ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~   作:アイスが食べたいマン

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少し長いです。


~ビーチと告白~

セリーヌが赤ん坊になってから一週間後。

 

「ようこそ!皆さん!我が天条院家の別荘へ!!プライベートピーチもありますから、存分に楽しんでいきましてよ!」

「「「はーい!!ありがとうございまーす!」」」

 

俺達は今天条院家の別荘にいる、しかもここにはプライベートピーチもある。

海に行こー!と張り切ったみんなは着替えるため、別室へ向かった。

 

「沙姫さん、招待してくれてありがとうございます」

「優斗には家出の時、お世話になりましたから、天条院家は受けた恩を忘れませんのよ」

 

俺は沙姫さんにお礼を言うため、別荘に残っていた、それにしてもかなり人数が多い、まさか俺の身近な人を全員誘ってくれるとは思わなかった。

 

「本当は二人きりが良かったけれど、あなたはきっとみんなと過ごしたいでしょうから…」

「…本当にありがとうございます」

 

俺は沙姫さんにお礼を言うと少しだけ悲しそうな顔をする。

 

「…優斗、あなたにはもう時間がないのではなくて?」

「…え?」

「来たんですのよね?時雨春馬から連絡が…」

「…劉我さんですね?」

 

惑星ミストアに行った日の夜、一通のメールが届いた、内容は政略結婚の件…想定よりも早かった。

 

「お父様との作戦、上手く行きそうですの?」

「…心配しなくても大丈夫ですよ、作戦が失敗しても天条院家には、何も被害はありませんから」

「…わたくしは優斗、あなたの心配をしていますのよ」

 

想定よりも早い婚約、俺が考えている方法が上手くいかなければ、俺は終わる。

 

「…大丈夫ですよ、必ず戻ってきますから」

 

劉我さんに調べてもらっていることが分かれば、恐らくあの人の本当の目的がわかる、そうすれば…

 

「優兄、着替えないの?」

「着替えるよ」

 

沙姫さんと話していると着替えた美柑が戻ってきた。

 

「沙姫さん、俺も着替えてきます」

「…えぇ、わかりましたわ」

 

俺が着替えるため、沙姫さんから離れる。

 

「優斗、あなたは思う存分楽しみなさい!」

 

部屋に向かう途中で沙姫さんの声が聞こえてきた。

 

 

 

着替え終わった俺達は海に来ていた。

 

「わーい、海だよ!春菜───!!」

「見ればわかるって…」

 

海を見たララさんがはしゃいでいる、まあ、こんな広い海を貸切だからな、はしゃぐのも無理はない。

 

「すげ~きれいな海!!」

「ホントです~!」

 

ナナさんも霧雨さんもかなりはしゃいでいた。

 

「海、久しぶりだけど、泳げるかな?」

「紗弥香なら大丈夫でしょ、溺れてもその胸があるんだから浮けるって」

「キャッ!触らないでよ、里沙!」

 

新井さんと里紗は…じゃれ合っていた。

 

「へ~すごいね、優兄」

「そうだね」

 

美柑も周りを見て嬉しそうに笑っている。

 

「け…けっこう波があるわね…」

「また手を繋いで一緒に入る?」

「っ!?ハレンチよ!!」

 

不安そうにしている古手川さんに手を差し出すと、″ハレンチ″と言いながらもしっかり繋いでいた。

 

「…繋ぐんだ」

「あなたが言ったんじゃない!!」

「じゃあ行く?」

「え…えぇ」

『…ずるい』

 

みんなからの突き刺さるような視線を無視して、海へ入る。

 

「と…時雨くん、このまま一緒にあそ───」

「ダーリン~?私と遊ぼうぜェ?」

「っ!?」

 

古手川さんの声を遮り、里沙が後ろから抱きついてくる。

 

「優斗、なんでパーカーなんてきてるんだよ、身体触んのに邪魔だろ?」

 

ラッシュガードのパーカーに手をかけて脱がせようとしてくる、君らが俺の身体を触ってくるから着たのに…

 

「ちょっとハレンチよ!!」

「古手川さんは優斗の身体、見たくないワケ?」

「…優斗くんの身体」

「…え?古手川さん!?」

 

古手川さんは俺の前に来てチャックを下ろす。

 

