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デバイス種類:ストレージデバイス
前回のあらすじ
異世界の元魔王:リムルと出会った高町なのは、彼との間に『魂の回廊』を繋いだ。
リムルの治療と帰路を探すための旅に出ることにした高町なのはは、リュックいっぱいの荷物を持ち、家族への手紙だけを残し、異世界に渡る門『
ここは時空管理局が把握していない無人の次元世界の一つ。
雄大な自然が広がる原生世界であり、恐竜に似た大型生物も生息している危険な世界。
そんな世界のサバンナにて1人の人間が獰猛な恐竜モドキたちに囲まれていた。
この恐竜モドキは"ウルフレックス"と呼ばれる生物であり、地球でいうところのティラノサウルスの尻尾を長くしただけで他は非常に酷似していながら、オオカミのように10体ほどの群れを成して狩りをする非常に危険な肉食恐竜だった。
たった1人の人間対して、全長12〜13m、体重6〜9トンに及ぶ大型の肉食恐竜が13体で包囲するという、まさしく絶体絶命の状況に陥っている。
今にも恐竜に食べられそうになっている人は、美しい茶髪を左側のサイドテールにして纏めた中学生くらいまで成長した高町なのはだった。
なのはは槍型デバイスを左手で持ち、周囲を取り囲む恐竜モドキたちを見ている、その表情に焦りは無い、冷静に相手の出方を見ている。
するとなのはが首から下げている水色の宝玉から声が聞こえてきた。
「ウルフレックスの群れ…数は13体手伝うか、なのは?」
話しかけてきたのは、7年前になのはと共に旅立ち、いくつかの世界巡って絆を育み、今では相棒とも師弟とも呼べる関係になっていた異世界の元魔王リムルだった。
「にゃはは」
「大丈夫だよ、これくらいなら問題ないよ」
「なら任せた、俺は周辺の解析を進めとくな」
「お願いね」
そう言ったきりリムルは沈黙した。
動かないなのはを見てチャンスと思ったのか、背後にいたウルフレックスが咆哮を上げながら襲いかかってきた。
大きな口を開けて、なのはを食べようとするが、なのはは素早く反転して向かってくるウルフレックスを迎え討つ。
「元素魔法:
向かってくるウルフレックスの顔面にデバイスを向けて魔法を唱える、槍先に八芒星を模したの魔法陣が形成され各頂点に大きな氷の槍が現れ、高速で射出される。
放たれた8本の槍は、なのはの精密誘導により正確にウルフレックスに殺到する。
2本は両目に、2本は大きく開いた口の奥に、残る4本は両脚の膝関節に突き刺ささり、ウルフレックスはたまらず体勢を崩して倒れ込む。
全長10mを超える巨体がなのはに向かって倒れてくるが、彼女は素早く魔力で身体強化を行い10mほど飛び上がって避ける。
眼下にはうつ伏せの状態で失った視界と強烈な痛みでパニックを起こして暴れるウルフレックスがいる。
すかさず槍型デバイスを振り上げて切先に巨大な魔力刃を纏わせてから急降下。
空から振り下ろされる巨大な魔力の刃は、まるで罪人を処刑するギロチンのようにウルフレックスの巨大な首を一撃で切り落とした。
「まずは1体っと」
その様を見た他のウルフレックスの内近くにいた4体が雄叫びを上げて一斉に襲いかかって来た。
「「「「グォオオオォォ!❗️‼︎‼️!!」」」」
「うるさいなぁ〜」ゴン!
