ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
そして今回の話は長いです。ごめんなさい。
「まさか、あの女のガキが生きていたとはな?」
「………」
とある研究所、晴野駿が渡したメモリーカードと戦国冬華が渡した国家機密で真実を知った雨宮優斗は男───桐生夏樹に銃を構える。
「ここに来るまでにいた奴らはどうした?」
「…全員殺した、研究に関わってるヤツらは全員殺す、こんなものが外に漏れれば、日本は確実に終わる」
雨宮優斗はここに来るまで、研究所内にいた全ての人間を殺してこの場所に来た。
「…まさかお前らクズ共が、死体なんて集めて、武器人間なんてくだらない兵器を作ってるとはな?」
雨宮優斗は周りにあった死体を見て言う、死体は手足が武器となっていて、体の至る所に縫い目があった。
「ふざけてんのか?死体なんて使ってこんなもん作りやがって!!」
「死体だと?何を言っているんだ貴様は?その段階はもう終わった」
桐生夏樹は理解できないと言った表情を浮かべ雨宮優斗を見る。
「…は?」
「ここまで来た褒美だ、貴様の知らないことを教えてやろう、死体を使った武器人間は失敗に終わった、そんな肉体ではダークネスに耐えられない」
「まて、死体じゃないだと?何を言ってる、記録には全て死体を使ったと!!」
桐生夏樹の言葉に雨宮優斗は困惑する。
「貴様は何も分かっていないな、映画の様な死体では意味が無い、本物を作り上げるには、生きた人間で完成させるべきだ」
「…まさか、ここにあるのは!?」
「全て生きた人間だ、心臓も動きも意識もあったが、ナノマシンと装着した武器に耐えられなった」
雨宮優斗は信じられないと言った顔をする。
「最初は孤児のガキを使ったが幼い体には、武器を装着した時点で耐えられず死亡した」
「…は?」
「自衛隊やスポーツ選手の様な肉体を鍛えた人間でも実験したが、今の人間にはナノマシンに適合することができなかった」
桐生夏樹は淡々と話す、まるで何も無かったかのように。
「散々実験させて、結論が出た、ダークネスやナノマシンを耐える肉体を作るには、一から人間を作るしかないが、この世界の技術ではそれが不可能だ」
桐生夏樹は後ろの巨大な機械を撫でる。
「その為に夏海達にこの装置を作らせた、次元接続装置、別世界に繋げる為の扉をなァッ!!!」
桐生夏樹は高らかに笑う、その目に映っていたのは狂気そのもの。
そして雨宮優斗は思い出した。
───なんか、歪曲空間の応用で次元の裂け目を作るとか、なんとかで、
───海外の海に落ちた、隕石に未知のエネルギーがあったらしいんっす、それを使って次元の裂け目を作って、別世界に繋ぐって言ってます!
脳裏によぎった後輩───晴野駿の言葉。
「今まで集めた研究成果と遺伝子情報はここにある!これを持ち別世界の技術を使い完成させる!!」
桐生夏樹はアタッシュケースを持ち上げ、雨宮優斗に見せつける。
「ふざけてんじゃねえぞ!!そんな物、俺が全てぶっ壊す!!」
「そんなことをさせると思うか?」
【パァ…ンッ!!!】
「ッ!!?」
桐生夏樹が言った途端、銃声が鳴り響く、銃声を聞いた雨宮優斗は左に避けるが、避けることができず、弾丸は右胸を貫いた。
「許さない、あなただけは絶対に…」
「…お前」
雨宮優斗を撃った人物が姿を表す。
「…桐生夏海っ!」
桐生夏海、雨宮優斗にとっては腹違いの妹、そして…
「駿を殺したあなたを私は絶対に許さない!殺す!殺してやる!!」
晴野駿の恋人、桐生夏海は雨宮優斗に向かって更に2発、銃を撃つ。
「…クソッ!」
雨宮優斗は近くにあった物陰に姿を隠すが、桐生夏海が撃った、2発の内1発の弾丸は優斗の腹部を貫いた。
「装置を起動しろ」
「言われなくてもわかってるよ~夏樹くん」
男が装置を操作すると巨大な機械が動き出した。
「あれ、なんで?」
「どうした?」
「座標がおかしいなー?このままだと目標地点じゃない場所に飛ばされる」
「なに?」
装置を操作していた男が焦る、それを見た桐生夏樹はアタッシュケースを床に起き、男の元へ向かう。
「ハハハっ!」
「…貴様の仕業か、雨宮優斗」
「ここに来る前にサブコントロールルームで座標をいじってやったよ!いくら⬛︎⬛︎⬛︎でも、直すのに時間がかかるよなぁ!」
「夏樹くん、やられたね?でも時間があれば、このくらい───」
「あとこれやるよ!プレゼントだ!!」
隠れている場所から雨宮優斗は何かをなげた、投げた何かはアタッシュケースの近くに落ちる
