「やったな、アレク」
「なにをですか?」
「キャッチだな」
ぽかんとした顔でこちらを見てくるエルフのイケメン小僧。なぜぽかんとできるのか、俺には全く分からないが..。
「早く入りましょうよ?」
そうだな。俺もついさっきまではそのつもりでいたんだ。ついさっきまでな。
「あのなぁ?アレクくんよ。俺何歳に見えるよ?」
「....17,18歳あたりでしょうか?ボクらエルフと同様に外見が実際の年齢に左右される訳ではないでしょうが」
なんか年上に見られてんだけど。
「そうだ。実際俺は16歳だ、いやまぁそれはいいんだ、良くはないけど」
「どっちなんですか!?」
どっちでもいいだろ。というか俺の言いたいことはそういうことではないんだけど。
「まぁね?俺一応吸血鬼でね?若干年齢分かりづらいのは納得できるのよ。でもさ、なんか言葉の節々から大人にあるような重みがないの分かる?分かるよね?んで、俺お酒飲めないのよ。ベロンベロンになっちゃうわけよ。年齢も年齢だしペロッと舐めただけでベロンベロンよ?なのにさ、なんでこんなところにつれてきちゃうわけ?」
「..........?」
アカン、何も分かってないわ。首をかしげて、え?じゃないのよ。分かるだろ?というかお前もここ堂々と入ろうとしてんじゃないよ。
「もうごちゃごちゃ言わず行きましょうよ。ここ【夜の蝶】ですよ?」
「ここがっつり駄目場所だろうがよ」
時刻は夜何時かわからないくらい。俺達の前にはもう見るからに未成年お断りなオ・ミ・セがあったのだった。
◆
「一回話し合わさせてくれ。頼む、後生だ」
「もう姉さんに言っちゃったんですけど。恩売りたい人がいるから部屋を貸してって」
「その話も聞きたいけど」
違う、違うんだよ。というかいつ話したんだよ.....念話か。いやもうそれはどうでもよくて。世話になるって言ったような気はするよ?けどさ、こういうのは素朴だけど異世界感あふれる宿屋を紹介してくれる感じだったじゃん。なんだよこれ?キャバクラじゃねぇかよ。
がっつりネオンライトなのよこの一角だけ。異世界感というより夜町感溢れちゃってるわけなのよ。
「ナギサ殿」
ユキナ....!そうだ、ユキナもいる。二対一だ。多数決の上ではこちらの勝利。さぁ、ユキナ。一発かましてやれ、アレクの顔面に思いっきり言葉をな!
「....ここはどういう場所なのです?怪しい桃色に光ったりしておりますが。お恥ずかしながらこういう知識は浅くて.....」
「そうか.....それはしょうがないな。そうだな...ここは、そうだ。ちょっと大人のお店だ」
一対一に逆戻り。いやランガが何歳かは知らんけど俺より年下の雰囲気はあったもんねしょうがないね。でも...これはオワタ。
「ほら、ナギサさん早く行きましょうよ。ボクもお腹空きましたし。またなにかしたいことがあるなら明日にでも」
そう言われぐいぐいと右手を掴まれ引っ張られる。
「....そうですねナギサ殿。あのスライムも兄上たちもまだ出ては来れないでしょう。休んでおくのも大切なことだと思います」
そう言われ、すっと前に出るユキナ。
「...えぇ?」
これ俺がおかしいの?異世界だとこれが正しいの?ねぇ、ねぇ、ねぇ。い、いやアレクが何も気にしてないってことは大丈夫な感じのお店かもしれないな。うん、そう信じよう。この妖しい感じもきっと夜だからだ。
「......一応言っとくけど、俺マジで金ないよ?大丈夫?」
「なんの話してるんです?ボクがいるから大丈夫ですよ?」
アレクだからなんなんだよ。身内割なのか?10割カット?.....とまぁこんなこと考えつつ、俺はこのお店.....パッと見キャバクラの【夜の蝶】へと足を踏み入れたのだった。
◆
「やっぱり駄目じゃねぇか」
「.......ボク目線で言えばナギサさんの方が駄目になってる気がするんですけど」
「あはは〜ほら、アレクそんなこと言わないでってお客さんなんでしょ?ごめんなさいね、ナギサくん。弟が迷惑かけたでしょ?」
「いえいえそんなことは」
「............」
アカンってこれ。
現在地はもちろん夜の蝶の中。全力で眼を薄めながら見ればキンキラキンのテーブルが低い飲食店にも見えなくない店内で、俺はガスマスクを被っていた。
吸血牙装で一緒に出せる、アレだ。まぁもうしばらく使ってないけど。
とにかくアレの形を支援者に変えてもらい、今は眼だけを隠せるゴーグルのような形にしてある。無論、俺は何も見えない。パッと見不審者だが、しょうがない。理由?そんなのないよきぶんだよ。
ただ誰かかはわからないけど、子供ではない大きさの人の温かさを左隣から感じているだけダヨ。支援者、左腕の感覚切れ、頼む。
『解 不可能です』
終わった。
「いや、そのアレク...くんのお姉さん?少し離れてもらってもいいですか?その.....えと.....えっと」
伝わってくれ頼む。右隣のユキナの視線が痛いんだ。見えてないはずなのに痛いんだ!寒い、すっごい冷気出してるし!その上全然喋らない。もうわっかんないよ言ってくれなきゃどうにもなんないよ。
「もぉ〜フィルで良いってさっきから言ってるじゃない。ナギサくんったらイジワルぅ〜」
「なぁアレク俺とお話しようぜ俺は大根おろしか紅葉おろしかどっちかって言われると大根おろし派なんだけどきのこよりもたけのこのほうが好きなんだよねあ、ちなみになんだけど牛乳は単体だとあんまり好きじゃなくてカフェオレとかだと美味しくいだだけるよちなみにブラックは飲めるけど、ここ大事飲めるけどあんまり好きじゃないようんお子様だと想った?貴様許さんぞ」
「....少しびっくりするくらいだと思って、動揺すればラッキーくらいに思ってましたけど.....これは...」
なにお前動揺させようとしてたの?シバクよ?