なのはの後ろから来ていた1体の鼻先を、とある異世界で出会った海賊たちに教わった
殴られたウルフレックスはその一撃で脳震盪を起こしてしまったようでふらついている。その隙を逃さず今度は身体強化魔法で強化した身体で顔面に右ストレートを放つ。
ドゴォォン!‼️‼︎❗️
その音はもはや人が出せる音ではなく、大砲の発砲音にも思えるほどに大きな轟音が鳴り響きウルフレックスが殴り飛ばされる、飛ばされた先にいた2体の仲間たちを巻き込む形で500m以上吹っ飛ばされた。
そのあまりに現実離れした光景に他のウルフレックスたちは驚き足を止めてしまう。
スタッと綺麗に着地したなのはは自分の右手を開いて閉じてを繰り返している、何かの感覚を確かめているかのようだった。
「う〜ん…やっぱり『覇気』って難しいなぁ」
(今の練度だと魔法による身体強化の方がはるかに強いんだよね…併用はもっと難易度高いし)
呆れたことになのははこの戦闘中に『武装色の覇気』と『身体強化魔法』の性能比較をしていたのだ。
使い手の『意志の力』つまり、心の強さがそのまま力となる『覇気』。
魔力量と制御技術で効果が上がる『身体強化魔法』。
不屈の心を持ち、圧倒的な魔力量を誇る、高町なのはにとって本来ならどちらも得意分野と言える…のだが──
先に出会ったのが魔法こと魔導文明の技術であり、その技術が科学的な要素を多分に要していたことで論理的な思考回路が出来上がってしまっていた。
その後から『覇気』に触れてしまったがために、どうしても『魔力』と『覇気』という全く別のエネルギーの感覚に慣れず、相性がいいのにも関わらず覇気使いとしては未熟者止まりである。
なのはが自分の右手を見つめながら考え事をしていると、突然あたりが暗くなる。
ウルフレックスの中でも大きめの1体が飛び上がってのボディプレスを仕掛けて来たのだ!しかも、包囲している個体たちはその長い尻尾を使って、近くの岩や地面を抉って散弾のように飛ばしてきた。
ウルフレックスは巨大な肉食恐竜でありながら群れで狩りをするほどに高い知能と連携力がある。上からは重量9トンのボディプレス、周囲からは大砲並みの速さで放たれた岩や土の散弾、逃げ場など何処にも無い。
ドドドド❗️ドゴォォン❗️
轟音が響き土煙が上がる。
周囲のウルフレックスたちは警戒を緩めずゆっくりと包囲を狭めていく、風に長されて土煙が晴れるとそこには──
「防御魔法:
巨大な氷の結晶のような盾がボディプレスを仕掛けたウルフレックスを受け止めていた。
盾の下では足元に八芒星を模した魔法陣を展開した高町なのはがデバイスを両手に持って祈るような姿勢で立っておりその周囲にも八枚の
無傷のなのはを見た瞬間、最も近くにいたウルフレックス4体が同時に反時計回りで身体を高速回転させて長い尻尾を4方向から薙ぎ払って来た、上に乗っている個体ももう一度飛び上がり今度は身体を縦回転させて尻尾を叩きつけてくる。
長くて硬いウルフレックスの尻尾による遠心力を乗せた薙ぎ払いはそれだけで、鉄筋コンクリート製の建物を倒壊させるほどの威力がある。
バシン‼️
たが、通じない。
5体のウルフレックスの尻尾は氷の盾に阻まれてなのはに届かない。
それどころか──
「凍って」
なのはがつぶやいた瞬間。
さらに、なのはは防御魔法を解除し、飛行魔法を発動して両足から桜色の小さな羽を生み出してから勢いよく飛び出す。
巨大な氷像と化したウルフレックスたちの間をすり抜けてその先にいた個体へと突撃する。
刺されたウルフレックスは痛みから叫ぶが、それを無視して他の個体にデバイスごと振り回して投げ付けると、集めた2体のウルフレックスに対してデバイスの矛先を向けて魔力を集める。
「砲撃魔法:ディバインバスター」
放たれたのは、なのはが最も得意とする中距離攻撃魔法:『ディバインバスター』であったチャージ時間は0.5秒にも満たないほどに素早く放たれたにも関わらず、2体のウルフレックスを覆い隠すほどの攻撃範囲を見せた。
残された2体のウルフレックスたちは目の前の光景が理解出来ないのか、硬直している。
「これで11体」
戦いが始まってからまだ5分と経っていない。
それなのにウルフレックスたちの群れは、既に8割以上がやられている。
彼らから見れば高町なのはは森などで見かける逃げ足と数しか取り柄のない餌(猿などの類人猿)の1つに過ぎなかった。