「ッ!?夏樹くん!早くケースを…」
「もう遅い!!」
雨宮優斗はどこからかスイッチを出しボタンを押す、ボタンを押した瞬間アタッシュケースに落ちた″″爆弾″は爆発してアタッシュケースを吹き飛ばす。
「クッソがァ!貴様よくも研究成果を!」
「ッ!?まずいなァ~今の爆発でシステムがおかしくなった!このままだと───ッ!?」
「くたばれクズ野郎!!」
男がそう言った瞬間、雨宮優斗は物陰から姿を表し、桐生夏樹と男に向かって銃のトリガーを弾く。
「ッ!!」
「……」
2発の弾丸は桐生夏樹と男の心臓を貫いた、二人はその場に力なく倒れ込む。
「お父さんっ!?雨宮優斗ォォォオオオ!お前は苦しんで死ねぇぇぇっ!!!」
桐生夏海は雨宮優斗に向かって再度、トリガーを弾く、弾丸は腹部を貫き、雨宮優斗は床へと倒れる。
倒れた雨宮優斗は桐生夏樹の方を見ると二人は倒れたまま動かった。
「………」
雨宮優斗は自分の身体を見て理解した、死ぬことを。
「死ね!死ね死ね!!」
桐生夏海は雨宮優斗に近づいて、弾切れになるまでトリガーを弾く、雨宮優斗は何発も弾丸をその身に受け続け、最後の1発の弾丸は、雨宮優斗の眉間を貫いた。
雨宮優斗は桐生夏海に撃ち殺されて死亡した、だから知らなかった、この後、起きた出来事を。
「お父さん!!」
桐生夏海が桐生夏樹に声をかけた瞬間、装置が起動し、倒れていた桐生夏樹と男はその場から姿を消した事を。
◇
海で遊んでから数時間後、海で遊びを終わった優斗達は沙姫の別荘に戻るとスーツを着た人に声をかけられた。
「沙姫様のご友人の方々ですね、よくぞ、いらっしゃいました」
「あなたは?」
「ご挨拶が遅くなり申し訳ございません、この屋敷を管理している執事の嵐山です」
唯の質問に執事である嵐山は丁寧に答える。
「夕食は海の幸をたくさん用意してあります、それまではお部屋や大浴場などで、どうぞごゆっくりおくつろぎください」
「「「大浴場!!」」」
嵐山の言葉にみんな嬉しそうな反応をする。
「じゃ、嵐山!皆さんをお部屋へご案内して…」
「はっ沙姫様、皆様のお部屋はこちらになります」
優斗達は嵐山に部屋へと案内された。
「沙姫せんぱい!」
「あら…ルンどうかしまして?」
何かを企んでいる様な笑みを浮かべたルンは、沙姫に話しかける。
「せんぱい!ララをこのまま楽しませちゃっていいんですか?」
「え?」
「チャンスですよ?作戦を立てて皆の前でララに恥をかかせてやるんです」
「………」
ルンは沙姫にララを恥をかかせる為、作戦を提案する。
「せんぱいが落ち込んでいる、ララに優しく声をかければ…みんなはせんぱいのことを──────」
「…ルン、あなたの提案は魅力的ですわ、でもそれを優斗は望まない…」
「…え?」
沙姫の言葉は、ルンにとって思いもよらない言葉にだった。
「優斗はきっと身近な人には笑っていて欲しい、どんな些細な事でも、悲しんだ顔をして欲しくないはずですわ」
「………」
「だから、わたくしはその提案を断ります」
「沙姫様…」
少し前の沙姫ならこの提案に乗っていたかもしれない、ただ沙姫は優斗と出会って変わった。
「どうして?前のせんぱいならララに…」
「わたくしは…優斗が好きですの、だからこれ以上、優斗が悲しむ姿を私は見たくない」
″好きな人には最後まで笑っていて欲しくてよ″沙姫はルンにそういうと、ルンを通り過ぎて自分部屋へと向かう。
「ルン、あなたもお泊まり会を楽しみなさい」
それだけ告げると沙姫は凛と綾を連れて歩いていった。
◇
~里紗side~
「ふぅ…やっぱり広いお風呂は気持ちがいいわね」
「ホントだね───!」
部屋に案内された後、私達は大浴場に来ていた。
「コテ川…けっこう胸おっきいな…」
「へっ」
「どうやったら、そんな風になるんだ?」
「どっ…どーやったらってナナちゃん!!」
ナナちぃが古手川さん──唯に向かって胸の話をする。
「そんなのいっぱい揉まれたからに決まってんじゃん」
「キャッ!ちょっと!!籾岡さん!?」
「その胸で優斗を魅了して襲われたことあったりして」
私は後ろから唯の胸を揉みしだく。
「優斗、おっきい胸好きみたいだし…」
「「「ッ!?」」」
私の言葉に美柑ちゃんとヤミヤミとナナちぃは自分の胸を抑える。
「してないわよ!!むしろ私が時雨くんの事を…
「…ユウトのことをってまさか!!コテ川もモモみたいにユウトを襲ったのか!!」
「「「は?」」」
唯とモモちぃが優斗を襲った?
