貞操逆転世界の中堅冒険者   作:だいたいおおそよだいたい

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バカクソ寝違えて禄に下を向けません。
なので今回は文字数少なめです。


お前…儂の男になれっ!

アルティがリンチに遭ってから翌日。

アルティは一日経って冷静になったようで、俺に何時もの全力土下座をかました。

 

さてさてそんな今日は、義手と義足のテストをする為街の市場でもぶらつこうと思う。

復興の進み具合の確認もあるが、シンプルに俺が街で散歩したいだけと言うのが殆どだ。

 

ちなみに無駄にカラフルな義手と義足の模様は上から絵の具で塗りたくった。

これでマシになったはずだ。

 

「おうフィル。何処か行くのか?」

 

「市場に行こうと思ってな。」

 

「一人でか?男たるものうんたらかんたら…………」

 

「わかったわかった。シース今日は暇か?それならついてきて欲しいのだが…」

 

「え?あぁ。今日はアルティが瓦礫を退かす作業だからな。アタシは休みだ。」

 

「そうか。それなら一緒に市場にでも散歩しに行こう。」

 

(今日は受ける依頼があったんだが…まあ明日でいいだろ。)

 

「そうだ!シロとクロも連れて行くか。最近彼奴等にあまり構ってやれてないし。」

 

「え?あー。おう。そうだな!」

 

何だかシースが何処か渋ったのに俺は気付くことなく、二人の元へ向かう。二人は訓練場に居るのだろうか?

 

そう思い訓練場へ向かうのだが…居ない。

シロはともかくクロはこの時間帯、大体ここに居る気がするのだが…

 

その時、小さいながらも屋敷の窓が開けられる音が聞こえる。

 

瞬間。何かがオレの顔面にクリーンヒット。

突然の衝撃に俺は混乱する。それは何だかヌメヌメしており、衝撃で口に入ったのだがちょっとしょっぱい。

 

「ぺっぺっ!……ひっ!」

 

何とも情け無い声を思わず出してしまったのだが、それもそのはず。

オレの顔面にクリーンヒットしたものは…エロ本。

……何だか生温かい。 控えめに言って今日は厄日だ。

 

窓からこの位置だと俺は木によって見えない。

しかしここからは木の枝の隙間から窓のほうが見える。

 

そこには窓からこの世の終わりのような顔で辺りを見回すクロの姿があった。

 

……これはどうするべきだろうか。頭をフル回転させろ。

 

パターン1。

 

エロ本を丁寧に拭き、そっとクロの部屋のテーブルの上に置いておく。

これは俺の想像しうる限り最悪のパターン。

 

もし俺が同じ状況ならこの世の全てを殺すと誓いながら狂死する。

 

 

パターン2。

 

アルティかシースに渡し、俺の事は黙ってクロに返して貰う。

 

これが最善のパターン。クロは少し恥ずかしいだけで済む。

 

 

パターン3。

 

エロ本はこの場所に置きっぱなしで、俺は知らんぷり。

 

これは上振れを引いた場合はパターン2より丸く収まるが、もしシロや何も知らないウォルスがエロ本を発見してしまった場合、パターン1より凄惨な死を迎えることになる。

 

特にウォルス。

あいつは狼の獣人な為鼻が利く。クロと俺の匂いだと瞬時に嗅ぎ分け、俺とクロは仲良く狂死することが確定している。

 

 

 

「あ、あの…フィル…さん。」

 

あ。考え込んでいた俺の目の前には漆黒より黒く、濁った目をしているクロ。

そう言えばこいつ…サキュバスだから羽あるのか。

 

「………。誰にだってミスはある。たまたま俺がいた事で悲劇は起こってしまった。気にしなくていいぞ。」

 

俺は何を言っているんだろう。

そんな事言っても彼女の傷を抉るだけなのは分かりきっている事なのに。

 

「…………。」

 

「あー。えっと…だからな?」

 

「……き」

 

まずい。発狂寸前だ。

 

「記憶操作!」

 

…………?俺に体の変化は見られない。

記憶操作と言ったのに、俺のエロ本の記憶は全く消えていない。

 

「あれ?どうしたのですかフィルさん?」

 

「お…お前まさか…」

 

「どうしたんですか?…と言うか何で私は訓練場に来たんでしたっけ?」

 

……こいつ…自分で自分の記憶を操作しやがったっ!

咄嗟に行ったのが自分の記憶操作。

自分のみを犠牲にすることで全てを丸く収めやがったっ!

 

この行動。俺はこの話を墓まで持っていくしか無いだろう。

 

と言うか割とサキュバスの技って何でもありだな。

ロズの洗脳に近いものか?

