?」
「いや、さすがにそれはわる……あっ!!」
弁当の在処を思い出したのかリトは崩れ落ちる。
「あいつを振りほどいて逃げる時にバックから」
「落としたのか、仕方ないな、半分弁当やるよ、だけど、帰ったら作ってくれた美柑にしっかり謝れよ?」
「リトッ!!」
弁当をリトに渡そうとした時、勢いよく教室のドアが開かれ猿山がリトの名前を呼びながら入ってくる。
「どーゆー事だよ、おい!!すっげーかわいー女のコがおめーの事探してんぞ!!」
猿山の言葉を聞いたリトは走って教室から出ていく。
「何かあった時の為に一応着いていくか」
弁当を鞄にしまい、歩いてリトの元へ向かう。
階段を降りると男子集団がリトを取り囲み問い詰めている。
「私?私はリトのお嫁さんでーす」
ララという少女の発言に男子集団は騒ぎ始める。
(この状況では1番最悪な回答だな、とりあえず、助けに行くか)
「「「そいつを捕まえろ─────っ!!!」」」
瞬間男子集団は大声を上げてリトを追いかけて廊下を走り出す。
「きゃ!」
男子集団の1人が大量のノートを持った女子生徒にぶつかってノートが散らばり女子生徒が倒れそうになる。
まだ間に合う、走って女子生徒の元へ向かい倒れ込まない様に腰に手を回し抱える。
「何とか間に合ったな、怪我は無いか?大丈夫か?」
「ハ…ハ……ハ」
「?」
「ハレンチなっ!」
「あっぶな」
ハ?という言葉で何が言いたいのか考えていると左頬目掛けてビンタが飛んでくる。
危なかった少し反応が遅れていたら思いっきりビンタされてた、このままだとまたビンタされるかもな、彼女から1回距離を取ろう。
「落ち着け、俺はただ倒れかけた君を助けようとしただけだ」
「え、あ…」
「ノート拾うの手伝うよ」
混乱している彼女が落ち着くまで散らばったノートを広い集める。
「これはどこまで運べばいい?」
「え?職員…室よ」
「わかった持っていくよ、立てるか?」
「えぇ」
彼女は落ち着いたかそのまま立ち上がり、俺俯きながら後ろを歩く。
「これ、日直の仕事だよな?普通は日直は二人でやるものだろ?もう一人は?」
「さっきの廊下を走ってた男子集団の中にいたわよ、ノートを運ぶってなった時にはもう教室にいなかったわ」
「あーなるほどだから一人で運んでたのか」
そうしているうちに職員室につき、教師にノートを届けて職員室を後にする。
「その、さっきはごめんなさい、私の勘違いであなたを…」
「気にしてないから大丈夫だ」
「それと助けてくれて、ノート運んでくれてあ…ありがとう」
「どういたしまして、君に怪我がなくて良かった。そろそろ昼休みも終わるから俺は教室に戻るよ」
「まって!あなたの名前は…」
「1年A組時雨優斗、君は?」
「1年B組の古手川唯よ」
「古手川さんね、覚えておくね。」
────助けた人のことなんて忘れるくせに
古手川さんにそう告げて、俺は教室に戻る。
◇
午後の授業も全て終わり放課後になると同時にリトが話しかけてくる。
どうやらあの後、男子集団から逃げている途中行き止まりまで追い詰められ、ララさんが持っていたワープができる発明品を使ったまでは良かったが、衣類をワープさせることができず、裸のまま二人で女子更衣室に飛ばされたらしい。
運が悪くそこにまだ西連寺さんがいて、リトは思いっきりビンタされたようだ。
(待て、ワープができる発明品だと?そんな非現実的なアイテムが存在するのか?もしも…過去を変えることができる発明品が彼女、もしくはほかの宇宙人が持っていて存在するとしたら?)
─優…斗。たく、さんの人を、すくってあ…げて?
大切な人を守れなかった
──いたいよ、たすけて、たすけてよ、どうしてたすけてくれないの?おにいさん?やくそくしたのに
果たせなかった約束
「聞こえなかったか?これは命令だ!」
犯した過ち
もし、前世の過去を変えられる物があるのなら、俺は、どんな手段を使っても
……斗、優?…優斗!!