「わ…私は襲ってなんか…」
「…じゃあ何したの?古手川さん」
「わ…私よりも!モモさん!時雨くんを襲ったってどうゆう事よ!?」
紗弥香の追求から逃げて、唯はモモちぃに言う。
「モモは、この前まで寝ているユウトの身体を舐めなりして、襲ってたんだぞ!!」
「それを言ったらナナだって!この一週間、毎日優斗さんと一緒に寝ているじゃない!」
「あれはユウトをモモから守るために────」
「寝ているユウトさんの頬に、キスをするのも守るためなのかしら?」
「なっ!?なんでそのことを…」
ナナちぃとモモちぃはお互いに言い合いを始める、てゆうか、なんで毎日一緒にいるワケ?
「ハ…ハレンチよ!そもそもなんで二人は時雨くんと毎日一緒にいるのよ!!」
「…古手川唯、この二人は今、優斗の家に住んでいます、ですが…まさか二人がそんなことをしているとは思いませんでしたが…」
ヤミヤミがナナちぃとモモちぃに向かって、殺気を放つ、これ私が優斗を襲った時ぐらい怖いんだけど…
「それに私だけじゃないわ!籾岡さんだって起きている優斗さんを、無理やり押し倒して襲ってましたよね!!」
モモちぃがとんでもない爆弾を落としてくる、なんでその事をモモちぃが知ってんの?
「里紗、私そんな話聞いてない」
「籾岡さん!あなたねぇ!!」
紗弥香と唯に問い詰められる。
「でも…優斗は気持ち良さそうに喘いでたぜ?」
「「「なっ!?」」」
「でも優兄は嫌がって───」
「口で嫌がっていても、優斗の身体は正直だったね」
優斗と快楽に染まった優斗の顔を思い出すと今でも興奮する。
「貴方達、少し時雨くんのことをいじめすぎじゃないかしら?」
「ドクターミカド、あなたが言いますか、あなたも体育祭の時、優斗を壁に押付けて襲っていましたよね?」
「あら、あんなのただのスキンシップじゃない…」
「なら、さっきのオイル塗りもスキンシップなんですか?御門先生」
御門先生にヤミヤミと美柑ちゃんが問い詰める、あいつ、また襲われそうになったワケ?
「貴方達!!わたくしの優斗に何をしていますの!?」
「彼を襲う…なっ!私は何を考えている!?」
天条院先輩は私たちを指さして声をあげる、九条先輩は何かを妄想したのか顔が赤くなる。
まさか、九条先輩まで?あいつ、どれだけライバル作れば気が済むの?
「オマエら!ずるいぞ!あたしだって!!」
「あなたたち!ハレンチよ!時雨くんを襲うなんて…」
「そうだよ!私だってキスしか…」
「ずるい…ね」
ナナちぃの言葉を聞いた、御門先生はとある人物を見る。
「私が思うに…美柑ちゃん方がずるいと思うわよ?」
「え?」
「ビーチで助けられた時、時雨くんに抱きしめられていたわね?」
「っ!?」
御門先生の言葉に美柑ちゃんの顔は赤くなる。
「時雨くんは自分からそうゆう行動を起こすタイプの人間じゃないわ、そんな彼があなたを自分の意思で抱きしめた」
「…それは」
「私だって彼に…抱きしめられたいわ」
御門先生の言う通りだ、私だって優斗から抱きしめられたい、優斗が自分の意思で美柑ちゃんを抱きしめたってことは、きっとあいつの中で美柑ちゃんは特別な存在になりかけてる、もしくはもう…
「そうですよ!優斗さんとお風呂に入ったり、一緒に寝たりして美柑さんの方がずるいですよ!!」
「なっ!時雨くんとお風呂ですって!?」
あいつ、まだ美柑ちゃんと一緒に入ってたの?まさかそれも受け入れてるんじゃ…
「あ!そういえば、体育祭の時も優斗くん美柑ちゃんの頭撫でてた!!」
紗弥香は思い出したように言った、頭を撫でてた…
(やっぱり一番の強敵は美柑ちゃん…か)
私にとって一番のライバルは美柑ちゃんだ。
「みんな、ユウトのことが好きなんだねー!」
「ラ…ララさん今は会話に入らない方が…」
「私もユウトの事が好きだよ───っ!!」
「「「っ!?」」」
ララちぃの言葉にみんなが驚愕する、ララちぃには結城が…
「もちろん!友達として───っ!!」
その場にいたみんなが崩れ落ちた、まあ、そうだよね…
「きっと優斗もみんなのことが大好きだよ!!」
「ララ!貴方は何を根拠にそんなことを言ってますの?」
「え?なんとなくだよ?」
…ララちぃ