「ちょっ!古手川さん!?」

「…やっぱ好きなんだ?古手川さんも」

「ッ!?里沙その触り方やめ───」

 

二人にパーカーを脱がされた俺は、後ろから抱きつかれていた里沙に胸板を触られる。

 

「………」

「古手川さんまでっ!?」

 

無言で見ていた古手川さんも腹筋を撫でまわす。

 

「ちょっ…ここ海で!」

 

古手川さんで死角になっているため、ララさんと西連寺さん達からは見えないけど…

 

「…何をしているんですか?」

「優兄を離してくれませんか?」

 

美柑とヤミの二人には見えている、美柑とヤミは俺から古手川さんと里沙から俺を引き剥がす。

 

「胸なんて押し付けて、優兄が嫌がってるのがわからないですか?籾岡さん」

「古手川唯、あなたは結城リトにハレンチと言っているのに、こんな場所でそんなことをするとは思いませんでした」

 

美柑とヤミは古手川さんと里沙を睨む。

 

「なっ!私は別にハレンチなことなんて…」

「美柑ちゃんとヤミヤミの胸じゃ、優斗は満足できないぜ?」

 

古手川さん胸の下で腕を組み、顔を赤くして目を逸らす、里沙は胸を見せつけるように強調して、美柑とヤミを煽る、里沙、その言葉は絶対言っちゃダメだ。

 

「「は?」」

 

煽られた二人は今まで聞いた事のないような声を出して俺の前に出てくる。

 

「胸が全てじゃないですよ、キス魔さん?」

「私だって…トランスを使えばいくらでも変えられます」

 

見ただけで変わるすっごい怒ってる、今にでもぶつかりそうな雰囲気なんですけど…

 

「…時雨くん」

「新井さん?」

「こっち!」

「…え?」

 

新井さんに手を引っ張られて、その場から脱出し、近くにあった岩陰に隠れる。

 

「ここなら大丈夫」

「ありがとう、新井さん」

 

結局パーカーは里沙に奪われてしまったけど、仕方ない。

「時雨くん、その…私の水着にあってる?」

「うん、凄く似合ってる」

 

ピンク色のフリルが着いたビキニで新井さんのスタイルが良い事がよくわかる。

 

「新井さんの魅力が伝わってくるよ」

「…そっか、よかった」

 

新井さんは顔を赤くして嬉しいそうにする。

 

「そろそろ手を離してもいいんじゃない?」

「………」

 

新井さんは掴んでいた俺の手を見た後、無言になって俺を見つめる。

 

「…時雨くん、里沙が時雨くんとキスしたって聞いたけど、ホント?」

「…急にどうしたの?」

「答えて?」

「………」

「…ホントなんだ」

 

″今しかない″と小声で新井さんは呟くと掴んでいた手を恋人繋ぎのように繋ぎ直す。

 

「時雨くんの事だから、私の想いにも気づいてるんだよね?」

「…気づいてる」

「始めて見た時はね、かっこいいなって遠くで見てるだけでよかったんだ」

「………」

「でもクリスマスパーティーの時に助けて貰って、プレゼントを取ってくれた時の後ろ姿を見て、好きになっちゃった」

 

新井さんは顔を赤く染めながら、話していく。

 

「バレンタインの時、私が優斗の手を引き寄せて胸を触らせた時のことも、私も優斗くんもドキドキしてた事しっかり覚えてる」

「…やっぱり覚えてたんだね」

 

あの時、新井さんは今もドキドキしていると言っていた、薄々思ってはいたけどやっぱり覚えてたか。

 

「あの時のチョコ本命なんだよ?」

 

あの顔を見て、ガッツポーズを見たらさすがに気づく、俺への想いくらい…

 

「時雨くんが怪我をしてノートを書いて、お昼ご飯を食べさせて…なんだか時雨くんの役に立てて嬉しかった」

 

デビルーク王と戦って右腕が使えなくなった時、学校で授業のノートを書いてもらったり新井さんには色々お世話になった。

 

「パン食い競走で一位になったご褒美で、頭を撫でてもらった時、ずっとドキドキした、好きって想いが止まらなくなった」

「………」

「私が階段から足を踏み外して怪我をした時、お姫様抱っこして連れていってくれたでしょ」

「…そうだね」

「恥ずかったけど、すっごく嬉しかった」

 

