貞操逆転世界の中堅冒険者   作:だいたいおおそよだいたい

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前回のあらすじ!

ムラムラする〜

→色街いって性処理用魔道具買お

→色々あったけど買えたわ

→シースにホットミルク用意してもらった。惚れるて


オラッ!淫乱ガス! あと復職

シースにホットミルクを用意してもらってから翌日。

 

目が覚めると9時過ぎ。

いくら昨日寝るのが遅かったとは言え、寝過ぎたか。

いや、寝たのは今日になるのか。

 

俺はまだ重い瞼を擦りながら、桶に水魔法でトプトプと水を溜めていく。段々上がっていく水位。

それを俺はそれをぼんやりと眺めている。例えるなら冬、顔を洗う為にお湯にして温かくなるまでぼんやりと待っているような感覚。

 

しかし、いい加減冒険者の活動を再開しなければ。

屋敷に居候する様になってから早5日目。

余りに居心地が良く、早く動き出さねばこの事を再度考えるのは一ヶ月後だろう。

 

俺は顔を溜まった水で顔を洗い、動物の毛で作られた真っ白な歯ブラシで歯を磨く。

これはアルティに貰った一級品の歯ブラシ…らしい。

なんか最初は獣臭…の様な匂いが鼻を突いたのだが、慣れると案外癖になってくるもんで。

この癖になる匂いも一級品たる所以だろう。

 

朝の身支度を終えた俺は階段を降り、調理室にある少し大きめのパンを1つかじる。

 

硬いが俺が前まで食べていたパンよりは全然まし。

というか水に浸さないと禄にかじれなかった。

金槌代わりになるからな。これでゴブリンを不意打ちで叩き殺したこともある。

 

俺はパンを飲み込み、調理室を後にする。

目指すは訓練場。最近はクロとシロの2人と余り話せていない。たまには顔を見せるとしよう。

 

訓練場にはアルティによる強力な防音魔法と防御魔法が張られており、軽いジャブでオリハルコンやアダマンタイトでさえ木っ端微塵になるシースの打撃をもろともしない強度。

 

2人が全力で暴れられる様に張られている魔法だ。

そもそもあの魔法なしで本気で暴れられるとこの街一帯大きなクレータになる。

 

なんかS級冒険者だけ強さがドラゴンボールなんだよなぁ。

そんな彼女等が徒党を組まねば討伐出来ない化け物もいるのが終わっているが。

 

訓練場が見えてきた。

そこにはクロとシースの姿。クロがシースに向かって拳を打ち込んでいる。

一撃一撃はまだ俺と同程度だが、速さは俺を超えてきている。あれ?保護したときは年相応の強さだったのに。

まだ修行数日目だぞ。

 

「あ!フィルさん!見てください、新しい技覚えたんです!」

 

「おう、フィルか。おはよ。コイツ、結構見込みあるぜ。」

 

「お、二人共おはよう。それでクロ、どんな技だ?」

 

「おいクロ。手加減してやれよ?」

 

クロとシースは二人でニヤニヤと悪そうな笑みを浮かべている。ムカつくな。

 

「手加減しなくても大丈夫だ。これでもB級として名を馳せてるんだ。全力で来い!」

 

(エロいから有名なだけなんだよなぁ…)

 

(それってフィルさんがエロすぎるから有名なだけでは?)

 

シースとクロはどこか呆れた顔をしているが、んなことどうでもいい。

 

「ほら、早く来い!全力で相手してやる!」

 

そう啖呵を切る。

 

「なら…いきますよ!」

 

クロはそう言うと両手を構える。

 

へ?体術関連じゃなくて術や魔法?

 

「オラッ!淫乱ガスっ!」

 

は?