「…姉上」
「…お姉様」
「ララさん、こんな状況でも相変わらずだなぁ」
結局ララちぃの言葉でピリついた雰囲気もなくなって私達は普通にお風呂を楽しんだ。
「絶対に負けませんから…」
お風呂から上がる時、美柑ちゃんに話しかけられる。
「もしかして胸の話ー?まあ優斗はおっきい胸が好きだからね~」
「っ!優兄のことも!胸も絶対に負けないですから!」
美柑ちゃんは怒ってお風呂から上がってしまった。
(私も負けない、優斗だけは絶対に渡したくない)
負けないぜ?美柑ちゃん。
◇
~優斗side~
嵐山さんに案内された俺の部屋は一人部屋だった為、リトと猿山の部屋に遊びに来ていた
「何で勝てねぇんだよぉぉぉぉ」
三人でババ抜きをしていたが、リトと猿山…特に猿山が負け続けていた。
「弱すぎないか?猿山」
「優斗、お前は強すぎんだよ」
俺が全試合1抜け、リトと猿山は一度も1抜けできずにいる。
「時雨!お前ズルしただろ!」
「ババ抜きでイカサマしても、なんも面白くないだろ…」
「いや!絶対してるね!!」
「イカサマをする理由がない、純粋にお前が弱いだけだよ、猿山」
「なんだと───っ!!」
そこまでムキにならなくても良くないか?
「そういえば、優斗はなんでこっちに来たんだ?いつもならオレが遊びに行く側だろ?」
「…暇だったから」
部屋にいると美柑とヤミに襲われそうだから、逃げてきたなんて言えないだろ。
───…優兄、後で部屋に行くから
───覚悟していてください、優斗
二人の言葉を思い出した俺は身体が震える、ビーチで色々あって、今は襲われたら身体が耐えられない…逃げた方がやばいか?いやでも…
「優斗、大丈夫か?震えてるけど、もしかして風邪ひいたか?」
「…いや、大丈夫だ」
リトが心配そうな顔をして話しかけてくる。
「それにしても、なんか雲行きが怪しくなってきたな───」
「…あぁ、そうだな」
リトと俺が窓の外を見ると空には黒い雲が広がっていた。
「…なぁ、お前ら、今女子たちは大浴場にいるんだよな…」
「え?あぁ…だからオレらは夕食の後にでも…」
「そうじゃねェ!!のぞきに───」
「あ?」
俺は猿山の言葉を遮り、威圧するような低い声が出た、なんだ?なぜムカついた?
「…前に何回も言ったよな?覗きは犯罪だと」
「想像してみろ、目の前に広がるおっぱいを!小さいのから大きいのまで全てがあるんだぞ!!」
猿山がキモイ顔をして何かを想像する、俺は想像してしまった、もし猿山が俺に好意を抱いてくれている人達の裸を見た所を…
「…やめろ」
「うるせぇーオレは!おっぱいと言う名のエルドラドを見に行くんだ!」
猿山は部屋の扉を勢いよく開ける。
「そのために地獄へ堕ちるなら───フグッ!?」
「なら地獄に落ちろ、猿山」
俺は後ろから猿山に向かって飛び蹴りをする、飛び蹴りをされた猿山は床に勢いよく倒れ込む。
「猿山っ!?おい、優斗、流石にやりすぎ…優斗?」
猿山が覗きをした想像をしただけで、なんでこんなムカついた?なぜ、他の人にみんなの裸を見せたくないと思った?
(俺はなんで…こんなムカついている?)
「優斗、大丈夫か?」
「痛ってェ何すんだよ、時雨!!」
「…悪い、さすがにやりすぎた」
「…あなたたち何をやってるの?」
セリーヌを肩に乗せた古手川さんがこちらに向かって歩いてくる、恐らく風呂上がりだ。
「い…いや違うんだ!リトの奴がおっぱいは男のロマンとか言って…」
「何───ッ!?コラ、勝手な事言うな猿山!!」
猿山は古手川さんに嘘をつき、知らないフリをする。
「…猿山が覗きをしようとしたのを止めただけだよ、古手川さん」
「時雨!てめぇ───」
【パァ…ンっ!!!】
俺が古手川さんに真実を話し、猿山が俺を見て何か言っている途中で前世でよく聞き馴染んだ音が別荘に響いた。
「キャ!?」
「古手川さん!!」
「えっ…時雨くん!?」
俺は悲鳴をあげた古手川さんの腕を引き掴み、音の方向から庇うように抱きしめる。
「な…何だ、今の音…」
「銃声だ、ホールの方から聞こえたが、怪我は無いか?二人とも」
「オレ達は大丈夫だけど…」
リトと猿山は俺を見てキョトンとする、なんだ?
