ダンロンv3 実況プレイ 超高校級の幸運ルート   作:佐倉シキ

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53回目のコロシアイ 18

 

 

 

「というかそもそも、この事件自体が友兼ちゃんからの最悪なプレゼントなんだよ」

 

と、王馬が解説してくれます。

裏切り者としては殺人が起きてくれなければ困るのに未遂ばかりでやり切ったものが現れない。それはなぜか、やっぱり非日常感がなんやかんやで足りないのでは? と。明確な殺意、確実に殺すという強い意志を抱くにはあと一歩なにか、インパクトが足りない。

 

それが最初の殺人。死体。

結局本物を見て、本当の意味でおかしな状況なのだと理解しないと最後の一歩は踏み出せない。その為に自分を殺させたのではないかと。裏切り者の鑑だねーと笑ってます。笑い事じゃねーぞ?

 

そんで天海がつけ足します。前回のコロシアイの事は濁して、本人から以前運試しの為に似たような事件を起こしたことがあるのだと聞いたのだと。コップの底に毒を盛り、誰が犯人なのかわからないようにして配らせるというもの。

 

そして、砲丸の件もそう。“誰が犯人になるのかは運次第”。

 

今回の事件は全部運に委ねられているのだと。

学級裁判はトドメを指した人物がクロ。さて、では今回の件、友兼を死なせたトドメとは一体どれか? 毒か? 砲丸か? 失血か? 答えはわからない。

 

「そ、それじゃあ……私達は運任せで投票するしかないってこと……?」

「そう言えば友兼ちゃん言ってたなぁ。自分の幸運を試してみたくなったって」

 

赤松も顔面蒼白ですね。そうだよ。これ以上議論しても何も出てこないよ。

 

しかし、天海は王馬の言葉でピンときた様子。これに賭けるしかないのかと覚悟を決めた様子で王馬に聞きます。カスは本当にそう言ってたのかと。当然答えはイエス。

 

「運試し……それなら、こう考えられないっすか?

“他殺される”なんてアンラッキーなこと、“超高校級の幸運”には起こり得ない。つまり今回も、彼に起きたのは、全部“ラッキー”だったってことっす」

「……は?」

「まず、毒っす。あのコップに毒が仕込まれていた。もしそれを仕込んだのが彼自身だとしたら……そのコップが巡り巡って、自分の手元に戻ってきたのも“幸運”になる。つまり、死にたいと思っていたから彼の元に毒が来た。普通ならあり得ない巡り合わせでも、あの人なら引き寄せるっす」

 

くぅー、理解されてるねぇ!

がんばえー、あまみー!

 

「それに、砲丸のトラップ……あれだってそうっす。よくよく考えればあんなもの、あんなトラップ、当たらない確率の方が高い。それなのにただ発動しただけじゃない。“ちゃんと頭に当たってる”。狙い通りに、致命傷になる形で。これってつまり、やっぱり、彼が死を望んでいたからとは考えられないっすか?」

 

死を望んだからこそ毒は友兼の手に渡り、砲丸は的確に頭に命中した。すごいな、ダンガンロンパでしか許されない推理してる今。

 

「偶然にしては出来すぎてる。でも“幸運”なら説明がつくっす。連続してアンラッキーだったんじゃない。“超高校級の幸運”が、そんな事になるわけがない。なら、これは全部、“望んだ結果が連続して起きてる”って考えた方が自然っす」

「め、めちゃくちゃですよぉ!」

「んぁー、んあー……」

 

もう夢野がアホの鳴き声を上げる事しかできなくなってますね。

 

「……つまり?」

「彼は最初から、“自分が死ぬこと”を目的に動いていた。自分の手で毒を仕込み、自分の仕掛けで確実に致命傷を受ける。そうすれば、“誰かに殺されたように見える死体”が出来上がる。それが狙いだったんじゃないっすか?」

「なんでそんなことする必要があるんだよ!?

