ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
美柑に救出された俺は、ペケと美柑のおかげで無事に下に降りることができた。
「優斗!」
「っ!?凛!今すぐ御門先生の元へ連れていきますわよ!」
「はい!沙姫様!!」
「私も手伝う!!」
血だらけで意識が朦朧とする中、みんなの声が聞こえてくる、両肩を誰かが支えてくれて御門先生がいる宇宙船まで運ばれた。
「御門先生!!」
「っ!?結城くん!優斗くんをそこに寝かせて!!」
「はいっ!!」
御門先生が俺の服をめくり、怪我の状態を確認するとすぐに何かを取り出し始めた。
「あの御門先生、一体何を?」
「肺に血が大量にはいって腹部には弾丸が残ってる!このままじゃ私の診療所まで優斗くんがもたないわ!!」
「っ!?」
腹部に残った弾丸に気づいた、御門先生は″もう時間が無い!″と言ってメスと注射器を取り出していた。
まさか…ここで手術を始めるつもりか?
「ここで手術するわ、貴方達は離れて」
「ドクターミカド、優斗は助かるのですか!?」
「…分からないわ、血もなければ…出血も酷い…仮に血があっても…」
「嘘っ!?」
「やるしかないのよ、優斗くんを助けるにはやるしか…」
「血はどうするんだ?」
「なしでやるしかないわ」
九条先輩の言葉に、御門先生は″適合するかも分からない、輸血は諦めるしかない″と言って準備を進める。
「俺の血を使え」
「春馬!?」
俺の血の提供に宇宙船に避難していた春馬さんが名乗り出る、春馬さんの言葉を聞いた才培さんが驚いた顔をして叫ぶと″うるさいぞ、才培″と春馬さんに言われて黙り込んでしまう。
春馬さんが俺に血を提供するっと言ったことに正直驚いている、だって俺は憎い兄の息子なのに…
「春馬ちゃん、良いの?その子は…」
「…優斗はクソ兄貴の息子だが、クソ兄貴とは関係ない…」
「…春馬」
「…本当はわかっていた…優斗が桜の代わり苦しませるのはお門違いだと…だから、これは…せめてもの罪滅ぼしだ」
春馬さんは南雲の静止を振り払い、御門先生の元へ行くと腕を出す。
「…春馬さん、貴方の血液型は?」
「昔、優斗を引き取る前に全て調べた、私の血と適合している、好きなだけ使え」
「ありがとう」
「…俺はその言葉を言われる資格は無い」
御門先生は俺に麻酔を投与する、意識を失う前に御門先生は″必ず助けるわ、優斗くん″と言って頭を撫でられた。
(…懐かしいな、昔は…良く…)
意識が無くなる瞬間、俺の頭を撫でている御門先生の姿が優華さんと重なった。
~モモside~
私が目を覚ますと見覚えの無い天井があった。
ここは、御門先生の宇宙船?どうしてここに…私はクラウンと戦っていたはずなのにどうして…
「っ!優斗さんっ!!」
まさかと思い、身体を起こして周りを見渡すが、そこに優斗さんの姿はなかった。
起き上がった瞬間、身体全体に痺れる様な痛みが走ったが、私は気にせずに立ち上がる。
(っ!立っているのも辛い!!でも私よりも優斗さんの方が重症だったわ!!)
