ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~   作:アイスが食べたいマン

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今回は長いです。


~三角関係と想いと秘密~

 

西連寺さんを宇宙人から助けた数日後の日曜日の朝、俺はリトと美柑からララさんの地球見物に誘われた為、結城家に行く準備をしている。

 

────ララの地球見物、一緒に来てくれないか?ララが発明品を使っちまったらオレだけじゃ止めれねーし

 

────優兄、…その一緒にララさんの地球見物こない?リトだけじゃ頼りないし…もしかしたら優兄と二人きりになるチャンスがあるかも

 

リト、俺でもララさんがアイテムを使ったら、さすがに俺でも停めれないんだが?そう思って伝えたがそれでも居るだけ助かると二人から言われた。

 

「この前の教師に見られたのは失態だったな?」

 

振り返るとこの前現れた女性がいた。

 

「平穏な日常とやらに牙を抜かれたか?随分となまったものだ」

「そんなこと、言われなくてもわかってる」

「昔のお前ならあんな失態もしなかった、この前の気絶させた黒服といい、あの宇宙人も殺さなかった昔のお前なら殺していたのに、なぜ殺さなかった?」

「あいつらは誰かを殺した訳じゃないから、別に殺す必要はないそう判断した」

「その甘さが最悪の事態を招く、それくらいわかるだろ?」

 

またあの擬態できる宇宙人が懲りずに来るかもしれない、それくらいわかってる。

ただ俺はアイツが言ってたことを信じたい。

 

──────優斗、きっかけ1つで人は変わるんだ、善人から悪人へ、悪人から善人へ、ボクたちは悪人を善人に変わるきっかけを与えてあげないかい?

 

アイツは俺が人を救えず助けられなかった時、励ましてくれた、戦場で生きてた俺に日常を教えてくれた。

アイツは言った変われるってなら俺は信じてみたい。

あの擬態した宇宙人にはきっかけを与えれなかったが、今回のことで諦めるかもしれない。

 

「甘い考えだな?だから助けられないんだ、人は変われない、悪党は悪党のままだ、奪われる前にそいつを殺せ」

「……」

「お前は何も分かっていない、前に言ってやった、忠告も聞いていないみたいだしな?」

 

俺は女性から背を向けると前に言われた言葉が脳裏に過ぎる。

 

────お前と関わる人間は不幸になる、それが嫌ならあの兄妹と関わるのはやめておけ

 

 

「貴方はなぜ俺の前に現れる?何を求めてる?許しを乞ことか?それとも────」

 

俺の質問をしようと振り返るとそこに女性はいなかった。

 

「俺に何を求めているのですか?⬛︎⬛︎」

 

俺の言葉は誰もいない空間に響く。

時間を見ると約束の時間が迫っていた為、俺は準備に戻った。

 

 

 

 

「わ───これが地球の街か────なんかゴチャゴチャしてて面白───い!!!」

 

朝から時間が過ぎ俺たちは今、リトと美柑と約束していたララさんの地球見物のため街にいる。

 

ざわざわ ざわざわ

パシャリ!

 

「……」

 

周りが騒がしいな、ララさんのコスプレの様な服装でかなり目立つ、盗撮してる奴もいる。

 

「ちょっと来いっ!!」

「え?え?」

 

我慢できなくなったリトがララさんを連れて路地裏へ向かう。

俺と美柑もそれについて行く。

 

「どーしたのリト?」

「ウロウロする前にその格好何とかならねーのか?やっぱり目立ちすぎだ」

「え───ドレスモードだめ?」

「ダメってわけじゃないけど、普通に地球見物したいならやめておいた方がいい」

「そうだね、何事もなく街を見て回りたいなら、もっとフツーの服の方がいいかもね」

「そっかー」

[仕方ないですね]

 

ペケはララさんの着ている服を自由に変えることができるらしく、街で歩いている人の服の真似をすることになった。

 

「う───ん…じゃああれかな?ペケ!」

[了解です]

 

そして変わった服装は男性物のスーツと眼鏡に変わる。

 

「それ男はじゃねーか!!」

「これは?」

「それもちがーう!!」

「じゃーん!!」

「どこ歩いてたそんなの!?」

「優兄見ちゃダメ!」

「…?ただのバニーガールだろ?」

 

