……あぁ思わないですか、そうですか…。
かなぴーまんです。
「というかなんで、あの村を襲おうってなったんだ?」
(父上――群れのボスが、そう指示したからですね)
「お父さん群れのボスだったの!?」
先の戦闘が終わり、なんとなく敵ではなくなった俺達はおしゃべり――お互いの情報を交換し合いながら村へと戻っていた。ぼちぼち打ち解けつつあり、今では身の上の話を聞くまでになった。
(えぇ、父上は野心家でして。あそこの村を足がかりに南方の肥沃な大地を目指していました。牙狼族の繁栄のために、と)
「はえーなんかすごいなぁ,,,まぁ村守ってる立場からするとすこし複雑だけど」
(良いではないですか、私が負けたということは群れの負けです。村は守られていますよ――攻めた立場からすると複雑ですが)
.....ぐぅの音も出ない。と、まぁこんなもんだ。話せばわかる、ラブアンドピースである。そんなことを考えていると、彼女が何か言ってきた。
(しかし--懸念とすれば)
「なんかあるのか?」
(はい、父上は少々野心家過ぎまして、負けを認めないのではないのかという)
「あぁ〜〜〜そういうね」
ここに来てまぁまぁ問題になりそうなことが判明した。
(まぁそもそも牙狼族自体は気性が荒いのでしょうがないとも言えますが)
「でもそういうオマエこそ、なんか落ち着いてるじゃん、気性が荒いんじゃないの?」
(私は牙狼族のユニークモンスターなので。種族から違うのですよ)
「いやそれはもう牙狼族ではないのでは??」
そう思ってしまうのも無理はないだろう。チラッとしか見えてない――すぐに攻撃されて森に移動したから――けど他の個体は黒い体毛だった。
(事実私は牙狼族は牙狼族でも白牙狼ですから)
マヂの別物だった。
「ほーん。氷を扱うから白牙狼なのか?」
(いえ、白牙狼だから氷を扱えるのです。父上の子ではありますが母親が兄上と違いまして)
「ほへー魔物にもそういうのあるんだな」
(おかしなことを言いますね、アナタは吸血鬼....魔物なのでは?)
やっべミスった。
「........まぁな。しかし話しててわかるけどお父さんを尊敬してるんだな」
(そうですね。少々冷酷で野心家ですが父は父、小さいときは遊んでもらったものですよ)
―――私がユニークモンスターだって分かってからはそういうのもめっきり減りましたが、と彼女は付け加えた。
「...なんか大変なんだな」
(どこの家族も一緒でしょう)
……家族、か。
もう久しくあってないなぁ、あの死に様に後悔がないというのは本当だけれどもう一回くらい会いたいな、なんて思っていると―――
(ッ!?すみませんナギサ殿っ!!)
言うが早いが銀が弾ける。
「おいおい、ちょっと待て!!!!」
俺もそう言い彼女を追いかける―――何が起こっていたのかわからずに。
◆
俺が村にたどり着いたのは、彼女がより数瞬遅れてだった。
そこにあったのは、傷一つ無く中央を見ているゴブリンたちと、傷を負っているものもいながら、同じように中心に目をやっている牙狼族の姿だった。
そして―――その視線の先にいるのは、首を失った牙狼族とそれに寄り添っている彼女。それから近くにいるリムルだった。
(父上、父上、起きてください。起きてください、お願いです)
銀の体躯を父の亡骸にこすりつけ、帰らないであろう返事を望んでいる。
(....もう戦いは終わりましたよ、私も負けました。....だからはやく帰りましょう...)
「....悪い、でももう死んでいる」
そう言っているリムルの声が聞こえる。 きっとそれは正しい。痛いほどわかる。 しかし、きっと彼女はそれが認められないのだろう。
(.......黙れ黙れ黙れッ!!!)
銀の狼が顔を上げる、ソレと同時に空気を裂く叫びが放たれる。先程の彼女にあった理性はなく、怒りと悲しみと。―――――――――否定の感情。
(オマエか....スライム.......!!!)
