この狩猟生活に祝福を!   作:how-kyou

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装備作るの楽しかったですね!
基本ガンスしか使って無いですけど2ndGなら鬼斬破好きでした!


第三話・中盤『この初期装備に卒業を!』

ブランゴの討伐終えたオレたちがポッケ村へ戻る頃には、空が少しだけ茜色を帯び始めていた。

 

 雪を踏む足音。

 煙突から上がる白い煙。

 集会所の前を行き来する村人たち。

 

昨日までと同じ景色のはずなのに、今日はそれが少し違って見えた。

前までは「ゲームで見たことのある村」だったものが、今はようやく「帰ってくる場所」になりかけている。

そう感じる。

 

「……ふう」

 

 思わず漏れた息が、白く夜気に溶けた。

 

「何よ、急にしみじみして」

 

 横でアクアが太刀を背負い直しながら、じろっとこっちを見る。

 

「別に」

 

「別にって顔じゃないわよ。何かこう、ちょっと達成感に浸ってる顔してる」

 

「……お前、人の顔からそういうの読むのだけは上手いな」

 

「当然でしょ。最近毎日あんたの嫌そうな顔見てるんだから」

 

「…嫌そうな顔限定なのか」

 

アクアはくすっと笑った。

 

「でも、実際 今日のクエストでちょっと元気出たんじゃない?」

 

「……まあ、少しはな」

 

ティガの恐怖が消えたわけじゃない。

雪山の奥を思い出すだけで、今でも胃のあたりが重くなる。

 

けれど、今日みたいに“ちゃんと戦って勝てる相手”もいる。

やれることを順番にやっていったらいい。

ブランゴ程度とはいえ、その実感は思ったより大きかった。

 

「ま、私のおかげね」

 

「…半分くらい認めるけど、全部お前の手柄みたいに言うな」

 

「…半分認めた!?熱ある!!?」

 

「ちゃんと役には立ってたし」

 

「へへーん。もっと褒めてもいいのよ?」

 

「雪玉を顔面キャッチしたのは忘れてないからな」

 

「そこだけしつこいわね!」

 

 けれど、そうやっていつも通り言い返してくるあたり、こいつも機嫌はいいらしい。

 ブランゴ相手に騒ぎながらでも立ち回れたことが、少し自信になっているのだろう。

 

     ◇

 

依頼完了の報告を済ませると、村長は湯呑みを傾けながら俺たちをじっと見た。

 

「おや。朝よりかは少し、マシな顔をしてるね」

 

「顔の評価ばっかりですね、この村」

 

「アンタは分かりやすいからねえ」

 

村長はそう言って、依頼達成分の報酬を差し出した。

 

飛び抜けて高額というわけではない。

だが、農場の売り上げや、これまで残してきた素材と合わせれば、そろそろ“その日を生き延びるだけ”から先へ進めそうな気がしていた。

 

「なあアクアさんや」

 

「何よ」

 

「これ、もしかして」

 

 小袋の口を開き、中身を改めて確かめる。

 頭の中でざっと計算し、もう一度見直す。

 

「いけるかもしれない」

 

「何がよ?」

 

「俺たちの装備…強化」

 

口にした瞬間、自分でも胸が少し高鳴るのが分かった。

 

ゲームでも一大イベントだった、装備の強化。

それはつまり、初期装備卒業の第一歩だ。

 

アクアがぱちぱちと瞬きをする。

 

「武器が強くなるの?」

 

「武器だけじゃない…防具もだ」

 

「防具も!?でもお金、本当に大丈夫なの?、」

 

「農場で集めてた鉱石と虫、売らずに残してた分も少しあるだろ。ギアノスやブランゴの素材もある。…これを基にして作ってもらえれば、全部位は無理でも、普通に買うよりは多少安く、今よりいい状態に出来るハズだ」

 

矢継ぎ早にそう言いながら、内心では別の感覚も膨らんでいた。

 

――これだ。

 

