貞操逆転世界の中堅冒険者   作:だいたいおおそよだいたい

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人生初投稿です。
クソ雑魚文章力ですが、楽しめていただければ幸いです。


貞操逆転世界の中堅冒険者

 転生。それはアニメや漫画、小説などではありきたりな展開。いや、近年は一つのジャンルとして成り立っている。

 

実際、ファンタジーの世界は憧れる。

しかし、それは空想の中での話。実際に自分がファンタジー世界に転生したいかと言われると、否。

 

ましてやそれが貞操逆転世界だと言うと、更に更に否。

そしてその世界が男女比1対5の世界かつ、文明レベルが精々中世止まりだと言うなら。

 

否否の否である。

 

んなゴムゴムの的な語感で言うのもあれだが、実際に俺はこの世界に男として転生してしまった。

 

この世界の女性は強い。先ほど述べた通り、ここは貞操逆転世界。

 

女性は自力も強く、魔力保有量も男性の何倍もある。そして性欲も。

確かに俺も性欲と言うものはあるのだが、わざわざこの世界女性を誘惑しようものなら、腹上死不可避。

蘇生魔法もあるにはあるが、死にとうないに決まってる。

 

俺は努力した。男でも戦えるように。魔力保有量も他の男性より多かった為、なんとか冒険者として一人で食っていけるようにはなれた。

 

しかし、一人で血反吐を吐くほど訓練し、実践し、運よく生き延びれてきたのに、所詮実力、実績共に中級者止まり。

 

天才どころか秀才にも一分野も勝てない。

しかし、俺はこの結果に満足している。確かに若い頃は現状を見て満足しなかっただろうし、更に努力の量も増やしたかもしれない。

だが、様々な人を見て私は強者共の格に入れるようなものではないと嫌というほど思い知った。

最近はこのまま停滞していてもいいのではないか、と思い始めている。

いや、詭弁だな。所詮は諦めただけなのかもしれないな。

 

なんて一人鬱々と考えながら俺は冒険者の依頼掲示板をぼんやりと眺めていた。

 

しかし、いい依頼がない。掲示板には冒険者になって数年の人なら楽々クリア出来るような依頼が連なっている。

しかしこの様な依頼はあまり金は貰えない。当たり前だけどな。

 

この世界には魔王のような人類の絶対的な天敵は存在しない。強いて言うなら女が男を支配する、男にとっての魔王のようなものだ。

まぁ現実は女性が素人処女(前の世界で言う素人童貞)丸出しの奴が多い為、男の尻に敷かれる方が多い。

というか男女比1対5なので男運無く一人悲しく朽ち果てる女性も多い。

 

まぁそんな女性達は同類同士で集まり、傷を舐め合うのがこの世界でのセオリーだ。

 

それはともかく、だ。

俺はこのギルドの近場からの依頼を複数枚、依頼掲示板から剥ぎ取り受け付けへと持っていく。

 

「ちょっと」

 

スライムは正面から剣の面の部分で叩き潰すのが効率がいい。

 

「ねぇってば!」

 

今日の晩飯は何処に食べに行こうか。

 

「おいフィル!貴方に言っているのよ!!」

 

フィル。それは俺の名前。そしてその俺の名前を呼ぶ小さなもふもふに目線を下げる

 

「どうかしたのか?アルティ。」

 

そこには全身モフモフの白猫獣人。今日も毛並みが美しい、俺とは少し昔からの知り合い。

 

「依頼書をみる限り、貴方またスライム退治のクエストを受けるのね? まぁ、スライム退治って無駄に体力だけは使うから、特別にこの私が着いて行ってあげてもいいのよ?」

 

「そうだな。是非着いて来てほしいものだが、お前S級冒険者じゃねぇか。S級はS級の仕事があるんじゃないのか?俺みたいなB級に構ってる暇あるのかよ。」

 

そう。こいつはS級。この世界に現在十数名しかおらず、一人で神話級の魔物を刈り取れるこの世界の頂点。

この街のギルドにも2人しかいない、正真正銘ギルドの最高戦力。

 

そうして俺はやんわりと断ったのだが、アルティは途端にニヤニヤしてこう答えた。

 

「そうね、私とあいつにしか達成出来ないクエストも少しあったわ。」

 

「おい、「あった」って過去形、まさかだが……」

 

「そう!!そのまさかまさかよ!取り敢えず今依頼されてるA級以上のクエストは終わらせてきたわ!」

 

化け物め。いや、化け猫になるのか?