ララさんは完全にふざけていて、その後も色んな服装に代わる、その度にリトはダメだ!と却下する。

 

「だ────っ!いい加減にしろ!!マジメにやる気がねーなら帰るぞ!!!」

「リトも怒ってるし、真面目にやろララさん、どうかな?ララさんにはあの服が似合うと思うよ」

「あれね!わかった!!」

 

ララさんは外側がピンクで内側黒のワンピースに服装が変わる。

 

「…あ、それかわいいーいいなぁ優兄に選んでもらえて」

「そ…っそれならOKかな…」

「よ──し!じゃ出発ー!」

「ラブラブだねーリト、私たちついて来ない方がよかったんじゃないのー?私と優兄でどっか行ってこよーか?優兄と二人っきりになれるし」

 

その後は色々な店を回ってみたが、服屋にいって美柑が俺にどの服が似合うかを聞いて俺が買ってあげたり、リトが宇宙人の仮面を被ったりしてみんなはとても楽しそうに笑っている。

次のお店に行こうとしていると目の前にたい焼き屋がある。

 

「みんなたい焼き食べないか?」

「優兄そういって自分が食べたいだけでしょ?」

「正解だ、よくわかったね」

「だって優兄は甘党だし」

「優斗は昔からアイスとかたい焼きとか甘い物ずーっと食べてるよな」

「糖分は頭が回る、それに美味い」

「食べ過ぎは体に良くないからね?」

 

食べ過ぎないように美柑に注意される、昔からずっと毎日アイスを食べている、あれは甘くて冷たくて美味い。

それに甘い物が目に入るとどうしても食べてしまう。

みんなの分を買ってきて食べながら歩いているとララさんがクレーンゲームを見つけた。

 

「このメカはなぁに?」

「お金を入れてクレーンでぬいぐるみを取るんだよ」

「わーあれかわいい!」

「うーんでも結構大きいから取るのむずかしいねー」

「リト取ってやれよ、お前の得意分野だから取れるだろ?」

「…ったくしょうがねーな~」

 

リトは100円を入れてボタンを押す、クレーンがぬいぐるみを挟むとそのまま取り出し口まで持っていく。

 

「お────!!リトすごーい!!!」

「そーゆー細かい事ムダに得意だよねぇ…」

「良い特技じゃないか?俺にはできないよ」

「そうかなー?」

「ララさん、嬉しそうに笑ってるだろ?美柑覚えておいて、誰かを笑顔にできる特技は無駄じゃない」

「確かにララさん嬉しそう」

 

「これ私の宝物にするね!」とララさんは喜んでいる、リトも少し照れているのか頬をかきながらララさんを見つめていた。

 

クレーンゲームも終わり商店街を歩いていると美柑が何かのチケットを出す。

 

「美柑何だそれ?」

「さっき優兄に服を買って貰ったら、ついてきたんだ」

「確か最近この辺にできた水族館の割引券だったか?」

「そ、5人まで」

「スイゾクカン?」

「魚とか海の生物がたくさんいる所だよ」

「ララさん後で行ってみようか」

 

水族館へ行く話をしているとララさんの服が消え始める、リトも気づいた様だ。

 

「お、おいララ!!?」

「ララさん服が消えかけてる」

「どーゆー事!?」

[申し訳ありませんララ様、どうやらエネルギー切れのようです、先程の連続フォームチェンジが思ったより負担になったようで…]

「なんだって!?」

「エネルギーが切れるとどうなるの?」

「コスチューム形態が維持できなくなります…おそらくあと3分ほどで…」

 

あと3分で全裸だと?マジか時間ないぞ?

