転生したら吸血鬼だったんだけど何か違う件   作:五月雨と狐

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夏休みの終わりが明後日に近づいてきて命の危機を感じる今日このごろ。一話でも進めたいのでヤケクソ本文です。


ドワルゴンでドタバタダバダバ

 

 

 

 

 ドワーフ王国それは人と魔物が交わる以下略。                              

 

 ここはカナート大山脈の麓の牧草地。冷たいくも温かい朝の風の匂いが頬をなでる。

 

 なんで匂いなのに頬を撫でるのか、国語の世界は奥が広すぎて迷路のようになっていることを自覚した今日このごろ。                                                                              

 

「.....おつかれ、ユキナ。ここまで乗せてくれてありがとうな」                         

 

「いえ、おかまいなく。いっそこのままあそこに行っても良いんですよ?」                

 

「遠慮しとく」                                               

 

「...そうですか」                                         

 

 意外と本心だったんだろうか。尻尾が例の通りヘニャれてしまった。                                

 

 罪悪感でいっぱいである.....が、さすがにずっと乗っていはいたくない。                     

 

(ナギサーどうする?俺とゴブタで先並んで後から入ってくるか?)                  

 

(........んー、いや、いいかな。ちょっと遅れて並ぶから中で合流しようぜ)                    

 

(理解)                                                     

 

 ユキナにバレないようにポーカーフェイスをかましながらリムルと連絡を取る。先ほど決めた話の中ではリムルとゴブタ、俺とユキナのペアが行くことが決まった。                                  

 

 リグルら他の面々は今回はお留守番だ。リグルなんかは行きたがっていたが残念なことに彼らは腰布だけを身に着けている。

 

 さすがにアウト。

 

 王国なのだ、人、それも異性?だって多いだろう。

 

 この世界に警察があるかは知らないが『キャー変態』でお縄についてしまうかもしれないからな。                                                                                        

 

 安全策をとるのだ。                                          

 

「いやーそれにしてもすごいな.....なかなか見れないぞこんなの」                             

 

 眼の前には今回の目的地であった武装国家ドワルゴン、その入口である大門が見え

る。          

 

 今回は開いていないが、それでもそこにあるだけでなかなかの存在感だ。                        

 

「そうなんですね....つかぬことをお聞きしますがナギサ殿はもともとどこのお人なんですか?コレを見たことがないということは東の帝国....?いや吸血鬼ですから西ですか?」              

 

「....さぁ?俺もよくわかってないから」                                

 

「むっ、はぐらかしましたね?」                                   

 

「本当に事実なんだって」

 

 .......うん、事実事実。

 

 転生したということを隠せば概ね事実。

 

 俺も分かってないし四捨五入したら事実。というか西だから吸血鬼ってどういうことよ。                               

 

「お二人とも、お先に失礼するっす!」                                

 

 未だこちらを見てくるユキナをどう誤魔化そうか考えていたが、ゴブタがここで助け舟を出してくれた。見ればリムルはすでにポヨポヨ体を弾ませ、入国審査的なものを受ける列に並んでいる。            

 

「へいへい、いってらー」                                  

 

「.........」                                                               

 

 ユキナは無言である。

 

 一応、自分なりに昨日の夜のリムルの言葉を考えてみた。

 

 自分だけがするんじゃなくて、信頼して関係を作っていく.......今のままじゃ駄目なのか?そこらへんがいまいちよく分かっていない。

 

 ただ、ユキナを信用していなかったのは本当かもしれない。人柄とかそういうことじゃなくて.....頼る頼られるみたいな。                                           

 

 きっと吸血鬼とかいう種族になってしまったことで生まれた驕りのようなものだろう。もう少し謙虚に生きねば。

 

「.....んじゃ、ユキナ。俺達もボチボチ並ぼう」                               

 

「はい」                                                                                       

 

 今はゴチャゴチャ考える余地、とりあえずドワルゴンに入るのが先決だ。                            

 