新井さんの俺に対する想いが止まらない、顔を赤く染めながらも、俺の目を見て想いを伝えてくる。

 

「時雨くんにはたくさん…たくさん助けてもらった!」

「………」

「時雨くんの前世を知った時、好きな人がずっと苦しんで生きてたのを知って本当に辛かった」

 

拒絶されると思っていた俺の過去、こんな人殺しでも、みんなはそれを受け入れてくれた。

 

「私は時雨優斗くんが大好き!これからもずっとあなたのそばに居たい!!」

 

俺は告白してくれた新井さんの目を見て、綺麗だと思ってしまった、今までにないくらい輝いているそんな目を見て、胸が…

 

「…俺は」

 

俺は自分の気持ちが分からない、新井さんの事は好きだ、でもその思いが恋なのか、友人としてなのか、戦場で生きてきた俺には分からない。

 

それに答えられない、俺にはまだやることが残ってる、黒幕を潰さない限り、俺の身近な人が死ぬかもしれない。

 

もし恋人になった新井さんが目の前で死んだら俺は…俺は失うのが怖い

 

「時雨くん、今はまだ答えなくていいよ?」

「…え?」

「黒幕の事とかの事で、きっと気持ちの整理ができないと思うから…」

 

新井さんは笑顔で俺に言う。

「それに伝えたかったの、この想いを…」

「………」

「それに断られても諦めないから!絶対に時雨くんの事を振り向かせる!!だから…」

 

新井さんは握っていた腕を引き寄せる。

 

「ん──────っ」

「ッ!!」

 

抱きしめられてキスをされた、新井さんの胸が俺の身体に密着してドキドキする。

 

「───ん───ぅっ」

「っ──────」

 

新井さんの舌が俺の中に入ってくる、少し強引だが優しい、ディープキスに俺の頭は真っ白になっていく、30秒ほど続くと新井さんは俺から離れて銀色の糸を舐めとる。

 

「…どうだった?私のキス」

「頭が真っ白…」

 

思考が止まってしまうくらい真っ白だ。

 

「…ねえ、これからは名前で呼んでもいい?」

「…構わないよ」

「私の事もこれからは紗弥香って呼んでね」

「わかった、紗弥香」

 

紗弥香は俺の肩を掴んで、もう一度キスをする、ただ今回は一瞬だけの優しいキス。

 

「…大好きだよ!優斗!!」

 

満足した彼女はみんなの元へ走っていった。

 

「…本当にドキドキが止まらないよ、紗弥香」

 

心臓の鼓動が落ち着くまで俺は石に背を預けた。

 

(必ず帰ろう、みんなの元に…この生活を続けるために)

 

「こんな所にいたんですね!ユウトさん!」

「…村雨さん?どうしたの?」

「御門先生が呼んでますよ!!」

 

嫌な予感がするけど行くしかないか。

 

「御門先生はどこに?」

「こっちです!あそこのパラソルの下に居ます!!」

 

村雨さんに連れてこられた場所に行くとパラソルの下で座っている御門先生がいた。

 

「やっと来てくれたわね、時雨くん?」

「御門先生、要件はなんですか?」

 

御門先生は待ちくたびれたと言わんばかりに俺を見る。

 

「フフフ…オイル…塗ってくれるかしら?」

「自分で塗ったら───」

「さっき新井さんと岩陰に隠れてイケナイことしてたんでしょ、みんなに伝えようかしら?」

 

…御門先生に見られてた。

 

「貴方の事は、ずっと見てるわよ?ヤミちゃんとデートしたり…アイドルを助けたり…」

「…なんで知って───」

「あなたは一体どれだけの女性を堕とせば、気が済むのかしら?」

 

…ヤミとデートと霧崎さんを助けている所も見られていただと?