 

「そうだ。クロ、シロと一緒に市場にでも行かないか?何か欲しいものがあったら買ってやる。」

 

「いいですね!ですが…シロを一人にしておくのは少し心配なので、私とシロは屋敷に居ます!ウォルスさんも居ますし!」

 

「ウォルスは何処に行ったんだ?」

 

「さっき泥遊びしてましたよ。」

 

昨日風呂に入れたばっかりなのに……。

狼の獣人と言うより犬だな。それも阿呆の方の。

 

「そうか。じゃあ市場に行ってくるよ。」

 

 

 

 

 

 

こうして街に出た俺とシース。

俺にとってはおおよそ5日ぶりの街。

 

しかし街の建物の多くはドラゴンにより破壊され、それぞれ復旧途中となっている。

俺はシースと共にひび割れたタイルの上を歩きながら会話を弾ませる。

 

「なあシース。そう言えば結局ロズはどうなったんだ?」

 

「魔力の殆どを大規模な蘇生魔法に使われ、弱り切ったところを捕縛。四肢を切断されこの街で一番大きな牢獄の地下深くで眠ってるって聞いてるぞ。」

 

「ただ…この街の地主共は余り信用できなくないか?ロズが本性を表す二日前から彼奴等全員居なくなってたし。」

 

そう。この街のお偉いさん達はゾンビの集団が攻め込んでくる前に何処かへトンズラしていたのだ。

ロズと裏で繋がっていた…と見るのが当然だ。

 

「アタシは知らん。脱走したならアルティと共にまた潰すまでだ。」

 

それ脱走されたら今度こそ俺達磨になりませんか?

そんな会話をしていると、ふと路肩の屋台が目に入る。

 

「へー!南国で取れる虫の丸焼きだとよ。一つ買ってくる。」

 

「おう。アタシの分も頼む。」

 

久しぶりの食い歩きと行こう。

屋台に近付くにつれ、少し土の匂いが混じった料理が見えてくる。

 

それは正しくヘラクレスオオカブトの串焼き。

 

「いらっしゃい!お兄さん…おひと…つって!」

 

「うげ。」

 

屋台でヘラクレスオオカブトを焼いていたのはいつぞやの糸目暗殺者。まあ初犯の食い逃げ程度なら拘留所に数日で済むわな。

 

「……お前…本来ならすぐにでも襲いたい所だが…生憎営業中だ。さっさと串焼き買ってどっかいけ。」

 

「改心したのか?」

 

「改心も何も、あの業界じゃやって行けないと判断したまでだ。…これ以上話すなら串焼き3本買えよ。」

 

「分かった。それで、何故ヘラクレスオオカブトの串焼きなんかを屋台で出そうと思った?」

 

「私の故郷の名産品だったからな。この辺りでは余り見慣れない食材だから、いけると思った。」

 

「そうか。まあ応援してるよ。」

 

「応援するぐらいなら毎日来てくれ。」

 

俺は串焼き3本を受け取り、銀貨10枚を…って高っ!

 

「お前…その値段じゃ誰も買わねぇぞ?」

 

「そうだな。余り売れてない。」

 

「イモムシグラタンでも売ればいいんじゃないのか?最近人気だし。」

 

「ご提案ありがとう。買ったのならさっさと消えろ。」

 

「はいはい…消えますよ。」

 

それにしてもインパクトがすごいな…。

俺は羽根の方から齧り付く。………かってぇ!

外骨格が硬そうな時点で大体察していたが、ひたすらに硬い!

しかし中は意外に筋肉質。食えないことはない。

 

ただ…インパクトだけだな。

 

「シース、戻ったぞ。ほい。」

 

「うお…インパクト凄いな。」

 

そう言うとシースは口を大きく開け、ヘラクレス二匹を一口で食べる。

 

「………インパクトだけだな。」

 

「まあこれで美味しければ街中で流行っているだろうからな。」

 

そんな事を話しながら俺とシースは賑わう市場を移動する。

街はボロボロだと言うのに、市場は相変わらずまわっている。と言うか今回の襲撃で色々な国や街から物資の援助を受けたらしい。

 

「それにしても、いい加減動かなければな。」

 

「お前…まさかもう冒険者復帰するつもりか!?」

 

「いや…まあ少しずつな。このままお前らの脛をかじる訳にもいかないし。」

 

「まあ…それもそうか。別にアタシとしては全然構わないのだが…」

 

その時、道の奥に大きなゴテゴテした馬車が見える。

 

「……あの馬車はなんだ?」

 

「あーそう言えば今日はエルフ国からのお偉いさんが来てるんだっけか?」

 

「へぇー。エルフ国の人が他の街に来るなんて相当珍しくないか?」

 

「何でもロズとの関係を否定する為だと言われてるが…」

 

そう言えばロズは上位のエルフだったな。

 

 

 

 

 

馬車が俺の方に近付いてくる。

段々と大きく……でっか!一軒家サイズだぞ!?

 

しかも綺羅びやかな装飾の中に、多分エルフの王家の家紋が点在している。

 

しかも1台だけでは無い。

ざっと10台。しかも1台目と同じく全てがギラギラしている。

その隣には大量のエルフの兵士。

 

しかし、恐らく向かうはずのこの街一番の地主の屋敷はここから真逆。

 

…まあ俺には関係のないことだ。シースとの市場巡りを楽しむとしよう。

しかし…そうは問屋が卸さない様で。俺のもとに一人のエルフの兵士が駆け寄ってくる。

 

「そこの男。ユーラ様がお呼びだ。馬車の中までご同行願いたい。」

 

「……は?」

 

俺は流れる様にクソデカ馬車の中に移動させられる。

 

「儂がエルフ国第3王女、ユーラである。そなたを儂の側室に指名しよう。」

 

「……は?」

 

「…じれったいな。もうここでセックスするぞ。」

 

「……は?」

 

何だか最近碌な目に遭ってない気がする。

 

 

 

 

 

 

 




新しい貞操逆転モノもコツコツ書き進めてます。
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