数年前、アルティを拾った時は魔法も戦闘の才能も無かったのに、恐ろしいほど急成長したもんだ。

 

仕方ない。碌なことになる気はしないが。

 

「はぁぁ……わかった。一スライム退治、ついてきてくれないか?」

 

そう言うとアルティは更に口角を上げ、俺の太ももにくっついた。と言うよりがっしりホールドしてきた。もふもふな為すぐに熱が伝わってくる。熱い。あっつ!

 

「へへへ〜しょうがないわね〜私がフィルの分までスライムを絶滅するまで狩り尽くしてやるんだから!!」

 

心配だ。こいつ、毎度毎度オーバーキルが過ぎるから。

というかさっきからアルティが太ももから離れない。

 

これって貞操逆転世界だからヤバいのでは?実際周囲のアルティへ向ける目が呆れと殺気に満ちたものになっている。

 

不味い。太ももに張り付く白猫は毎秒ごとに体温を上げていく。今は湯たんぽが張り付いてる程の熱さだ。

 

「フーッ!! フーッ!!」

 

あー。もう息荒げてきてるよ。腰もへこへこと擦り付けてきてるし。

しかし剥がそうにも全く剥がせない。

カブトムシかよこいつ。

しかし変に抵抗して、そのまま襲われたら終わりだ。

 

自力でアルティに勝てるわけがない。

そんなこんなで俺はただ息を荒げるアルティを何処か他人事に眺めていたら、その発情した白い頭に一つの拳骨が落ちてきた。

 

「おい糞猫!何フィルに発情してんだ!しかもギルドのド真ん中で!てめぇは少し押しに弱そうなオスを見つけたらモモに張り付いて腰を振るだけの猿にでもなったのか?」

 

そう言い、アルティを俺の脚から引っ剥がす。

アルティを一方的に剥がせる怪力。それがこのギルドの頂点のもう一人であるS級冒険者のシース。

 

その容姿は、2メートル並みの巨体かつ黒髪のポニーテール。この世界はいくら女性のほうが強いとはいえ、2メートルレベルの身長は滅多に拝めるものではない。あと、胸がでかい。メロンやんけ。まぁ、この世界だと余り価値はないが。

 

「いやぁ…助かったよシース。俺じゃ下手に刺激するだけ悪手で、どうするわけにもいかなかったから。」

 

すると、シースは呆れたように俺に言い返す。

 

「あのなぁ…確かに過失はアルティ100だが、そうならない為に対策するのがお前の仕事だと思うぜ…冒険者自体男がほとんどいないしな…」

 

はい。まったくもう、ごもっともでございます。

 

「そうだね。すまなかったよ。次からはアルティをあんまり刺激しない様にするよ。」

 

そう咄嗟に謝ると、シースは更に更に呆れた顔でこう言った。

 

「お前なぁ…刺激も何もどういう事が女を刺激するか、いまいち理解してねぇだろ…」

 

本当にまずいな。正論すぎる。

 

「でもシース、俺はお前を信用してるんだ。なんやかんやでいつもアルティを引き剥がしてくれるし、注意も毎回してくれるじゃないか。頼りにしてるんだぞ?」

 

「ッ………!お前と言う奴は本当に……」

 

シースの頬が何故か紅潮し、俺からそっぽを向いた。

あれ、俺また何かやっちゃいました?(ゴミ)

 

お、アルティが目覚めたようだ。

すると冷静になったのかみるみるうちに顔が絶望の顔へと崩れていき、俺に恐る恐る近付いてきた。

 

「そ…そのさ…ちょっと今日性欲が凄くて…自我が消失してたよ…ごめん…」

 