 

「ほら、早く塗って、時雨くん?」

「…はい」

 

みんなにバラされるより塗った方がマシだな。

 

「うっ───っ!あぁ!」

「…その声やめて貰えます?」

 

オイル塗ってるだけで、そんな声を出さないで欲しい。

 

「あぁんっ!テクニシャンね、時雨くん?」

「絶対ワザとやってるだろ?」

 

遠くから″なんで時雨ばっかり″と猿山の声が聞こえたきたが無視する、お前はリトと遊んでろ。

 

「んっ!!その調子でお尻と胸もお願いね?」

「…拒否権あります?」

「バラしちゃおうかしら?」

「やらせて頂きますよ」

 

背中を終えた俺は背中から下の足にかけてオイルを塗っていく。

 

「あんっ!お尻は優しく!!」

「…叩きますよ?」

「そうゆう趣味?」

「………」

 

俺は御門先生の声を無視して、オイルを塗っていく、反応しなくなった俺を見て、御門先生はつまらなそうな顔をしていた。

 

「後ろは全て終わり───」

「…時雨くん」

「はい…っ!?」

 

手を引っ張って後ろから足を絡めて抱きしめられる、まて、今この人、胸の水着をつけてない。

 

「御門先生、なにを!?」

「時雨くん、貴方にもオイル塗ってあげる」

 

胸が直で背中に当たり、御門先生は置いてあったオイルを手に取って、俺にかけていく。

 

「冷たっ!?」

「大丈夫、すぐに気持ちよくしてあげるわ」

 

御門先生は俺の身体にオイルを塗りたくる。

 

「っ!?」

「胸?弱いの?」

「やめ…てくださ──────っ!?」

「はむっ」

 

オイルが着いた胸板をいやらしく触りながら、御門先生は俺の耳を甘噛みする。

 

「ちゅっ…はむっ…レロッ」

「ぁ──ぁぁ──っ!!」

 

耳から来る快楽で頭がおかしくなる

 

「…貴方が悪いのよ?私を蔑ろにするから」

「ぁ───っ」

「悪いことをした時は、なんて言うのかしら?」

 

御門先生はそう言いながら、右腕を下に伸ばしていく。

 

「このままだと、イケナイことホントにするわよ?」

「…ごめん…なさい」

「うふふ…いいわ、許してあげる」

 

御門先生は俺を解放する、俺はバラソルの下に力無く倒れ込む。

 

「はぁ…はぁ…っ!?」

「ん──────っ」

 

倒れ込んだ俺に御門先生は、上から被さって手を抑えてキスをしてくる、抵抗しても無駄と判断した俺は、御門先生に強引なディープキスを受け入れた。

 

「…抵抗しないのね?」

「───っはぁはぁ…宇宙人相手に力比べは勝てない、抵抗するだけ無駄ですよ」

「賢明な判断ね?」

 

御門先生は笑顔を浮かべて俺を見る、2回目のキスでもするつもりか?

 

「優兄!?」

「ドクターミカド!!あなたは何を!!」

 

美柑とヤミの声が聞こえてくる。

 

「残念、時間切れね」

「………」

「最後に伝えておくわね?」

「…なんですか」

「優斗くん、あなたが大好きよ」

 

御門先生は満足そうに俺から離れた瞬間、ヤミのトランスで変えられた手に掴まれて引き寄せられる。

 

「ドクターミカド!優斗に何をしましたか!」

「ヒミツ」

 

御門先生はそう言って海へと向かっていった。

 

「…優斗、身体がニュルニュルしてます」

「………」

「ちょっ!?」

 

ヤミが俺をレジャーシートへ押し倒され、美柑とヤミは俺の身体を触ってくる。

 

「…優兄、自分が色んな人に好意を持たれてること…ホントはわかってるよね?」

「…はい」

 

…美柑の顔が怖い、オーラみたいなものを纏っているのは気のせいか?

 

「なら、なんでそんな無防備なの?」

「いやパーカー着て───」

「パーカーを着ていれば、襲われないと思っていたのですか?」

「いや、普通は着てなくても襲わな───」

「何か言った?」

「すみませんでした」

 

美柑とヤミが明らかに怒っている、ナナさんとモモさんの居候が決まった時も二人は怖かった。

 

 

 

 

セリーヌが赤ん坊になってから数時間後、セリーヌも無事だった事もあり、時間もかなり経っていたため、その日は解散になるはずだった。

 

「…優兄、座って?」

「え?なんで?」

「ナナさんとモモさんが、優兄の家に住む件って言ったらわかるよね?」

「………」

「優兄、正座」

「…はい」

ナナさんとモモさんはララさんの部屋に遊びに行っており、リビングに残された俺は、美柑とヤミに正座させられた。

 

