1万の竜に滅ぼされる世界に転生した。 作:絶望の未来
フィオーレ王国のとある森
「うがあああっ、ぎゃああああっ…、熱いっ…死ぬっ、死んじゃうううう…!!」
俺は激痛に悶えて倒れていた。身体中、大火傷だった。しかし隣にいる星霊は悶えてる俺の事など気にもかけないかのように目の前の化け物を指差す。
「マスター、まだ目の前の敵を倒せてませんよ」
「無理だああああ、焼け死ぬううう!!治癒してくれええ!!」
「星霊の契約にてマスターの命令は絶対です。命令は確か俺を強くしてくれ、でしたよね?」
「ま、待ってくれ、無理無理、もう戦えないって!!」
「駄目です、マスターが今使ってるお粗末な魔法でも勝てる相手です。勝ってください、そしたらご褒美に治してあげますから」
「鬼星霊っ!!う、うわあああああ!!」
どうやら勝つまでは治してくれないらしい、俺は泣きながら立ち上がった。そして痛みを全て泣きと怒りの力に変えて渾身の一撃を化け物…改め魔獣に放った。
俺の右手から青い光が発光して1つの光の球体となった。それを魔獣に向かって放つ。しかし目の前の魔獣も炎のブレスで応戦してきた。
「ねえ、ドラコ、押されてる!!押されてるんだけど!!」
「え?マスター、ちゃんとやってください、ただ泣きながら魔力を込めてるだけじゃないですか」
「本気でやってるんだってばあああ!!」
「仕方無いですね、本気出させてあげましょう」
星霊はそう言うと光の剣を出した。お、助けてくれるのかな?と少し思った俺は愚か者だった。星霊は俺の真後ろで剣を振り上げて…
スパアッ
俺の背中を切り裂いた。
「ぎゃあああああ!!!」
俺は悲鳴をあげた、同時に目の前の炎のブレスが俺に直撃した。ますます焼かれる身体。今度こそとどめを刺そうと魔獣が俺に襲いかかってきた。うわあああああ、死ぬ、死んじゃうううう!!!
「うわあああああ!!!」
俺は痛みと恐怖の悲鳴をあげて凄い声をあげて魔獣に向かって魔法弾を連発した。魔獣の顔面に青の光の球が連打される。しかし近づいて来る魔獣。俺の身体のリミッターが外れた気がした。瞬間魔獣の顔が潰れた。
「来るなああああ!!死ね!!死ね!!死ね!!」
魔獣にひたすらグミ撃ちをする。死の寸前で身体中からあり得ない程のエネルギーが溜まってきたのが分かった。それを一気に放出させる。
「だらあああああ!!!」
全身から青い光が発光し、目の前が青一色に染まった。そのまま魔獣目掛けて思いっ切り魔力を放出した。
魔法が消えた時、目の前を見ると魔獣は居なくなっていた。
「お疲れ様ですマスター、お見事です、クリムゾンビーストを倒しましたね」
「(あまりの拷問に何も言えない)」
俺を回復させながら微笑む星霊。もう火傷が治っていた。
「今のがB級の魔獣です。これに勝てるようになったら、A級のゼレフ書の悪魔を、更に強くなったらとっておきの場所に行きましょう」
「俺生きてるかな…」
「大丈夫です、死ぬ寸前になったら助けてあげますから、もっとマスターの星霊である私を信じてください」
「絶対師匠を間違えた気がする…」
そう呟くと、星霊は「はあ…」とため息を吐いた。そして、魔力弾を放って来た。避けられず直撃する。そのまま大爆発を起こし吹き飛ばされる。
「ぐああああ!!死ぬ、痛いいいい!!」
「この程度の魔法でダメージを受けてる時点で駄目です。マスターはまず痛みに慣れる事からスタートです。でないと本番でかすり傷1つで止まってしまいますから、全身大火傷するぐらいが丁度良いくらいです」
「無茶苦茶だな…」
「これでも優しすぎると思います、因みに私、星霊王に例の事を話して見ましたが、誠に残念ですが全く信じられませんでした。つまり、誰とも共有出来ない話なのです。ですから未来を知ってるのは私とマスターの2人だけです。ここで強くなるのとドラゴンに殺されるのとどっちが良いですか?」
「!!」
駄目だ…!!それだけは、許しておけない…、俺は何の為にここに来た?数年後に死ぬためか?違うだろ、推しの未来を変えに来たんだ。そうだ、彼女を笑顔にするために俺はここにいる。未来を生きるために今は死ぬ!!
