転生したら吸血鬼だったんだけど何か違う件   作:五月雨と狐

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ドワーフ王国に向けて#1

「「「「おはようございます、リムル様!!!!」」」」                             

 

朝から村に響くいい挨拶。                                      そして俺の鼓膜は死んだ。                                                                         

 

『否 死んだ、という表現は正しくありませんし、そもそも傷ついたという事象が確認されておりません』                                               

 

頭の中でも喋られているのだ、効果は2倍だ。

                                                                                                                                      .....現在、俺達はリムルの呼びかけに応え、宴には参加しなかったユキナたちもここに来ている.....少し離れたところで俺と一緒に、だが。                                            

 

とまぁ、集められた理由は                                             

 

『これからのこと決めるか』                                      

 

というリムルの発言によるものだ。                                      宴のあとだと言うのにリグルドがせっせこ準備をしてくれていた.....らしい。                 

 

俺はあのままユキナたちの側で夜を明かしたらから分からないが。                      

 

「集まったかな?では、ルールを発表する!ルールは3つ、最低この3つは守ってほしい」                 

 

そんな感じで内容を話すリムル。                                     

 

一つ、人間を襲わない。                                         二つ、仲間内で争わない。                                           三つ、他種族を見下さない。                                                                                                                                            

 

と、こんな感じのルールだ。                                     

 

個人的には文句はない。                                                                                                       

 

できれば細かなルールも決めておきたかったが、現時点では十分だろ。                   

 

 

そんなこと思っているが、一人手を上げた。                                  

 

確か...リグル、リグルドの息子さんだ。                                             

 

どうやら質問があるらしい。                                   

 

「なぜ、人間を襲ってはならないのでしょうか?」                           

 

 

おぉ、いい質問.....だが、悲しいかな。                               お前の父はキレているぞ、コレ以上ないくらいにだ....鬼の形相とはまさにこのコト。                  

 

「簡単な理由だ、俺が人間を好きだから!以上」                           

 

そしてソレに返すリムルの理由はシンプル。                              

 

というか、リムルの姿でそれを言うなら食料的な意味合いに聞こえなくもない。                

 

 

俺が人間を(味的な意味で)好きだから..みたいなね。

 

それは確実に無いだろうけど。

 

 

 

「なるほど、理解しました!!!」                                     

 

えぇ?                                              

 

リグルは驚きの速さで了承してしまった。                                  

 

なぜ....と思わなくもないが多分リグルドと同じ理由だろう。                    

 

忠誠心ってすげー。                                           

 

そんなこと思っている間にもリムルは焦ったように建前をベラベラ喋っている。                  そりゃそうだろ.........。                                                                                                            

 

理由の根幹が「前世人間だから」だからな。                               

 

うまく説明もできないし、用意しておいた建前で理由付けと言ったところ....。

 

 

あ、そうだ。俺も質問しよ。                                                 

 

(おーいリムル)                                            

 

(なんだい?俺に説明をおしつけたナギサくん?)                                

 

(ごめんて......俺から質問というか疑問)                                                     

 

(なんだ?)                                                                                           

 

(ユキナたちのことだ)                                        

 

なんで突然?となるかもしれないが、今ユキナたちの立場は完全に決まっていない。          

 

 

というか若干煙たがられている.......リムルに忠誠を誓っていないというのも大きいだろう。         

 

牙狼族からは無いが、ぽつぽつホブゴブリンたちからそういう声を宴の途中に聞いた。    

 

(....なるほど。でも、俺の方で言ってもいいけど、アイツラの面倒を見てるのはナギサだろ?勝手に決めて良いのか?)                                                            

 

(うーん....それもそうだろうけど、別に忠誠誓われてるわけでもないし)                     

 

村の主......リーダーポジについているリムルに判断を仰いだのだが。                   

 

(お前も村のリーダーポジションだろ......ま、後で役割分担とか決めるからそのときに決めるか)          

 

(わかったぜお)                                             

 

急に土佐弁?そう言ってリムルは念話を切った。                                 

 

そういう時期なのだから仕方がない....と言い訳が届くわけでもないのに心で愚痴る。                                                                                                                                                 

 

「.......ナギサ殿はどう思いますか?」                                 

 

「このルールのことか?」                                        

 

そんなこと考えていた時、隣にいたユキナに話しかけられた。                           

 

少し小声で配慮はしているが周りの老牙狼たちにもバッチリ聞こえている様子.....というか聞かせるのが目的な気がしなくもない。                                                           

 

 

「えぇ....仲間内で争わない、というのに私たちは入りますか?」                              

 

「ゑ?」                                                                   

 

違った、自分で聞きたいだけだった。                                          しかもバッチバチにリムルのこと睨んでるし。                                

 

「......多分、そういうことじゃないだろ。リムル自身のことじゃなくて、ホブゴブリンと牙狼族。そこの間のことを言ってるんだと思うぞ」                                    

 

内心動揺を隠しつつ言葉を紡ぐ。                                     

 

しかし、彼女がそう思うのも当然。                                   俺はこう返すしか無かった。                                      

 

それに彼女は納得はいってないが理解はしているよう。                         

周りの老牙狼たちも同じ感じだ。                                    

 

 

 

 

◆                                                     

 

 

 

その後、ルールその2他種族を見下さない、についても質問があったりした。                 

 

ユキナたちもソレには納得いっていた.....と思う。                           

 