 

「お前、なにいっへりゅ…?」

 

身体が熱い。呂律もまわらない。

そういえばクロ、サキュバスだったな。

 

「お!効いとる効いとる。おいフィル、油断したな?」

 

「ふふん!シースさんによると私、術の才能が突出しているらしいのです!」

 

「う…うごけん…はや…く…薬…」

 

まずいまずい。何でこんな目に。

今、体を触られただけでなさけ無いおっさんの声が訓練場周辺に木霊することになる。

かと言っても足の力が抜けてとても歩ける状態じゃない。

 

「済まなかった済まなかった!発情解除の薬はある!アルティがよく発情するからな!確かここの袋の中に……?あれ?あ?ん?………。」

 

「は?お、お前…まさか?」

 

「あ、あの袋ならアルティさんが持っていきましたよ?」

 

終わったー。と、誰もがこの状況に陥ったら思うはずだろう。だが、俺には一応秘策がある。

 

今は破毒の魔法を使おうにも魔力を練れる状態ではない。

 

「お、おいクロ、シース…頼む…俺の鞄のなかに…青の小瓶があるはずだ…それを俺によこせ…」

 

「わ、わかりました!」

 

「わかった!」

 

二人は俺の鞄をゴソゴソと漁り始める。

 

「…なんかいい匂いするな…」

 

「わかります…。」

 

あの二人…真面目に探してるのか?

こちらまで話し声は聞こえないのだが、禄な会話をしていない気がする。

 

「あったぞ!これだな!」

 

シースが手に持つのは俺のお目当て。

いざという時のために常備している破毒のポーション。

 

「それ…だ。早く…」

 

本当に風が当たるだけで感じる。おっさんが感じても気持ち悪いだけだぞ。誰が喜ぶんだ。

あっ。この世界だと女性は皆喜ぶだろうなぁ。

改めて思うがなんて世界だ。まぁ二度目の人生歩ませてもらってる時点で文句言える立場ではないのだが。

 

「これを飲ませればいいのだな!ほら!」

 

あ、ちょっと!今体に触れたら…

 

「ゔっ♡」

 

シースが俺の肩に触れた瞬間、なんとも言えないこそばゆい快楽が肩を中心にゾクゾク…と広がる。

我ながらなんともまぁ気持ちの悪い声だ。

確実に文字にすると♡が付く。

 

「お…俺に触れるな…。口を開けるからそこに注げ…」

 

「お、おう♡わかったぞ♡」

 

ん?

なんかシースの声に色っぽさが含まれていたような…?

 

「ほら、アタシが出すポーション、たーっぷりと飲め♡」

 

なんかクソ気持ち悪い言い方だな…。

そう思いながらもトローっと垂れてくるポーションを俺は口に含む。

 

「……ゴクン。にげぇし変に甘い。」

 

なんかもう快楽なんてどうでも良くなる苦さ。

これだからあまり使いたくなかったのだ。この世界のポーションと名のつくものは良薬は口に苦しな場合が殆ど。

破毒のポーションはそれを改善しようと変に甘くなっている。完全に俺は蛇足だと思う。

 

「どうだった?私の甘~いポーション♡」

 

こいつ…昨日で上げた好感度がもう地の底にいっているぞ。

 

それはともかく。俺は体を動かし、どこにも異常がないか確認する。……大丈夫そうだ。

 

「おいクロ、シース…こっちに来い。怒らないから。」

 

俺はあの時の下着の件の様に、優しく優しく呼びかける。

 

「……わかりました。」

 

するとあの時とは違い、全てを察したような顔で二人はこちらに近付いてくる。

 

「まずはクロ。淫乱ガスは俺以外誰に使ったんだ?」

 

「えっと…その前に…ごめんなさい!!あと、シースさんと…アルティさんに…使いました。」

 

あー。それはクロを叱る気にはなれん。

アルティとシースは常人なら1ミリグラム摂取すると即死する毒を1リットル以上飲んでも勝手に解毒してしまう化け物。

クロの件のガスの訓練にあの二人にしか放っていないなら、力加減もわからないはず。

 

それに彼女は人生の殆どを牧場で過ごしている。それにまだ彼女は年齢十数歳。しっかりと注意だけしよう。

 

ただしシース。お前は駄目だ。

 

「気にしなくていい。力加減は経験して覚えて行くものだ。だからクロ、次は手加減できるな?っていうかそもそも人に向かってあんなガス撃つな?」

 

「う、うん。ごめんなさい!」

 

よろしい。

そうやって謝れる子はいい子だ。

 

「あー。アタシは?」

 

俺はシースをフル無視する。

シースという女、言動は少々荒々しいし筋肉隆々だしで一見怖い印象を持ちがちだが、メンタルはアルティと比べて激弱なので、一日無視しておくだけで勝手に死ぬ。

 