 

「あは、困ったねー」

「少しはあわてろよ!お前──────」

 

リトはララさんの手を引き走り出す。

一旦どこかへ隠れるんだとリトはいいながら走るがおそらく焦っていて思考が回ってない。

周りの目もララさんを向いている、最悪な事態になる前に近くの店に行くしかない。

 

「もう、ひとまずその辺の店に入るしかないよ」

「美柑の言う通りだ、あそこにラグジュアリーショップがある、そこへ行こう」

「ラグジュアリーショップ!?ダメだダメだ!!ほかの店に───」

「いーの!ここで!!」

「リト早くしろ!時間がないぞ!!」

 

俺と美柑はリトを押し込み店に入る。

 

「ララさんこれ持って試着室入って!!」

 

美柑がすぐに商品をララさんに渡して試着室へ押し込む。

 

「これで下着は何とかなったね」

「そうだな、あとは服だ」

「じゃ、こんどはララさんの着る服買ってくるから」

 

優兄行こ、と美柑に手を引っ張られる。

…まて、俺も行くのか?リトがあの店で一人になるが。

とりあえず、美柑と近くの店に行き服を選ぶ。

 

「どーしよ優兄、どれにする?」

「これならララさんに似合うと思うが」

 

俺が手に取ったのは黒紫色のワンピース、それを見た美柑は少し不満そうな顔をしていう。

 

「…ララさんの服選ぶの早いね、ワンピース好きなの?優兄?」

「聞いてきたの美柑だろ?なんでちょっと怒ってる?」

「別に怒ってない」

 

それは怒ってる時に言うやつだ。

とりあえず早く買って戻らないとリトが色々な意味で大変だ。

 

「美柑、とりあえず買うぞ、それ貸して」

「え、あ」

 

俺が選んだワンピースと美柑が手に持っていたズボンを取って俺はレジへ向かう。

会計を済ませ美柑と走ってリト達の元へ向かうと店には西連寺さんとリトと下着姿のララさんがお互いを見つめ合っていた。

 

「優兄、これどーゆう状況?」

「…最悪だ」

 

(なんだこの状況、西連寺さんに色々説明するのがめんどくさいぞ)

 

 

 

 

 

「えーと…春菜さんって呼んでいい?」

「あ、うんよろしくね、美柑ちゃん」

 

俺たちはララさんに服を渡してから店を後にし、水族館へ向かってる。

結局、ラグジュアリーショップに男がいるのも問題があるため、あの場でちゃんと説明時間がなく今に至る。

 

「わぁ──きれーい!!色んなおサカナがいるねー」

「当たり前だろ、水族館なんだから」

 

水族館にいる魚を見てララさんははしゃいでいる。

 

「あ!あれすご──い」

「ララさんあんまりはしゃぐと迷子になるよー」

「見て~これ大きいよ春菜───っ」

「フフ…ララさん子供みたい」

「……」

 

さて、どうやって西連寺さんの誤解を解くとするか。

 

「さ…西連寺、ワリーな…ララが無理やりこんな所に誘っちまって…」

「あっ…んーん、私もこーゆー所好きだから…」

「そ…そっか!ならよかった!!」

「…私の方こそ…ゴメンね」

「私…結城くんたちのジャマしちゃったんじゃない…?」

 

西連寺さんはやっぱり勘違いしていたか。

 

「そ!そんな事ねーよ、オレと優斗はただ妹とララに付き合わされてただけだし!!こーゆートコは大勢の方が楽しいし!!!」

「…ホントに?」

「あ…ああ!!」

「なら…よかった」

 

…俺はフォローしようと思ったが、どうやら要らなそうだな。

これなら後は二人にしてリトが上手くやればいいだけだ。

 

「たいへん!しじみがいないよ───」

「んなモン水族館にいるかっ!!!」

「そうなの?じゃあアジとかサンマは?」

「…ララさん1回晩御飯のおかずから離れてみよう」

「む─────ん?あっちも面白そー!!」

「おいララ!?」

 

今ならリトと西連寺さんを二人きりにできる、ララさんは俺と美柑で見るとしよう。

 

「リト、お前は西連寺さんとゆっくり後から来い」

「え?おい優斗?」

「美柑行こうか」

「仕方ないな~ララさんは私たちがついて行くよ」

「ここからは一人で頑張れよ?リト?」

「ちょ、いきなり2人っきりは」

 

さすが美柑だな、察しがいい、俺はリトに頑張れよ?と耳打ちしてから、美柑とララさんの元へ走って向かう、最後リトが言っていたが気にしない。

 

「優兄、もしかしてリトの好きな人って春菜さん?」

 

ララさんから少し離れた場所で美柑聞いてくる。

さすがにリトの反応でわかるよな。

 

「そうだよ、中学生の時から好きみたい」

「へぇ〜リトがね〜」

「それにおそらく両思いだと思うよ?」

「え?」

 