「…ナナさんモモさんがララさんの近くに居たかったみたいで、いつの間にか天井裏に空間が作られてた」

「なんで住むこと許可したの?」

「…頼んできた時の二人が不安そうな顔して俺を見てた、それを見たら断れなかった」

「へぇ〜」

 

美柑は俺の前で腕を組んで見下ろす、ヤミはトランス能力で変えられた手で、俺をいつでも掴まえる準備をしていた。

 

「俺の家なら、ララさん達と仲良く過ごすことも、地球を知ってもらうこともできる」

「………」

「それに結城家に住んだら、美柑の家事が大変だろ」

 

実際、結城家にはララさんも住んでいて、リトもララさんも料理ができない、家事も色んな理由でララさんにやらせる訳にも行かない。

 

「…納得はしてないけど、二人が住む件はわかったよ」

「…優斗、あなたは甘いですね」

 

…何とかなったか?

 

「明日から毎日ヤミさんと優兄の家に行くから」

「え?」

「プリンセス達とえっちぃことをしてないか、監視します」

 

ヤミさんは手で俺の腕を足を拘束して押し倒す、ヤバい、身動き取れない。

 

「…わかってると思うけど、二人と籾岡さんみたいな事をしてたらどうなるか…」

 

美柑は俺の服をたくし上げて、胸をつねる。

 

「っ!?」

「襲うからね?」

「優斗、あなたの初めては私と美柑で奪います」

 

ヤミの手が触ってが俺の大切な場所をズボンの上から触ってくる。

二人の目がガチだ、てかヤミはリトにえっちぃこと嫌いっていつも言ってるのに、俺の事になると容赦なく襲おうとしないでくれ。

 

「…まぁ、他の人に渡すつもりはないけど…」

「…予定より早くなるだけですね」

 

二人は何かを呟いた後、俺は拘束から解放された。

 

 

 

美柑とヤミの目はガチだった。

 

「ヤミさん、どうしよっか?」

「後でしっかり罰を与えましょう」

「…え?罰?」

 

後で罰って一体何を?

 

「…優兄、後で部屋に行くから」

「覚悟していてください、優斗」

そういうと二人は俺から身体から離れる。

 

「罰って何をするつもり?」

「「秘密(です)」」

 

俺を見ながら二人は小悪魔の様な笑みを浮かべる。

 

「優斗、今は私達と遊びましょう」

「いいよね、優兄?」

「…わかったよ」

 

俺は二人に手を引かれて海へ入っていった、後のことはもう考えないで、とりあえず今は楽しもう。

 

「皆さん!!このあたりでスイカ割りなどいかがかしら!?」

「スイカ割り!?わ───楽しそうー!」

 

あれから数分ぐらいが立ち、美柑とヤミと海で遊んでいると沙姫さんの声が聞こえて来る。

 

「ん?」

「うぁぁぁあああ」

「沙姫様!?」

 

ドザァと大きな音を立て、空から降ってリトは沙姫さんに激突する、なんでリトは空から降ってきたんだ?

 

「…………」

 

沙姫さんの周りにあったスイカは全て割れてしまった挙句、リトは沙姫さんを後ろから抱きしめているような体勢になっていた。

 

「結城リト……」

「はっ」

「あなたはいつもいつも優斗の前で恥をかかせてくれまれますわね──────ッ!!!」

「うげっ」

 

沙姫さんが叫びながら、リトをボコボコにする。

 

「何やってんのリト……」

「相変わらずえっちぃ人ですね」

 

ヤミもリトの事を言えない気がする…

 

「…全く…せっかくのスイカが台無しですわ…!」

「ナナのせいですよ!」

「え~!?だってコイツが!あたしの胸を!!」

 

ナナさんの話を聞く感じ、リトが転けてナナさんの胸を触ったのか。

 

「あ、そーだ!モモ!スイカ持ってる!?」

「どう見ても持ってないじゃない」

 

ララさんは何かを思いついたのか、モモさんに声をかける、モモさんは″あ!″と声をあげてデダイヤルを操作し始めた、冬華教官が破壊したデダイヤル、いつの間にか治っていたのか。

 

「モモはね、宇宙の色んな植物や木の実を収穫して保管しているの!」

「ウリ星の食用スイカがありましたわ、お姉様」

 

モモさんが″転送″と言うとデダイヤルが光り輝き辺りを照らす。

 

「これでいかがでしょう!?」

「し…舌出てるんですけど…」

 

光の中から出てきたのは、舌を出した巨大スイカだった。

 

「………」

「これでスイカ割りするの…?」

 

周りにいたみんなは舌を出した巨大スイカを見て少し距離を取る、これ…食べれるのか?