最後に見た優斗さんの姿は、天野穂風と優斗さんのお父様を庇って右胸と腹部に弾丸を受け、身体もクラウンのトランスによってボロボロだった。
その姿はあの場にいた誰よりも重症で立っていることすら、辛かったはず…
「…優斗さんを探さないと!!」
私は壁に手を着いて歩き出す、部屋を出ると正面の部屋からナナが出てきた、ナナも私と同じように壁に手を付きながら歩いている、その顔は必死に何かを探しているように…
「っ!モモ!!ユウトは───痛ッ」
「その反応だと貴方も優斗さんを探していたのね、ナナ」
「…探してたってことは…ユウトはそっちの部屋には居ないんだな?」
「えぇ…居なかったわ」
私の言葉を聞いた″何処にいんだよ、ユウト!″と言ってナナは歩き出す、息を切らしながら、歩くナナの顔は痛みで歪んでいた、
ナナは私よりも先に目を覚まして優斗さんを探している、私も行かないと…
「モモ…大丈夫だよな…ユウトは…生きてるよな?」
二人で優斗さんを探して歩いていると、最悪な想像をしてしまったのか、涙を堪えたナナが聞いてくる。
今までずっと一緒に過ごしてきたのに、こんな弱った姉を見たのは初めてだった。
「…大丈夫よ、優斗さんならきっと生きてる」
「…そうだよな、生きてるよな」
生きてるって信じたい、生きてて欲しい、だって私はまだ優斗さんと一緒に居たいから…
優斗さんが生きていると信じて、私とナナが目の前の扉を開ける。
「ユウトっ!!」
「優斗さん!!」
「ナナ!!モモ!!」
中に入るとお姉様達が居た、皆さんの周りを必死で見渡しても優斗さんの姿はなかった。
ここにも優斗さんがいない?一体どこにいるんですか、優斗さん…
周りを見渡しながら入ってきた私達を見てお姉様が近づいてくる。
「二人とも!!寝てなきゃダメだよ!!」
「私達は大丈夫です、お姉様、それよりも」
「姉上!ユウトはっ!?」
「…別の部屋で手術中だよ、状態もかなり酷いみたい…」
「ユウトは助かるんだよな、姉上?」
「…わからない」
「…ウソだろ?」
「そんなっ!?」
お姉様の言葉を聞いた、私とナナは膝から崩れ落ちてしまった。
天野穂風と優斗さんのお父様を庇わなければ、ここまで重症になる事はなかったかもしれない、それなのに優斗さんの人生をめちゃくちゃにしようとした人達を必死で守ろうと戦っていた。
クラウンに天野風磨が殺された時も、救えなかったことに辛そうな顔をしていた。
(…どうしてそんな状態になるまで戦ったのですか、もっと自分を大切にしてください、優斗さん)
私はうずくまって胸に手を抑えて泣くことしか出来なかった。
「…優斗さん……優斗さんっ…」
優斗さんが死んでしまった時のことを思い出して、私は泣いてしまった。
出会ってまだそんなに立っていないのに、自分の中で、優斗さんがここまで大きな存在になっている、それはきっとナナも同じで…
「なんでェ…なんでユウトばっか…こんな目に…」
私達が来るまで静寂だった部屋は、私とナナの啜り泣く声が響いていた。
「…これは何があった?」
「あら、この子達、なんで泣いてるのかしら?」
そんな中、オカマの変態──南雲さんと春馬さんが部屋に入ってくる。
「瑠偉、オメェーは空気読め」
「え?あたしが悪いの?」
「つーか、春馬!オメェーは血の提供してたんだろうがァ!なんでここに!!」
「…終わったんだよ、手術がな」
「「「っ!?」」」
優斗さんのお父様の言葉を聞いた瞬間、全員が顔が春馬さんに向いた。
「優斗は!大丈夫なのか!?」
「才培の息子、少し落ちつけ…」
「落ち着いてられるかよ───」
「安心しろ、無事に成功したようだ」
…優斗さんが生きている…?
成功したという言葉を聞いた私はナナは優斗さんの元へ行こうと立ち上がった瞬間、身体に激痛が走って倒れ込んでしまいそうになった所をお姉様に抱えられた。
「二人はベッドで寝てないとダメだよ!」
「姉上、ユウトに会いたいんだ」
「優斗さんに…会いたい」
お姉様の静止を振り払って立ち上がる、けど私達の身体はもう限界で再び倒れそうになった所を姉様とヤミさんが支えてくる。
「…もう仕方ないな、少しだけだよ?」
「姉上!」
「仕方がないですね、捕まってください、プリンセスモモ」
「…ヤミさん」
「プリンセス、プリンセスナナは任せましたよ?」
「ありがとう!ヤミちゃん」
お姉様とヤミさんに支えられた私達が優斗さんのいる部屋に向かった。
~リトside~
「…才培、俺は警察に自首をする」
「は?」
「俺は法で裁かれてから、しっかり罪を償う」
「っ!」
「そうね、あたし達はやり過ぎたわ…」
二人は自首をするらしい、覚悟を決めた二人の言葉を聞いたオヤジは″やっと三人でまた笑いあえたのになァ″と苦痛の表情を浮かべながら、涙を流す。
…オヤジが泣いた所を初めて見た。
「…瑠偉、捕まるのは俺だけだ」
「…え?」
「何言ってんだ、春馬?」