「な、なあ。」

 

「…………。クロ、俺少し依頼見に行ってくるよ。シロにもそう言っておいてくれ。」

 

「はい。わかりました!」

 

「お、おい。その…悪かったって。」

 

俺はシースを無視し、訓練場を立ち去る。

なんか可哀想になってきたが、たまには灸をそえねば。

 

 

 

 

冒険者ギルドに到着する。

ここに来るのもおよそ1週間ぶり。

まるで夏休み開けの教室に入った気分。どこかが懐かしい。

 

ギルドで依頼を探す冒険者やそれを受理するギルドの職員は、俺の存在に気づくと一斉に話しかけてくる。

 

「お前!?無事だったのか!?てっきり監禁か襲われてその辺で野垂れ死んでるのかと!」

 

「フィルさん!無事だったのですね!噂では裏社会に踏み込みすぎて消されたというデマが広がっていたのですよ!」

 

「フィル!お前さん、怪我ねぇか!?」

 

なんだか、みんのが俺の事を認知してくれていて、尚且つ心配もしてくれていたという事実に少し胸が熱くなる。

 

「大丈夫だ。火の不始末で家が燃えて、しばらくの所あいつら二人の屋敷に泊めてもらってただけだ。」

 

そう説明をすると、周りはなんだ。何時もの二人の仕業か。と、心配していた皆は一転。皆は何事も無かったかのように日常へと戻っていく。

 

まあ…あの二人、S級冒険者になる前からトラブルメーカーと呼ばれて遜色ない暴れっぷりだったからな。

 

俺は気分を切り替え、壁に貼られた依頼を一つ一つ確認していく。スライム退治は……あれ?

 

俺はもう一度辺りの依頼を目に通す。

やはりだ。スライム退治が無い。

異常だ。冒険者人生早10数年。こんな事態は一度もなかったぞ。

俺が1人困惑していると、それに気付いた職員の1人が俺に声をかける。

 

「フィルさん、スライム退治をお探しですか?」

 

「あ…あぁ。下水道が崩落でもしたのか?」

 

「いえ。実は最近、置くだけで一瞬でスライムを駆除できる魔道具が開発されまして、駆除業者を呼ぶ必要がなくなったのですよ。」

 

「そう…かぁ。技術は進歩していくものだなぁ。」

 

「まったくですね…」

 

そうか…。冒険者になってから小遣い稼ぎと訓練を並行してできたスライム退治には度々世話になっていたのだが…

時代は変わるもの。仕方なく他の依頼を受けるとしよう。

 

俺は普段目につけないような依頼に目を通していく。

 

一角うさぎ駆除…昔内臓貫かれた事あるから嫌だ。

 

ゴブリン討伐…前犯されかけた奴らの相手はしたくない。

 

レジェンドウルフドラゴン討伐…S級の任務じゃねぇかこれ。

 

薬草採取…これだな。久しぶりの依頼は戦い無しのほうが好ましい。今日はピクニックついでに薬草を探そう。

 

俺は依頼の紙を剥ぎ取り、職員に渡す。

 

「薬草採取ですね。詳しいご説明は必要ですか?」

 

「いい。大丈夫だ。」

 

俺は薬草採取の為に街の外に出る。

この世界の街は基本的に壁に囲まれている。

魔物の進行が定期的に起こるし、街の堅牢さでそこの貴族や地主の権力を誇示していると言ってもよい。

 

まぁ堅牢にしすぎて生活しにくくなり、人が居なくなって最終的には滅んだ街もあるが。

 

検問所にて冒険者証と薬草採取許諾の書類を兵士に見せる。

 

「B級冒険者のフィルさん…薬草採取ですね。承諾しました。お通りください。」

 

「おう。感謝するよ。」

 

そう軽く礼を言うと検問所の兵士は顔を赤くする。

まあこの世界の男性は基本的に甘やかされて育ってるからな。

傲慢なやつも一定数いる。そう言う奴はそう遠くない未来、わからされるだろうが。

 

まあ半分ぐらいは金になるから生まれて数年で性奴隷として売られるのが普通だけど。

 