モンハンをやっていて、序盤の序盤を抜けたあとに来る、あの感覚だ。

 

採集して、少しずつ素材を集めて、報酬を足して。ようやく“一段強い装備”が見えてくるあのわくわく。

ただ狩りをするだけじゃない。狩りが次に繋げるのための力になる、あの感じ。

 

昨日までの俺は、正直そこを楽しむ余裕がなかった。

この雪山で生き延びることだけで精一杯で、ゲームみたいに装備更新へ胸を躍らせるどころじゃなかったのだ。

 

でも今は違う。

少なくとも、「次はもう少しやれるかもしれない」と思えるだけの気持ちの余裕がある。

 

「行くぞ」

 

「加工屋ね!」

 

 アクアが目を輝かせた。

 

「ついに私の太刀が本格的に女神専用の神刀へ――」

 

「そんな派手な方向には行かねえよ」

 

「夢がないわね!」

 

     ◇

 

加工屋には、相変わらず炉の熱気と鉄の匂いが満ちていた。

 

 女職人のおばちゃんは、俺たちの顔を見るなり鼻を鳴らす。

 

「また来たのかい、新米ども」

 

「また来ちゃいました…今日は前向きな話です」

 

「ほう?」

 

「コイツを強化、できませんか」

 

その一言に、おばちゃんの目が少し細くなった。

 

「……へえ」

 

 試すような視線が、俺からアクアへ、アクアから俺へと動く。

 

「ちょっといい顔してると思ったら、そういうことかい」

 

「いい顔かどうかは知りませんけど」

 

「ま、良いさ…素材、あるだけ出してみな」

 

 俺は袋の中身を机へ広げた。

 

 鉱石類。

 小型モンスターの牙や皮。

 轟竜の鱗。

 農場で確保した虫素材。

 数は多くない。だが、ゼロでもない。

 

 アクアも横から一緒に袋をひっくり返す。

 

「ちなみに魚は?」

 

「小魚は武器にならないよ」

 

「えー…え、おっきいのなら武器に?」

 

「なるものもある」

 

「…絶対釣って持ってくるわ!!」

 

「はいはい」

 

おばちゃんはアクアを聞き流しながら素材の山をざっと眺め、いくつか手に取ってから、ふんと頷いた。

 

「悪くない。最初の強化なら十分だね」

 

「本当ですか!?」

 

「ああ、武器は今の鉄をコイツら打ち直して、一段階刃を強くできる。防具も、今のただ寒さをしのぐだけの格好から、少しはハンターらしいものに寄せられるね」

 

 その言葉だけで、心臓が少し速くなる。

 アクアも隣で身を乗り出していた。

 

「ねえねえ、私のも強くなるのよね!? もっとこう……すぱーんっていける感じに!」

 

「アンタは本当に語彙が不安だねえ……。まあ、切れ味も重さの乗り方も、今よりはマシになるさ」

 

「やった!」

 

「ただし」

 

 おばちゃんが太い指を一本立てる。

 

「最初から何でも望めると思うんじゃないよ。金や素材は有限だ。新米は“全部ちょっとずつ良くする”より、“まず要るところを堅実に上げる”方が良い」

 

「……それは、まあ…その通りですね」

 

 装備更新で一番楽しいのは、あれもこれも欲しくなる瞬間だ。

 そして一番危ないのも、そこだ。

 

 ゲームの中でもそうだった。

 格好いい見た目、気になる派生、派手な性能。あれこれ目移りする。

 だが序盤は大体、ちゃんと使う武器を伸ばして、必要な防具で死ににくくするのが一番強い。

 

「片手剣の方は、堅実に強化。基礎的な切り方での通りが少しよくなるだろうよ」

 

「はい」

 

「太刀の方は……アンタは、振り回す癖がまだ抜けてないだろ」

 

「うっ」

 

「だから、重すぎる刀身にはしない。身体が持ってかれるだろうからね。取り回しが残る形で一段だけ上げる」

 

「……はい」

 