なのに目の前の雌猿は、拳一つで同胞を殴り飛ばし、何もないところから氷を生み出し、見たことも無い光で同胞を消し飛ばした。
ここまで来てようやくウルフレックスたちは理解した。
目の前の存在は圧倒的な格上だと、彼女が捕食者であり、自分たちは被捕食者であると骨の髄まで理解させられた。
だから、ウルフレックスたちは逃げた。
生存本能に従って脇目も振らず、2体が同時に真逆の方向へと逃亡した、全滅する確率を少しでも減らすために。
なのははそんな彼らを見送り、氷像となって取り残された4体のウルフレックスたちに近づいて1体ずつ丁寧に解凍していく。
さらには、『空間魔法:
実はなのはが殺めたウルフレックスは、最初に斬首した個体と、凍らせて砕けた個体の2体だけだった。
殴り飛ばした3体は衝撃で気絶しているだけなので、そのうち起きる。
凍結させた4体は解凍と回復魔法で治療した。
ディバインバスターで消滅させたように見せた2体も、実は『
旅を始めて7年、高町なのはは幾多の世界を巡り、いろんな人たちを、さまざまな生物たちの暮らしを見てきた、戦争に巻き込まれたり、犯罪者として追われたり、危険な野生動物に食べられかけたり、と非常に危険な旅だった。
野生動物を狩猟して食べたりもしたし、人を殺めたこともある。
この過酷な旅はやらなければやられるような事態が頻発する、故に必要な時はなのはも一切躊躇わず敵を討ち取るだろう。
しかし、だからといって無差別に命を奪うようなことを高町なのはは容認しなかった。
根が善良なのだろう。
奪わなくても良い命はなるべく生かすように努める、それが高町なのはのポリシーだった。
「ウィルギリウスご苦労様、戻って」
なのはがそう言うと彼女の持っていた"槍型のストレージデバイス:冥氷槍ウィルギリウス"が待機状態である"銀色のイヤリング"になって左の耳たぶに装着された。
ウルフレックスたちの治療を終えたなのはは、最初に首を切り落としたウルフレックスの胴体の方に近づき、手早く解体して"空間魔法:
後始末も終わったのでウルフレックスたちが起きる前に現在位置から離れるために、飛行魔法を発動して空へと飛び上がったところでリムルが声をかけてきた。
「ご苦労様なのは」
「もうあの程度の獣の群れくらいなら余裕だな」
「にゃはは」
「褒めてくれるのは嬉しいけど、流石にもう恐竜くらいには負けないよ」
「真田さんが作ってくれたウィルギリウスもいるからね」
「確かにウィルギリウスの性能は飛び抜けているけど、戦術や魔法はなのはが自分で創り上げたものなんだから誇っていいんだぞ」
「まだまだ改善点ばっかりなのに?」
リムルの賞賛の声を素直に受け取らないなのは、彼女としては自分の魔法も戦術もまだまだ未完成で歪なものに見えているようで何処か不満げだった。
旅の当初は、なのはの身体を借りたリムルが戦闘やら解析・鑑定やらといったあらゆる問題をほぼ1人で解決しており、なのはは身体を貸していただけだった。
しかし、なのは自身もリムルからの指導と自分の身体を使って戦うリムルを観察したことで驚異的な速さで魔法及び技術を習得した。
その結果、現在の戦闘力では、なのはがリムルを上回っているほどだった。
事実として、高町なのはの実力は元魔王であるリムルから見ても相当なもの。
本人のスペックだけでも、ただの人でありながら元の世界でいうところの『聖人』の領域に一部踏み込んでいる。といえば、その強さがわかるだろうか。
さらには、とある異世界でお世話になった某宇宙戦艦の技師長と共同開発した超高性能デバイス:ウィルギリウスを所持している。
これらを総合的に判断すると──
高町なのはの戦闘力は覚醒魔王級にも届きかねない。
それがリムルの評価だった。
たった13歳の少女がここまで強くなると誰か考えただろうか、リムルなど未だに力を取り戻しきれていないというのに。
いくつかの世界を巡りリムルは魂の完治に成功した、これにより自力で魔力を生成出来るようにはなったが、未だに全盛期の力には遠く及ばず、失ったスキルも記憶もほとんどが戻っていない。
元世界で死にかけた理由も、相手が誰でどれほど強いのかも、失った者たちのことも、救わなければならない者も、何もかも思い出すことができていない。
少なくとも、かつての全盛期を上回る強さが必要なことは確実なので旅を続けている。
「ならこれからも頑張らないとだな」
(こんなに強くなったのにまだまだ成長の余地があるのはすごいよホントに)
「うん、がんばるの!」