「続投頼む」
「その言葉待ってました、また更に1頭奥から来ましたよ、倒してください」
「分かった」
再び、大火傷しながらギリギリ倒した。星霊ドラコはその度に俺の傷を治してくれた。
「炎だけではないのですよ、次は対の氷属性に対する耐性をつけさせますから、他にもやる事は沢山あります、物理攻撃に耐える耐久と光を避ける速度、ドラゴンの身体を消し飛ばす攻撃力が必要です、魔獣の魔力を吸収出来るくらい耐性を持ってください」
魔獣と戦いながら俺はその言葉を聞いていた。そうだ、俺は未来を変えるためにここにいるんだ。決してドラゴンの噛ませ犬になるつもりは無い。ここで強くなって、原作キャラを超えて、世界を救って見せる。それが俺が生きる意味だった。魔獣に炎の牙で噛まれて腕を焼かれ悲鳴をあげながら、俺は再度強くなる事を決意するのだった。
まだ修行は始まったばかりだった。
そして、2年の時が経った。780年9月。
ゼレフ書の悪魔の氷のブレスが俺に襲いかかる。
「ぎいっ…!!ぐうっ…」
「良いですよマスター」
『何っ…我の攻撃を耐えただと…』
俺は倒れそうになる身体を脚力で強引に止めて踏ん張った。目の前のゼレフ書の悪魔の氷のブレスで攻撃されたが、魔力でガードして耐えきった。全身に氷のダメージを受けて、傷だらけだが、気にせず痛みを無視して魔法陣を展開する。
「
青い恒星の光を発光させて、流れ星のように早く動く、そのまま反撃の魔法弾を放ち、飛び蹴りをくらわせる。ゼレフ書の悪魔が吹き飛んだ。一気に空に飛んで魔法陣を展開する。そのまま詠唱も無しに魔法を放った。
「
北斗七星の魔法が天に現れてその光がゼレフ書の悪魔を粉々に粉砕する。隕石にも匹敵する破壊力を持った魔法が敵に直撃した。辺りにクレーターが出来た。流石天体魔法、素晴らしい威力だ。
「随分マシな動きになりましたね、マスター」
「はあ、はあ…この程度ならどうって事ない…うっ…」
バタリと俺は倒れた。全身凍傷で不味いことになってる。ドラコが治してくれた。俺も随分と痛みに鈍感になったものだな。
「S級魔道士でも苦戦する悪魔に勝ちました。誇って良いですよ。しかしそろそろ自分の状態を把握した方がいいですね。マスターは自爆特攻が多いので、マスターの頭では勝てると思っていても、身体が追いついてないかもしれません、今回もギリギリでしたよね?」
「そう、みたいだな…」
「それではいけません。戦いでは常に自分の状態を把握ししていてください。敵を倒す前にマスターが倒れてしまっては何の意味もありません、本気でドラゴンに勝ちたいのであれば、まずは自分の限界を常に把握していてください」
「分かった」
「分かれば良いですよ。では次のステージに行きましょう。お題は1対多数です。禁忌区域の飛竜の谷に行きます」
「げっ…、あの谷かよ…」
「はい、超大型飛竜のいる場所です、1頭1頭が聖十でも苦戦するレベルです」
ドラコと共に目的地へと向かう。そこには全長20mを超える飛竜達が生息していた。人間を襲うのでその区域は禁忌区域となっていた。遂に多数の相手を想定した地獄の魔法特訓が始まろうとしていた。