「防具は二人とも、最低限の防寒を残したまま、モンスター相手に少しマシになるよう組み直す。今のままだと、雪玉一発で情けない顔になりすぎるからね」

 

反論できず、アクアが口を尖らせた。

 

俺は改めて自分の片手剣を見た。

今までずっと命綱だった一本。

軽く、扱いやすく。

最初見た時は頼りないと正直思った。

そんな頼りないけれど頼るしかなかった一本。

 

それが少しずつ強くなる。

 

――いい。

 

すごく、いい。

 

「ねえカズマ」

 

「ん?」

 

アクアが小声で寄ってくる。

 

「何か、楽しんでる?」

 

「え」

 

「口ではいつも通り偉そうなこと言ってるけど、目がちょっときらきらしてるわよ」

 

「……そうか?」

 

「してる」

 

自覚は、あった。

 

楽しいのだ。

怖さが消えたわけじゃない。

けれど、その怖さと同じ場所に、久しぶりにわくわくが戻ってきていた。

 

「まあ、その……」

 

「その?」

 

「こういうのは、嫌いじゃない」

 

「へえ?」

 

アクアはにやっと笑った。

 

「ゲームやってた時のこと、思い出してるんでしょ?」

 

俺は思わず眉を上げた。

 

「何で分かった」

 

「分かるわよ。その顔、ちょっとだけ子供っぽいもの」

 

「誰が子供っぽいだ」

 

「今のあんたよ…ま、気難しい顔をしているより、それくらいの方がいいわ」

 

……悔しいが、否定しづらい。

 

そうだ。アクアの言う通り、オレは思い出していた。

 

村へ帰って、報酬を確認して、店に寄って、素材と金をやりくりして、ようやく強化できる装備を選ぶあの時間。

次の狩りが少しだけ楽になるかもしれない、という期待。

数字だけじゃない。“前へ進んでる”感じ。

 

あの感覚は……俺はかなり好きだった。

 

「じゃ、決めな」

 

おばちゃんの一言で意識を戻す。

 

「片手の強化、防具の補強。全部まとめてやるなら、金は結構使うよ?」

 

「……」

 

それは、つまり…ほぼ使い切るということだろう。

それはちょっと怖い。

 

またすぐ金欠になるかもしれない。

けれど、ここで抱え込んで温存したところで、弱いまま雪山へ放り出されるだけだ。

 

「やりま「やるわ!」…」

 

言おうとしたら、隣からの声が重なった。

 

「…お前、妙なとこだけ判断早いな」

 

「だって強くなるのよ!? やるに決まってるじゃない!」

 

おばちゃんは小さく笑った。

 

「そういう勢いは嫌いじゃないよ。なら決まりだ」

 

     ◇

 

 炉の音が響く。

 

 鉄を打つ音。

 革を裁つ音。

 金具を締める音。

 火花が散り、熱気が揺れる。

 

俺とアクアは、少し離れた場所に立ってその様子を見ていた。

 

「……へー、すごいわね」

 

「まあ、鍛冶屋だからな」

 

「そういう意味じゃなくて! 見てるだけで何か、ちゃんと“装備作ってる”って感じがするじゃない」

 

「…見たまんまじゃないか」

 

「うるさいわね!」

 

 だが、アクアの言いたいことはなんとなく分かる。

 

ゲームの中では、強化は一瞬で終わる。

素材を渡して、決定して、はい完成。

でも今は違う。一本の武器が、見ている目の前で、ちゃんと叩かれ、削られ、形を整えられていく。

防具も、古い布や革を流用しながら、少しずつ“狩り用”に寄っていく。

 

その工程が見えるだけで、やけに現実味があった。

 

「おい、新米」

 

 おばちゃんが呼ぶ。

 

差し出されたのは、打ち直されたオレの片手剣だった。

 

「持ってみな」

 

「……おう」

 

 受け取る。

 

 ずしり、と来るほどではない。

 だが、前よりも明らかに芯がある。刃の厚みも、重心も、手に伝わる感触が少し違う。

 

