貞操逆転世界の中堅冒険者   作:だいたいおおそよだいたい

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前回のあらすじ

洞窟に引き込まれたと思ったら普通に話通じるしなんなら冒険者だった!

→もう一人の冒険者とも合流!3人でアルティとシースの屋敷に戻るぜ!

→ゾンビが進行しておりそれの討伐!?厄ネタ臭すごいな


ぐへへへへへ
本来ならもう1話挟んでからゾンビ街に襲わせるつもりだったが普通に展開ダレるので3千字ほどの書き溜め消して急遽今回襲わせることにしたぜ。
と言う訳で今回かなり短いです。ごめんなさい。


本格的な襲撃

 

この街の最高戦力の三人が、1つの屋敷に集結している。

 

 

 

「へー。こいつらが例の冒険者二人ね。中々強そうじゃんか。白猫の方はタイマンなら勝てそうだが。」

 

「ウォルスよ。お前じゃあの二人には手も足も出んと思うぞ。」

 

ロズとウォルスがアルティと合流した今、ゾンビの進行を止めるための作戦会議が行われようとしている。

あとはシースの帰りを待つのみ。

 

「ねえフィル。ギルドの方に私が連絡を入れておくから、ゾンビの進行の方面に冒険者達を配置しておいて頂戴。ギルドの職員より貴方の方が頼りになるわ。」

 

「わかった。しかしロズさん…今回のゾンビの進行とやら、いつから発覚したんですか?」

 

「話自体は1週間前からされておったのじゃが…あくまで噂程度。真実だと発覚したのは数日前。奴らは既に幾つかの街や村を滅ぼし、同族を増やし続けておる。」

 

「獣人が統治する国が討伐隊を結成したが、討伐に向かってから一切の連絡が無いらしい。討伐隊の中にはA級冒険者数名も含まれていると聞く。」

 

「そう。そいつらもゾンビになってしまったのなら…これ以上の被害を出す前に壊滅させる必要があるわね。」

 

ゾンビとは、死体に無理矢理簡易化された魂を入れられた一応生物。

魂は無理矢理結合されている為、シロの回復魔法で無理矢理体を元の姿に戻す事でしか救えないし、弱い魂の場合はそのまま死ぬので、厄介極まりない。

 

つまり基本は救出不可能。

 

「おーーい。お客さんか?」

 

「シース…ようやく帰ってきたのね…」

 

「いや〜何というか…その…少し糞しててな!」

 

シースは俺と一向に目を合わせようとしない。

そういえば俺、シースにキレてたな。怒涛の展開すぎて忘れていたが。

 

「嘘をつけシース。俺はもう許すから。」

 

「本当か!いや〜!やっぱりフィルは懐広いね〜!」

 

「……なんじゃ?この脳みそまで筋肉で出来てそうなメスは。」

 

「あ?本来なら今すぐ殴りてぇが…お前、S級冒険者のロズだろ。そしてアルティと共に話し合っていたように見える。…少なくとも平和な話では無さそうだな。」

 

「そう言う事になるなシースよ。実はゾンビの進行が…」

 

ロズがシースに進行先のルートを教えている。

作戦会議は長くなりそうだ。

 

俺は別に街で見張りをするだけ。

そもそもついて行くだけで足手まといになる事は確定だ。

 

しかし…どうも引っかかる。

ゾンビの進行ルートは直線。その軌道上にある村や街を滅ぼしている…らしい。

 

だが、本格的に討伐隊が組まれたのは数件の村や街が滅ぼされた後。

本来なら最初襲撃にあった際の生き残りが付近の村や街に報告するはず。

 

…まあ、不安や疑問を抱くことで現状が何か変化することは無い。

ひとまず俺はギルドにゾンビ進行の件を報告しに行くのだった。

 

 

 

 

あれから早2日。

今日の朝10時頃がS級3人によるゾンビ討伐の日。

 

俺はアルティの転移魔法でゾンビの進行方面へと消える3人を見送った後、その方角の壁の外、中に一定間隔で見張りの冒険者を配置する。

 

街はいつも通り賑わいで溢れており、今から数十キロ離れた場所で大規模な戦闘が起こる事を知る者は極一部しかいない。

 

 

本来なら3人が帰ってくるのは長くて数十分。

しかし、時計塔が指し示す時刻は11時半。

 

「…なあ、少し遅くねえか?」

 

俺と共に見張りをしているウォルスが疑問をポツリともらす。

 

「…そうだな。煙弾も無いから、ゾンビ共が俺らの街に攻めてくる気配も無いが…余りにも静かだ。」

 

「だよな。なんだか…不気味だぜ。」

 

「一応他の冒険者にも異変がないか直接聞きに行ってくる。十数分で戻ってくる。」

 

「おう。何が起こるか分からねぇ。気をつけろ。」

 

「言われなくても。」

 

俺は他の冒険者へ異変が無いか聞き込みに行く。

 

向かう途中、壁近くの路地裏にて。

俺は壁に貼り付けられた妙な魔法陣を目にする。

 

