ToLOVEる ~ 生まれ変わった意味を探して~ 作:アイスが食べたいマン
「おはよう優斗、今日は久々の休みだ!どこへ行こうか?」
「俺の休日はお前と過ごすの確定なのか?」
「え?違うのかい?」
優斗と呼ばれた青年と同室に住んでる青年は驚いた顔をしてこちらを向く、なんだその当たり前だろみたいな顔。
「じゃあ今日はテニス、サッカー、カラオケをやろう!!」
「そんなにやるのかよ、てか行く前提で話を進めるな」
「とりあえず、着替えて朝食食べてそのまま外室だ!」
優斗の話をまったく聞かず、着替え出す青年は「今日も楽しくなりそうだ!」と言って笑っている。
「俺は外出届けを出してないから、外出できないぞ?」
「それなら大丈夫だよ、代わりに僕が出しておいたから」
「…マジかお前」
「僕に感謝してくれよ?」
「いや、頼んでねぇよ」
優斗は呆れながらも着替えて青年と共に食堂へ向かう。
食堂には年齢問わず、たくさんの人がおり、並んで食事を受け取って席に着いていた。
「いやぁー出遅れたかな?」
「一部の人は休みだからな、朝から出かけたりするんだろ」
「そうか、僕たちだけじゃなかったね」
しばらく並び彼らも食事を受け取り席に着く、お互いに頂きますといって食事を取っていた。
「うん、美味しいけど、君の料理の方が美味しい、また何か料理を作ってよ」
「それは構わないが、早く食べないと外出する時間なくなるぞ?」
「おや?さっきまでお前と過ごすのは確定なのか?とか言ってたのに来てくれるのかい?」
「うるさい」
「やっぱり君は優しいね、なんやかんや言っても何時もついてきてくれる」
お互い食べ終わり、外へ行く門へと向かう。
「あ、そうだこれ、優斗の外出証」
「お前、マジで申請してたのかよ」
「身分証持ってるかい?」
「あるよ」
そのまま門を出た二人は近くのテニスコートへ向かった。
「はい、僕の勝ち」
「お前な、初心者に容赦なさ過ぎないか?」
「スポーツくらいじゃないと君に勝てないからね、それに初心者の癖に後半は僕の動きについてきてたじゃないか」
「ついてきてた?俺はほとんど点数取れなかったぞ?」
テニスの結果はベーグル(0-6)、優斗の完敗だった、優斗は初心者で青年の動きについて行くのがやっとだった。
「サッカーはとりあえず、いつも通り1v1で行こう」
「了解、何点勝負だ?」
「先に10点取った方の勝ち」
「いや、多くね?」
「時間はたっぷりあるからね、さあ優斗!お互いに全力で行こうか!」
真剣な目をした青年は優斗とサッカーコートで勝負する、テニスと比べると優斗は青年と良い勝負をしている。
「あ~負けちゃったー」
「初めてサッカーでお前に勝てたぞ」
「君、サッカー上手くなったね、こっそり練習してる?」
「……」
「あ~してれんだーその反応練習してるんだぁー」
「うるさい」
サッカーを終えた彼らはカラオケに来た、曲を入れている青年に優斗が声をかける。
「俺、国歌と聖歌しか歌えないぞ?」
「は?」
「カラオケも初めて来た」
「…いいかい?優斗、女の子にカラオケに誘われた時に流行りの曲を知らないはまず論外だよ?」
「いや、行くことないし、行っても歌──」
「カラオケで自分だけ歌わないも論外だ、古い曲もダメだ、国歌と聖歌しか歌えないなんて人間として終わってるね」
「曲知らないだけでそこまで言うか!?」
青年は呆れた顔をして優斗に言うとマイクを持って歌い出す。
「…ふ、99.2だ、凄いだろ?」
「ドヤ顔がウザイ」
「さて君の番だ、この曲なら僕が良く聞いてるからわかるだろ?」
「…多分」
「今の間何?そんな自信ないのかい?」
優斗は歌うが所々うる覚えで歌えていない。
「次来る時は流行りの曲を覚えてから来なさい、わかったね?優斗」
「お前が連れてきたんだろうが、てか俺が歌ってる時にやってたあれはなんだ?」
「カラオケには盛り上げも必要だよ?」
「タンバリンを発狂しながら叩くのが盛り上げなのか?」
その後も彼らは休日を思う存分楽しんだ。
青年と過ごした思い出は今も優斗の中に刻み込まれている、彼が心の底から笑っていた、最後の時期。
二人は知らなかった、この数年後、最悪な悲劇が起きることを──────
◇
臨海学たと夏休みも終わり、二学期が始まった。
「えー2学期になっていきなりですがぁ、転校生を紹介しまふ」
「転校生?」
「一学期にララちぃ来たばっかなのに珍しいねー」
骨川先生の言葉に籾岡さんと沢田さんが反応する。
俺も思う、こんなに続けて転校生は来るものなのか?