「時雨くん、そろそろ離しなさい!!」
「っ!ごめん!銃声が聞こえたからつい反射で!」
銃声が聞こえて、つい反射で動いてしまった。
「時雨ェ、テメェだけいい思いしやがって!!」
「猿山、言ってる場合かァ!」
俺を睨み今にも襲いかかろうとしてくる猿山をリトが止めていた。
「リト!今の何!?」
「ララ!」
少し離れた所からララさん達が走ってきて、俺達と合流する。
「優斗!さっきのホールから聞こえたんだよな!!」
「…そうだ」
「行ってみよう!」
俺達がホールに向かうとそこには、倒れている人物がいた。
「あ…あれは…嵐山………さん!?」
「………」
ホールの階段近くで胸を撃たれた嵐山さんがいた。
(…血の匂いがしない)
「おい、優斗!触らない方が良いって!!」
「………」
「天条院先輩のところに行くぞ!優斗!!」
「リト、わかったから引っ張るな」
嵐山さんに近づいた俺の手をリトが掴み走り出す。
「嵐山が…どうしてこんな事に…」
「沙姫様…他の従業員の者には皆、部屋に待機しておくよう伝えました」
「そう…ありがと綾、大変な事になりましたわね…殺人事件なんて……」
沙姫さんは頭を抱える、別荘で殺人事件が起きたかもしれないとなるとこうもなるか。
「沙姫様」
「凛!警察と連絡はつきましたの!?」
「それが…どういうわけか、電話・ネットあらゆる通信手段が使えなくなっています、まるでこの島が外界から、遮断されたように…」
あらゆる通信手段が使えないだと?
「何ですか、そのベタな推理ドラマみたいな状況!!」
「オレたちこのまま、この島で過ごすのか────!?」
「まうーっ!」
ルンさんと猿山が声をあげる、セリーヌ、君はなんでそんな嬉しそうなんだ?
「迎えの船はいつ来る予定なんですか?」
「明日の夕方ですわ、でも…この嵐じゃそれもどうなるか」
この嵐だと、船が来るのは厳しいだろうな。
「…ララさん、デダイヤルで連絡はできるかな?」
「優斗!それだ!ララのデダイヤルなら、ザスティンに───」
「さっきからそう思って試してたんだけど、デダイヤルも使えないみたい」
「ごめんなさい、私のも使えないわ、今でこんなことなかったけど…」
「私とナナのデダイヤルもです、ヘンですね…嵐の影響なんか受けるはずないんですけど…」
「これじゃ、ザスティンはよべないねー…」
デダイヤルによる通信も御門先生の通信機器もダメらしい、宇宙の技術でも通信不可能って事は、もしかして犯人は…
【ドォォォン】
「きゃっ」
「美柑、大丈夫か?」
雷がなった瞬間、美柑が俺に抱きついてくる、昔から、美柑は雷が苦手だ、きっと今も不安がってる。
「ご…ごめん…優兄、ちょっとビックリしちゃって…」
「落ち着くまでこのままでいい、俺は大丈夫だから」
「優兄…ありがと…」
美柑はそのまま俺に抱きついた、殺人事件?もあったし、不安だったんだろうな。
「だ…大丈夫だよ、みんな!ここに全員でいれば安心だし…ホラ…何たって優斗とヤミがいるし!どんな地球人が相手だって───…」
「「地球人が相手とは限らない(限りませんよ)」」
リトの言葉に俺とヤミの言葉がハモった、ヤミも気づいたか。
「え…二人ともそれってどーゆー事だよ」
「この別荘の通信機器だけが使えないなら、地球人の可能性はまだあった、でも宇宙の技術であるデダイヤルや御門先生の通信機器まで使えないのはおかしい」
「優斗さんの言う通りかもしれません、これが人為的なものなら…異星人と考える方が自然ですね…」
俺にはそうとしか考えられない、地球人に宇宙の技術まで妨害はできないからな。
「犯人の狙いはオレたち…って事か…?」
「…いや、俺の可能性もある」
「え?」
クラウン、奴が俺を狙ってきた可能性だって捨てきれない、ただそうなると嵐山さんのあれが気になるが…
「う…ううう」
「猿山くん?」
「うおおぉ~っもう耐えられね───殺人鬼がいる島なんか!!オレは泳いででも帰るぞっ!!」
「ま…まて猿山!この展開でそれ、死亡フラグ…」
猿山は走り出す、リトは猿山の前に出て止めようとするも猿山はリトにぶつかって、部屋の外まで走っていった。
「ととっ!」
「ふぁっ」
猿山にぶつかったリトは体勢を崩して、ルンさんに倒れ込む、リトの手はルンさんのスカートの下着を掴んでいて…ってどうやったらそんな倒れ方するんだ?