これはあくまで憶測だが、中学3年の時に西連寺さんを見て思った、西連寺さんはリトが好きだと、リトがどんな形であれ告白をすることができていたのなら、今頃付き合うことができていたのかもしれない。

 

「両思いなの、リトには言ったの?」

「伝えるか凄く悩んだよ?でもこれは俺の憶測だ、変な期待をさせてしまってもリトに悪いと思った」

 

西連寺さんがリトを好きだという証拠はない。

それにこの憶測が間違ってる可能性だってある、俺は自分を信用していない為、リトにこの事は伝えなかった。

 

「前にリトから告白する時に隣にいて手伝って欲しい、と言われたことがあったけど断ったよ」

「どうして?」

「告白をして思いを伝えるのには勇気がいる、なんでも誰かに頼ってばかりじゃ、リトの為にならない、だから告白はリト一人で伝えて欲しかった」

 

リトは俺に頼りすぎている節がある、恋のサポートをするとは決めたが、このままだとリトは誰かに頼りっぱなしになり、一人で何とかしなければならない時が来た時に何も出来なくなってしまう。

 

そう思ってリトが告白してる時は物陰に隠れているだけでいいなら見ていてやるとリトに伝えた。

その結果が一人で告白する勇気は出せたが、間違えてララさんに告白してしまった。

 

「恋のサポートは難しいね」

「…リトの恋のサポートばっかりしてるみたいだけど…優兄はその、す…好きな人とかいないの?」

 

美柑から聞かれた、俺は誰かに恋をした事がない、他人向けられる好意はわかるが、恋という感情がどんな気持ちなのかが分からない。

前世で大切な人へ向けていた気持ちとは別のものだと思う。

 

「好きな人はいないよ」

「…ホントにいないの?その、よく告白されてるんでしょ?…断る理由って好きな人がいるからじゃないの?」

「本当にいないよ」

「そうなんだ…その、試しに付き合ってみようかなーとかないの?」

「勇気を持って告白してくれたのに試しに付き合ってみるっていうのは相手の気持ちを弄んでるみたいで好きじゃない」

「そっか…好きな人がいないならまだ私にもチャンスはあるよね」

「美柑ー、優斗ー何の話してるのー?」

 

美柑と話していると前にいたララがこちらへ来て聞いてくる。

 

「俺に好きな人がいるのかって話し」

「優斗は好きな人いるの?」

「いないよ」

「そっかーじゃあ美柑は?好きな人いるのー?」

「ふぇ!?…べ、別にい、いないけど」

「そーなの?」

 

美柑はいきなり聞かれて、動揺している様子だ。

嘘なのは反応からして明白だ。

…これも憶測だが、美柑の好きな人は俺、なんだと思う。

ベットに潜り込んだり、好みの服を聞いてきたりなど、今までの行動を見て考えるとそれしか考えられない。

何時から好きになってくれたか分からないけど。

美柑の事は好きだが、この感情が恋愛感情として好きなのか分からない。

それに俺は美柑を幸せにしてあげることができない。

俺は美柑の思いに答えてはいけない、答えて付き合ってしまったらいつか必ず、美柑を不幸にしてしまう。

 

ずっと考えていた、美柑から距離を取って他の人を好きになるのを待つべきか。

距離を取ろうとすると美柑はいつも悲しい顔をする、俺はそんな美柑の顔を見たくない。

ただ、このまま関わり続ければ、美柑はずっとこのまま俺を好きでいるかもしれない。

正直、俺はどうすればいいのか分からない。

 

「私はリトが好き!!」

「「知ってる」」

 

ララさんは笑顔で言ったと思えば、あ、あれなんだろー!っと言ってまた前を走っていく。

 

「…優兄はどんな人が好き?」

「俺は…」

 

バリーンっ!!