「レン・エルシ・ジュリアくんです、みんな仲良くするようーに」
「きゃ──────美形────っ!」
「また外国人ステキ~」
「時雨くんと揃ったら二大イケメンだわー」
骨川先生から転校生への紹介が入った瞬間、クラスは歓喜に包まれる。
最後の誰が言ったか知らないが本当にやめてくれ、また猿山がうるさくなる。
「やっと見つけたよララちゃん、僕の花嫁…」
「「「!??」」」
こいつもしかして宇宙人か?リトの命を狙ってここまで…いや、それにしては行動が大胆すぎる、リトの命を狙っていると言っているようなものだ。
周りはザワザワと騒ぎ出し、籾岡さんと沢田さんに関しては、愛と憎悪のラブストーリーなど意味のわからないことを言っている。
「ああ!そして感動の再会!!こんな辺境にまで出向いたかいがあったよ、さぁララちゃん!!喜びを分かちあおう!!!」
「えーと…あなた誰?」
ララさんに忘れられていたのがショックだったのか座り込む。
「そんな…覚えていないというの?子供の頃あれ程、一緒に遊んだのに…!!」
…知り合いなのか?でもララさんは覚えていないと言っていたが。
「……ま…まぁいいさ、こんな事じゃボクはへこたれないよ………なぜなら…男だからね!!」
なんなんだコイツ、一人でへこんだと思ったら、急に立ち直ったぞ。
「それより、ララちゃん聞いたよ、なんでも悪い男にだまされてるらしいじゃないか、そう!キミの事だよ結城リト!!」
「違う、俺はリトじゃない」
「失敬、じゃあキミだっ!!」
「………」
…リトの顔すら知らなかったのか?
「ボクとララちゃんがどれほどの関係にあるかキミに教えてあげよう、見るがいい、これをッ!!」
どうやら幼い頃の写真の様だ、左はララさんで右の女の子の格好をした子が恐らくこいつなんだろう。
「あ──思い出した!!泣き虫レンちゃんか!!」
どうやら幼なじみだったらしい、なぜ忘れてたんだララさん……
その後、キミの結婚相手と真にふさわしいのがボクだと気づかせるだとか言っていたが骨川先生がそろそろ授業を始めたいと言って為、彼はどーぞと言って引き下がり授業が始まる。
彼──レン君はリトをライバル視している様で、数学の授業では、リトより先に応えると挙手をし、体育の授業や昼食の時間までリトよりも早くと奮闘していた。
正直食べる速さは関係ないと思うが……
学校が終わるまでレンくんの様子を見ておこう、敵の可能性もゼロじゃない。
時間が過ぎて夜になる、今日一日レンくんを見ていたがおそらく敵じゃない、頑張ってアピールしてる方向は間違っているが、根はいい人なんだと思う。
俺は夜ご飯を作って食べ終わり、風呂に入ろうとしているとインターホンがなる。
「こんな時間に一体誰だ?」
カメラを見るとなにかを悩んでいる顔をしたリトがいる、とりあえず開けてやるか。
「急に来てどうした?リト」
「こんな時間に悪い、その…一緒に散歩しないか?」
「…わかった、少し待ってろ」
俺は一度リビングに戻り電気を消して鍵を持って外にいるリトの元へ向かった、外に居たリトと二人でしばらく歩いているとリトがポツリポツリと話し始める。
「最近、ララを妙に意識しちまってる俺がいるんだ…」
「…いつから意識し始めた?」
「臨海学校で春菜ちゃんの部屋に遊びに行った時」
「俺が行かなかった時か」
修学旅行の最終日リト達は西連寺さん達の部屋へ消灯時間寸前に遊びに行った、その時にリトだけは奇跡的に部屋に入れたらしい。
その時に隠れて聞いたララさんの言葉が意識をする様になったきっかけだったらしい。
「大体オレなんかのどこが好きなんだ!?もともとカン違いだったワケだし、そのうち愛想つかして帰ると思ってたけど…」