その流れで今はリムルの采配で役割分担を決めていた。                           

 

村の周囲の警戒を行うもの、食料を調達するチーム、村での生産用品を集めに行くチーム、家や道具類等の整備をするものたち。                                     

 

そしてユキナたちの扱いだが。                                    

 

 

 

 

 

 

 

「....そして、今ナギサの近くにいるお前らだが.......俺は『働かざる者食うべからず』っていうのが大切だと思っててな。なにかしら仕事はしてほしいんだが、お前らナニができるんだ?」                    

 

 

そんな感じでリムルが話を振ってくれた。                             正直名乗りを上げるのもアレだったので助かったが.....。                          

 

「......あのーユキナ...さん?背中に引っ付かれても困るんだけど」                     

 

「すみません、アイツに見られるのが思いの外苦しくて」                            

 

そこまでだったかぁ.........。                                     

 

(....ナギサ殿。我等は未だ牙狼族とはいえ、群れの中では比較的経験のある部類です。お嬢様無しでも程度.....牙が通る相手であれば撃退にまで追い込めるかと)                     

 

 

老牙狼が話しかけてきた。                                                 

 

こいつら中々に強かったらしい.....。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

 

そのブレードライガーの実力がどんなもんかはしらんけど。                     完全に名前の響きだけで強いと判断している。                             

 

 

『告 孤刃虎の危険度は牙狼族の群れと同等です』                         

 

予想的中。                                                       

 

ということはこの六匹だけで群れに匹敵するというわけだ。                        

 

だったら、だ。                                           

 

「リムル、この牙狼族たちなんだけど。六匹だけで群れと同等の実力があるみたいだ。危険な魔物を村に近づく前に事前に狩ってもらう役割......守護団とかどうだ?」                       

 

 

それなら働かざる者食うべからずにも違反せんだろ......まぁその強さあるんなら村から離れてもやっていけそうだが。                                                                                                                                                                                                    

 

 

「へぇ、そうなのか。んじゃそれで行こう」                                  

 

ということで老牙狼たちは就職決定......。                                   

 

「で、お前だお前。確か...........」                                        

 

リムル名前忘れてるやん。                                         

 

 

(ユキナだ、ユキナ。てか忘れんなよ)                                       

 

(サンキュー!!でもしょうがなくないか?俺コイツと喋ったのマジで一回くらいだぞ。名前もナギサからちょろっと聞いただけだし)                                    

 

それでも名前くらいは覚えろよ。                                    

 

「..そうユキナ。ユキナ、お前はなにができるんだ?というかなんだったらしてくれるんだ?」          

 

おそらく、『なんだったら俺の指示聞いてくれるの?』的な意味だろうが、さすがに言う相手がまずい。                                                 

 

 

 

(.....流石に見過ごせませんぞ....!!!)                                   

 

その証拠に老牙狼たちが殺気立っている。                                

 

「リムルその言い方は駄目だろ.....。んでお前等も落ち着いてくれ。そういう意味でリムルは言ったわけじゃないから」                                             

 

 

しかしソレを見過ごすような俺ではなく.......最初から抑えろよ!って話だが。                                 リムルにこそっと念話を送る。                               

 

 

(俺がユキナたちに責任を負うことになってるだろ?そういうことを言うのは俺でいいよ。あんまりなんでもしようとしなくていいぞ)                                         

 

現に俺も同じ立場のはずなのに前に出ているのはリムルだし。                                                                         

 

(そーか......でもな、ナギサ。俺の目にはお前のほうが背負い過ぎに見えるぞ?高校生だったんだろ、あんまり気負わなくていいぞ?)                                  

 

(サンキュー........でも俺が選んだことだからな)                                  

 

自分で選んだことには、自分だけで責任を負うべきなんだよ。                       

 

それにリムルはなにか言いたげだったが、了解と言ってこちらとの念話を切った。            

 

こっからは俺の領分である。                                  

 

「なーユキナ」                                         

 

「......なんでしょうか?」                                      

 

「そろそろ背中から離れてくれ」                                  

 

決してもふもふの家が暑いのではなく、その逆。                              

 

めっちゃ寒いのだ。                                                      

 

冷気が漏れてしまっている。                                    

 

 

 

 

「.....すいません.....」                                        

 

そう言って冷気と一緒に体温が離れていくのが分かる。                      

 

「ありがとう...で、リムルも言ってたんだが。なんの仕事ならできるか?」                      

 

口ではそう聞いているものの、仕事なんかどうでもいい。                                    

最悪俺が彼女の分までなんかすればいい。                                

 

せっかく偉い立場にあるのだ、乱用していこう。                           

 

「私は..........」                                                 

 

彼女は、答えを出せないようだった。                                                                                                                                  

 

まぁ時間くらいならいくらでも用意してみせよう。                          

 

「んじゃ決まったら教えて.....」                                  

 

そう言おうとした瞬間だった。                                    

 

ヌッっと、大きな黒い影が背後に現れた。                                                     と、同時に声が響く。                                       

 

「あまりナギサ殿を困らせるでない、ユキナ」                             

 

こいつは........。                                           

 

「兄上....」                                                

 

ユキナの兄、ランガであった。         




駄文注意!

………先に書いとけって?

全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?

  • ヒナタのドロドロ感情劇場
  • リムルから見たナギサ
  • 日向と凪沙の昔話
  • 黙って続き書けや
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