 

「ご心配なく、食用なのでおとなしいですよ!」

 

俺達よりも巨大なスイカを見ていると、モモさんがウィンクしながら皆に言う、コイツ、食用じゃない奴いるの?てか…どうやってスイカ割りするんだ?

 

「優斗、美柑、スイカ割りとは何ですか?」

「あ…え…えーと…」

「目隠しをして、拳で叩き壊す遊びだよ」

「そうなのですか?」

「優兄、何言ってんの!?ヤミさん!今の嘘だから!違うからね!!」

 

美柑はヤミにとスイカ割りの説明をする、あいつは笑顔を浮かべながら拳で叩き壊したけどな。

 

「だ…大丈夫かな、何か怖い…」

「う~ん、つーか不味そう…」

「うん、不味そうだよね」

 

里紗と沢田さんの言葉を聞いたスイカは、何かが突き刺さったのか後退りする。

 

「あ…ダメですよっ!そんな事言っちゃ!!このコ、けっこう味にプライド持ってるから」

 

このスイカ、味にプライドのあるんだ…でも里紗と沢田さんの言うこともわからなくもない。

 

「ホホホ、言っておきますけど、見かけがスゴい程味が大した事ないのは常識でしてよ!!」

「沙姫さん、その辺にしといた方が───」

「まして、お化けスイカの分際でプライドなんて!!生意気ですわ!!」

 

俺の声は届かず、沙姫さんはスイカをボロクソに言ってしまった。

 

「うが───ッ」

「キャースイカさん落ち着いて!!」

「へ?」

「沙姫様!!」

 

ブチ切れたスイカは沙姫さんに向かってスイカの果汁を飛ばす。

 

「優斗!?」

「…まあ、こうなるよな?」

 

俺は咄嗟に近くにあったパラソルを持って、沙姫さんの前に立ち果汁を防ぐ。

 

「沙姫様、お怪我は!!」

「優斗のおかげでわたくしは大丈夫ですわ」

「ちょ…スイカの果汁!?」

 

九条先輩と藤崎先輩が沙姫さんに近づいてくる、沙姫さんに怪我はないみたいでよかった。

 

「グカァァァ!!」

「ひっ!」

 

俺に果汁を防がれた事で更にムカついたのか、声を上げて里紗がいる方へ向きを変える。

 

「ひゃ─────めっちゃ怒ってる───!!」

「なんで私まで!?」

 

 

今度は里紗と紗弥香に向かって転がっていく。

 

「ガブァッ!?」

 

二人に向かっていたスイカに回し蹴りをするが、スイカは割れず、軌道を変えることしか出来なかった。

 

「いや、硬すぎ…」

「優斗くん!」

「優斗、あんた大丈夫なの!?」

 

スイカを蹴った衝撃で砂浜に倒れ込む、それを見た二人は俺に駆け寄ってきた。

 

「俺は大丈夫、二人とも平気大丈夫?」

「優斗くんのおかげで、私達は大丈夫!」

「紗弥香、あんたいつの間に優斗の事、名前で──」

「ギャース」

「猿山────!!」

「「「………」」」

 

俺がスイカの軌道を変えたことで猿山が犠牲になったらしい、俺達三人はそれを無言で見ることしか出来なかった。

 

「みんな!!」

「ス…スイカさん、落ち着いて!!」

 

モモさんの静止も届かず、スイカは次のターゲットに向かって突き進む。

 

「待て!!それ以上暴れるなら、僕が相手だ!!」

「レンちゃん!!」

 

スイカの前にレンくんが立つ、レンくんが戦ってる所を見た事ないけど強いのか?

 

「どうするつもりか聞いてもいいかな、レンくん?」

「時雨、決まってるだろ!この拳で叩き割ってやる!!」

「…スイカを拳で叩き割るの流行ってるのか?」

「くらえ必殺!!サイクロン・グレネイド!!!」

「…すごいネーミングだね?」

 

レンくんは必殺技を叫びながら、拳で殴り掛かる、マジで叩き割るつもりか?