「でも休むことも大事だからな、南の森に温泉が湧き出てる場所を見つけたからそこで休憩しようぜ」
「温泉!行きたい行きたい‼️」
「久しぶりのお風呂❗️楽しみ〜❗️」
リムルの案内に従ってなのはは音速の5倍ほどの速度で飛び去った。
ーーー
ーー
ー
ここはリムルが感知した天然温泉。
ややトロみのある白いにごり湯には、美肌効果も期待できるらしい。
そんな温泉を、1人の少女と、1匹のスライムが堪能していた。
「あぁあぁぁ〜生き返る〜」グデーン
「温泉なんてホントに久しぶりだね〜気持ちいい〜」トローン
リムルと高町なのはだ。
2人は日頃の疲れを癒すために、それはそれはのんびりと温泉を堪能していた。
入浴中を猛獣たちに襲われないよう、なのはが『次元結界』を展開し、リムルは、温泉周りを整備してシャンプーやボディソープなどの小物に始まり、サウナチェアやマットレスまで用意しており、ちょっとした銭湯のようになっていた。
「なのは〜」
「な〜に〜?」トローン
「せっかくだからオイルマッサージ受けないか?」
「この温泉から作った特別製だからなぁ」
「疲労回復と美肌効果の向上を保証するぞ」
「オイルマッサージ〜?」トローン
「それは体験したことなかったわね〜いいわよ〜お願〜い」トローン
こんな感じで非常に寛いでいた。
一度湯船から上がりマットレスに横になったなのはを、人型になったリムルがオイルマッサージを始めていた。
人型になったリムルは水色の髪を背中まで伸ばした中性的な少年だった、そんな見た目は同年代の異性に裸を見られて、全身を触られているのにも関わらずなのははリムルを拒否せず、身を委ねているあたり2人の信頼度がわかる。
リムルはオイルマッサージをしながらなのはに真剣な顔で話しかける。
「……なぁ、なのは少し休まないか」
「休み?でもまだリムルの力は戻ってないし、元世界への道も見つかってないよ?」
「大丈夫だ
「だから、少しくらい休んでも大丈夫だ」
「…リムルが良いなら私は問題ないけど、どこに行くの?ちゃんと休むなら平和な世界がいいよね」
リムルは敵に関する記憶を失っている。
相手が誰なのか、どれくらい強いのか、何人いるのか、目的はなんなのか、何も思い出せない。
だから、強さに関しては力を取り戻すだけじゃダメなのだ、かつての自分を圧倒出来るくらいにならなければいけない。
今…元の世界に戻っても誰も救えないし、そもそも何も出来ないだろう、だから時間軸に干渉する術式を作る必要があった。
何よりも、リムルは高町なのはと家族を和解させたかった。
かつてリムルは、当時まだ6歳の少女にすぎなかったなのは対して、『認識阻害魔法』を使って家族関係を崩壊させて自分について来るように誘導した。
既に、なのは自身には全てを話して誠心誠意謝罪したのだが、彼女は許すどころか気にしていなかった。
彼女曰く、「リムルと会う前から私は家族に忘れられてたんだよ…多分魔法なんて使わなくても誰も気づかなかったと思うの」とのことだった。
なのはは家庭崩壊はリムルの責任とは無関係だと思っているようだが、リムルはそれに納得できない、リムルと出会う前から家族関係が悪くなっていたとしても、話し合う時間を取らせずになのはを異世界に連れ去ったのはリムルだ──これで無関係などと言えるはずがないだろう。
だから、リムルは休暇と称してなのはを家に帰すつもりだった7年もかかってしまったが、彼女には彼女の人生があるのだ、自分の復讐にいつまでも付き合う必要は無い。
「行き先は…地球の海鳴市なんかどうだ?」
「!?」ビクッ
「なのは、君は一度家に帰って家族と話すべきだよ」
「俺も君の家族にキチンと謝罪したい」
「だからな行こうぜ、君の家に」
なのはは震えていた。
怖いのだ…また家族に忘れられているかもしれないことが……
家出してから既に7年経った、時間の流れが各世界で少し違うため地球時間では3年だが、それでも行方不明者の捜索が打ち切られるには十分だし、興味が薄い相手なら忘れ去られていてもおかしくないくらいの時間は過ぎている。
だから怖い。
会いに行って「誰?」なんて言われたら、なのはは塞ぎ込んでしまうだろう。
しかし、なのはにもリムルの考えは理解できていた。
家族のことはなのはの心に確かな傷跡として残っている、彼女は気づかないように目を逸らし続けているが、この傷が原因で『覇気』が本来の出力を発揮出来ていないなど明確な影響が出ていた。
