貞操逆転世界の中堅冒険者   作:だいたいおおそよだいたい

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前回のあらすじ

剣折れた!鍛冶屋行こ

→ガラガラやんけ!え?男の新しい鍛冶屋に客寝取られたん?へー。

→たまたまその男に相談されたぞ!え!?その鍛冶師と付き合いたいの?まぁ最低限協力はするけど…

→なんかこの男ヤバいな。(直感)下手に関わらないでさっさと帰ろ。

今回は少しだけバトル描写あります。



ゴブリン討伐とフィル(餌役)

さてさて。ここ最近はあまりクエストを受けていなかったのでそろそろ持ち金がピンチだ。

 

貯金に手を出すのは嫌なので、ここいらで少し大きなクエストでも転がり込んでこないだろうか。

まぁそう言うクエストは大体死傷者が出てるかモンスターが強力かなので、依頼が来ないことが一番なのだが。

 

ギルドに着くと、そこは異様な空気となっていた。

いつものような、アルティやシースが伝説の魔物を討伐した時のような、畏怖や尊敬が溢れる空気ではなく今から戦場へと向かうような兵士の空気。

 

なんというか、噂をすれば……というやつだろうか?

と、いってもまずは状況確認が先。ギルドの職員は何やら全員慌ただしく動いている為、話を聞けそうにない。

辺りをキョロキョロとしていると、いつも酒場で絡んでくる冒険者が目に入った。

 

 

「おい、大きなクエストでも転がり込んできたのか?随分空気がひりついているようだが」

 

「あぁ、フィル今来たのか。お前さんの言う通りだぜ。久しぶりにどでかいクエストが舞い込んできた。」

 

「まじかぁ…大規模クエストは、もらえる額がいつもよりかなり多いとはいえ、かなり危険なんだよなぁ……因みにどんなクエストなんだ?」

 

「私も詳しくは知らないが、どうやらゴブリンの群れがこのまちに向かってきているらしい。」

 

ゴブリンかぁぁ…この世界のゴブリンは、体はとてつもなくナイスボデーなのに、顔は前世の創作と同じで鼻は長く、目は血走り、歯茎むき出しで全力で襲いかかって来るから、軽くホラーなんだよなぁ…捕まったら一生種馬にされるし。

 

 

そうこう話しているうちに、ギルドの職員から今いる冒険者の一斉招集がかけられた。

何時もは訓練所として使われている広い敷地に全員集められる。数は百人と少しぐらい。

この街の人口はおおよそ10万人されているので、冒険者を本業としている奴だけを合わせたらこんなもんだろう。

 

というか、S級の2人が化け物すぎて、A級以上のクエストはすぐにこなしてしまうのもあるだろう。

俺が…この街を…守んなきゃ……!とならないのである。

 

人が集まってきたからか、ギルドの職員が訓練所に隣接している休憩室の二階、そこのバルコニーから状況報告をする。

 

「現在、ゴブリンの大群がこの街に向かっています!数はおよそ1万!ゴブリンクイーンやゴブリンエンペラーなどの上位種は現在S級の2人が交戦中!貴方達は残ったゴブリン達と交戦していただきます!」

 

なるほどなるほど。強力なゴブリンはS級2人が殺すから、俺達はその露払いをしていればいいわけね。

 

しかし、その後職員さんが少々気不味そうな顔になる。

 

「ゴブリンは殆どがメスです。なので、男性を非常に求めます。そして興奮したゴブリンは動きが単調となります!なので、誰かこのなかで最前線で戦っていただける男冒険者の方はいませんか?」

 

辺りがざわざわとしだし、一斉に視線が俺を含む男冒険者に向けられる。

 

男冒険者の数は5人。男女比5対1だとはいえ、力仕事かつ命がある仕事に喜んでなる者は少ない。

しかも俺以外は後衛職。下手に前線に出るだけ、死ぬか犯されるか。

つまり俺以外が選出された場合はデッドorデッドまでS◯X。

おっほ♡死ね。

 

おそらく強制ではないのだろうが、実際オスのフェロモンで動きが単調になった魔物はすばしっこい魔物でも一般人が倒せるぐらい弱体化する。

でも数が数。俺以外だとそのまま押し殺される可能性だって十二分にあり得る。

 