名前を呼ばれた方を見る、そこにはリトが心配そうな顔をしてこちらを見ていた。
どうやらかなり考え込んでたらしい。
「優斗?大丈夫か?」
「あぁごめん、考え事してて話聞いてなかった、もう一度頼む」
「ララに自分の星に帰って欲しいんだ、自分の星に帰ってもらわねーと春菜ちゃんに誤解されたまま…」
「なら彼女と話してみたらどうだ?何なら一緒に着いていこうか?」
「ホントか?ありがとうな!優斗!」
「ただどこで話す?家で話すとなると美柑がいる
ぞ」
「なら、河川敷でどうだ?」
河川敷か、夜なら基本的に人はいない。
「夜なら河川敷は人が来ない話やすいかもな」
「じゃあ河川敷で決まりな!そういえば、今日ウチにくるのか?」
「いや今日はやめとくよ、昨日も世話になったからな」
「世話になってるのはオレたちの方なんだから、そんなこと気にしなくてもいーのに、それに優斗が来ると美柑がすげー喜ぶぜ?最近、夜ご飯だけで泊まっていってくれないって落ち込んでたし」
「来週は必ず行くよ」
「ちゃんと泊まっていけよ?」
「…あぁわかってる」
その後時間も決めて、今日も一緒に帰るだろ、行こうぜ!リトはそういうと教室を後にする。
(無事に終わればいいけど)
そう思いながらリトの後を追う。
◇
「早く着いたな」
俺は約束の時間の15分前に河川敷に着き、リト達を待っている。
どうしても前世の習慣が抜けず、約束していた時間の15分前着いてしまった。
(リトが彼女のことを上手く連れて来てくれるといいけど)
そんなことを考えていると遠くから、リト達が見えてくる。
「優斗!ごめん!待たせた!」
「いや、謝らなくていい、俺が早かっただけだから、それにさっき着いたばっかだから」
「リトーこの人は誰?」
リトと会話していると、彼女がリトに質問する。
「リトの幼なじみの時雨優斗だよ、よろしく」
「私ララ!よろしくね!それでどうしたの?リトいきなり外で話があるなんて改まっちゃって」
早く帰ってゲームやろーよとララさんが笑顔でリトに話しかける。
「本気でオレんちで暮らす気なワケ?お前…」
「え?だってリトOKしてくれたじゃん」
「や…俺は別にOKしたわけじゃ…」
「それに地球でも結婚したら一緒に暮らすものでしょ?」
「だ・か・ら!!何でオレとお前が結婚なんだよっ!!」
リトが大きな声を出して否定する。
このままだと話が長くなって終わらないな。
「ララさん、実はリトの好きな子は君じゃなくて他にいるんだ」
「リトは私の事好きじゃない…」
「そうなる、申し訳ない、間違いとはいえ君の気持ちを…」
「私はいいよ、べつにそれでも!!」
「いやよかねーだろ!!」
リトが好きじゃなくても別にいい?
(どういうことだ?リトと結婚したいのには、他に理由がある?確かララさんは家出少女だったとリトが言ってたな)
リトとではなく結婚することに意味があるのだとしたら、家出した理由は。
……まさかお見合いがするのが嫌で家出してきた?
「ララさん、君はもしかして…」
「ララ様っ」
俺の言葉を遮りララを呼ぶ声が聞こえた、そちらの方向を向くと鎧をまとい、マントを羽織った白髪の男が立っていた。
「ザスティン!!」
「うわ!また変なの来た!!」
(…強いな、真正面から戦えば、この状況なら確実に俺は負ける、仮に攻撃を避けても顔以外は鎧をまとっているから反撃できない)
──自身よりも強者が相手の時は攻撃を避けて逃げる者の為に時間を稼げ、お前が呆気なく死ねば、次に死ぬのはお前が守り生き延びるはずだった人間が死ぬ
昔に言われた言葉を思い出す。
(わかってる、実際何度もそうしてきた。もし戦った場合、リトとララさんを逃がすことが最優先だ)
戦わずして終わるのが1番だけど。
「さァ、私と共にデビルーク星へ帰りましょう、ララ様!!」
「べ────っだ!私帰らないもんね!帰らない理由ができたんだから!!
「…帰れない理由とは?」
「私!ここにいるリトの事、好きになったの!!だから、リトと結婚して地球で暮らす!」
結婚にこだわっていたのは、やはりお見合いが嫌で逃げてきたのか。
「なるほど、そういう事ですか」
その言葉を聞いて白髪の男──ザスティンは何か考え、思い出したように話す。
「部下からの報告で気になってはいたのです、ララ様を助けたようとした地球人とマウルを倒した地球人がいる…と」
マウル、あの黒服のことか
「わかったら帰ってパパに伝えて!私はもう帰らないし、お見合いする気もないって!!
「いいえ、そうはいきません、このザスティンデビルーク王の命により、ララ様を連れ戻しに来た身得体のしれぬ地球人とララ様の結婚を簡単に簡単に認めて帰っては、王に合わせる顔がない」
「じゃあどーすればいいの?」
……!!雰囲気が変わった、こいつまさか。
「おさがりください、ララ様」
「させるかよ」
「な…!?」
ザスティンは剣を取り出し、リトに向かって振り下ろそうとした時、俺はザスティンの顔に目掛けて回し蹴りをする。
不意打ちだったのか、回し蹴りはザスティンの顔にあたったがすぐに剣を構え直す。
「…いい蹴りだな、だが邪魔をするな、地球人、私はリトとやらに用があり、貴様に用はない!!」
「悪いけど、リトを斬りたいなら俺を殺してからにしろ」
[リト、ララさんを連れて逃げろ、逃げる時間は俺が稼ぐ]
[何言ってんだよ!優斗置いて逃げれるわけ]
…優しすぎる。
リトは命を狙われたのに俺を置いていくことを気にして逃げようとしない。
お前は優しすぎるんだ、俺は知ってる、そういう奴が一番最初に死んでいく。
生き残るのはいつも…
「何もコソコソ話しているか知らぬが、邪魔をするなら容赦はしないぞ、地球人!!」
[時間稼いだらこいつを巻いて後で行くから先逃げろ]
「ふん!」
ズガッ!