 

カラスが割れた音がしたと同時に何かが美柑へ向かってくる。

 

「へ?きゃあ!?」

「美柑!!」

 

俺は咄嗟に美柑を引き寄せ抱きしめたまま横へ飛ぶ。

俺達がいた場所へ黒い何か────ペンギンがそのまま通過していく。

 

「怪我は無いか?大丈夫か?美柑」

「ふぇ?あぁ」

 

抱きしめていた美柑を見ると怪我は無さそうだが顔が赤い、よく見ると咄嗟に抱きしめたせいか分からないが美柑の手が俺の服をたくし上げていて、胸に美柑の顔がうずめる形になっていた。

 

「は!?ゴ、ゴメン優兄!!」

「いや、別に気にしてない」

 

美柑はすぐさま離れ顔を真っ赤にして謝ってくる。

まあ引き寄せたの俺だしな、美柑は悪くないだろ。

 

「あのペンギンなんだったんだ?まさか?」

 

ララさんがペンギンに何かしたのか?

 

「とりあえずリト達の元へ行こう、嫌な予感がする」

「う、うん、そ…そうだね」

 

まだ顔の赤い美柑を連れていくとやはりリトたちの方はもっとすごいことになっていた。

どうやらララさんはペンギンの動きが鈍いからとデビルークの薬を飲ませてしまったらしい。

 

悪いリト、美柑と話してララさんから目を離したばっかりにこんな事態になってしまった。

 

「ララさん、ペンギンが落ち着くような薬はある?」

「え?あるよ?」

「俺は周りの人の避難誘導するから、ペンギンに飲ませて元の場所に戻してあげて」

 

その後、俺は周りにいた人の避難誘導をした後、職員の方に頭を下げ謝った。

 

 

 

 

ララさんの地球見物が終わった日の夜。

 

「おう!よく来たなリト、優斗、時間がねェとっとと入りやがれ!!」

「初めまして!!リトパパっ」

 

俺達は結城家で夜ご飯を食べていたら、栽培さんに仕事を手伝えと呼び出された。

 

「へ~これがリトパパか~あんまりリトと似てないね」

「これはどういう事だ?」

「…いやさんざんついて来るなって言ったんだけどさ…」

「バッキャロウ!!女のコを連れてくるなら先に言えってんだ!!初めまして──リトパパで~っす!!」

 

リトと俺はよく栽培さんに呼び出され仕事を手伝ってる。

まあ栽培さんは優斗は美柑といてやってくれ!と言う時の方が多いが〆切まで時間が無いと俺も呼び出される。

 

「栽培さん、彼女がララさんです」

「ガハハハ!そうかキミがララちゃんか~美柑から色々話は聞いてるぜ、いや~宇宙人が居候とは国際的な世の中になったモンだ!!」

「優斗、なんでウチの家族って宇宙人に対してこうフランクなんだ?」

「別に相手が気にしてないならいいじゃないか?そっちの方が楽しいだろ」

「そーいう問題じゃない気が」

 

リト気づいてないと思うがお前も結構フランクじゃないか?

昔から思うが結城家は全員優しすぎる、宇宙人であるララさんだけじゃない、他人である俺に対してもだ。

そんなことを考えていると栽培さんがリトと何かを話していてリトの顔が真っ赤になる。

おそらく、ララさんのこと話でもしているんだろうな。

 

「さ!仕事するぞぅ~リトと優斗はこのページのベタ塗りを頼む!!」

「わかりました」

「聞けよ親父っ!!」

 

俺は栽培さんから渡されたページのベタ塗りを始める。

この線からはみ出さないように黒く塗りつぶすのが意外と難しい。

 

「リトパパ、私もなんか手伝おっか!!」

「お、ララちゃん気持ちはありがてーが絵はかけるのかい?」

 

すぐにララさん紙とペンをもって何かを書いて栽培さんに見せる。

 

「じゃ───ん描けるよホラ!!リト!」

「ぶはははははははは」

「あれっダメー?」

 

リトの似顔絵を書いたみたいだが、なんというか、お世辞にも上手いとは言えない絵だった。

 

「ララ!親父の仕事のジャマだから他の部屋で遊んでろ」

「え~~~」

「ララさん、栽培さんも手伝ってくれるって言った気持ちは嬉しいと思うよ」

 

その後、俺とリトは栽培さんの仕事の手伝いに戻る。

 

「バッキャロウ、泣き事言ってるヒマがあったらもっとスピードあげろっ」

「ムリっすよ~先生みたいにはとても…」

「リトーどうしたの?」

「ああ進行がヤベーんだ」

 