「リ…リトくん…人前でダイタンなんだからぁ」
「あっいやそんな…」
ルンさんでよかったな、それを知らない人にやった場合、一発アウトだ。
「こんな時まであなたは!!ハレンチなーッ!!」
「ゴっゴメンなさいー」
古手川さんがリトに怒鳴る、まあそうなるよな。
「うわぁぁ───ッ!!!」
廊下から猿山の悲鳴が聞こえてくる。
「猿山!まさか…フラグ成立!?」
「…リト、勝手に殺してやるな」
リトと一緒に廊下へ行くと床に倒れてなにかに怯える、猿山が………
「………」
「い…今、向こうに黒い影が…」
「何!?」
…猿山の言葉を聞いた、リトが生きていたと呟く…
「ヤミさん!?」
「私が見て来ます、ここにいてください」
「ヤミ、俺も行く、ちょうど部屋に取りに行きたい物もあるからな」
「…わかりました」
俺とヤミさんは黒い影がいると言われた方へ歩いていく。
「やはり…あなたでしたか」
「こんな惑星で…ドクターティアーユの生体兵器に出くわすとはな…」
生体兵器、こいつ一体何を言っている?
───桐生夏樹が…プロジェクト…ダークネスって…言ってました
───私の体内のナノマシンにまで作用するようですね
───優斗くん~君は武器人間という映画を知っているかな~?
───貴様は何も分かっていないな、映画の様な死体では意味が無い、本物を作り上げるには、生きた人間で完成させるべきだ
前世の事を思い出す、だが、それはありえないことで奴らは俺が殺した、計画は止まったはず。
でももし俺の考えていることが当たっていれば、黒幕がヤミを狙っている理由にも辻褄が合う。
「私も…またあなたの顔を見るとは思いませんでした、殺し屋…通称″クロ″」
「…お前の事は…金色の闇…と呼べばいいのか?」
「ヤミちゃんでもいいですよ?」
「全力で遠慮する」
思考を振り払い、俺は目の前のクロと呼ばれた男を見ると左の袖から、巻き付けれた包帯が見えた…こいつ、怪我してないか?
「ヤミ、知り合い?」
「昔、とある惑星で出会っただけです」
クロは俺を一瞬見つめたあと、ヤミへ向き直る、俺には用無しかよ。
「金色の闇、一つ忠告しておくぜ、オレの邪魔をするな、でないとまた…戦う事になる」
クロは俺とヤミを通り過ぎる、やっぱりコイツの目的は俺が目的じゃない。
「クロ…私も言っておきます、ここにいる私の″大切な友人達″に手を出したら、許しませんから」
「ともだち?」
「はい…」
「…フッ」
クロは振り返りヤミに銃を向けてトリガーを弾こうとする。
「ッ!?早いな、地球人」
「…そいつはどうも」
クロが銃のトリガーを弾こうとした瞬間、俺はクロに向かって回し蹴りをするが受け止められた。
「…悪いが構ってる暇は無い」
クロはそのまま、後方へ下がり闇へと姿を消す。
「本当に…私が狙いではないようですね」
「俺でもなかったな───ッ!?」
一瞬、なにかの気配を感じた俺は窓から外を見るが、そこには誰もいなかった。
「優斗、どうかしましたか?」
「なんでもない、ヤミ、俺は一度部屋に戻る」
「先程言っていた、取りに行きたい物ですか?私も行きますよ」
「いや、ヤミはみんなの元に先に戻って欲しい、何かあったら怖いからさ」
「…わかりました」
少し不満気だかヤミは承諾して、みんながいる部屋に戻っていく。
(…取りに行こう、アレを)
俺は自室に向かって走り出した。
◇
優斗とヤミがクロと出会った、少し後。
「雨…止まないね」
「………」
ララの声が静かな部屋に響き渡る。
「まうっまうーっ」
「元気ね…セリーヌちゃん」
恐怖や不安に支配された空間の中で、美柑の頭の上にいるセリーヌは一人元気に笑っていた。
「ヤミさん!」
部屋の扉が開き、ヤミだけが入ってくる。
「ヤミ!優斗はどこいったんだ!?」
「優斗は部屋に何かを取りに行きました」
リトの質問にヤミが答える、それを聞いたリトは心配そうな顔をした。
「それと…犯人の正体がわかりました」
「え!?」
「私と同じ殺し屋…通称″クロ″」
[ク…クロですと!?]
ヤミの言葉を聞いたペケが驚き、声をあげる。
「知ってるの?ペケ」
[要注意人物のリストで見たことがあります、銀河でただ一人、精神エネルギーを弾丸に換えて撃つ、″黒い装飾銃″を使いこなす殺し屋…]
「こ…殺し屋………!?」
ペケの話を聞いた、春菜は涙目を浮かべてブルブルと震えていた。
「な…なんでそんな人が嵐山さんを…」
「まだわかりません、ただ…クロはまだ目的を果たしていないようです、今は…下手に動かず相手の出方を待つのが得策でしょうね」
それから少し時間が経って、リトは、座り込んで考え始めた。
(…あれからクロってヤツは何も仕掛けてこない…
一体何が目的だ?やっぱりデビルーク?それとも)
リトの脳裏に浮かんだのは親友の後ろ姿。
(優斗じゃない、だって優斗が目的ならクロと出会った時点で戦闘になったはずだ!)