リトを巻き込まないように距離を取る。
ザスティンは俺に向かって剣を振り下ろすが俺はそれを避ける。
俺が立っていた場所の地面は割れていた。
(…地面が割れた?あの剣に当たれば、一発でアウト、避けて反撃したいが鎧がある、剣があの威力なら鎧は相当強固な物だろうな)
「ほう?避けたかやるな地球人!だが避けるだけでは私には勝てんぞ!!」
「……」
その後ザスティンの剣は何度も剣を振り落とす。
俺はそれを全て避け続ける、リトは逃げたのかいなくなっていた。
これでいい、後は避け続けて時間を稼げば…
「優斗!!」
リトの声が聞こえた、まさかと思って呼ばれた方を見るとザスティンの後ろにリトは何かを持って立っていた。
「バカなんで戻って…」
「親友を1人で置いて逃げれるわけねーだろ!!これでもくらえ!!」
リトは両手に持っていた物を投げる、あれは、コンクリートブロックか?
「ふん!」
ザスティンは持っていた剣でコンクリートブロックを真っ二つにしてリトを見る。
「リトとやら、この程度で私を倒せると思ったか!」
「それはどうかな?」
ザスティンはリトを見ていた為、俺は死角になる。走って真っ二つになったコンクリートブロックを持ち、背後から頭部に向かって叩きつける。
ドスっ!!
コンクリートブロックは粉々になり、コンクリートブロックが当たったザスティンは倒れて動かなる。
「し…死んだ?」
「…やりすぎたか?」
「優斗!大丈夫か!怪我は…」
「俺は大丈夫だ」
「優斗が無事良かった、でも優斗これもしかして死んだんじゃ」
倒れたザスティンを見てリトが恐る恐る俺に聞いてくる。
宇宙人だから死ぬことは無いと考え叩きつけたがやりすぎたか?
「ぐおおおぉ」
「ギャ──────!!!」
「背後からの一撃見事だった地球人!!これで確信した、貴様だな?マウルを倒した地球人は!!!」
起き上がったザスティンが剣を構え直した。そして俺に向かってそのまま切り込んでくる。
ちょん、ゴンッ
ザスティンはララさんに足を引っ掛けられて盛大に転ぶ。
「何をなさるララ様」
「ヒキョーだよ、デビルークNo.1の剣士っていわれてるザスティンにリト達が勝てるわけないじゃん」
こいつNo.1だったのか、戦っていて思っていたが昨日の黒服と強さが桁違いだった。
「ララ様と結婚するという事はデビルーク王家の後継者として、デビルーク王が治める数多の星々の頂点に立つ事!!軟弱者につとまるものではありません!!」
王は銀河中から勇姿をつのってお見合いを―
それがイヤだって言ってるの!!
気づけばさっき戦ってたとは思えない空気になっていた。
「いーかげんにしろっ!!!」
「デビルーク星の後継者とか…お見合いとか…どーでもいいんだよんなこと…」
我慢できなくなったリトは叫び出す。
「普通の生活をさせろよ!!もうこれ以上好きでもねーヤツと結婚とか…だから…もう帰ってくれ!!!」
自由にさせてくれよ!!!!
そう告げると場が静まり返る。
全てを言い終わったリトは息を切らしてその場に立っていた。
「リト…うれしい…私の事好きじゃないって言いながら…ホントはそこまで私の気持ちを理解してくれてたんだ…」
まて、ララさん君は勘違いしてる。
「ララさん、リトが言いたいのは…」
「リトの言う通り私は…自分の好きなように、自由に生きたい、まだまだやりたい事たくさんあるし…結婚相手だって自分で決めたい…そう思っていた」
「い…いや別に」
「私…リトとなら本当に結婚してもいいと思う」
俺とリトの言葉はララには届かず、そのまま。
「結婚したい!!!」
リトの言葉で勘違いしたララさんが結婚したいと言ってしまった。そのままザスティンも勘違いをし、…負けたよ地球人と言葉を続け。
「デビルーク王には私から報告しておこう、お前なら任せられると」
ザスティンはそう告げるとどこかへ去ってしまう。
ララさんに自分の星に帰ってもらうつもりがまさかこんな事態になるとは思ってなかった。
この時の俺は気づいていなかった、これはまだ始まりに過ぎないことに。
この時の古手川さんのセリフが難しい。
展開に違和感とかあったらすみません。