「全然大丈夫だぞ。抑えきれそうにないのなら自宅にでも籠もっておくのが正解かもな。」

 

「うぅ…そうね…今日は自宅で反省してるわ…」

 

俺はよく分からないが、この世界の女性の性欲による悩みは異常と言ってもいい。実際、この世界の文化は中世、魔道具込みでも俺が前居た世界の技術とは比にならないほど下だ。

 

そんな文化レベルの中、性処理の道具は前世の何倍ものレパートリーがあるし、性癖も前世と同レベルまで開拓され尽くされている。

 

アルティをギルドの外まで見送ると、俺はシースに問う。

 

「お前は俺と一緒にスライム退治に行くつもりはないのか?」

 

「お、お前と私二人きりでか!?って、スライム退治か…私のような巨体だと、スライムが多く隠れている下水道の捜索でできないからな…遠慮しておくよ…」

 

あ、そう。俺一人か。まぁ、別に良いし。確かに、ただでさえ男が少ないギルドで好きでもない男と二人きりなんて、誰でも嫌か。

 

 

 

 

 

さて、気を取り直してスライム退治、向かいますか。

スライム。と言ってもこの世界のスライムは草原にもいるものの今から討伐、いや駆除しに行くのは街の中に潜むスライムだ。

街に生息するスライムは、小さなゴミを主食としているため身体が街の外の森や草原に暮らすスライムより小さい。

 

その代わり繁殖しやすく、死骸が側溝に詰まったり、ジェル状な為汚れを巻き込みヘドロと化し、悪臭を放つなど立派な公害となっている。

 

俺は役所へ向かい、冒険者証とギルドのスライム駆除依頼の正式な書類を渡す。下水道への鍵を貰い古びた石階段を下っていく。

 

下水道と言うと悪臭漂う印象だが、この国には近年浄化の魔道具が一般市民にも出回り、糞尿は誰でも簡単に浄化で水や粘土にすることが可能となった。

 

なので、新しい家には下水道への配管がなくなりいつしか正式に下水道は封鎖された。なので下水道の水は枯れているし悪臭もそこまでしない。そこまで。

 

しかし封鎖され、補修がされなくなっておおよそ半世紀。

壁や床、天井の石レンガにはヒビが所々入っており、スライムが入り込むにはとてもいいスペースだ。

何よりスライムの餌になる苔が豊富に生えている。

 

このスライム、明確に敵対しない限り襲ってくることはないのだが、一度敵対化すると容赦なく器官目掛けて飛び掛ってくるため子供が喧嘩を売ってそのまま襲われ窒息死。というケースが後を絶たない。

 

しかし、駆除しても駆除しても永遠に湧いてくるいたちごっことなっており、お国もスライムの死骸を市役所や冒険者ギルドに献上したら、その重量に合わせて金が貰えるのだが、それがまぁ異次元の効率の悪さ。

 

日雇いの方が何十倍も稼げる。餓鬼の小遣い稼ぎにもならない。

 

そのためその土地の地主や貴族がスライム駆除の依頼を出す羽目になっている。

 

さて。そんな厄介極まりないクソゴミ害悪スライムの駆除方法。それは単純明快なやり方。

餌を置き、周りに粘着剤を撒く。

スライムは体の多くが水分でできているため、粘着剤など粘度の高いものを取り込むと一次的だが動きが鈍くなる。

 

そこに剣の面の部分を叩き込むという寸法だ。

 

俺は下水道の元水路の部分に降り、腐敗した肉や糞尿を混ぜたモノを魔物の素材保存用の魔道具でもあるバックから取り出す。

 

俺はスライム駆除の依頼をよく受けるため、専用の収納バックを買っているのだ。まぁ1キロも入らないの初心者冒険者用なのだが。

 

そしてそこを中心に木の樹液を調合してつくった接着剤的ともトリモチ的ともいえる物体を撒く。

顔にマスク代わりの布を巻いているのだが、かなり匂いがきつい。というか何もしてなくても顔が顰む。

 