優斗の親父さんの言った言葉を理解できないと言った表情で見ている二人を差し置いて、優斗さんの親父さんは天条院先輩の元へと向かって歩き出す。
「天条院沙姫、九条凛、謝っても許されない事なのはわかっている、本当にすまなかった」
「「……」」
「だが、瑠偉は俺の指示で天条院家を潰そうとしただけなんだ、瑠偉だけは見逃して欲しい」
「春馬ちゃん!!貴方、何を言ってるのよ!!!」
「…瑠偉は俺と違って誰も殺していない、だから頼む」
優斗の親父さんは天条院先輩と九条先輩に頭を下げる。
「…二つ条件がありますわ」
「…なんだ」
「南雲瑠偉は天条院家の監視下において、お父様の護衛として働く事…」
「…もう一つは?」
「もう一つは…南雲瑠偉は優斗の指示には、絶対従ってもらいますわ!」
天条院先輩は優斗の親父さんに指をさして言う、その条件を聞いた優斗の親父さんはもっと厳しい条件が来ると思っていたのか、少し驚いた顔をしていた。
「あなたもいいですわよね、凛?」
「沙姫様がそれでよろしいのなら、私は大丈夫です」
「そんな事でいいのか、天条院沙姫」
「ちょっと!あたしを抜きにして話を進めないで!」
″あたしは自主をするって決めたのよ!″と納得しない南雲を見た優斗の親父さんは南雲さんの方へ振り返る。
「春馬ちゃん、あたしは!」
「お前は実際犯罪を犯したのは天条院家の襲撃だけだ、それにお前、天条院劉我と九条戒に娘が居ることを知っていたから、わざと殺さなかったろ?」
「それは…」
「瑠偉、今まで俺の復讐に付き合わせて悪かったな、今度は才培と居てくれ、才培を一人にしない為にな」
「…春馬ちゃん」
「春馬、オメェー」
「才培、優斗の事は好きにしろ、養子縁組にしても、お前の娘と結婚させようと文句は言わない…」
優斗の親父さんは二人を背にして宇宙船の出口に向かって歩き出す。
「…お待ちなさい、時雨春馬!」
「なんだ、天条院沙姫」
「ホントにそれだけでよろしいの?」
「…何?」
「結城才培に自分の気持ちを伝えなくてよろしいの?」
「……」
「ぶつからなきゃ伝わらない事もありますわよ?」
天条院先輩の言葉を聞いた優斗の親父さんは歩みを止める、少し立ち止まった後、オヤジの方へ向き直った。
「才培、俺がお前に楓の真相を話さなかったのは…お前を巻き込みたくなかったからだ…」
「なんでだよ!春馬!!」
「…お前には…林檎さんがいたからな」
「っ!オメェーまさか」
「…お前に俺と同じ様な思いをして欲しくなかった、昔のお前のまま笑っていて欲しかったんだ」
優斗の親父さんがオヤジに真相を話さなかったのは巻き込まない為だったのか。
その言葉を聞いたオヤジは拳を握りしめて俯き、静かに″バカ野郎″と呟いた。
「春馬っ!!面会できるようになったら!必ず会いに行くっ!!」
「……」
「連載した漫画を持って!オメェーに見せに行くからよォ!」
「ッ!?」
「こいつを貰った時、約束したもんな?最初に見せるってよ」
オヤジは大漁ハチマキを握りしめて、優斗の親父さんに言う。
ずっと大切に身につけていたから気になっていたけど、その大漁ハチマキ、優斗の親父さんからの貰い物だったのか。
「…覚えていたのか?」
「あったりめぇーよ!親友との約束、誰が忘れるかよ!!」
「…そうか」
優斗の親父さんは涙を堪えるように顔を天井へ向ける。
「ありがとう、親友」
全てから解放されて満足したような笑顔でオヤジにお礼を言った優斗の親父さんは出口へ向かって歩き出す、優斗の親父さんが見えなくなるまで、オヤジはその場を離れなかった、そして見えなくなった瞬間、オヤジは天井を見て涙を流した。
きっと優斗の親父さんならまたやり直せる、またオヤジと南雲と三人で笑い合う事ができる。
「…オヤジ」
「息子ちゃん、父親だって泣きたい時があるのよ…」
「……」
「リトくん行ってきなさい、貴方の親友のところに…あたし達みたいに大切な人を失わないように気をつけて…」
「…わかった」
南雲にオヤジを任せて、オレは優斗の元に向かって走りだす。
「優斗!!」
部屋に入ると先に来ていた、ララ達が眠った優斗を囲んでいた。優斗の身体には腹部と右肩から左脇にかけて包帯がぐるぐる巻きになって眠っている。
「怪我が酷かったけど、彼の生命力に助けられたわ、もう大丈夫よ、ただ暫くは絶対に安静にしてないとダメね」
「…優兄が助かって良かった…ホントに良かったよぉ…」
御門先生の言葉を聞いた美柑が優斗の手を握って泣いていた。
ナナとモモも安心したようにララとヤミに身を預けて眠ってしまった。
「ナナ!モモ!」
「ララさん、大丈夫よ眠っているだけ、安心したんでしょうね」
ララとヤミが近くにあったソファに二人を寝かせるとララもヤミも力が抜けたように座り込む。
「っ!?」
「…あれぇ?おかしいなぁ?」
「ヤミさん!!」
「ララ!!」
座り込んだララとヤミに近づく。
二人とも既に御門先生が治療したはず、なんで急に座り込んで!