恐らくララさんがリトに愛想つかして帰ることはもう無いかもな、ララさんは完全にリトに恋をしてしまった、リトに好きな人がいてもきっと彼女は諦めて帰るってこともないだろう。
「西連寺さんはまだ好きなのか?」
「好きだよッ!!オレが好きなのは春菜ちゃん!それはまちがいねェはず!!だけど…」
「だけど?」
「ララの事…いや!!そんなはずねェ!!!オレが好きな春菜ちゃんみたいな、おしとやかで優しい女の子なんだ!!」
リトは西連寺さんのことが好き、それは今でもわかる、だがまさかララさんの事も好きになるとは。
本人は否定しているが少しはララさんに気がある事は間違いないだろう。
「正直、俺は誰かに恋をしたことがない、だからロクなアドバイスができないけど、今は二人を好きになってもいいんじゃないか?」
「おまえ、何言って───」
「最後まで聞け、自分の気持ちと向き合う時間はお前にはまだある、だから二人を好きになったとしても悩んで最終的にどっちが好きか決めればいい。」
「……」
「自分がどうしたいか、ゆっくり悩めばいいよ」
話していたら随分と時間が経ってしまった、そろそろ帰ろう。
「リト、もう夜も遅いから帰ろう」
「優斗、先に帰っていいぞ、オレはもう少し散歩してから帰る」
「わかった、気をつけろよ」
俺はリトと別れ家に帰ろうとするとリトから声がかけられた。
「優斗、ホントいつもありがとな、」
「気にするな」
俺はそれだけリトに告げてそのまま家に戻った。
◇
次の日の昼休み、リトはレンくんを連れてどこかへ行ってしまった、それを見た籾岡さんと沢田さんは興味津々といった様子で見ていた。
「これは……」
「キャーなになに!?いよいよララちぃをめぐって決闘!?」
「…二人ともまさかついて行くつもり?」
「こんな面白い展開行くしかないでしょ!」
籾岡さんと沢田さんは二人の後を追う、嫌な予感がするから俺も行くか。
籾岡さんと沢田さんの後を追うと校舎裏でリトがレンくんにキレていた。
「どーゆーつもりだよお前っ!!ララ一筋みたいな事言っといて!ホントは女のコなら誰でもいいじゃねーのか?」
「なにを言ってるんだ?ボクの心はララちゃんだけのものさ!決まってるじゃないか」
「信用できねーな!だっててめーは昨日…」
「昨日?昨日なんだい?」
昨日?レンくんは昨日特になにかおかしな行動は取っていなかっ為、敵じゃないと考えていたが、まさかリトと別れた後何かあったのか?
「困った人だね、根拠のない言いがかりをつけるためにこんな所まで連れてきたワケか、そんな事よりいい加減、ララちゃんを騙すのをやめたまえ」
「な!何ィー!?それはこっちのセリフだっコラァー!!」
「はい、ストップ、ストーップ!!」
口喧嘩がこれ以上エスカレートする前に止めようと思っていたら籾岡さんが動いた。
まさか止めに入ってくれるとは…ニヤニヤして二人でなにか話し合っていたから止めないと思っていたけど、意外としっかりしてるのか。
「優斗に籾岡に沢田!!?」
「いや~二人ともアツいねェ~」
「青春、青春!」
「でもさ~そんな風に二人でいがみあっててもしょーがないよー」
「そーそー肝心なのはララちぃの気持ちなんだから!」
「そ・こ・で!結城とレンレンのどっちがララちぃにふさわしいか」
「この際、対決で白黒つけたらどう?」
無言で聞いていたがなんか嫌な方向に向かっている様な気がする、気の所為であって欲しいがもう少し様子を見るか?
「対決?」
「そ!私達が素敵な方法を考えたの!!それはね…キス!!」
「そう!今日中にララちぃの唇に先に熱~いキスを交わした方が勝ち!!」
ロクな対決じゃなかった、しかも今日にキスって…もしかして高校生はこれが普通なのか?