つまり、俺しかいないってことやんけ。

ほぼ名指しだ。

名乗り出ないのも一つの手だが、ここの冒険者は全員いい奴だ。正直救える命があるなら救いたい。

 

俺は手を挙げる。

そして俺は覚悟を声に出す。2階の職員にも聞こえるような声量で。

 

「B級冒険者、フィル。前線にて戦わせてもらいます!」

 

すると周りからは途切れることのない拍手の雨。

 

少し照れるが、んなことしてる暇があるならさっさとゴブリン討伐向かおうぜ。

今もアルティとシースは戦ってるってのに。

 

そして前線に向かう部隊、後衛に回る部隊に分けられたあとゴブリン達が侵攻している軌道上にある草原にて、俺達はゴブリンを迎え撃つ準備をしていた。

 

俺はゴブリンたちの生き餌。そこに円で囲うように近接職の方々が待ち構えてくれている。

 

そんな今の俺は、全身緑に塗りたくられ、ゴブリンが興奮する匂いを全身にぶち撒けられた、悲惨な姿となっていた。

 

本当なら、俺は何もされずに中心に突っ立っているだけでよかったのだが、職員さんにさらに力になれることはないか?と聞くと、こうなった。こうなって、しまった。

 

全身緑なのはともかく、このゴブリンが興奮する匂いがまぁなんのきついの。

 

甘い小便みたいな匂いが全身からする。くっせ!

スライムをおびき寄せるエサとは違う臭さ。なんというか、鼻の奥にこびり付くような匂いだ。

 

というか、周りにも悪臭が漏れ出ているのか、段々と俺を守るための円陣が広がっていっている。

 

これで効果がなかったらこの案を進めてきた職員を同じ目に合わせて街の中に放り込んでやる。

 

そうして内心愚痴っていると、白の煙幕弾が空高く上がった。

これはゴブリンの集団が現れたという事。

続けて赤の煙幕弾が打ち上がる。

これは数が数百という事。

 

俺は複数の魔術師の魔法で地上から5〜6メートルまで浮かされ、向かっているゴブリン軍団に向かって風魔法で俺の匂いを送る。ずっとこのまま浮いていたいとこだが、そんな魔力量あるのはアルティだけだし、なんなら流れてきた矢で死ぬ。

 

そしてゴブリン軍団に風を送り続けて数十秒。段々と規律的な行進は崩れていき、遠目から見ても奴等の理性が崩れて行くのが分かる。

 

(というかこのゴブリン興奮剤を風魔法で流すだけで良かったのでは……?)

なんて軽く疑問に思いながらも理性を地上に降ろされた俺は理性を失い、半狂乱となったゴブリンを迎え撃つため剣を構える。いくらほかの冒険者が守ってくれるとはいえ、最低限は俺でもできる。

 

興奮状態になったゴブリンが、剣で斬り伏せられ、魔法で焼かれ、ずたずたにされていく。

 

もはや流れ作業に近い。

しかし、その弱さに俺は違和感を感じる。

ゴブリンは皆ガリガリだ。まるで、最初から使い捨ての兵士のような………

 

その時、黒の煙幕弾が上がる。

皆は一瞬混乱したように見えるが、直ぐに今のゴブリン駆除に戻っている。

黒の煙幕弾は、さらに援軍が来たということ。

しかも凄まじいスピード。あいつら、馬に乗っている!

恐らく進行上にあった村や集落から強奪したのだろうが、今はそんな事どうでもいい!

俺は少し可哀想だが、馬に向かって魔力をこめた石を全力で投げる。

ほかの冒険者も俺の姿を見て、同じ事をし始める。

馬に石が命中すると、馬はパニックになりゴブリンを落馬させる。

落馬したゴブリンは後ろからの軍勢に踏み潰されていく。

ざまぁねぇぜ。

 

その中から、パニックになったゴブリンが突っ込んでくる。

敵意は全くなく、むしろその目は恐怖と絶望に染まっている。

そこに俺の第六感が最大限に警笛を鳴らす。

絶対に何ががおかしい。こんなフェロモンムンムンな俺を前にして、そんな絶望1色に染まった顔をするのは。

 

よく観察すると、身体には大量の爆弾スライムが括りつけられており、着火スライムも丁寧に腹部に巻き付けられている。

 

ヤバい!!爆弾スライムのなかにある火薬は緑に染められており、気づくのが一瞬遅れた!

