転生したら吸血鬼だったんだけど何か違う件   作:五月雨と狐

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正直この話は蛇足……というか前話にくっつけても良かったやつです。オリ主がキモイと思ったらブラウザバック推奨。


自分で書いてて嫌になるぜ…(計画性のなさの露呈)。





これからのこと#終

彼女は、俺からの名付けを受け入れた。

 

受け入れることを、彼女自身の意思で選んだ。

 

でも。

 

「……そうか。ありがとう」

 

これは、言わなければいけない気がした。

 

(なぜあなたが? 言わなければならないのは、私の方でしょうに)

 

そういうことじゃない。

 

けれど、それを説明する意味もないだろう。

 

勝手に名付けを提案したのは、俺なのだから。

 

「……そうだな」

 

とりあえず、今考えるべきことはそこじゃない。

 

後悔なんて、後からいくらでもできる。実際、今までずっとそうしてきた。

 

じゃあ、今考えなきゃいけないことは何か。

 

それは――。

 

「……名付けするって提案した身で申し訳ないんだけど、俺、ネーミングセンス無いんだよね」

 

(え?)

 

そう。

 

名前である。

 

彼女につける名前。

 

その案が、マジで無い。

 

そもそも『よし、今日は名前を付けよう!』なんて意気込みで来たわけじゃない。

 

成り行きだ。成り行き。

 

しかも俺はネーミングセンスが無い。

 

……というか、誰かに名前を付けたこと自体がない。

 

前世なら何の問題もなかった。

 

でも今世では、問題どころの話じゃない。

 

大問題だ。

 

(……えっと、その。私は、どんな名前でも気にしませんよ……?)

 

彼女は少し困ったように笑う。

 

「ごめんねぇ……」

 

なんだか慰められている気がした。

 

さっきまであれだけ格好つけたことを言っておいて、この有様である。

 

我ながら締まらない。

 

(……その、ナギサ殿)

 

「……なんですかね」

 

思わず敬語になる。

 

頭が上がらない。

 

(……本当に、本当にどんな名前でも良いんです。……あなたからいただくことに意味があるんですよ)

 

「マジでごめん」

 

なんて優しいんだろう。

 

そんな言葉を向けられるほど、立派なことをした覚えはない。

 

それでも。

 

そう言ってくれた彼女に報いるためにも。

 

俺は、彼女にふさわしい名前を考えなければならない。

 

そう思いながら、改めて彼女を見つめる。

 

ふわりと揺れる、白と銀が混じった柔らかな毛並み。

 

澄み切った白い瞳。

 

氷を操り、戦い方は冷静で鋭い。

 

(その……そんなに見つめられると、こちらも緊張すると言いますか……)

 

「ごめん」

 

さすがに見過ぎたらしい。

 

素直に一言謝っておく。

 

 

 

そして、ここまで特徴を並べて真っ先に思い浮かんだのは――。

 

『ヒョウガ』

 

氷の牙。

 

彼女らしいと言えば彼女らしい。

 

戦い方にも合っている。

 

だが。

 

「……もう牙ではないんだよなぁ」

 

聞こえないよう、小さく呟く。

 

牙でなくなった彼女に『氷牙』という名前を贈るのは違う。

 

彼女自身が捨てたものを、もう一度名前に背負わせることになる。

 

それだけはしたくなかった。

 

……なら。

 

「なぁ」

 

(……はい。なんでしょうか)

 

彼女がこちらを向く。

 

彼女の優しさ。

 

彼女の温かさ。

 

群れのみんなに慕われていた理由も。

 

親の仇の仲間である俺にさえ、こうして穏やかに接してくれる理由も。

 

それは氷というより、雪に近いだろう。

 

静かで、柔らかく。

 

触れれば溶けてしまいそうな儚さも含めて。

 

だから、この名前が、一番彼女らしいと思えた。

 

「君の名前だけど……『ユキナ』っていうのはどうだ?」

 

ユキナ。

 

漢字で書くなら、雪那。

 

雪は、そのまま雪。

 

那は『豊か』『美しい』という意味を持つ字だと聞いたことがある。

 

これから先。

 

群れの牙ではなく、一人の彼女として。

 

豊かな人生を歩んでほしい。

 

そんな願いを込めた名前だった。

 

もっとも。

 

「もちろん、嫌だったら別のを考えるぞ?」                              

 

そんなことを言おうとした瞬間だった。                               

 

(ユキナ..........)                                          

 

俺は喋るのをやめざるおえなかった。                                 

 

それはなぜか?                                          

 

そんなの簡単だ。                                         

 

 

 

 

 

 

 

 

(......私は、ユキナ......)                                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の両の眼から涙がこぼれていたからだ。                              

 

「.....なんか嫌だったか?」                                  

 

冷静な感じだが、内心冷や汗ダラダラである。

 

(嫌だなんて、そんなことあるわけ無いじゃないですか.....)                        