「望むところだっ!」
「え?おいちょっと…」
「よっしゃ決まりィ!!」
「じゃあさ、今日の放課後みんなで街へ遊びに行くから三人も来なよ」
「あ、俺も行くの?」
「あったりまえでしょ?それとどんな方法でキスに持ち込むかは自由!負けた方はおとなしくララちぃから身を引く事!!」
「籾岡さん待ってくれ、どんな方法でもってそれこそララさんの気持ちはどうなる」
「大丈夫、大丈夫ララちぃなら許してくれる!」
「そういう問題じゃ─────」
「負けないぞ!結城リト!!」
俺の言葉はレンくんの言葉に遮られてしまう、今この場で俺が何を言っても対決が始まってしまった為、誰も聞かないだろう。
仕方がない、最悪な状況になりそうになったら俺が止めに入ろう。
そして時間が過ぎて放課後になった。
俺達は正門の前でみんなが揃うのを待っていた。
「あ!もしかして三人も一緒に行くの!?」
「まぁね」
「邪魔だった?」
「邪魔じゃないよ!街へ遊びに行くなら大勢の方が楽しいもん!!」
ララさんは俺達三人がついてくることになっても喜んでいる、こんなに楽しそうにしてるララさんを対決に巻き込んで申し訳ないな、本人の意思関係なくキスをしようとした時は必ず止めよう。
ちなみに対決する予定のリトは顔を真っ赤にして今にも倒れそうだ。
「あ、来た来た!これでみんなそろったねー !春菜────っ!」
「もう…里沙も未央も強引なんだから」
「いいじゃん!たまには部活サボったって」
「ね─!」
…女子のメンバー的にもしかしてと思っていたけど、西連寺さんも一緒に行くのか。
俺達は電車に乗ってカラオケKURONEKOへ向かった。
電車の中ではレンくんが電車の揺れを利用しどさくさに紛れキスしようとするもリトに阻まれて二人は言い合いになったが電車の中だったのですぐに止めた。
そんなこともあったが何とかカラオケKURONEKOに着いた俺達は受付を済ませて部屋に入る。
「席はどーしよっか」
「じゃあ私ここー!」
「ならボクはここしよう!」
「オレはこっちだ!」
左側は奥から順にリト、ララさん、レンくんで埋まってしまった。
「時雨、あんたは私の隣ねー」
「わかったから押さないでくれ」
俺はどこでもいいかと思い適当に空いていた場所に座ろうとすると籾岡さんの隣に座らされる。
右側は奥から順に沢田さん、西連寺さん、籾岡さん、俺で座っている。
この場所ならドアから近い、飲み物も取りに行きやすいから意外と悪くないかもな。
「じゃあ私と里沙から歌うねー!」
沢田さんと籾岡さんは歌い始める、デュエット曲ってやつか。
二人が歌っている曲がサビに入り、声が張る、正直かなり上手い。
「「ありがとうーございました〜!」」
リトとレンくんはお互いを睨み合っているが、それ以外の周りから拍手が飛び交う。
「ねーねーリト!私たちも歌おーよ」
「え!?お前地球の…いや日本の歌とか知ってんのか!?」
「大丈夫大丈夫っ!!はーいじゃあ次は私とリトが歌いまーす!!」
籾岡さんと沢田さんが席に着くとララさんがリトと歌うと席を立った。
二人が歌い始めると隣にいた籾岡さんが俺に話しかけてくる。
「時雨、あんたも歌いなよー」
「いや俺は…」
────あなたは自分のやりたいことをやれてる?
────カラオケで自分だけ歌わないも論外だ、古い曲もダメだ、国歌と聖歌しか歌えないなんて人間として終わってるね
御門先生とあいつに言われた言葉を思い出す。
まさか自分が女性とカラオケに来るなんてあの時の俺は微塵も考えてなかっただろうな。
やりたいこと、これくらいならやっても…
「わかったよ、何を歌えばいい?」
「え?意外と乗る気じゃん!こういうのはどうよ?」
籾岡さんは電子目次本を俺に見せてくる、学生の間で流行っている最近の曲だった。
────次来る時は流行りの曲を覚えてから来なさい、わかったね?優斗
お前に言われたからな、しっかり流行りの曲は覚えてきたよ。
「いいよ」
「へぇ〜意外とムズいよ?」
「大丈夫だよ、歌えるから」
ララとリトは歌い終わったらしい、リトお前、顔赤いぞ?