大丈夫、大丈夫なんだ!と自分にリトは言い聞かせる。
(でも、あいつは何も言わずに一人で戦うかもしれない、親父さんの事だって1人で戦おうとしてる、オレはあいつに何も…)
「リト~!!」
「おわ!!」
リトが座り込み考えていると猿山が泣きながら話しかけてきた。
「イザって時は、ララちゃんとヤミちゃんがいれば何とかなるよなー」
「は!?」
「どんなバケモノでもあの二人なら勝てるよな!?な──────!!ナナちゃんもモモちゃんもいるし!!」
「お…落ち着け猿山!!」
「…大丈夫だよ」
リトに詰め寄りながら話す、猿山にララが声をかける。
「私が皆を守るから!ねっ!」
「ララ…」
「あたしもだぜ、姉上っ!!来たらソッコー返り討ちにしてやるっ!!」
「暴力はキライですけど…降りかかる火の粉は払いのけなければ、いけませんからね」
「ナナ…モモ…」
「もちろん、俺もみんなを守るために戦う」
みんなが声の方を見ると、部屋の扉が開くと同時に優斗が入ってきた。
「だから安心しろよ、リト」
「優斗…」
優斗が入ってリトを見ていると優斗に里紗達が″遅すぎるでしょ!″優斗くん何を取ってきたの?″と優斗に問いかけている。
「うおお!頼むぜ戦いの女神たち!!オレを守ってくれ!」
「お前…」
リトは猿山を見て呆れていた、その後ろで優斗が猿山を訝しんだ目で見ていた。
~優斗side~
みんながいる部屋に帰ってきた俺は椅子に座って何かを考えているヤミに近づく。
「ヤミさん…大丈夫…?」
美柑も気づいたようでヤミに声をかけていた。
「え…?何ですか美柑」
「なんか思いつめた顔をしてるから心配で…」
「思いつめた顔…私がですか?」
「…うん」
俺はヤミに話しかけようとしてたが、身体を止める。
「少し…昔の事を思い出しただけですよ、それより…よく表情だけでわかりましたね」
「そりゃーね、ヤミさん、リトみたいにわかりやすくないけど…」
美柑は笑顔になってヤミに言う。
「わかるよ、友達だもん」
「………」
───決まってるだろ、親友だからだ
美柑の言葉を聞いて、俺は輝の事を思い出した、きっと二人なら親友になれる、そんな気がする。
「たっ大変ですわーっ!!!」
「沙姫さん、何かあったんですか?」
慌てた沙姫さん達が部屋に入ってくる。
「今…従業員から連絡が…エントランスにそのままにしていた嵐山さんの遺体が、消えたそうだ…血の跡も残さず…」
「え!?」
「それってどーゆーこと!?」
…確定だな、おそらく犯人はあいつだ。
「キャッ!!」
「て…停電!?」
「どうして急に…」
俺が犯人を見ていると部屋の明かりが消えて周りが少しパニックになる。
「ひいっ」
「キャッ」
猿山が紗弥香にぶつかって、紗弥香が床に倒れそうになる。
「紗弥香、大丈夫?」
「うん、ありがとう、優斗くん」
倒れそうになった紗弥香を受け止めてる、怪我はないな。
「あ…あ…あれ…」
猿山を見ると何かを指さし怯えていた。
「…クロ…」
「!!あれが…」
「皆さん、下がってください」
猿山が指した方を見るとクロが立っていた。
「覚悟を決めるんだな」
クロはララさんに向かって銃を構えた。
「や…やめろっ!!」
「リト!?」
ララさんを庇うようにリトが前に出る。
「邪魔だ、どけ」
「い…いやだっ」
「結城くんとララさんを撃つなら、私を撃って!!」
西連寺さんは涙目を浮かべながら、リトの前に出る、違うクロの本当の目的は二人じゃない、後ろにいる奴だ。
「リト、西連寺さん、狙いはララさんじゃないから、三人とも一回伏せろ!」
「ヤミさん!」
俺の声を聞いた三人は伏せるとヤミがトランスで変えた拳で猿山を殴り飛ばした。
「ぐげっ」
「え?」
「さ…猿山!?なんで!?」
リト達はヤミに殴り飛ばされた猿山を見て驚愕する。
「リト、あれがクロのターゲットだからだよ」
「猿山がターゲットってなんで!?」
「…よく見ろ、あれが猿山か?」
殴り飛ばされた猿山は姿を変える、機械のような身体の上にはコックピットの様なものがあり、その中に本体の宇宙人がいた。
「な…なんですの!?」
「…そうゆう事ね」
御門先生はなにかに納得したような表情で姿を変えた宇宙人を見た。