〆切時間は0時まであと2時間しかなく時間がない。

このままやっても6時間はかかる、無理だ、間に合わない。

 

「よく分からないけど、とにかく手が早く動けばいいの?」

「まあ、そんな感じだよララさん」

「だったらまかせて!!」

 

ララさんはステッキの様な道具を出してみんなの椅子を改造していく。

 

「よし!完成~~」

 

そういってララさんが改造した椅子を見ると、椅子の背もたれに機械の手がついていた。

 

「こ…これは…すごい!!ムチャクチャ早く作業できる!!」

「おお!やるじゃねェかララちゃん、よーしこれならいける!!一気にラストスパートかけるぞてめーら!!」

「おう!」

 

漫画がありえないスピードで完成していく。

 

(異常なスピードで作業してるけど、あれは大丈夫なのか?)

 

「リト、優斗!!終わったぞ────っ!!!」

「………へっ?」

「早くないですか?まだ23時半ですよ?」

 

あれなら1時間半しか経ってないのに完成してしまった。

 

「オヤジ、終わったならオレたち帰るからな」

「おう!帰っていいぞぉー!あ、いやまて優斗は残れ!話がある!」

「わかりました」

「え?ならオヤジ、オレたちも残るよ」

「二人で話してーことなんだよ、リトおめーは帰れ」

 

栽培さんはリトとララさんの背を押して玄関へ押し出していく。

リトとララさんが帰るのを見届けると栽培さんと俺ベランダに出る。

 

「美柑から聞いた、最近ウチに来てねェーってな、何があった?」

「行ってますよ、今日だって夜ご飯を頂きました」

「中学の頃より来る頻度が減ったって聞いたぞ?」

「……」

「気にしてんのか?リトと美柑に隠してる事をよォ」

「気にしてませんよ」

 

話があると言われたがまさかこの事か、リト達に春馬さんのなど隠していることは確かに気にしてる、けどそれは栽培さんにも同じこと。

栽培さんはこの世界の俺の事は知ってる、でも昔、前世の俺の事は知らない。

なぜ今そんなことを聞いてくる。

 

「春馬の事、おめーの本当の家族の事、リトと美柑には話さねェーのか?」

「……」

「確かにリトも美柑も隠してたこと怒るかもしれねェ、でも本当のこと話した方が楽になるぜ?」

「すみません、何を言われても俺はリトと美柑に本当の事は話すつもりは無いです」

「そうか」

 

栽培さんは悲しそうな顔をする。

 

(何故、あなたが悲しそうな顔をするんですか?)

 

話せるわけがない、リトと美柑に話せばきっと悲しい顔をする。

結城家は優しい、だからこそ悲しい顔をして欲しくない、ずっと笑っていて欲しい。

 

「春馬から連絡はきてんのか?」

「来てますよ」

「ウソだな、優斗本当のこと話せ」

「必要な物がある時、連絡をします、その返信が帰ってくるくらいです」

「そうか」

 

栽培さんは目を閉じ何かを考える素振りを見せる。

 

「優斗、もし、おめーが嫌じゃねーなら、ウチの養子縁組に入れてもいいんだぞ?」

「え?」

「優斗、お前が良ければだ、春馬はおめーを育てれるとは思えねェ、それに春馬はおめーを」

「ありがたい話ですが、お断りします、すみません」

 

─────お前と関わる人間は不幸になる

 

─────あの妹がお前のせいで死ぬかもな?

 

俺の脳裏に響く、この前言われた言葉。

これ以上求めるな、お前は幸せになれないと過去が俺に訴えかけてくる。

 

「なんでだ?優斗このまま春馬といても幸せになれねェーぞ、それにアイツがおめーを引き取った理由は…」

「知ってますよ、春馬さんが俺を引き取った本当の理由、─────として使う為、だからですよね?」

「オマエ知っててなんで…」

「知ってる上であの家にいます」

 

良いんですよ、栽培さん俺はこれで、今の俺にはそれしか価値がない。

 

「すみません、そろそろ帰らないと明日学校で事情があって早いんです」

 

御門先生の診断とやらに付き合わないといけない。

 

「優斗!!考えが変わったら言え!いつでも待ってる!」

 

栽培さんは帰る俺に向かって声をかける。

俺は振り返って頭をさげてその場を後にした。

 

 

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