「次はボ─」
「ララさん、俺の番だから貸して?」
悪いレンくん、貸してくれ、久々に歌いたくなった。
曲が始まる、歌いながら周りを見るとみんな驚いた顔をしている。
そのまま歌い続け、歌い終わると周りは静寂に包まれた。
…下手だったか?もしくはなにか間違えたか?あいつ以外と俺は来たことがないから分からない。
「優斗、歌うの上手なんだねーッ!」
「いや、上手すぎでしょ」
「点数98.4とかはじめて見た」
「…優斗、お前ができないことってあんのか?」
みんなが一斉に話し始める、リト、俺にだってできないことはあるぞ、98.4か、あいつに負けたな。
「次はボクが歌う!」
「わかってるよ」
「ありがとう、うわ、手がすべったァ!!!」
俺はレンくんにマイクを渡すとそのまま勢い良く投げ捨てる、投げたマイクは壊れて使えなくなる。
…どうするんだ?この壊れたマイク、普通に出禁になるぞ?
「いや~不慮の事故でマイクが一本失われてしまった、仕方ないララちゃん、この一本のマイクでボクと歌おう!よーく顔を近付けて!!」
「ムリ!だってもう歌覚えてないし、私おトイレ行ってくるね~」
「オ、オレももれそう!!」
トイレへ行ったリトとララさんを見た籾岡さんと沢田さんはいや~どっちも必死だね、イイヨイイヨ~と言って二人の後を追う。
流石にもう止めよう、度が過ぎてる。
俺は隠れて見ている籾岡さん達に追いつく。籾岡さん達の視線の先ではリトが肩をつかみララさんに強引にキスをしようとしていた。
「籾岡さん沢田さんこの戦いはもう終わりだ、これ以上は遊びじゃすまなくなる」
「え~今いい所なのにー」
「大丈夫だって、ララちぃなら許して──」
「ララちゃん!そんなヤツよりボクと!!」
「きゃあっ!!」
リトとララさんのキスを防ぐ為に全力で走ってきたレンくんは籾岡さんにぶつかり籾岡さんが俺に向かって倒れてくる。
俺は籾岡さんを支えようとするが籾岡さんの足が俺の足に絡まり、バランスを崩してそのまま倒れて俺が下敷きになる。
そして運が悪いことにお互いの口が重なり…
チュッ
俺と籾岡さんはキスをしてしまった。お互い何が起きたかわからず数秒が経過する。
「っ!?」
籾岡さんは俺から距離を取り顔を真っ赤に染め上げる。
「わた…し時雨と…」
「里沙と時雨がキスしちゃった」
籾岡さんが言いかけた言葉を沢田さんが言う、リト達の方を見るとリトとレンくんが事故でキスをしていてお互いに嗚咽していた。
「もうこの勝負は終わりでいいな?」
「え、あ、うん」
「……」
沢田さんが返事をするが籾岡さんは黙ったまま下を向いている。
「事故とはいえ悪かった、ごめん籾岡さん」
「……」
俺はそれだけ籾岡さんに伝え、リトとレンくんに勝負は終わりだと耳打ちをしてこの勝負は幕を閉じた、ちなみにマイクはレンくんが弁償した。
カラオケからの帰り道、俺達はそのまま電車に乗る
乗って自宅へ向かう。籾岡さんは途中まで無言だった、時々俺を見て目が合うと顔を赤くしそっぽを向いた。
「里沙大丈夫?」
「え?へーきへーき大丈夫だって」
…全然平気じゃないだろ、顔真っ赤だぞ?
「時雨、あんたに話があるからついてきて」
「…わかった」
自宅の方向へ行こうとしたら小さな声で籾岡さんに言われた俺は彼女について行く。
「時雨、私さっきのキスがはじめてだから」
「……」
「わかってんの?あんた私のファーストキス取ったんだよ?」
「ああ」
「責任とってよね?」
「…はい?」
「…フフ、嘘に決まってんじゃん冗談だよー時雨~焦った?」
「流石に焦った」
籾岡さんはニヤニヤ笑ってその場を去っていく、さすがに少し焦った。
「あ、」
そして何かを思い出したように俺の元へ戻ってくる。
「はじめてなのはホントだから」
「!??」
籾岡さんは俺の耳元で静かに囁いてそのまま駆け足で帰ってしまった。
「…俺も帰ろう」
今日は濃い一日だったと思いつつ俺は家に帰る。
最後耳元でささやかれた時にゾワッとしたがあれはなんだったんだ?