久しぶり。元気してたか?
作者は新学期始まって開始早々鬱だぞ!
クラス替えは残酷なり。
その後、地上へと向かう道を進むなかで―――
我々洞窟探検隊一行(スライム、吸血鬼、スキル)は、様々な魔物に接敵した!
ムカデのバケモノ。
卒倒しそうなほどデカい蜘蛛。
俺と似ているバカでかいコウモリ。
鎧を着込んだトカゲ。
あの黒蛇は、やはり特別な個体だったのかそれ以降一度も出会っていない。
みな強敵で、そのどれもが血湧き肉躍る死闘であった。
………まあ、みんな一撃だったんだけど。
あの黒蛇との戦闘の次。
今度はリムルに任せて《水刃》の威力でも観察しようかな、なんて思っていたが……ぶっちゃけ俺の戦闘より酷かった。
(いくぞー)
そんな軽い声かけとともに放たれた《水刃》が、吸血蝙蝠を真っ二つに切り裂いたのだ。
それはもう、スパッと。
???「ギコギコはしません一度刃が入ったらスー(テンションブチ上げ)っと!!」
も、涙目である。
オオコウモリくんには涙が禁じ得ない。
しかし、ワンパンと言ったからといって苦戦らしい苦戦がなかったわけでもなく。
百足と蜘蛛。
―――――――――そう、百足と蜘蛛である。
あいつらは本当にヤバかった。
感知した瞬間《隠密行動》を発動し、リムルを担いで逃げるくらいにはヤバかった。
リムルが、(えっ、ちょ待っ)と言いかけていたような気もするが、そんなこと気にしている暇などはなく全力で逃走に力を入れた。
―――え?なんで逃げたかって?
分かるだろキモいからだよ。
あのうじゃうじゃと足の一本一本が意思を持って動いているかのようなモノ。
百足とはよく言ったもので、名前に恥じぬキモさをしていた。
蜘蛛に至っては論外。
語る必要はなくその思考に至ったのは必然でもあった。
しかし、まぁ無視して進むわけにもいかず。
リムルにジャパニーズ日本人奥義《土★下★座》をすることによってかわりに処理してもらうことにした。
リムルは
(キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい)
とか言いながら《水刃》を撃ちまくっていたらしい。
まぁ見てないからなんとも言えないのだが。
そして現在―――
「ほえー《毒霧吐息》って、こんな感じなるのか」
(うわ、グロ………)
「お前が溶かしたんだろうがよ」
リムルが手に入れたスキルの検証を行っていた。
まぁ検証しているのはリムルで、俺は見ているだけなのだが。
実はリムル――いや、リムルさんは倒した魔物をしっかりと"美味しく頂いている"――味覚はないらしけど。
とまかく実にエコでリーズナボー、環境に配慮し過ぎて俺は胃がムカムカする。この世界にあるかは分からないが環境保護団体も大喜びであろう。
……グロテスクなのは置いといて、リムルはユニークスキル《捕食者》の権能で、食った魔物のスキルを手に入れられる――らしい。
正直チートかよ!と思わなくもないが、支援者さんから
『ワタシがいますよ』
と、言われれば折れるしか無かった。
――蛇や百足、蜘蛛からトカゲまで体内に取り込み捕食する姿はまるでエイリアン。どっちが悪い魔物――善悪概念は無いけど―かは分からないレベルである。
(いやー使ってみないとわからないからな。なんなら《麻痺吐息》吸ってみるか?)
「俺死ぬかもしれないぞ?」
甲殻トカゲをズブズブに溶かした―――俺もグチャグチャにしちゃったけど――
そんなヤバいスライムが、ついには俺にもその毒牙を向けてきた。
支援者さん曰く、俺は耐性スキルなるものを一つも持っておらず、種族としての再生能力に依存しているとのことだ。
下手すれば吸った瞬間にこの世とおさらばする可能性だってあり得る。
その辺りをぜひとも考慮していただきたい。
―――そんなこんなありつつも、リムルのスキル検証は着々と進んでいった。
特に印象に残ったのは蜘蛛だが……これはダイジェストでお送りしよう。
「これ、某"蜘蛛男"みたいなことできるんじゃね?」
(だろ?てことでーー行くぞ!《粘糸》!)