俺は自爆しようとするゴブリンに逆に向かっていき、着火スライムが付いていない胸部を狙って全力で回し蹴りを入れる。

 

B級とはいえ、殆ど肉体戦一本でここまで昇格した俺だ。

体術にはそこそこの心得がある。

何より相手のゴブリンはガリガリ。身体が軽かったのもあって後ろのゴブリン軍団の方に吹き飛ばされていく。

 

そこに向かって俺は先ほどの自爆特攻ゴブリンから剥ぎ取った着火スライムを投げる。

 

すると見事にクリーンヒット。爆発は他の特攻ゴブリンにも連鎖し、凄まじい爆音と熱とともに、視界が黒煙一色に包まれる。

 

焦げた肉の匂いの中、俺は一目散に後衛の方に移動する。

いくら焦げた匂いが強いとはいえ、俺は今ゴブリンが激烈に好む匂いを身にまとっている。

視界が奪われた今、匂いでそのまま突っ込んでこられても直前まで気付くことはできない!

 

幸いコンパスは持っている!俺は後衛の方角に向かって全力で突き進んでいく。

 

一度体勢を整えなければ。

最初のデコイの痩せこけたゴブリン軍団。

その後馬で混乱させてからの自爆特攻。確実にゴブリンクイーンやゴブリンエンペラー等の指揮系統がいる!

 

恐らくS級2人から逃れられた個体。相当頭が回る相手だと見た。

 

一旦立て直しが必須!煙の中を突き進み、後衛の人々を守る簡易バリケードを飛び越える。

 

しかし。

そこには人っ子一人いなかった。

 

 

?後衛の人は少なくとも30人以上は居たはず。

俺は簡易バリケードの棘で指を軽く突き刺す。痛い。

血が一滴垂れる。やはり幻術魔法の類でもない。

一番に考えられるのがアルティが転移魔法で戻ってきており、爆音を聞いて後衛の皆を安全な場所に避難させたか。

では、シースもいないとおかしい。何より転移なんかさせなくても彼女1人でゴブリン程度蹴散らせてしまうだろう。

 

ようやく煙が晴れてきた。周囲数メートルは見えるようになってきた。

 

そこで、俺の目に映ったのは一つの地面と簡易バリケードがえぐられた後。

 

間違いない。これは魔法の後。

他に戦闘跡は無い。

恐らく別の部隊がこの魔法を打ち込み、後衛の人々は即退散したのだろう。

 

つまり、この周囲は敵の手に落ちていると言うこと。

しくった。後衛は安全と勝手に信じ込んでいた。

 

煙が完全に晴れる。そこには、鎧を着たゴブリン共とその中でも一際大きな王冠とも取れるような兜を被ったゴブリン。

やはり、ここは敵陣。しかも大将様のところ。

 

周囲は俺の存在にすでに気がついており、槍や杖を向けられている。万事休すか。

 

そんな中、大将様が口を開く。

「運よく別行動していたら全滅を逃れられ、更にはこんなオスまで転がり込んでくるなんて、アタシは幸運ねぇ♡」

 

あー。終わったーー。解散。

俺が少しでも抵抗すれば首が飛ぶ。(物理)

 

こうなりゃ賭けだ。俺はアルティやシースにした様に魔法で血流を早くさせ、顔を紅く染める。

 

「なんて素敵な方なのでしょうか♡私はこの戦にて、この様に緑に塗りたくられ、肉壁にされる筈だった卑しきものを、一人の男として見て下さるのですね♡」

 

するとゴブリンクイーンは少し頬を染める。

 

効いとるぞ!?いける!!