「……あ?」

 

それは間違いなく魔法が込められている。

一瞬魔道具製作所のチラシかとも思ったが、魔法陣はやけに精密。宣伝の内容も何時もの製作所のチラシとは思えない程あっさりしている。正に怪しさMAX。

 

俺は軽く魔力を流す。

これがこの魔力なら爆破魔法や毒魔法でも少しの怪我しかしない。

 

魔力を込める。

 

「がっ!?」

 

一瞬、大きな音がする。

かと言っても街で聞こえる騒音と違い、一定かつ爆音。

しかも俺はほんの少量しか魔力を込めていない。つまりこの魔法陣には魔力増強の魔法もかけられている。

 

「まずいな。」

 

街や村がなぜ全滅したか今わかった。

今すぐウォルスのところに向かわなければ!

 

耳がギンギンと鳴る。…が、この1枚程度で平衡感覚を失う程ではない。

 

しかし、この魔法陣が既に街の至る所に貼られており、更に強い魔力が一斉に流し込まれたら?

俺は布を丸め耳に当てる。簡易耳栓だ。

 

全力でウォルスの元へと走る。

いつあの魔法陣達が発動するかもわからない。

少なくともこの街にいる冒険者の中での最高戦力であるウォルスへ警告しに行くのが最優先。

 

「…んだ?もう戻ってきたのかフィル?」

 

「耳だっ!耳を何か布で覆い隠せ!!」

 

「わかった!!」

 

ウォルスは理由を聞くことなく瞬時に耳を手で強く押さえつける。

瞬間、爆音が街を包む。

それは耳を塞いでいても爆音だと思う程。

いや、耳を塞いでいるから爆音ですんでいる。

 

俺は咄嗟に音の発生源へと向かう。

確かに街中から爆音は聞こえたが、一番魔力を強く感じたのは色街に隣接するスラム方面。

 

「無事か!フィル!」

 

よかった。ウォルスも無事な様だ。

 

「お前こそ…あぁ。頭クラクラする。」

 

「アタシの背中にひっつきな!お前も魔力が特に強かった場所に向かうつもりだろ!」

 

俺は勢いよくウォルスの背中に飛び乗る。

 

「本来ならご褒美だと喜んでいたが、こうも風情のないおんぶがあるとはな!」

 

そうウォルスは軽口を叩きながらも、俺を連れて凄まじいスピードで音の発生源へと向かう。

 

家々のガラスは粉砕され、人々が耳から血を流して地に伏している。

 

もはや混乱の声を上げる者や泣き叫ぶ者すらいない。

突然ウォルスが減速していき、遂には立ち止まる。

 

「…此処から離れるぞ。」

 

「…敵か?」

 

「見れば早い。」

 

俺はウォルスの肩から顔を覗かせる。

そこには一匹の巨大なレッドドラゴン。

しかも目に生気は灯っておらず、恐らくゾンビ化している。

 

「ちっ。周りに気絶した奴等がゴロゴロと転がってやがる。そいつらだけでもここから…」

 

その通りだ。

少しでも助けられる範囲の人は助けたい。

 

「ウォルス、何人までなら共に運べるか?」

 

「10人ちょっとなら。」

 

「わかった。できる限りは助けるぞ!」

 

俺は近くにいた少女を掴み、ウォルスに引っ付ける。

この調子で……?

 

突然ドラゴンが高速でこちらに突進してくる。

 

「ウォルス、全力で跳ねろ!」

 

「言われなくても!」

 

全力でウォルスが跳躍。

俺達はドラゴンにギリギリ掠るか掠らないかのラインで躱す。

 

「無事…か……?ちっ。胸糞悪ぃ。」

 

「はぁ…数日は悪夢にうなされそうだ。」

 

俺の手には少女の腕のみがあった。 

恐らく体は突進に巻き込まれ原型を留めて居ないだろう。

 

その瞬間、更に爆音が静かな街に響く。

 

「あんのドラゴン…壁を破壊しやがった…」

 

「高い場所に移動しろウォルス!何かが大量に押し寄せてくる!」

 

ここから崩壊した壁は距離にして100メートル。

俺とウォルスは瞬時に建物の屋根へと登り、土煙が晴れるのを待つ。

やはり大量のゾンビが押し寄せてくる。

 

「ウォルス。屋敷の方に天使族のシロと言う男の子がいる。恐らく一階か雑木林と隣接している訓練場かだ。」

 

「わかった。お前は…まさか。」

 

「大丈夫だ。1人でゾンビの群れに突っ込むなんてことはしない。」

 

「そうか。では行ってくる。」

 

「おう。無事を祈る。」

 

悔しいが俺1人で何とかできる状況じゃない。ひとまず気絶している冒険者や兵士をポーションで治療し起こすしかない。

 

「さて、やるしかない…か。」

 

S級3人がいつ帰って来るかもわからない状況の中、俺は1人他の冒険者を起こしに配置場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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