ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~   作:アイスが食べたいマン

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~接近とお出かけ~

河川敷で起きた出来事から数日

俺は寝ることができず、起きていた。

リビングは静かで外からはまだ少し暗い。

学校に行くまでまだ三時間以上ある。

シャワーを浴びて、歯を磨き、植物に水をやり、いつも通り朝食と弁当を作る為、キッチンで料理をしてたが人の気配を感じて振り返る。

 

「今日も眠れなかったみたいだな?」

「………」

「無視か?」

 

白髪の長い髪を後ろで縛り、眼帯をしている女性。

─────俺に戦い方の全てを教えてくれた人が話しかけてくる。

無視をしても尚、女性は話し続ける。

 

「この前は危なかったな?下手をすればあのリトとかいう小僧は死んでいた。」

「………」

「今度はあの妹がお前のせいで死ぬかもな?」

「黙れ」

「なんだ、聞こえてたのか」

 

何か面白いことがあったかのようにニヤリと笑みを浮かべながら話しを続ける。

 

「この前はたまたま救えただけだ」

「………」

「まだわからないのか?お前と関わる人間は不幸になる、それが嫌ならあの兄妹と関わるのはやめておけ」

 

そんな事言われなくてもわかってる。

本当に守りたいなら俺はリトと美柑に関わるべきじゃない。

 

「まさか、自分が幸せになれると思っていたのか?たくさんの人間を救うことができなかったお前が?たくさんの人間を殺してきたおまえが?」

「………」

「お前に幸せになる資格はない」

「俺の前から消えろ、出てくるな」

 

 

 

 

だってお前はこの世界にはいない。

 

 

 

 

 

それにお前は、

 

 

 

 

 

 

──俺が殺した。

 

 

 

 

 

 

 

学校へ行く時間となり、俺はリトの家に向かい、家のチャイムを鳴らす。

 

「はーい!」

 

扉の向こうから美柑の声と足音が聞こえる。

 

「おはよう!優兄!まだリト部屋で準備してるから、中に入って待ってて!」

 

ランドセルを背負った美柑が扉から出てくる。出てきてすぐ俺にそう告げると、「リトー?優兄来たよー」と美柑がリトを呼びに行く。

玄関に座り、リトを待っていると呼びに行った美柑が戻ってきた。

 

「優兄、ごめん、リトもう少し時間かかりそう」

「いや、大丈夫、いつもの事だから気にしてない」

 

この前は俺より早く学校に行ったと美柑に言われた時はかなり驚いた。

リトとは一緒に登校してるから、いつも俺が迎えに来てるけど、前日にララがリトの家に来て色々あったから、疲れてたのか?と思ってリトを追って歩いてたらララさんに間違えて告白してるし。

 

「優兄、最近泊まり来ないけど、何かあった?」

 

考えていたら少し悲しそうな顔を美柑から声がかけられる。

 

「その、彼女ができたから泊まりに来ないとか?」

「は?いや、彼女はできてないよ」

「ホントに?よく告白されてるって聞いたよ?」

「…リトから聞いたな?告白されたからと言って彼女がいるわけでも訳じゃない」

「じゃあどうして泊まりに来ないの?…もしかして優兄眠れてないの?」

 

確かに俺は中学生の時まで、ほぼ毎日結城家に泊まっていた。

けど俺は寝ることができない。あの時の夢を見るようになってから。

基本俺は結城家では寝ないように寝た振りで誤魔化してきた。ただ俺も人間だ、毎日寝ないことなどできない。

あの日、睡魔に耐えれず寝てしまい、過去を見て起きた所を隣に寝ていた美柑に見られてしまった。

あの時───なぜ美柑が隣で寝ていたかは不明だが

───夢を見てうなされた俺を見た美柑の心配して泣いていた、あの顔が頭からずっと離れなかった。

美柑のあの顔が見たくない、あの顔を見ると俺は過去を思い出してしまうから、それからしばらく結城家に泊まっていない。

 

「いや眠れてるよ?それに、あの時はたまたま悪夢を見ただけだよ、そういえばなんで美柑はあの時、隣で寝てたの?」

「ふぇ?いや、その寝ぼけてたって言うか、そのぉ…」

まさかのカウンターに美柑はしどろもどろに答える。

 

「美柑、今日学校が終わったら一緒に買い物いこうか?」

「あれは…え?優兄と一緒に買い物!!」

「どこでもいいよ?夜ご飯の買い物でも、見たい服でも何でもね」

「ホントに!?優兄と買い物ができる…これってもしかしてデート!?」

「行かない?」

「絶対行く!!」

 

────今度はあの妹がお前のせいで死ぬかもな?