「万の姿を持つ、変装の達人カーメロン、彼が正体だったわけね」
「そうだ、その男はとある情報を持っている為、ある人物に追われていた、自身の胸を撃って光学迷彩と仮死装置を使って死んだように見せかけ、オレをやり過ごそうとした訳だ」
御門先生の言葉にクロが答える、やっぱり死んだフリだったか。
「だが…オレにはわかる」
「血の匂いだな、死体から血の匂いがしなかった」
俺が言うとクロは驚いた表情で俺を見た。
「…初めは天条院沙姫による、イタズラの線を考えましたが、クロの出現によりその可能性は無くなりました」
「………」
「あなたは死んだフリをしてクロをやりすごし、部屋を抜け出した猿山ケンイチと入れかわり、私やプリンセスを使ってクロを倒そうとした、そうですね?」
ヤミが前に出て探偵のような仕草をする。
「…ヤミさん最近、推理もののマンガとか読んだでしょ…」
「よくわかりましたね、美柑」
なるほど、通りで探偵ぽい仕草をしたわけだ。
「違う!オレは殺し屋クロから逃げてたわけじゃねぇ!!オレはあのバケモノから逃げてたんだ!!!」
「バケモン?」
カーメロンは焦ったように言う。
「せっかくクラウンが時雨春馬を利用した計画を知る事ができたのにここで死ぬわけにはいかねぇんだよォ!」
「…え?今なんて───」
「グッバっ!?」
「今?なんて言った?」
俺はカーメロンを壁に叩きつけコックピットから引きずりだす。
「クラウンと時雨春馬がなんだって?お前は一体知っている?」
「ぐぬぬっ!」
「答えろっ!」
カーメロンの身体を掴み、問いただす。
「貴様がなぜクラウンを知ってる?地球人?」
「優兄!!」
「優斗!?」
クロが後ろから俺に銃を突きつける。
「…邪魔するな、今はコイツに話を聞いてる、あんたは後だ」
「オレが先だ、そいつに聞かないといけない、クラウンについても、時雨春馬とやらについてもな」
俺は掴んでいたカーメロンを離して後ろを振り向く。
「ッ!?」
クロが掴んでいた銃を弾き、懐からナイフと銃を取りだし、銃の照準をカーメロンに合わせ、ナイフはクロの首に突きつける、俺が部屋から取ってきた、ケイズの部下から奪ったもの。
「接近戦ではナイフの方が早い、覚えておけ」
「…何者だ?地球人」
「時雨優斗だ」
こいつにも聞くことがあるが、今はカーメロンが優先だ。
「お…お前!あの哀れな男に利用される時雨優斗!!」
「哀れだと?」
「知らないのか?時雨春馬はお前を使って───」
【バァ…ッ!!!】
カーメロンが話している途中で銃声が聞こえる、カーメロンを見ると頭に弾丸が貫いていた。
「ペラペラと余計な事を話されたら、困るんだよ」
「…は?」
銃声がした方から聞き覚えのある声が聞こえてきた、忘れるはずの無い声が。
「僕が春馬くんとか変わっている事が優斗にバレたじゃないか」
ここにいるはずのない、人物の声の方へ振り返る。
「やあ優斗、元気だった?」
「…輝?」
そこには死んだはずの虹崎輝の姿があった。
「輝って、優兄の親友の名前…」
「「「なっ!?」」」
周りのみんなは驚愕する。
「ッ!?」
「いきなり容赦無くない、優斗」
俺は輝に銃を構えてトリガーを弾くが瞬間移動をしたように避けられた。
「お前は誰だ!」
「君の親友の虹崎輝だよ?」
「違う!お前は輝じゃない!!」
見た目も声も輝だが、コイツは輝じゃない。
「ありえないんだよ!!」
「…何が?」
「お前が輝なら!ありえない点が多すぎる!!」
俺は再び輝に向かってトリガーを弾く。
「親友を撃つ優斗の方がありえないよ?」
「黙れっ!!」
輝は弾丸を避けて笑顔を浮かべる。
「輝は機械が苦手だ!冬華教官のプログラムを組むなんてことできるはずがない!!」
「………」
「それにアイツは優華さんが冬華教官の娘って事を知らない!その事実は、輝が死んだ後に冬華教官から告げられた事だ!」
とらぶるクエストに出てきた冬華教官は確かにこう言った。
───優斗のせいで娘が死んだ、コイツには地獄を見てもらう
輝が死んだ後、冬華教官との戦いで告げられた真実を、俺より先に死んだ輝が知るはずがない。
「いい加減に答えやがれ!!お前は誰だッ!!!」
偽物の輝に向かって俺は叫ぶ、俺の声は雷と共に部屋に響き渡った。