「どうだい」

 

「……いい、ですね。馴染みます」

 

 思わず素直な感想が漏れた。

 

軽さは残っている。

でも頼りなさが減っていた。

“弱いから仕方なく持つ武器”じゃなく、“今の自分にちょうどいい武器”へ少し近づいた感じだ。

 

「…そういう顔を見ると、やっぱり新米は嫌いになれないね」

 

「どんな顔してます?」

 

「おもちゃ屋に連れてかれたガキみたいな顔」

 

「…ひでえ例えだ」

 

思わず笑い合う。

 

「ねえねえ、私のは??」

 

「アンタのももう出来あがるさ、、っと……おーい、持ってきてくれ!」

 

奥から鍛治を手伝っていたと思われるアイルーが顔を出す。

先ほど目にした時は、熱を帯び赤くなっていた刀身だったが…、しっかりと鞘に収められ持ってこられたようだ。

 

アクアも自分の太刀を受け取っていた。

 

「ありがと!さてと」

 

刀身を抜き出す。

どことなく鈍色であったものから、

空をも映り込ませる銀色になっていた。

 

「どうだい、そっちは」

 

「……え、ちょっと、何かほんとに格好よくなってる!」

 

「見た目だけで喜ぶなよ」

 

「違うわよ! ほら、こう、握った感じが前よりちゃんとしてる!」

 

「お前の表現はちゃんとしてないんだよ」

 

「でも分かるの! 前はなんか“持たされてる”感じだったけど、今は“私が振る武器”って感じね!」

 

 たぶんそれは、俺が感じたのと同じことだ。

 意外と的を射ているのでないだろうか?

 装備が自分に近づくのと、自分が装備に追いつく。

 その中間みたいな感覚。

 

感動を覚えていると続いて、防具も渡された。

 

 完全な別物ではない。

 だが、初期のただ寒さをしのぐだけの格好より、少しだけ厚みがあり、継ぎ足された革や金具に“狩るための装備”らしさがあった。

 

「…いいわ、いいわいいわっ!!」

 

 アクアが目を輝かせる。

 

「何か一気にハンターっぽくなったわね、私たち!」

 

「…ああ、そうだな」

 

本当にそうだとおもう。

 

昨日までの俺たちは、突如この世界の雪山に放り込まれた、いわば遭難者の延長みたいなものだった。

武器はある。

だが装備は頼りなく、なにより心にも余裕がない。

 

けれど今は違う。

ゲームでは大した強化じゃない。

それこそ、序盤のほんの一歩に過ぎない。

それでも、ちゃんと“次へ行く準備が整っていく”感覚がある。

 

新たな防具の留め具を締めながら、アクアがくるっと一回転した。

 

「どう? 似合う?」

 

「…転ぶなよ?」

 

「感想がそれなの!?他に言うことがあるでしょ!!?」

 

「いや、悪い…似合ってるよ」

 

「ほんと!?」

 

「前よりかはだいぶハンターっぽい」

 

「やった!……いや、前よりか“は”って何よ!?」

 

「前は無理して雪山用コスプレしてる感がすごかった」

 

「台無しじゃない!」

 

それでも嬉しいらしく、アクアは何度も腕や肩を動かして装着感を確かめている。

 

「ねえ、カズマ」

 

「何だ」

 

「何か、ちょっとだけ強くなった気しない?」

 

「ちょっとだけ、だけどな」

 

「でも、ゼロじゃないでしょ?」

 

「……ああ」

 

ゼロじゃない。

それが大きかった。

 

ティガに遭った記憶は残っている。

怖いものは怖い。

だけど、その恐怖に対して、昨日までより少しだけ“こっちにも積み上げたものがある”と思える。

 

たぶん、メンタルってそういうところで変わるのだ。

根性とか気合だけじゃない。

武器が強くなった、防具が少しマシになった、自分たちが前より死ににくくなった。

そういう現実的な裏付けがあるから、前を向ける。

 