 

「俺はこの様な方に子種を授けたいのです…♡さぁ、あちらの物陰で、致しましょう…♡」

 

もうプライドもへったくれもないが、命あっての物種。

十年後には笑い話にでもなってるだろ。

 

するとゴブリンクイーンは更に顔を紅潮させる。

 

「マジか……オスだというだけでも当たりなのに、こんなヤリチンだなんて…♡いいぜ♡徹底的に犯してやる♡」

 

行けるぞ。完全に。

 

俺とゴブリンクイーンは大きな岩陰に移動する。

 

俺の股間は服からでもわかるほど反り立っている。

 

「おっほ♡このド淫乱め♡たっぷりわからせてやるよぉ♡」

 

ゴブリンクイーンが下卑た笑みを浮かべ、俺のズボンに手をかける。

だが、俺はゴブリンクイーンと同じぐらい顔を紅潮させて、こう恥ずかしげにいう。

 

「俺、初めてなんです…♡恥ずかしいので、目を瞑っててくれませんか?」

 

するとゴブリンクイーンは馬鹿正直に目を隠した。

 

「じゃあ、挿れますね…♡」

 

そう言うと俺は勢いよく先ほどの自爆ゴブリンからぶんどった火薬を固めたものをゴブリンクイーンの秘部にぶち込み、即起爆させる!

 

因みに股間にてそり立っていたのは陰茎ではなく手で押し固めた土だ。

 

辺りには防音の魔法が施されているので、辺りに気付かれることはない。

 

ゴブリンクイーンはのた打ち回って苦しんでいるが、そこに間髪入れずコルクの栓抜きのような暗器で両目を潰し、喉を風魔法でズタズタにする。これで助けは呼べまい。

そのまま果物ナイフで頸動脈に向けて一閃。

更に心臓に3回ほど剣を思い切り突き刺す。

 

するとゴブリンクイーンは数十秒更にのた打ち回ったあと、少しずつ動きが鈍くなっていき、永遠に動かなくなった。

 

本当に危なかった。この作戦が通らなければ、俺は一生種馬コースだっただろう。まぁ、この身体に塗りたくられたゴブリン興奮剤のおかげで判断力が鈍っていたのかもしれないが。

 

俺は、岩陰から森の中に即座に逃げ込む。

ゴブリンクイーンが見つかるのは時間の問題だ。

幸い、この近くには川が流れているため、そこでこの匂いを落とそう。

 

川に飛び込み、少し臭いを落としてから少し川上へと移動する。

 

どうやら追ってくる気配はないようだ。

しかし、かなり街から離れてしまった。保存食用の干し肉はある為、数日は持つだろうが街までの具体的距離も分からない。

まぁ、日が暮れるまでもう少し時間があるので、本格的に体を洗うとしよう。血がこびりついて、ゴブリン興奮剤の匂いと混ざって最高に気持ち悪いのだ。

 

俺は服を全て脱ぎ、服と一緒に体を洗う。

この世界に転生してから、トレーニングを欠かしたことはない。

 

しかし、どれだけ鍛えても、筋肉は一定以上つかないし、少しでもトレーニングをサボったらそれだけで筋肉はすごい速度で落ちていく。

 

そういう点でも、俺は女性として生まれたかった。

 

あんな汚い手を使わねば格上には勝てないのに。

俺が憧れ、目指してきた姿はあんな卑怯かつ最低な手を使うのではなく、剣技や魔法だけで全てを打ち倒す、そう、アルティやシースのような冒険者になりたかったのに。

 

考えれば考えるほど思考のドツボにはまっていく。

少し疲れたのだろう。

 

その時、川の隣の茂みが揺れる。

この奥から茂みが揺れる音は聞こえ、音はだんだん大きくなっている。

完全に気付かれているな。

剣や荷物は少し離れた場所においてある。

せめてと俺は剣を持っている様なポーズで構える。

勝手に警戒してくれることを願うだけだ。

 

数秒後、そして2つの影が飛び出す。

 

「フィル、無事か!」

 

「フィル、助けに来たわよ!」

 

一気に気が抜ける。彼女らが来てくれたのなら、もう安心だ。

 

しかし一拍置いたあと、彼女らはあのゴブリンクイーンよりも顔が紅潮していき、目もジトッとしたような目に変わっていく。

 

「お、おい?どうかしたのか?って…あ。」

 

そうだ。俺は今、服も布も1枚も身にまとっていない正に一糸纏わぬ姿だったのだ。

 

「フ、フィル…そ、その……なんだ…」

 

「えっと…フィル……その………」

 

「「ごめん!!!」」

 

そう二人揃っていうと、茂みのなかに戻っていった。

なんというか、本来なら「きゃー!!お二人さんのえっち!!」となるのがこの世界の正常な反応なのだろうが、俺は何とも思わない。

 

だが、いつものどんなに忙しくても、元気で希望を捨てない顔を見て、俺は少し微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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