転生したら吸血鬼だったんだけど何か違う件   作:五月雨と狐

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やぁさっきぶりだよコンチクショウ!!!!
今日2つも投稿したから体育会中は投稿しません!!!!

良いですね!!



ゴブリン村防衛戦その2!!

 

 夜―――

 

 満月が、大地を白く照らしていた。

 

 牙狼族の長は、ゆっくりと目を開く。

 世界は静かで、風の音さえどこか遠い場所のものだった。

 

 今宵は満月、狩りにはあまりにも都合が良い。

 ゆらりと、伏せていた体を四肢でもって起き上がらせる。

 

 周囲をみわたせば、群れは整っていた。

 

 

 無駄なざわめきはなく、張り詰めた空気のなかに静かに研ぎ澄まされた殺意が満ちている。 

 

 ……いい具合だ。

 

 長はわずかに、牙狼族の象徴たる牙を覗かせる。

 

 今宵、あの村を滅ぼす。

 それは、終わりではなく始まりに過ぎない。

 

 森への橋頭堡を築き、やがては南へ。

 より肥沃で、より強大な地へ。

 

 

 そのための一歩だ。

 

 

 そして、それを成すだけの力を自分たちは持っている。

 その核心に迷いはない。

 

 「―――ウォォォォォォンッ!!!!!!!」

 

 咆哮が夜を引き裂いた。

 

 次の瞬間。

 群れが一斉に動き出す。

 

 蹂躙の―――始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………だが。

 一つだけ、引っかかったことがあった。

 

 数日前。

 

 村付近へと斥候として放った同胞が、奇妙な報告を持ち帰っている。

 

 

 曰く――

 

 

 異様な妖気を纏う、小さな魔物。

 そして―――妖気を一切感じさせぬ、紅い目の"人間"。

 

 

 魔物の放っていた妖気は、群れの長たる自分すら上回ると。

 

 

 ………あり得ぬ。

 

 

 そう一蹴した。

 

 この森に、今のこの森に、そこまでの驚異を感じられなかったからだ。

 

 

 

 だが―――人間の方。

 

 

 "紅い目"。

 

 その一点が、どうにも引っかかる。

 

 

 西方に勢力を置くと聞く吸血鬼(ヴァンパイヤ)……

 その存在が、脳裏をよぎったのだ。

 

 仮に、それが事実とするのならば。

 魔物が放っていた異質な妖気にも納得がいく。

 

 強大な妖気をうまく認識できなかったのだろう、おそらく吸血鬼の放っていた妖気だ。

 

 こう考えるのが自然だ。

 

 

 

 

 そして……それが確かに吸血鬼であるならば。

 

 

 この身であっても、容易ではない。

 吸血鬼というのは、魔人である。

 

 Aランクを、ときに越える上位魔人の一角である。

 

 種としての格が違うのだ。

 

 

 

 

 ―――引くべきか?

 

 一瞬だけ、思考がよぎる。

 

 

 だが。

 

 

 長は、大地を駆けながらも静かにゆっくりと首を振った。

 

 

 あり得ぬだろう。

 

 

 その可能性は充分に低い。

 いない可能性のほうが高く、そもそもゴブリンに与しているかすら不確定なのだ。

 

 

 

 

 そして、仮にもし吸血鬼がゴブリンに与していて敵対するのであれば―――

 

 

 こちらにも"牙"がある。

 

 群れにおいて最も鋭く、強く、そして()()()

 

 並走している一匹に目を向ける。

 

 そこにいるのは、今は亡き(つがい)の残した―――己が娘。

 

 

 「………吸血鬼を、抑えろ」

 

 短く伝える。

 

 「殺しても構わん―――」

 

 そして一泊おいて。

 

 「その代わり、必ず無事に帰ってこい」

 

 亡き妻の残した娘にして、()()()()()()()()()でもある、群れ最強の白牙狼。

 

 

 

 それを長として、戦力の一端として数えることはもちろんある。

 

 

 

 だが、それと同時に娘を想う気持ちも存在しているのだ。

 