「ありがとうございました!」

 

俺がお礼を言うと、おばちゃんは肩をすくめた。

 

「礼を言うのは、次の狩りから生きて帰ってきてからにしな。それでまた素材を持ってくるんだ。鍛冶屋ってのは、そうやって長く付き合うもんさ」

 

 ほーんと、この村ってば現実主義者が多い。

 

     ◇

 

加工屋を出たあとの空気と足取りは、行きより少しだけ軽かった。

 

 雪は相変わらず冷たい。

 村も相変わらず小さい。

 財布の中身もだいぶ軽くなった。

 

 それでも、足取りは妙に悪くない。

 

「ねえ、ねえ」

 

 隣でアクアが、やたら上機嫌に太刀の柄を撫でていた。

 

「今ならギアノスとか、すぱすぱいける気がするわ」

 

「その自信が一番危ないんだよ」

 

「何よ、せっかく強くなったのに!」

 

「強くなったからこそ、調子に乗って死ぬのが初心者だ」

 

「うっ……何か、ゲームしてた人っぽい発言ね」

 

実際、そんなやつは周りで腐るほど見てきた。

 自分も含めて。

 

 少し装備が整う。

 すると急に世界が易しくなった気がする。

 その勘違いの先に、大体痛い目が待っている。

 

…だが、勘違いしない範囲の高揚なら、むしろ必要だ。

 

「……悪くないな」

 

「ん?」

 

「この世界のこういうの」

 

「こういうのって?」

 

「美味いもん食って、モンスター狩って、素材を集めて、売って、強くして。また次に行く感じ」

 

 アクアはきょとんとしたあと、ふっと笑った。

 

「やっぱり男の子は好きなのねー。そういうの」

 

集会所の前を通ると、夕方の光が雪へ反射して、村全体が少しだけ明るく見えた。

 

俺は新しい防具の肩をトントンと軽く叩き、片手剣の重みを確かめる。

昨日までと同じポッケ村なのに、昨日までよりずっと“準備がある”感じがした。

 

「次も、行けそうか?」

 

ふと口に出すと、アクアは迷いなく頷いた。

 

「ええ。今度はもっと上手くやれるわ」

 

「根拠は?」

 

「武器が格好よくなったから!」

 

「…まあ、それはそうだな!」

 

「そ・れ・に」

 

 アクアは少しだけ口元を緩める。

 

「今日のあんた、昨日よりずっとマシな顔してるもの」

 

「…みんなして顔かよ」

 

「アンタの顔は分かりやすいんだから、仕方ないわ!」

 

 否定はしなかった。

 たぶん、本当にそうなのだろう。

 

 怖さは残っている。

 けれど、それだけじゃなくなった。

 次の狩りへ行く理由がある。

 今の装備を試したい。

 どこまでやれるか試してみたい。

 

そんな気持ちがちゃんと戻ってきている。

 

雪の向こうには、まだ見ぬ理不尽がいる。

でも、それに踏みつぶされるだけじゃない。

 

「よし」

 

「何よ急に」

 

「次の依頼について、村長に聞きに行こう」

 

「カズマさんにしてはやる気じゃない!」

 

「…ただし無茶はしない!」

 

「そこは変わらないのね」

 

「当たり前だ」

 

「でも、ちょっと楽しみなんでしょ?」

 

「……まあな」

 

 俺がそう言うと、アクアは満足そうに笑った。

 

「じゃあ、今度はその新しい片手剣、ちゃんと見せなさいよ」

 

「お前は太刀、人に向けるなよ」

 

「まだ言うの!?」

 

そんな軽口を叩きながら、俺たちは再び村長が居る方向に足を向けた。

 

おぼろげな記憶を辿る。

物語の進行的に…次に待っているのは、ギアノスの群れの主。

 

昨日までより少しだけ強くなった俺たちの、最初の“ボス戦”だ。

 

大丈夫…俺たちならやれる。

 




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