「…力の使いすぎね、疲労が溜まっていたのよ」
「…疲労かぁ」
「二人とも少し休みなさい?特にヤミちゃん、貴方はトランス能力の使いすぎでもうとっくに限界は来ているはずよ」
「…そうですね、私も少し疲れました…少しだけ休みます…」
ヤミは″優斗…せめて…一緒に…″と言うとフラついた足取りで立ち上がり、美柑の腕を借りて優斗の元へ近づいていく。
「…優斗…やっと…抱きしめられました…」
「…ヤミさん」
「…美柑…すみません…優斗と…寝かせてください」
「謝らなくていいよ、優兄の為に戦ってくれてありがと、ヤミさん」
「……優斗を見つけてくれて…ありがとう…ございます…美…柑…」
優斗と一緒のベッドに入ったヤミはそのまま眠りについた、そんなヤミを見ながら″おやすみ、ヤミさん″と言って美柑は笑い、反対側から優斗を抱きしめて眠りにつく。
優斗と離れて約二日間、その二日間がとても長く感じてしまった、やっとオレ達の日常が戻ってくるんだな。
「ララ、お前も休んだ方が…」
「…うん、これが終わったら休むね?」
「これ?」
ララはデダイヤルを操作してある発明品を取り出した、その発明品は、前にララの親父が地球に来た時に使った発明品で…以前は使用したが失敗に終わってしまった物。
「それって確か!バイバイメモリーくん!!」
「これを使ってあの結婚式会場にいた人達から私達、宇宙人に関係する記憶を消すんだ…」
″ユウトが考えてくれたんだよ?″と微笑みながら、ララは言う。
ララから話を聞くと優斗は後の事まで考えて、ララに相談していたらしい。
「これで…大丈夫だよ、私達に関する記憶はみんなから…消えた…よ」
ララはバイバイメモリーのスイッチを押してオレに寄りかかって眠りにつく。
「お疲れ様、結城くん」
「…御門先生」
「長い戦いだったわね」
「…オレ、また何もできませんでした」
今回、オレは何もできなかった…今度こそ、優斗を助けるって自分に誓ったのに…
オレが自分の無力さに拳を握りしめていると御門先生がオレの肩に優しく手を置いた。
「そうかしら?結城くんがいなければ、優斗くんが私達を頼ることはなかったわ」
「…それは」
「もし優斗くん一人で戦っていれば、間違いなく死んでいたでしょうね」
″貴方は充分頑張ったわよ″と言ってオレを見る御門先生。
「貴方のおかげで優斗くんは生きてるのよ、だから、これからも支えてあげなさい」
「…はい!」
「私の優斗くんをよろしくね?」
「…え?」
私の優斗くん?それってどーゆー意味だ?そんな疑問を浮かべていると御門先生はオレの肩から手を離して優斗の頭を撫で、額にキスをした。
「大好きよ、優斗くん」
それを見たオレは顔を赤くしてアワアワとしていることしか出来なかった。
◇
~優斗side~
目を覚ますと視界には知らない天井が写っていた。
「…こんな事、前にもあったな」
デビルーク王と戦った時もこんな感じだったか?いや、あの時より怪我は酷いな。
そんなくだらないことを考えていると両サイドから寝息が聞こえてくる、っていうかなんかすっごい温もりを感じる。
「すぅ……んっ…ゆう…と…
「…ん…ぅ…ゆう……にぃ」
俺の左側には美柑が右側にはヤミが、俺を抱きしめて眠っていた。
…これじゃあ、どう足掻いても身体を起こせないな。
首だけ動かして周りを見る、近くのソファにナナと
モモが寝ている姿とララがリトにもたれかかって壁に寝ている姿が見えた。
(霧崎さん達がいない…どこに行ったんだ?)