 

 

 「…承りました、父上」

 

 そう返ってくる娘の声。

 

 静かで、冷たい氷のような声。

 しかし、彼女の発した言葉は父親を想うものだ。

 

 

 長であり不器用な父、群れ最強であり郡のような彼女。

 

 しかしそこには確かに親子の情があった。

 

 「父上のご武運を、願っております」

 

 そう言い切り、彼女は群れの先頭へと移って行く。

 

 

 

 そうだ、それでいい。 

 

 長はそう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 命は下され、群れは1つの意思となる。長の意思を体現する、一匹の獣として。

 

 

 牙狼族は、村へと目掛けて地を駆ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 前方に村が見えた。

 

 

 斥候の報告通りの位置。

 娘に頼み、あえて逃がした数匹のゴブリンを追わせ、特定した場所だ。

 

 

 間違いない。

 

 

 ―――問題は。

 

 

 吸血鬼の存在。

 

 その存在の有無、力量、その全てによって戦況は大きく変わる。

 

 

 

 だが、長は自身の統率能力に絶対の自信を持っている。

 狡猾であり、慎重である。

 

 

 

 故に―――どのような戦況でも勝ちに持っていく。

 

 

 そのはずだった。

 

 だが。

 

 

 視界に映った光景に、わずかに違和感が走る。

 

 

 

 ―――囲い?

 

 

 

 人間共の村に見られる、防壁。

 粗削りではあろうが、確かに柵が築かれている。

 

 

 見れば家々が取り払われ、外周を固める形へと変えられていた。

 

 

 ゴブリンが?

 

 

 そう頭によぎる。

 

 

 そして、その柵の開口部。

 

 

 

 そこに―――一匹のスライムがいた。

 

 

 

 吸血鬼は?

 

 

 報告とは違う、長の思考にノイズが走る。

 

 

 

 ―――吸血鬼はいない。

 

 

 そう判断付けた瞬間。

 

 

 「アォォォォォォォォン!!!!!」

 

 

 

 白の軌跡が、横を駆け抜けた。

 

 娘だと理解する。

 

 

 

 娘は、一直線に―――スライムの隣。

 

 

 "なにも存在しないはずの空間"へと、牙を剥く。

 

 

 

 

 次の瞬間。 

 

 

 

 

 ―――衝突。

 

 

 

 鈍い金属音のようなものが響き、鋭い牙が何かに阻まれた。

 

 

 

 そこに現れたのは……………紅い目。

 

 人の形を取りながらも、腕に異形の爪を纏う存在。

 

 吸血鬼だ。

 

 

 (いたか―――!)

 

 

 「ナギサッ!?」

 

 スライムが驚愕の声を上げる。

 

 「ううぇッマジかこいつ、《隠密行動》に気づきやがった!?」

 

 

 吸血鬼―――ナギサという名前を持つのだろう。

 

 その存在は、舌打ち交じりに吐き捨てる。

 

 

 

 

 「リムル!こっちは抑えとくからそっち任せた!」

 

 言い捨てるや否や腕を振るい、牙を弾く。

 

 

 

 そのまま娘へと、飛び掛かり―――それをひらりと、躱される。

 

 

 

 

 チラリと娘はこちらを見やる。

 

 

 そのまま、森の奥へと駆けていった。

 それを追う吸血鬼。

 

 

 2つの影が、この場より消え去った。

 

 

 ………充分だ。

 

 

 長は静かに、息を吐く。

 

 

 

 これで―――

 

 

 最大の不確定要素は、排除された。

 

 

 

 

 ………互いにとっての。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    




みんなたくさん見てね!!!!!!!
あと設定ちがくね?とか、無理やりすぎん?とかの訂正もドシドシ送ってちょんまげ!


筆者はそんな感想にすら飢えてるから!!!
この作品を今後ともよろしくお願いします!!!!

全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?

  • ヒナタのドロドロ感情劇場
  • リムルから見たナギサ
  • 日向と凪沙の昔話
  • 黙って続き書けや
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