 あの列はおそらく三時間はかかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの馬鹿やらかしやがった。                                           

 

「アォォォォォォォンッ!!!!!!!」                                  

 

 何組か挟んで並んでいたというのに、こちらにまで吸血牙装越しにビリビリと振動が伝わってくる。                                                        

 

 鋭く、相手を威嚇するような....。                                   

 

『告 個体名:リムル・テンペストの黒嵐星狼(テンペストスターウルフ)への擬態を確認。おそらくスキル《威圧》かと思われます』                                    

 

 納得。                                                    

 

「一体何をしているんですかあのスライムは......!?」                                 

 

「....本当になにしてるんだろうね?」                                        

 

 驚きと若干の怒りを混ぜるユキナの声が後ろから聞こえる。 俺も分からん。                              

 

 ただ、並んでいた途中で『スライムー』とか『命乞いしてもー』とか言っていて。なんだなんだと思っていたらなんかアカン気配した。

 

 とっさに槍尾(スティンガー)を出して正面に渦巻状にし音を防いだはいいものの....やはりリムルは馬鹿だ。村で『人を襲わない』って決めてたのはお前じゃないんかい。                                                                               

 

 しかも視界の端で人がバタバタ倒れていってる。

 

 前が吸血牙装で見えないので、逃げ出したのか分からないが....何人もの人が、だ。辛うじて俺より後ろにいる奴はユキナが背中に隠してくれているが....一応もうちょい伸ばして範囲広げとくか!                                                                             

 

「い、いったい何が起こったんですか!?というかそこのお方は尻尾....?尻尾出してなにしてるんですか!?」                                             

 

「すんません今後にしとってください!!」                                

 

 なにやら少年に声をかけられるが今は無視。

 

 俺とユキナだけならともかく後ろの人たちを庇うために無理に槍尾広げてんだ。結構キツイ。限界許容量超えてる感ある...あんまり脳のリソース使いたくない。                                                                       

 

 

 というかあいつマジで何してんだ?なぁなんでこんな開始早々にゲームオーバーしそうなことしてんだよおい。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                        

 

「お手伝いしましょうか?」                                                                                                    

 

「いんや、多分そろそろ終わる.......」                                    

 

 ユキナが声をかけてくれるが、次第に振動が収まってきている。おそらく威圧も終わるだろう。多分。                                                      

 

 そして、やはりそれは予想通りですぐに咆哮は終わった。                       

 

 槍尾を解除し、それと同時に視界が開けるが.....。                          

 

「......終わった、な」                                        

 

 死屍累々。                                          

 

 そう表現するしかない光景である。                                     

 

 アンモニア臭とともに尊厳を失ったたくさんの人々、中央で倒れる五人組、その向かう先にいたでっかい狼。.....さて、どうしようか。                                  

 

(.....ナギサ。どうしよう)                                      

 

(......アーアーキコエナイキコエナイーデンパガー)                                            

 

(そんな薄情な!)                                                

 

 リムルの念話はまだ聞こえるが一端無視。                             

 

 魔力感知にドワーフの警備隊の反応をとらえた。                            

 

「.........ナギサ殿、どうしましょうか」                                

 

「....幸運を祈るよ」                                            

 

 ドワーフ王国を目指した旅路、目的を果たせるどころか帰れるかすら怪しくなったのだった。

 

 

 

 

◆                                                            

 

 

 

 

「.......それであのスライムとは一切関係が無いと?」                           

 

 

 暗い暗い監獄のような部屋の中。                                        

 

 

 

 ユキナの放つ冷気が部屋を支配する。                                       

 

 

 

 ピンと張った緊張感の糸がふとした瞬間にちぎれてしまうような危うさが...........              