低く、低く唸る。
(オマエが父上を殺したのか!!!!)
亡骸から体を離し、彼女はリムルに向かって、一直線に牙をむこうとする―――
「........せめて、やすらかに」
一瞬、リムルの思考が迷ったように見えた。
だが、判断は早かった。
「《水じ――――》」
「ちょっと待てリムルッ!!!!!!」
そして、俺は、《水刃》を放とうとするリムルと、その発射先にいる彼女の間に既のところで割って入った。
「落ち着けッ!」
思わず、声を張り上げる。
「もう戦いは終わったはずだろ」
俺たちは――村を守るために戦った。
決して復讐じゃない。牙狼族を殺すためじゃない。
「村は守ったんだ……もう、これ以上やる必要はない」
自分に言い聞かせるように、言葉を吐き出す。
「ナギサ、でも――」
リムルが何かを言いかける。
だが。
(どいてください、ナギサ殿ッ!!)
それを遮るように、叫びが響いた。
(そのスライムが……殺せないッ!!)
荒い息。
震える声。
(兄上も……群れのみんなも……何をしているんですか……)
視線は、ただ一点。
動かない亡骸へと向けられている。
(ボスが……父上が……殺されたんですよ……!!)
――ぐしゃり、と。
何かが崩れる音がした気がした。
(どうして……どうして父上を殺したんですか……ッ)
その声は、先ほどまでの怒号とは違う。
責めるというより――縋るような響き。
(確かに……先に仕掛けたのは、こちらです……それは分かっています……!!)
一歩、前に出る。
(でも……)
顔を上げる。
涙で濡れたままの瞳が、まっすぐこちらを射抜いた。
(ナギサ殿は……私を殺さなかった……!!)
空気が、止まる。
(あなたは、同じくらい強いのでしょう……!?)
その問いは、リムルへ。
(なら、どうして……!)
震える声が、夜に溶ける。
(どうして、それが出来なかったのですか............ッ)
理屈じゃない。
納得なんて、求めていない。
ただ――
(父上を……返せ……)
絞り出すような声。
次の瞬間。
(――返せぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!)
咆哮が、夜を引き裂いた。
満月の下。
一匹の狼の遠吠えが、長く、哀しく響き渡る。
◆
そう、彼女は叫ぶと―――リムルに喰いかかった。少し、槍尾が緩んでいたのか行動を止められなかった。
リムルは、それを予想していたのか同じく水刃を放とうとする―――それは、正しい。はっきり言って正しいのはリムルだ。
でも俺はやっぱりそれを見過ごせなかった。
「ナギサ殿っ!?」
「ナギサッ!?なんで...」
ゴブリンたちのざわめきととリムルの声が聞こえる。
驚きと、疑問。
そんなとこだろうか、まぁ当然だろう。
「.......ごめん.......ごめん。落ち着いてくれお願いだ」
俺が彼女に噛みつかれているのだから。
あの一瞬で放たれた《水刃》から彼女を庇い、リムルに噛みつこうとしていた彼女を止めた。
右肩にしっかりと噛みつかれ、今なお噛まれ続けている。血がとめどなく流れ出し、ソレと同時にひどい痛みを覚える。
なにげに、これが異世界初めての痛覚だった。
「ごめん。ごめん」
彼女の体を抱え、動けないように、すこし強く抱きしめる。
「許してくれって言えない、忘れろなんて言えない。でも、お願いだ。俺は君に死んでほしくない」
さっきからほんの数刻。戦い合って命すら狙われていた、けれど一度話したのだ。
父との思い出を語った彼女を知ってしまったのだ。
もう俺は―――――――――彼女を見捨てられない。
(なんで、ナギサ殿が)
彼女は俺の肩から牙を離し、力を緩めた。
―――俺だって分かっている。俺がおかしい。絶対にリムルは間違っていない。
荒い息が、すぐ近くで震えている。
「...ッ..村を守るって決めたのは俺達だ」
というか、村が襲われた原因に責任を感じた俺がリムルを誘ったんだ。それでこんなことして――――馬鹿みたいだな。
その内心に隠した自己嫌悪を隠しながらゆっくりと、言葉を選ぶ。
「その結果が、これだ」
視線の先には、動かない亡骸。
「理不尽に感じたよな、ごめん。俺が君を殺さなかったのは、完全に俺のエゴだ」
言葉が通じるなら、俺は戦いたくなかった。
言葉が通じるモノを、俺は殺したくなかった。
そんな自分勝手なエゴ。
(.....いいのか、ナギサ)
(良いも悪いもこうなったのは俺が原因だ。ごめんリムル)
リムルは間違っていない、俺だって村に残っていたら、早く決着をつけるためにリムルと同じ事をした。
リムルを否定できるようなものじゃない。
(.....悪い)
(こっちが悪かったんだ、気にすんな)
リムルにはそう言い、念話を切る。
(....エゴだなんて、そんな。....私は、私は....)