「簡単っすよ。彼が裏切り者だから。簡単な自殺じゃ意味がないでしょう。ただ死にたかった訳じゃあないんですから。だから複雑な事件を起こした。その方が皆焦るし、怯えてストレスを受ける」

「な、なんて嫌な奴だ!!」

 

それは本当にそう。返す言葉もないとはまさにこの事なんですけど、今ワイはクッソ楽しいんでもう2度と狛枝の悪口は言いません。

 

「自分が死ぬことで事件を起こし、俺たちをこの場に縛り付けて、考えさせる。……そして、その上で生き残らせる。そうじゃないと意味がないっすからね。

ここで犯人を外したら、全員処刑っす。明確なバッドエンド。そんな結末、“超高校級の幸運”にとってもアンラッキーすぎる。自分の望みを果たせなくなる」

「自分の望み……?」

「全員に死体を見せてストレスを与えた上で自分を蘇らせる。そのための条件を満たすためには、俺たちがここを突破しないといけない」

 

“参加者たちにストレスを与える”。“屍者の書で自分を甦らせる”。“両方”やらなくっちゃあならないっていうのが裏切り者のつらいところだな。

 

「はぁ!? あの本を使うつもりなのか!?」

「もしかしてだけどサ。彼って常々言っていたよネ? 事件は起こしてほしいけど、自分は死にたくないって。だから、こうやってインパクトのある事件を起こした上で生き返るつもりだったの?」

「そうっすよ。だからこれは、ただの自殺じゃない。俺たちを先に進ませるための、“きっかけ”っす」

 

本当に最悪ですね。コイツと狛枝のせいで苗木に信じられない風評被害がいっていますよ。ぶっちゃけこのカスと狛枝ってどっちが最悪かな? ま、どっちでもいいか。

 

「……で、その場合。本当の致命傷はどれになるか。毒か、刃物か、砲丸か。彼の“幸運”は、彼の望む結果を必ず齎す。自分が望んだ形で、事件として成立するように

 

だから……

 

俺たちに残された選択肢は、多分一つっす」

 

天海は顔色を悪くしたまま宣言します。

 

「彼の才能を信じるか、自分の勘を信じるか」

 

そうだね。

 

「どこに賭けるか。……もう、時間はないっすよ。それなら、せめて一番高い可能性に、賭けるしかないんじゃないっすか。

……その一票を、自分で死ぬと決意してお腹を刺した“超高校級の幸運”に、委ねてみるっていうのも」

 

ほとんど諦めみたいな宣言ですけど、これが1番理にかなってるよね。だって勘だけで巻き込まれただけの東条と最原に投票するのは嫌だもんね。でも勘以外に死因を特定する手段がない。

 

それなら、“自分を殺す為に、自分で自分の腹を刺した”友兼の幸運が、“自分が自分にとどめを刺した”という結果を齎したのだと、信じて投票するのが1番楽。

 

というわけで投票タイムや。

 

はい。なんと、満場一致でワイがクロでした。ガチ草。友兼の幸運の信用が厚すぎる。それとも天海かな? そして結果は大正解。やっぱり幸運最強説出てますね。ギリギリ失血死の勝ちだったようです。

 

当然お仕置きは無しで解散。モノクマが死んだ彼に免じてこれからはもっと積極的にコロシアイに取り組んでよねと嬉しそうに宣言してさりました。

 

最悪すぎる事件のせいで帰りのエレベーターは無言です。が、上にみんなが出てきたタイミングで

 

「にしても友兼ちゃんもバカだよねー! こんだけ嫌な事ばっかしてくる裏切り者を誰がわざわざ甦らせるっていうのさ!」

 

と、笑い飛ばしました。ワイに投票したくせにワイの幸運をまだ舐めているようやね。残念、馬鹿はお前や!

 

最悪な空気のまま解散。と、見せかけて赤松の話を聞き生徒会を辞めたはずのアンジーは1人で研究室に向かいました。そう、そんな彼女の手には屍者の書。アンジーの研究室に置いといたから第一発見者はアンジー。そして彼女はそのままそれを持っていて、部屋でなんとなくそれを開いた。するとそこには震える文字で、“神様、助けてください。死にたくない”の文字。

 

私は抜かりないカス。あなたに助けてもらいます。

 

これをみて放っておけないアンジー。惰眠貪ってる場合じゃねぇと笹食ってる場合じゃなかったパンダのように研究室に向かい、人型の人形を作成。屍者の書を燃やし、その灰をふりかけ、

 

「友兼雅生、友兼雅生、友兼雅生」

 

はい。ジェバンニが一晩でやってくれました。ぴぴ、がが、起動。気を遣って適当なTシャツとズボンを人形に履かせててくれたおかげで全裸の変態にならずに済みましたね。ありがとうアンジー。

では屍者の書のルール通りに目を瞑っているアンジーの肩を背後から叩きます。

 

すると、

 

「あ、ありえない……」

 

という声が聞こえてきましたね。

 

そんじゃ、今日はここまで。

 

 

 

 

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