 

──── 嫌ならあの兄妹と関わるのはやめておけ

 

先程言われた言葉が脳裏に過ぎる。

けど、俺は美柑に悲しい顔をして欲しくない、ずっと笑っていて幸せになって欲しい。

そのためなら俺にできることならなんだってする。

美柑と約束の時間と場所を話していると2階から制服を着たリトが降りてくる。

 

「優斗、悪い、お待たせ…」

 

降りてきたリトは学校に行く前から何故か疲れていて元気がない。

 

「なんで朝から疲れてるんだお前」

「…聞かないでくれ」

「本当になにがあった?」

「リトは朝からお楽しみだったみたいだし」

「お楽しみ?」

「あーもう、いいから学校行こうぜ」

 

そう言いながらリトは扉を開けて外へ出る。

俺と美柑も続いて外へ出る。

 

「リトーガッコいくのー?じゃあまた後でねー!」

 

急いで玄関まで見送りに来たララさんは無邪気な笑顔をしながら、リトに伝えるとそのまま2階に戻ってくる。

 

(また後で?)

 

俺はその言葉に疑問を感じならがリト学校へ向かう。

 

 

 

 

「え──突然ですが、転校生を紹介します」

 

朝のホームになり骨川先生から転校生が来ると告げられる。

 

───じゃあまたあとでねー!

 

(…まさか転校生って)

 

「やっほ──リト──!!私も学校来ちゃったよ―っ♡」

 

玄関から見送りに来た時に言っていた、またあとでとはこういうことか。

どうやって転入手続きをしたか不明だが、この学校にララさんは転校してきた。

 

「何のつもりだよララ!!いきなり転校してくるなんてっ!!おかげで俺たち学校中のウワサの的じゃねーか!」

 

昼休みになり俺達──俺は何故か連れてこられた───は屋上にいて、リトはララに向けて声を上げる。

 

「おまけに俺ん家にいる事までバラしてバラしちまって!!」

 

好きな人がリトということ、ララさんはリトと一緒に暮らしていることを、ララさんがバラしてしまった為、学校中の噂となっていた。

 

「え──だって…いつもリトのそばにいたかったんだもん」

「い…一応遠い親戚同士だって言いワケはしといたけどよ…」

「それで誤魔化せてるといいな」

 

遠い親戚にしても髪色も違う、しっぽもある、誤魔化すにも限界がある。

 

「転入手続きはどうやったの?戸籍もそうだけど、在学証明書とか必要ものが他にもあるから、数日でできる物じゃないけど…」

「あーそれはカンタンだよ!このガッコのコーチョーって人にお願いしたら、カワイイのでOKッ!!─って!」

 

(いや、ダメだろ、法律的に色々アウトだよ)

 

気になったから聞いてみたが、そんな軽いノリでやっていい事じゃない、教育委員会にバレたら、どうなることか。

 

「でも心配しないで!宇宙人って事はヒミツにしてあるから」

「そんなん当たり前だ!ただでさえ、お前注目されてんのに宇宙人なんて知られたら大騒ぎに…」

[そんな単純な問題ではない!!ララ様はデビルーク王のプリンセス!それが公になれば、命を狙われる可能性もあるのです!!]

 

ララさんの髪に着いている機械───名前はペケ?だったか?───が声を上げる。命の危険があるのに学校に通う事をデビルーク王は良く許したと思う。

まさか、話してないってことはないよな?

 

[ま、リト殿が本当に頼りになる男ならそんな心配する必要はないのですがね〜]

「何かトゲのある言い方だな」

「まあ実際俺たちで宇宙人相手にしろって言われても難しいからな」

 

数日前はあくまで1対1だったから、ザスティンの剣技を避けられただけで、複数相手となったら正直かなり厳しい。

 

「大丈夫だよ、ペケ!リトはいざって時頼りになるから!」

「いや…そんなにアテにされても…」

 

 

 

 

 

それから時間が過ぎ放課後になった。

授業も終わり、下校する人もいれば、部活に行く人もいてそれぞれ準備をしている。

俺は美柑との約束がある為、帰る支度をしていた。

リトはララさんの部活案内が西連寺さんが担当することになったらしく、ララさんが余計な事を言わないかどうか隠れついて行くらしい。

俺はリトに美柑と約束があるから先に帰ることを伝えて、廊下を歩いている途中、佐清先生とすれ違う。

 

「………」

「どうしたんだい?時雨くん?ボクの顔に何かついてるかな?」

 

違和感を感じた、いつもの佐清先生と何か違う、根本的な何か

 

「…いえ、特に何も…佐清先生、前日にお渡ししたたテニス部の入部届けってどうなりましたか?」

「…すまない伝え忘れていた、あれならしっかり受理したよ?君も明日からテニス部員だよ」

 

…これで違和感が確信になった、こいつは佐清先生じゃない、俺は佐清先生にテニス部の入部届けを出していない。

こいつは誰だ?何が目的で佐清先生に変装している?