「.......俺は、それでもオマエに死んでほしくなかった。それだけだ」
それは、理屈じゃない。
ただの我儘だ。
(……そんな……)
かすれた声。
否定する力も、もう残っていないのだろう。
(......ナギサ殿、もう私は――)
その言葉を最後に彼女は気を失った。
「ごめん」
俺はそう言って彼女の体を地面に置き、膝を払って立ち上がる。
「...ナギサ、お前肩...」
「大丈夫だ、それよりも早くこの戦いを終わらせよう。頼んだぞ、大将」
俺はそう言い切り、リムルの隣りに立った。
『告 肩の負傷の再生を開始。少々消耗しますが、この程度であれば軽度の不調すむでしょう』
そうかありがとう支援者。
『――――自分のことを、大切にしてください』
.........ありがとう。
◆
その後リムルは、ボスの亡骸を捕食し牙狼族に対して勝利を宣言した。そして、その後の動向をボスの息子である体格のいい牙狼族――きっと彼女の兄であろう存在に訪ねた。
「....今回だけは見逃してやる。俺に従えないんだったらこの場から立ち去ることを許す。俺を許せないんだったらそこの銀色を背負ってどっか行け」
すこし雑な言い方だが、牙狼族のことを思いやっている。
自分でもボスを殺してしまったことを気にしているのかもしれない―――少なくとも俺にはそう見えた。
そうして牙狼族は村から立ちさる選択をする―――と思ったのだが
(我ら……貴方様に、忠誠を)
数匹を残し、大半の牙狼族がその場に伏した。
決断は、早かった。
そして残った数匹は――
ゆっくりと、こちらへ歩み寄ってくる。
倒れている白銀の狼の周囲に、控えるように並んだ。
(……我らは、お嬢様に従います)
短い言葉。
だが、それで十分だった。
「……ここに置いていっていいのか?」
(...恥ですが)
一匹がこちらに頭を下げた。
(今はアナタの近くが最も安全でしょう)
そして
(―――お嬢様を助けてくださりありがとうございます)
「..........そうか」
俺は、その言葉にひどく――――悲しみとやるせなさを覚える。
たとえそれが結果論だと分かっていても。
もっと早く戻っていれば、そんな後悔が胸で燻り続ける。
それでも、満月の下。
静まり返った戦場で――
ようやく。
この戦いは、終わった。
ヤンデレにする伏線を打ってゆくぅ!!
「キミに決めた!」(オマエはヒロインになるんだよ)
作者を応援するために、どんな内容でもいいからコメントと、できれば高評価!
よろしくです。
(原作と違うね?って言ってくれたらうれぴー)
そして俺はとんでもないことに気づいた………。
まだ…モッフモフの獣100%だと言うことに…。
ケモナー(ワイ)も驚愕。
手が、勝手に………!?
全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?
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ヒナタのドロドロ感情劇場
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リムルから見たナギサ
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日向と凪沙の昔話
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黙って続き書けや