すると、老朽化が進んだ石レンガの隙間からニュルニュルと大量のスライムが。

前世のゲームで見るような透明や青がかった透明なボディではなく、街の汚れを取り込んだ薄茶色のスライムが。

 

スライムは単体で分裂できる為、一匹でも多く狩らねば。

俺は無心でトリモチ的な物を取り込み、動きが鈍くなってスライムに剣の面を叩きつける。

 

パンッ。 パンッ。 パンッ。 パンッ。

 

まるで音だけ聞くとエッチいことをしている様に聞こえるが、実際はしょぼくれたおっさんが一人さみしくスライム駆除に勤しんでいるだけだ。

 

本格的な駆除開始からおよそ数時間。途中からはスライムの死骸にスライムがおびき寄せられる、正に入れ食い。

 

これぐらいの作業なら、体力のある一般女性なら出来そうだと思うかもしれないが、油断すると無事呼吸器官に侵入されてお陀仏だ。

 

前世で例えると石綿撤去作業。いや、それ以上に危険な作業なのである。まぁ石綿もめちゃ怖いが。

さて、相当な量のスライムを駆除し終えた俺は役所でもらったスライムが忌諱する成分を持つ薬品を下水道一面に撒く。

 

後は死んだヘドロとトリモチまみれのスライムを一箇所にまとめる。 後の作業は回収の依頼を受けた人々が行ってくれることだろう。

 

「ふぅ〜〜疲れたぁぁぁ…」

 

そう絞り出すように声を出した俺は、今日も今日とて依頼主の役所から達成書を貰い、ギルドへ報酬を貰いに戻るのだった。

 

俺がギルドに戻ると、直ぐにいつもと空気が違うことに気付いた。周りの冒険者の視線は2人の英雄に向けられている。

 

「また、S級の方々が伝説の魔物でも討伐したのかい?」

 

俺は近くにいたギルドの職員に問いかける。

すると職員は即答。

 

「そうなんですよ!伝説と言われてきたレッドドラゴンをたった2人で、かつ五体満足で倒してしまわれるなんて!」

 

レッドドラゴン。かつて街を複数焼き払ったとも言われる正真正銘の最強種の一角。

憧れや驚嘆、感動の眼差しを向けられ誇らしげな顔を浮かべたアルティとシースが目に入る。

 

昔は俺もこの様な目線を向けられたいと死に物狂いで努力をしてきたが、俺には出来なかった。成れなかった。

 

あいつらへの軽い嫉妬と自分への失望が喉から込み上がってくるが俺は即座にそれを飲み込み、足早に酒場へと向かうのだった。

 

馴染みの酒場へと到着した俺は、店の端のカウンター席に座り、何時も頼む肉と氷水を頼む。

 

酒。それは現実逃避にもってこいな飲み物だ。

しかし俺はそれを飲まない。

何故なら。

 

「お〜いフィルぅ………今日も酒を飲まねぇのかぁ??」

 

「そうだぜフィルぅ…辛いことから目を背けつつ、あわよくば俺らとセッ「遠慮するよ。何時も言うが俺は酒が弱い。少しでも泥酔したら俺が食われるだけだろ。性的に。」」

 

俺は何時も絡んでくるチンピラ冒険者に断りを入れる。

コイツらも俺と同じ夢を諦めた冒険者。昔はコイツらも俺もキラキラしてた…はず。

コイツらの俺に向ける目は昔からギラギラしているが。

 

「それにしても、相変わらずスライム駆除は面倒くさいったらありゃしない。」

俺は頼んだ串肉を頬張り、こいつらに愚痴る。

 

「そんな事せずにS級の英雄様お二人に媚を売っておけばいいのによぉ…お前、男なんだぜ?」

 

「そうそう!俺もハーレムの一人に入れてください!…って土下座すりゃあの英雄様方は即答でOKしてくれるだろうに。」

 

まーた言ってるよ。この話も耳にタコができるぐらい聞かされている。と言うか酒場で合う度に言われてる気がする。

 

「いくら男性が少ないとはいえ、アルティとシースは俺みたいな地味ーな〜おっさんには見向きもしねぇだろ。第一、俺はイケメンでもないし、モテる要素なんて何処にもねぇだろ。夢を見るほど現実逃避はしてねぇよ。」

 

すると、休み時間の教室程の話し声が聞こえていた酒場が、一瞬でしん……となり、皆にジトッとした目で軽く睨まれる。

 

あれ、もしかして皆の地雷踏んだ???