ヒュイ――ぶらーん…………
「………」
…………………プチン。
(……えっと、《鋼糸》の検証だったよな?)
「……そうそう。どんなスキルか早く知りたいぜ」
―――ダイジェスト終了。
………俺は何も覚えていない。
まぁ、《鋼糸》は鍛えれば強くなりそうなスキルだったし、糸使いは強キャラと相場が決まっている。
練習する価値はあるだろう。
そしてリムル的に大本命だったのが―――
リムルに非道な行いをされた大蝙蝠である。
「どんなのなんだ?」
(えっと…吸血と超音波らしいな)
へぇ?と思う。
「吸血なんて俺と一緒じゃん。血が吸いたかったのか?」
(いや、全然吸いたくないし興味もないぞ)
…………。
……なぁ《支援者》。
俺泣いてもいいと思うんだ。
『告 ワタシは慰めませんよ』
―――いつだって世界は俺に優しくない。
これからの俺の食糧(予定)が完全否定された瞬間である。
三日三晩くらい泣いてもいいはずだ。
(これを…こうして…)
何やリムルがモゾモゾしているが、気にしない。
男泣き、決行である。
『……ハァ…、アナタの吸血は種族的に言えば大蝙蝠のソレとは違い………………』
し、支援者……。
◇
「ワレワレハウチュウジンデアル!」
「おぉ、成功したじゃん」
リムルが蝙蝠のスキルに関心を持っていた理由。
それは超音波の存在である。
このスキルを発動するには専用の器官が必要らしく、その器官は当然発生にも応用できて―――三日三晩の試行錯誤の末、ついに成功したのだ。
「ワレワレハウチュウジンデアル!!!」
洞窟内に響く無駄にクリアなスライムボイス。
―――努力の結晶である。
「ワレワレハウチュウジンデアル!!!!!」
「どうしたリムル?」
「ワレワレハウチュウジンデアル!!!!!!!!」
ついに壊れてしまったのかもしれない。
◇
そんなこんなありつつも、洞窟の探索は終わりを迎えようとしていた。
「いやー長かったな。どのくらい経った?一ヶ月はいる気がするしそう言われたような気もする」
「ワカンナイゾ?トイウカ、ナキサハ『支援者』ニ、イマキケバイイジャナイカ」
「確かに」
リムルは未だカタコトだが、前と比べればかなり滑らかに喋ることができるようになっている。
完璧に話せるようになるのも時間の問題だろう。
―――俺もこの洞窟で、戦いには大分慣れた。
後半は《支援者》に頼まずとも吸血牙装を出せるようになったし、そこそこ補助無しでも動けるようになった。
そろそろ頃合いだろう。
―――洞窟の奥から、わずかに光が差し込んでいるのが見えた。
「……あれ、出口か?」
「ッポイナ」
暗闇に慣れた目には、それはやけにまぶしく映った。
この世界に来てからずっと続いた洞窟生活。
その終わりである。
「――外、か」
思わずそう呟く。
「ドウシタ、ナギサ?」
「いや、なんでもない」
そうリムルに返し、前に踏み出す。
あの先にどんな世界が待っているかはわからないが、きっとどうにかなるだろう。
リムルもいるし支援者もいる。
「なぁリムル―――楽しみだな」
「…ソウダナ」
そうして俺たちは、長きに続いた洞窟生活に終止符を打ちようやく世界に足を踏み入れたのだった。
ようやく洞窟出ましたね―――長い。ここまで長い。
しかーし!ここからは楽しくなってくるところだ!
エタらないかは別だがな!
コメントや評価で作者を元気づけてください!
評価してくれる人がいる限りどうにか完結させるので!
全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?
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リムルから見たナギサ
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日向と凪沙の昔話
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黙って続き書けや