俺はそんな事を考えながら草原を進む。

本当に何もない。街の前は検問所待ちの人々が泊まる宿屋や馬小屋などが点在していたが、数百メートル離れると街道という名の少し整備された道のみ。

 

後は俺みたいな冒険者や旅の商人が泊まったキャンプ跡がぽつぽつあるのみ。

ここまで広いと遠くまで見えるが、俺の街の逆方向に見えるのは見えるのは木々と地平線のみ。

アルティの転移魔法なしでは他の街や国への移動に1週間程はかかるであろう。

 

こんな草原に魔物はいるのか?と思うかもしれないが、いない。人通りが一定数あるこの辺りでは魔物はいない。

魔物とて生き物。と言うか魔物と人間の違いはあまりない。

 

奴らだって知性を持つものもかなりいる。

人間や獣人などとの違いは、周りの奴らに攻撃的か否か。

 

正直前のゴブリン進行だって周りを略奪しつつ進行せずに、自ら領地を切り開いてゴブリンの街を作り、そのうえで宣戦布告をしていたらただの一国との戦争となっていただろう。

 

そんな事を考えながら足を進めていると、目的の場所へと到達する。ここは前俺がゴブリンから逃げ込んだ雑木林の一部。

 

山の方から流れてくる川には魔力が含まれており、質の良い薬草が育つスポットとして有名だ。

 

普通の薬草なら刈り尽くされるだろうが、この薬草をポーション等にするには特別な技術がいる。

それに裏での売値は極めて低い。

 

その癖許可書が無いと街にも持ち入ることができない為、違法採取は少ない。

 

川辺の草をかき分け、薬草を探す。

薬草自体はそこそこ生えているが、選別すると90%以上は採取する対象に満たない。

昔は一つ一つ確認していたが、慣れてくると触り心地と大きさ、葉の多さで大体分かるようになった。

 

俺は選別しながら川の上流に向かって進んでいく。

別に下流に向かうのも良いが、採取完了した時に一気に下流の方へ下るのが楽しいからだ。

餓鬼みたいな理由だが、餓鬼みたいな遊びは大体どの年齢になっても楽しい。

 

「完了…か。」

 

俺はそう呟く。しっかしかなり時間がかかってしまった。

よくこのクエストを受けていた時は大体1時間ほどで終わっていたのだが、懐中時計の時間を見るに2時間近くかかってしまった。

 

早く街へ戻ろう。

この世界は暗くなったら本当に何も見えないので、その場で野宿確定コース。

男が1人で野宿は正に自殺行為。またシースに怒られる。

 

薬草が入った専用の袋を担ぎ、雑木林を後に……?

こんな洞窟あったか?

 

俺が見つけたのは一見何も違和感のない空洞。

しかし…今までこんな物見かけた記憶はない。もし魔物が掘ったのなら即刻ギルドに報告しなければ。

 

俺は防音魔法を体にまとわせ、息を殺して洞窟に近付く。

………洞窟の中は暗く、前がぼんやりとしか見えない。

 

しかし、入り口付近だけでも猪や鹿の骨が散乱している。

骨には所々大きな噛みつき跡。大きさは均一。

中にいるのは一体と見て問題ないだろう。

 

しかし問題は大きさ。

歯型から察するに肉食獣であることは間違いない。

おそらくは狼の類。

だが人狼ではなさそうだ。人狼は人間と同等の知能を持つ。

このような洞窟で寝泊まりしているとは考えにくい。

 

ひとまずギルドの方に報告。

観察隊を作り必要なら討伐。この流れが最も安全だ。

 

が。そう事はうまくいかない様で。

俺が去ろうと背を向けた瞬間、突然2本の腕が洞窟の方から生えてきた。

 

俺は瞬時に身を捩る。

しかし…びくともしない。何つー剛力だ。

 

 

暗闇のなかで良く見えない。

だが、何か巨大な生物に馬乗りにされている事は分かる。

 

「ハーッ!ハーッ!」

 

巨大な生物の息は荒く、興奮しているようにも聞こえる。

しかし、発情しているような色っぽさは一切ない。

 

骨盤が粉々になるのも時間の問題だ。

さて。ここからどうやって生還しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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