「霧崎さん達なら、先に帰ったわ」
「…よく俺の考えがわかりましたね、御門先生」
部屋に入ってきた御門先生が俺の前に来て、小さな声で話しかけてくる、寝ているみんなに配慮してくれたのか。
「霧崎さんとルンさんは優斗くんの手術中に今回の事件で会社に呼び戻されたみたい…霧崎さんは最後まで帰らないって言っていたけどね」
「沙姫さんと九条先輩は…?」
「二人のお父さんが目を覚ましたって、病院から連絡があって、貴方の手術が無事終わった後、先に帰ったわ」
そうか、劉我さんと戒さんは目を覚ましたのか、良かった。
御門先生から話を聞くと、俺が眠っている間には、全てが終わっていて、ララさんが改良したバイバイメモリーくんのおかげであの会場にいた人達から、ララさん達に関する記憶は全て消えたらしい。
「春馬さんが血を提供してくれなかったら、貴方は死んでたわよ」
「…春馬さんは?」
「春馬さんは自首したわ」
「……」
「結城くんのお父さんが言っていたわ、春馬さんはしっかり罪を償うそうよ」
「…良かった」
春馬さんもやっと過去の呪縛から開放されたんだな、俺がそう思って笑っていると、御門先生が微笑んだ。
「貴方と結城くんのお父さんが春馬さんを救ったのよ?」
「俺は何も…」
「優斗くんが楓さんの写真をララさんに渡してなかったら、私達は真実を知らずに終わっていたわ」
「…御門先生がいなかったら、詰んでましたよ」
御門先生が楓さんの事件の真相を掴んでくれてい無ければ、俺は詰んでいた、春馬さんの事も救えなかった。
「ありがとうございます、御門先生」
「え?」
「俺は貴方に何度も救われている」
御門先生は一番最初に俺を救う為に手を差し伸べてくれた、過去を知っても俺が話すまで黙っていてくれた。
デビルーク王の時も今回も俺は何度も御門先生に救われている。
「なら、カウンセリングと治療代を貰おうかしら?」
「…俺にできることなら、なんでもいいですよ?」
「今度、私とデートしてくれる?」
「デートですか?」
御門先生の事だからてっきりもっと過激な事を頼んでくると思ったが、随分と優しい要求だった。
散々助けられたんだ、御門先生が望むならデート何度でもしよう。
「日程と場所は私が決めるけど、いいかしら?」
「…構いませんよ」
「楽しみにしてるわね、優斗くん」
「俺も楽しみにしてますね、御門先生」
やっと全てが終わった、そう思って俺が御門先生と話していると部屋の扉が開き、南雲が入ってくる、その表情は少し焦っているように感じた。
「…貴方に話があるの、落ち着いて聞いて頂戴?」
「?」
「あたしの部下からの報告よ」
「なんですか?」
「クラウンの死体が発見できなかったそうよ」
「…は?」
何を言っている?月城も崩落に巻き込まれていたはずだ。
「切断された右腕は見つかった、でも死体がなかったそうよ」
それが何を意味するか、すぐにりかいしてしまった、月城は───まだ生きている。
◇
「…クソ…クソッ!」
優斗が救出される前、崩落に巻き込まれた月城秋良は致命傷を負いながらも自力で脱出して、自身の宇宙船へと逃亡していた。
「…右腕を…失う事に…なるなんてね……」
息を切らしながら、壁にもたれかかった月城秋良は自身の右腕を見ながら呟いた。
「アハハ…けど…成功していた…フレイム星人の能力も…しっかり…使えた…」
月城秋良の身体はボロボロで現代の技術では助からないほど…そんな状況なのに月城は笑顔を浮かべて笑っていた。
「イヴちゃんのダークネスが顕現したら、それを″奪って″あとは…」
そう言いながら月城秋良は立ち上がり、カプセルの中へ入るとカプセルの内に液体が流れ込む。
「っ!ヒーリングカプセルでも…回復に時間がかかりそうだね…仕方がない…今は回復に専念だ…」
ヒーリングカプセルの中で月城秋良は目を閉じる。
「私は必ず…ダークネスを手に入れる…」
月城はそう言うと眠りについた。
お気に入り、感想、誤字報告、評価など本当にありがとうございます。無印編、恐らく次回が最終回です。
最後までお付き合いよろしくお願いします。