 

──ララ様はデビルーク王のプリンセス!それが公になれば、命を狙われる可能性もあるのです!!

 

まさか?ララさんを殺しに?なら俺が先にこいつを…いや待て、ララさんが彩南高校にいることが何故バレた?他に別の目的がある可能性もある。

それにこいつはまだ佐清先生に化けているだけで何もしていない。

少し様子を見よう、リトにはまだ知らせなくていい、変に不安にさせる必要はない。

それに確信はしたが証拠はない、それに間違えている可能性もある。

 

「わかりました。明日からよろしくお願いします。」

「あぁこちらこそよろしく頼むよ、時雨くん」

 

動きがあるまでは様子を見るが、もしリトや他の誰かが被害に合いそうになった時は。

 

 

 

 

 

待ち合わせ場所に行くと既に美柑はそこで待っていた。

 

「ごめん、またせた」

「大丈夫だよ優兄、こっちも今着いたところだから」

「じゃあ行こうか、どこに行きたい?」

「えっと、洋服を見に行きたいし、夜ご飯の買い物も…」

「とりあえず、デパートに行こうか」

 

俺と美柑はデパートへ向かって歩き出す。

デパートに行ってる間も美柑は嬉しそうに色々な話をしてくれる。

学校のこと、リトのこと、栽培さんと林檎さんのこと。

この際だしララさんのこと聞いてみるか。

 

「美柑はララさんのことをどう思ってる?宇宙人で急に家に住むことになって、リトの婚約者になって、色々急すぎて混乱してないか?」

「うーん、確かに色々急でびっくりしたよ?でもララさんも悪い人じゃないし、リトと結婚するのは別に本人たちが良いならって感じかな…逆に優兄と結婚するってならなくて良かったよ…」

 

美柑はララさんに悪い印象はない見たいだな、俺が美柑くらいの時だったら、急すぎて困惑してる。

 

「でも、ララさんが初めて来た日、2階から凄い音がしたから、優兄達を呼びに行ったら、優兄が来るなとか逃げようってあんなに焦ってるところ初めて見たよ」

「あの状況になれば俺だって焦るよ、それにもし美柑が襲われて何かあったら、俺はリトに顔向けできない」

「でも、そんな状況になっても優兄なら助けてくれると思うなー」

「どうしてそう思うの?」

「だって、今まで助けてくれたじゃん、私が雷で怖がってた時も、1人で寂しかった時も、隣にはいつも優兄が居てくれた、助けてくれたじゃん」

 

たしかに俺は美柑が怖がってる時、寂しそうにしてる時はいつも隣にいた。

でもだからってそんなに俺を信じないでくれ、俺は助けられなかった、信じてくれていたあの子を、守ると約束したのに。

 

「あ、優兄着いたよ!どこから行こうか!」

「…あぁとりあえず、洋服から見に行こうか」

 

洋服屋に着くと美柑は色々服を見てたり、俺の顔を見てなにか悩んでいる。

 

「あのさ、優兄はその、どんな服が好き?」

「どんな服を着た女性って意味なら、俺はその人が似合っていれる服であれば良いかな」

「えっとじゃあさ、私だったなら何が似合うかな?いや?その参考にしたいというかなんというか…」

「…そうだな、もし選ぶならこれかな」

 

選んだ服を美柑渡す、セーラー服?の様な制服をモチーフにした服、何となく美柑に似合う気がした。

 

「なるほど、なるほど、ちょっと来てくるね!優兄はこんな感じの服が好みなのかな?」

 

なんか変な誤解をされた気がした。

なぜあの服を選んだか分からない、ただ前世の俺は学校に通うことができなかった、この世界で初めて学校に行き、制服を着た時は少し胸が高鳴ったのを覚えている。

 

「どうかな、優兄?似合ってる?」

 

着替え終わった美柑が俺に聞いてくる。

 