 

ユキナ、ユキナ。私はユキナ。                                   

 

そう繰り返す彼女。                                     

 

.....どうやら、気に入ってくれたようだ。                                

 

「......コレで、いいのか?」                                  

 

一応聞いておく。                                         

 

(えぇ.....。私に、その名をください)                               

 

良かった、そう彼女に返す。                                   

 

 

 

 

 

 

そして、なんとなく。                                       

 

彼女が頭をこちらに下げたのでその頭に手を添えるようにして、言う。            

 

「......君に名を贈る。ユキナ、君の名前はユキナだよ」                      

 

(はい.........!)                                              

 

そう言った彼女の顔は、今まで見たことがないほど笑顔で、涙でいっぱいだった。                 

 

あぁ良かった.....なんて考えていると。                                                                                                                                     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラリ、と視界が傾いた。

 

 

 

 

….....ゑ?                                              

 

 

 

 

(ナギサ殿ッ.....!?)

 

 

 

 

 

視界が急激に暗くなる。

 

倒れかけた身体を、もふもふした何かが受け止めた。

 

その瞬間。

 

身体の中から何かをごっそり持っていかれる感覚と、凄まじい倦怠感が一気に押し寄せた。        

 

 

(ちょいちょい支援者!!)                                   

 

 

『.......告 なぜ、と聞くおつもりでしょう』                             

 

 

分かってるならはよ教えてくれ、なんかヤバいんだ。                         

 

というかリムルと同じ理由だろうが、アッチはいっぱい名付けしてたろ!?               

 

 

(ナギサ殿、ナギサ殿大丈夫ですか!?)                                  

 

 

耳元で彼女に叫ばれている....ような気がする。                                                                  

 

 

『解 あなたの予想通り魔素切れです。個体名:リムル・テンペストは体内に個体名:ヴェルドラ・テンペストを内包しているため、そこから足りない量の魔素を補充していただけです』             

 

 

まさかの情報発覚だけどこの状況は打開できないことが分かった。                                                  

 

 

 

眠い.......めっちゃ眠い......。                                      

 

 

今まで寝てきてない分、この睡魔に耐えられる気がしない。                        

 

 

「.....ごめん.......しばらく寝るかも.....」                                   

 

 

 

(......本当ですか?どのくらい、いつ目覚めることが出来ますか?)                             

 

 

落ち着いてくれたのか......?........支援者、どんくらい....?                               

 

 

『告 おそらく魔素自体は二日以内に全快します』                          

 

 

「...2日、2日だって......」                                      

 

 

(....そうですか)                                            

 

 

呆れられてる気がする。                                    

 

 

というかそんなことが少しどうでもいいくらいに、マジで眠い、ホントに眠い。                                

 

 

今すぐ寝たいが、最低限彼女に伝えないといけないことを......。                         

 

 

「......ユキナぁ....」                                          

 

 

(ッ!?..なんですか、どうかなさいましたか?)                            

 

 

「....嫌だったら、いいんだけど。多分ランガか、リグルドが探しに来ると思うから...寝てるって、それだけ伝えて.........」                                                                         

 

 

それを最後に俺の視界は完全な暗闇に包まれた。                               

 

最後に耳元に届いたのは。                                      

 

(ふふっ..........お任せくださいナギサ殿......良い夢を)                           

 

そんな言葉だった気がする。      




ちなみに今回見やすさを重視して、地の文も1行空けてみたんだけど、携帯機器で見てる方たちどうですか?

反応あればこのまま行きます!


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全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?

  • ヒナタのドロドロ感情劇場
  • リムルから見たナギサ
  • 日向と凪沙の昔話
  • 黙って続き書けや
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