いつまでも逃げ続けるわけにもいかない。
だからなのはは震えながらマットレスから起き上がってリムルに向き直る、全身に塗られたオイルによってヌルヌルになった魅惑の身体を震わせながらリムルに抱きつく。
「……海鳴市への帰郷はわかったよ…でも…怖い…から……少し……こうさせて……」ギュッ
「……わかった…落ち着くまでゆっくりしような」ナデナデ
震えるなのはをリムルは優しく抱きしめながら頭を撫でる。
どれだけ強くなろうと彼女はまだ13歳の少女にすぎない、こうして不安に苛まれて動けなくなる時もある、そんな時こそリムルが支える、相棒として、師匠として、高町なのはに寄り添うのだ。
ーーー
ーー
ー
リムルに縋り付いていたなのはが落ち着いた頃には既に日は暮れており、辺りは夜の暗闇に包まれていた。
2人は光魔法を光源にして身支度を終え、地球へ転移するための
「一回で帰るには地球は遠いな」
「うんそうだね、じゃあウィルギリウスにも手伝ってもらおうかな」
今いる次元世界は地球からかなり遠く、移動に使う魔力は2人がかりでも無視できるものではない。
そのため、なのはは自身の専用デバイス"ウィルギリウス"の固有機能を使うことにしたのだ。
「ウィルギリウス!『クリスタル解放❗️』」
なのはの指示に伴い、ウィルギリウスの切先の根本部分にある6個の宝石の内の一つが一瞬だけ強く輝き、大きな魔力がデバイス内で解放された。
その魔力はデバイスの心臓部、あまりにも強力であるが故に普段は停止している主機関:波動コアへと送られた。
「波動コア!起動❗️」
次の瞬間、なのはのデバイスから膨大な魔力が溢れ出した、彼女の魔力光と同じ桜色の魔力の光が辺り一面を照らし出す。
なのはの背中にはいつのまにか真っ黒の大きな光輪が出現しており、デバイスから溢れ出した魔力を吸い上げて保持しているようだ。
(相変わらず、すごいエネルギー量だなぁ、波動エネルギー)
ウィルギリウスの主機関である"波動コア"とはとある異世界で出会った宇宙戦艦の主機関の心臓部であったものの複製であり、その性能は全長333mの戦艦を何万光年もの彼方まで航海できるほどのエネルギーを生み出せる代物だ。
間違っても歩兵武装に組み込めるような物ではないし、出来たとしても一個人が扱い切れるようなエネルギー量ではなかった。
しかし、高町なのはにはそれが可能だった。
波動エネルギーを魔力に変換する機構を生み出し、彼女の持つ特殊技能『魔力収束』を用いて波動コアから生成される膨大な魔力を自身の背中付近に集結させて、魔力を保持する器としての役割を担うオリジナル魔法『
波動コア起動から20分ほど経つとなのは、『
「いっくよ〜
強大な魔力が解放され、2人の前には大きな門が現れた。
このゲートの先は、地球の海鳴市、2人が出会った始まりの場所。
故郷へのゲートを前に躊躇ってしまうなのはの手を取り、リムルは歩き出す。
己の罪に向き合うために──
【補足情報】
高町なのはの旅は7年ですが、時間の流れの違いから海鳴市では3年しか経っていません。
[ウルフレックス]
・高町なのはの強さを示すために作者が適当に作った噛ませ犬。
・見た目はティラノサウルスでコイツらの方が尻尾が長いくらいの違いしか無い。
[高町なのはの特殊技能]
・魔力収束
・異次元の空間把握能力
・武装色の覇気:片手の武装硬化が限界
・見聞色の覇気:気配探知と先読みがそれなりにできる。
・覇王色の覇気:資質のみ、コントロール不能
・波動文明の科学知識
[高町なのはオリジナル魔法]
・
リムルに教わった異次元への通路を開くスキルとリムルの『胃袋』を参考にして作った魔法。
自分専用の異次元空間を創り、その空間に繋がる門を物質世界に出現させてものの出し入れや、ゲートを用いて空間ごと対象切断したりできる。(ヒロアカの黒霧と同じことが出来る)
・次元結界
次元の壁を結界として生み出す広範囲防御もしくは封印魔法、次元を越える手段を用いられないかぎり、物理的にも魔法的にも干渉出来ない結界。
・
高町なのはの持つ特殊技能『魔力収束』によって集められた魔力を留めて置くための魔法。
発動中はなのはの背中に黒い光輪が出現し、ウィルギリウスや周囲から集めた魔力を保持し続ける機能を有する。
この魔法とウィルギリウスによってなのはは自身のリンカーコアからの魔力を一切使わずとも無限に等しい魔力を扱えるようになった。
次回 第2章 第1話 帰郷