また俺何か言っちゃいましたか??????

 

(それがいいんだろうが…)

 

(地味な中年差し掛かりムチムチ男冒険者って…需要しかねぇだろうが…)

 

(はぁ…これだからこの無自覚阿呆は…でもそれがいいんだが♡)

 

あぁ。空気が。空気が悪い。もしや相当皆の地雷を踏んでしまったらしい。

しかし俺は空気の読める男。()

残った串肉を一気に氷水と一緒に流し込み、早足で酒場を立ち去る。

 

「ジャア、オレハカエルトスルヨ」

 

俺はそう情け無い発音の仕方で別れの言葉を切り出し、古びた木のドアを勢い良く滑らかに開け、逃げるように立ち去った。

この酒場、先払い方式でいつも助かってるぜ。

 

しかし、いつもより相当早く酒場を飛びた出して来てしまった。まだ特別眠い訳でもないが、たまには早寝でもするか。

 

俺は街の目印でもある時計塔に目を向ける。暗くて目を少し凝らすると、時刻は大体10時。

何時もより1時間ほど早い。

そのため俺はのんびりと考え事をしながら貸家への帰路についていた。

 

それにしても結婚、か。前世でもする前に死んでしまった為、結婚について経験したことは無いのだが、前世と違いこの世界は一夫多妻が基本。

 

だが上位の冒険者や貴族王族は周りに男を囲い、それはもう酒池肉林な生活(性活)をしている。

しかし、アルティもシースもその様子が見られない。 

単純に男に興味がないかと言われると、それは絶対に否。

 

俺は前世の価値観が無駄にこびりついてしまっているため、この世界では目茶苦茶ガードの緩い男として見られている。

 

しかし、実際に強姦された事もないしその前世の価値観も合わさってあまり不快感はない。

 

その為、「お前はなぁ…ふとした時にチラリズムを発動し、私達に劣情を抱かせてしまっている。このままだといつか襲われるぞ…」と、シースに再三注意されているものの、俺を見る目は無茶苦茶ギンギン。

 

アルティに至ってはもう俺に向ける劣情を隠しきれていないどころか、嗜虐的な笑みを浮かべ、涎垂らしとる。

白猫の、かつ気品のある獣人だから何故か絵になっているだけで、普通なら即通報モノ。

 

だから、男に対してそういう感情を持つ奴等だって事はよーく知っている。

しかもあの二人はそう言う視線や表情を向けるだけで、直接手を出してくることはほとんどない。

 

え?朝のギルドでのアルティの腰へこ俺の太ももにカブトムシホールド?

知らない娘ですね。

まぁ真面目な話、あそこまで取り乱しているアルティはほとんど見たことがない。

恐らく獣人の特性であるめちゃ強い発情期が関係しているのだろう。多分。

 

しかし、二人共に根は真面目そのもの。英雄に相応しい精神性だ。

そう考えながら自宅に着いた俺は、少しコーティングが剥がれてきたドアノブに手を取る。

 

……?そういえば鍵閉めてたはずなんだが。

年を取ると物忘れが激しくなると言うが、まだ俺はギリギリ20代。

さすがにそんなこと……いや、老化とは恐ろしいもの。

これからも付き合っていかねばならない。前世も合わせれば50代にもなるし。おっちゃんだな。

 

しっかし、俺も実力は無いにしろ、アルティとシースの精神性や英雄とも言われるほどの高潔さは見習わなけばな。

あれでもこの世界じゃ相当紳士だ。

 

そう決意をまとめた俺は、部屋着に着替えるために少し勢いよく寝室のドアを開ける。

 

 

 

そこには俺のシーツとパンツで自慰行為に励んでいたアルティとシースが目に入った。

 

 

 

あぁ。もういやだ。この世界。

 

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