 

「ブ───ッ」

「レンちゃ──ん!!」

「え!?」

 

殴りかかったレンくんはスイカに果汁をかけられて、リトがいる場所まで吹き飛ばされる。

 

「ルン!!」

「やっと会えた…リトくん」

 

砂埃から出てきたのはレンくんではなく、ルンさんだった、俺がスイカを見ると、スイカは新たなターゲットを見つけてそちらへ手を伸ばす。

…悪い二人とも少し構ってる暇が無くなった。

 

「グヘッア?」

「…おい、スイカ?今誰に手を出そうとした?」

「え、優兄?」

 

美柑に手を伸ばしていたスイカに向かって、俺はパラソルをもって突きをする、パラソルはスイカに刺さり、美柑に伸ばしていた手を止める。

 

「…美柑に手を出したんだ?生きて帰れると思うなよ?」

「ガァァァァッ!?」

 

突き刺さったパラソルを思いっきり蹴って、更に深く突き刺す。

 

「…美柑、ごめん」

「ちょっ!?優兄!!」

 

俺はパラソルが深く突き刺さり動けなくなったスイカを無視して美柑を抱えて距離をとる。

 

「…優兄、みんながいる前でこれ恥ずかしい」

「我慢して」

「でも…あのスイカはもう───っ!!優兄!?」

 

抱えていた美柑を俺はそのまま抱きしめる、俺はなんで、こんな事をしている?

 

「ちょっ!優兄どうしたの!?」

「…もう少しだけでいい、頼む」

 

俺が美柑を抱きしめていると後ろから声が聞こえてくる。

 

「ララを放せ───ッ!!!」

 

美柑を抱きしめながら、声がする方を見ると捕まったララさんを助けようとリトがスイカを棒で叩いていた。

 

「結城くん!」

 

リトを心配した西連寺さんが声をあげる、リトは大丈夫だ、もう決着は着いた。

 

「へっ!?」

「これでいいんですか?スイカ割りという遊びは」

「ヤミ、気配を頼りに斬るのは違うよ」

 

スイカが真っ二つに割れたのを見て、俺は美柑を解放する、美柑から″あ…″と名残惜しそうな声が聞こえた。

 

「…優斗さん」

「ん~おいしいですね、このスイカ!!」

「…よかった!これでスイカさんも報われます!」

「御門先生?食べないんですか?」

「…えぇ、いただくわ、お静ちゃん」

「リサ、どうしたの?」

「…なんでもない」

 

遠くでスイカを食べている、村雨さんとルンさんが見えた。

 

「美柑?どうしたのですか?」

「な…なんでもないよ、ヤミさん!?」

 

俺から解放された美柑の顔は赤かった、なぜ俺はあんな事をしたんだ?もう、時間がないからか?このまま…みんなの元に戻れないかもしれないからか?

 

「…分からない」

 

…俺は自分の感情が分からない。

 

 

 

少し離れた場所で天条院の別荘を見つめる男がいた。

 

「チッ…屋敷に逃げたか、カーメロン」

 

黒髪の男が舌打ちをする。

 

「…この時間は人が多い、狙うなら夜か」

 

黒髪の男は、屋敷を見て呟く。

 

「…なんとしてでも吐かせるぞ、奴の目的を」

 

黒髪の男はその場から消えた。

 

「は~最悪だね~まさか、優斗くんもクロくんもいるなんて…」

「………」

 

二人の人物は少し離れた所から、黒髪の男──クロを見下ろしていた。

 

「バレないようにカーメロンを始末して逃げるつもりだったけど、まあいっかな~?丁度、君のことを試してみたかったしね」

「………」

 

男はフードを被った人物を見る。

 

「それにしてもー見たかい?まさかあの優斗くんがね~スイカごときにあんな殺気を放つなんてね~?」

「………」

「余程、あの子が大切なんだね~」

 

男は先程殺気を感じて見た光景を思い出して、ニヤニヤと笑みを浮かべて話す、隣にいたフードの人物は何も喋らずに俯いていた。

 

「君が″僕″と″コレ″を見た時の反応が楽しみだよ?優斗くん」




次回は長くなると思います。(長くなかったらごめんなさい)
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