 

 

 

 

「いやめっちゃ関係あります。なんなら一緒に来てます」                            

 

「ナギサ殿.......もう4回目ですよ」                                                                  

 

 あるわけもなく。                                                  

 

 俺たちはあのアフォの起こした騒ぎの後、事情聴取という形で警備隊の詰め所に呼ばれていた。                                                                

 

 もともと入国審査的なのを受けなければいけなかったので、どの道通った道だったのだが....ここで問題が。                                                       

 

 俺達とは別枠で取り調べを受けているアフォが                           

 

『俺以外にも魔女の呪いにかかったやつがいるんです!』                       

 

 とか抜かしたせいである。                                              

 

 うん、魔女の呪いって?                                          

 

 いろいろ聞きたいがようはアイツは俺達を売ったわけだ。                           

 

 許せぬ。                                            

 

「.....その後「あのスライムと知り合い?」と聞かれて元気よくはいと言ったのはナギサ殿では?」                  

 

「さすがにそこで嘘ついてもバレるだろ」                              

 

 ユキナのポジは安定の俺の後ろ。                                         

 

 真後ろで見方によってはスタンド的な感じだ。結構くっついているので寒い。俺寒がりだっけ?                                                     

 

「いや、まぁ......あはは。こちらとしてはあのスライムは別にしてですね。あなたたちは通していいとも言われているんですよ」                                      

 

 困ったように笑う優しげなドワーフお兄さんは、ここの警備隊の一人である。                              

 

 最初はもっと気の強そうな人だったが                             

 

『あぁ?......吸血鬼!?吸血鬼じゃねぇか!?いや無理無理無理無理無理!!俺じゃ手に終えませんって、俺新人ですって!』                                       

 

 と言って出ていってしまった。                                   

 

 なにもしてないのに悪いことした気分になった。                               

 

 そんなに吸血鬼ってヤバいの?ねぇ、ヤバいの?                                     

 

「仮に西方諸国であれば話は違うでしょうが、ここは武装国家ドワルゴン。ドワーフ王の統治のもとにあります。規則さえ守ってくれればこちらは制限もなにも致しません。それに今回に限ってはナギサ殿が行商人や冒険者を守った、という報告もあります。なので入国を許可したいとは思っているのですが.....」                                         

 

「あのスライムは仲間です」                                 

 

「これなんですよねぇ.......」 

 

「置いていきませんか?」

 

 冷たい狼さんはスライムには薄情である。

 

 

◆                                                       

 

 

 そこから俺達の取り調べ?は平行線だった。                                                          

 

『早くこっから出ていけ』                                          

 

 というお兄さんの意見。                                                  

 

『俺もスライムの仲間なんです』                                 

 

 という俺の意見。                                          

 

『置いていっても構わないのでは』                               

 

 というユキナの意見。                                          

 

 平行線に垂直に交わったのが一個あるけど.....まぁ平行線。                                

 

 長くなって面倒くさくなったであろうお兄さんが                      

一言                                                    

 

「あっちの取り調べ終わったら呼ぶんで街にいてください」                       

 

 これに効果的な反論ができず俺は追い出されてしまった。                               

 

 そんなこんなで.......。                                         

 

「すっげぇ.......」                                          

 

「これほどとは.....」                                           

 

 一人と一匹そろって感嘆の声を漏らす。                              

 

 なぜか?それほどまでにすごい街だったからだ。                                      

 

 整備された街並みに、石畳の地面。                                                                                                                                                                                                                  

 

 それっぽい感じの外見を持つ家?がずらーっと。                                             

 

 これぞ異世界。                                             

 

 ボロボロのゴブリン村と同じ世界に存在するとは思えないレベルである。                                

 

「はぁーすっげぇ......」                                       

 

「すごいですよね.....」                                                

 

 俺もユキナも同じ感想しか湧いてこない。                                   

 

 でも.......やっぱすっげぇ。                                      

 

 そんなことを思っていた時だった。                                   

 

「ちょっとそこのお兄さんいいですか?」                                

 

 どこのキャッチですか?                                        

 

 なんというテンプレ、前世でも見たことあるぞ。                              

 

 そう思って声のする方向を見てみると......。                                         

 

「子供......?」                                                    

 

 小さい男子、そしてめっちゃ顔がいい。                                      

 