「あぁすごい似合ってるよ、びっくりするくらい」

「そ、そう?じゃあこれ買おうかな!」

「俺の好みになってるけど大丈夫か?」

「うん!大丈夫だよ!むしろその方が優兄に…」

 

そう言って美柑はレジに行こうとする。

俺は美柑の後について行き、

 

「美柑、俺が払う」

「え?いや、悪いよ優兄」

「いや、払わせてくれ、その代わり大切に来てくれよ?」

 

俺は会計を済ませた、美柑は少し不満そうだったがこれくらいさせて欲しい。

 

「あ、負けた」

「優兄ホント、レースゲーム苦手だよね」

 

次に来たのはゲームセンターだ。

そしてレースゲームで負けた。リアルのレースなら得意なんだけどな、ゲームになるとアイテム等、色々あるから難しい。

 

「次だ、他にもあるだろ?」

「えぇ?優兄、他でも勝てるかな~」

「勝つさ」

 

次はエアホッケー、初めてやるが中々難しい。

丸い板を壁に反射させて相手のゴールへ狙う、考えながらやってるといつの間にかゴールに入っている。

 

「あれ~勝っちゃったよ?優兄?」

「…なぁ美柑なんでこんな上手いんだ?」

「優兄が下手すぎるだけだよ?」

「エアホッケーなんてやったことあったか?いつ覚えたんだ?」

「え?時々リトとか友達とやるよ?」

 

美柑がしっかり友達と遊んでいるみたいで安心した。

 

「優兄ってウチでゲームしてる時とか、私とリトが誘わないとやらないけど、もしかして好きじゃないの?」

「いや、好きじゃないと言うより、やったことがないから分からないが正しいな」

「優兄の家って昔からゲームとかないもんね、優兄のお父さんは買ってくれないの?」

「欲しいと言ったら買ってくれるかもな」

「ふーん、優兄のお父さんはどんな人なの?リトは昔1回だけ会ったことあるらしいけど」

「挨拶に行った時、美柑はまだ生まれたばかりだったからね、いい人だよ」

「いい人って優兄、もう少し何かあるじゃん」

 

美柑とリトは俺と春馬さんが本当の家族じゃないことを知らない、もちろん俺を産んだ母親のことも、美柑やリトには母親は俺を産んですぐに亡くなった事になっている。

 

「それより次なにやる?早くしないと時間なくなるよ?」

「え?あ、じゃあ次は…」

 

その後もたくさん色々なゲームをやった。

俺もゲームはあまりやったことがなく、新鮮でかなり楽しかった、シューティングゲーム以外負けたけど。

 

「うーん、今日の夜ご飯は…」

 

今いるのはスーパーで夜ご飯の買い物をしている。

ララさんもいることで何を作るかかなり迷っているらしい。

 

「カレーとかどうだ?嫌いな人はあんまりいないし、人数分作っても鍋1つで済む、残ったら明日に回せばいい」

 

「そうだね!じゃあカレーにしよ!」

 

俺と美柑はカレーの材料を買ってレジへ並ぶ、買い物カゴに入っている量は4人分入っていた。

 

「優兄、今日このまま夜ご飯食べていくでしょ?来ないって言っても、もうレジに並んじゃったけどね」

 

美柑ニヤニヤしながら俺を見る。

「言われなくても今日はこのまま夜ご飯は食べていく気だったよ」

「ホント?じゃあ一緒に作ろ!優兄!」

 

買い物も終わり、俺達は今公園のベンチにいる。

俺は屋台で売っていたソフトクリームを2つ買って片方を美柑に渡す。

 

「美柑、アイス買ってきた」

「ありがとう、優兄は本当にアイス大好きだよね」

「それは美柑もだろ?」

「優兄のせいだよ?優兄が食べてるの見て好きになったんだもん」

 

夕方でいい時間だ。

アイスを食べ終わったら、帰らないと夜ご飯を作る時間が遅くなる。

 

「美柑、今日は楽しかったか?」

「え?急どうしたの?」

「気になっただけだよ」

「楽しかったよ…久しぶりに優兄と二人でお出かけできて」

「なら良かったよ、アイス食べ終わったら帰ろうか」

「最後にわがまま言ってもいい?」

「俺にできることならいいよ」

「今日は泊まっていってよ優兄…」

「…わかったよ、久々に今日は泊まって行く」

「ホント?やったぁ!」

 

俺と美柑のお出かけは終わった、今日は寝たフリだな、なんて考えていたが、まさか寝たフリをしていたら、俺が寝ている布団に美柑がこっそり潜り込んでくるとはこの時の俺は思ってもいなかった。

 

 

 

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