 なるほどコレが異世界か。                                  

 

「んーどうした?」  

 

 とりあえず返してみるが、まぁ十中八九道に迷ったとかそのあたりだろう。                               

 

 残念なことに俺は来たばっかりだ。君のお母さんのもとに案内することはできないんだよ....そう伝えようとしたのだが                                                  

 

「あのーボクのこと子供だと思ってませんか?」                          

 

 なんと、そういう時期の子供だったか。                                

 

「いや?お兄さんだろ?」                                      

 

 あるある俺もそういう時期あったもん。                                 

 

 子供って思われたくないよな。                                          

 

「あぁやっぱり....。ほら、これ見てください。コレ」                           

 

「んお?」                                                   

 

 少年は緑色の髪をかきあげた。

 

 そう言って見せられるのは耳。                                    

 

 ははーんなるほどどういうことだ?                                  

 

 なんて言えば良い?ピンと揃ったかっこいいエルフの耳みたいだね?                                

 

 ん?エルフの耳......?                                        

 

「....やっと気づいたみたいですね。ボクはエルフですよ、お兄さん。エルフのアレクです」          

 

「.......もしや年上でしたか?」                                                                                        

 

「人間で言えば12歳です」                                             

 

「どうしたの迷子?」                                            

 

「ふざけてるんですか?」                                      

 

「すいません」  

 

 この子供、口論が強い....!?                                             

 

「ナギサ殿、そろそろ話をちゃんと聞きましょう。舞い上がる気持ちは分かりますが」

           

 

「すいませんでした」                                    

 

 なんか俺謝ってばっかだな?                                     

 

「喋った......!?」                                          

 

 アレクくんはアレクくんで驚いてるし。                               

 

 やっぱ喋るのって珍しいんだね。                                      

 

「で、アレク...くん?」                                       

 

「アレクでいいですよ」                                     

 

「ありがとう。じゃ、アレクはなんで声をかけて来たんだ?」                      

 

 迷子以外で来るか?                                                

 

 やっぱキャッチか?                                           

 

「はい、先程助けてもらったお礼をしようと思いまして!」                            

 

「いつ家まで案内したっけ?」                                  

 

「もうそれやめません?」                                      

 

 分かった。                                            

 

「あれですよ。あの狼の魔物..あぁ白い貴方じゃありませんよ。あれが雄叫びを上げたとき尻尾で助けてくれたじゃないですか。そのときに『尻尾ですか!?』って聞いた子供です」            

 

 君だったのね?                                                                            

 

 というか今自分で子供って言ったくないか.....?まぁ自分で言うのと他人が言うのとでは違うか。

 

「ほえ...全然気にしなくていいぞ?あの狼...まぁスライムなんだけど。あれ俺の身内なんだよね」      

 

「はぁ......いや助けてもらったことは事実なので!せっかくならなにかお礼がしたいな、と。それに困りそうでしたし、あなた方にとっても渡りに船なのでは?」                         

 

「なんで分かった?」                                      

 

 こいつ、侮れない。というか俺達そんな話はしてなかったと思うんだけど。               

 

「なんでもなにも.....荷物もなさそうですし、困っているのでは?」                           

 

 そうだった中で合流できるって高をくくってリムルに預けたままだ。                     

 

 終わった。                                       

 

「そんな絶望したような顔しなくても....なんたってボクはそのために声かけたんですから!」     

 

「あなたは神か!!」

 

 ふふん、と鼻を鳴らすアレクをおー神お神と崇める俺。

 

 それをアホを見るような目で見るユキナ。

 

「舞い上がりすぎでは....?」

 

 ごめんて。




へいよー!なんでオリキャラだしたかって?ヤケクソでその場で書いたからだよ!俺は書きたいシーンがあってこれ作ったはずかのに…!!!

ところで感想と評価ください(懇願)

全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?

  • ヒナタのドロドロ感情劇場
  • リムルから見たナギサ
  • 日向と凪沙の昔話
  • 黙って続き書けや
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