「いや?動揺なんかしてないけど?ふざけてみただけだけど?」
「なら右手の震えどうにかしてください」
なら俺の左隣でニコニコしながら腕を抱いてくるお姉さんどうにかしてください。
「というか別に俺は震えてなんか........あ」
「......」
.....ユキナか。うん、若干寒いとは思ってたけど極寒だね。極寒。なんか俺の肌に霜降り始めたし。君ここ入るのは拒否んなかったよね?
いやそれはいいんだけど、それならなにが気に障ったの?俺もどうしようもないよ?気分?気分なの?日向もよくそうなってたけど女の人って気分でそうなっちゃうの?だとしたら俺には対応難しいよ?
「うんうん、もう少し近づいてい〜い〜?」
しっかし、お姉さんなんか想像よりも仕事の域を超えてベタベタしてくるなと思ったら寒かったらからなのね。
納得.....いやまぁ仕事でかもしれないけど。ということで、アレクからもらった蝶のマークがついているクロークを返品。
「これ着といてください...寒いんですよね?。アレクから貸してもらってるやつなんで返さなくて結構です」
「.....ありがとう、なのかな?」
お仕事ご苦労さまです、の一言とともに席を立ってユキナの左隣へ。とりあえず正面にいるアレクを俺が元いた場所に座らせる。
「ユキナ。お姉さんも困ってるし、少し温度下げるのやめられない?嫌ならいいんだけど」
「....なんですか?」
なんもどうしたもないよ。寒いよ。
「一応、俺達はお世話になってる側だ。少し配慮はしなくちゃな」
「.....ナギサ殿さっきあの距離の近いエルフに.....」
「すいませんでした」
何も言い返せない。動揺?してないけど?でもびっくりはしたよ?うん。申し訳なくなりちょっとユキナの視線から眼を下にずらして審判の時を待つ。
死刑か、極刑か。「......少し意地の悪い言い方でした。すいません」
意外にも二審発生。ユキナがそう言うと周りの温度が下がった。あったけぇ、冷えた右手が生き返る。
「....わかりました。私も、配慮することにします。ですが........」
ですが?これで俺の極刑が決まる。
「....ナギサ殿は、私の右隣に、いてくださいね」
????
まぁ、いいや。
「分かった.......おーいアレク」
「なんです?」
「ちょっと俺達の正面に来てくれない?」
「なんでです?」
「俺隣に人がいると緊張しちゃうタイプだから」
「姉さん、ナギサさんの隣行ってくれない?」
「はぁ〜い」
「アッっちょ....寒い!!」
◆
「っていうことがあったんだけど」
「なんか楽しそうなことしてるなオマエ!?」
なんか大分変なテンションで話し合ったことを俺は囚われの身であるリムルに話していた。
あの後、アレクに頼みユキナの寝る部屋をゲッツ。俺は正直寝る必要も無いので放浪を決意。
アレクのお姉さんこと源氏名フィルさんからも止められたが.......止められたので在宅を決意。したはいいものの部屋が足りないってことでユキナと同じ部屋になり、ユキナがすやすやし始めて暇になったので窓から外に出てこうして、詰め所にいるリムルのもとまで来たのだ。
「てこともあったんだけど」
「なんで全部念話で話すんだよ!?」
「大きな声だしたらバレるでしょ、普通」
逆に聞くがなぜリムルは大きな声出すんだ。捕まってんのお前だろうがよ。
「....スマン」
「いやそれは別に良いんだけど。そっちはなんも無かったのか?.....あぁ捕まってたんだったなスマンスマン」
「煽ってんな?」
そうに決まってんだろうがよこの野郎。
そもそもリムルに荷物預けてるんだからそれないと困るの目に見えてただろ。
「そんなことないですぜ」
「念話ただ漏れなんだけど」
「うっせぇ!!」
「大きな声出すなって言ったのオマエだろ.....あ、そう言えばなんかドワーフの鉱夫が怪我したってことで回復薬渡したりしたな」
「あぁ〜あ?確かこっちもアーマーザウルスが鉱山に出たとかで騒ぎになっていた....ような」
あんまり覚えてないけどそんな感じだった気がする。ユキナに頼んで教えてもらったはずだ。
「へー。まぁそんなことは良くてだな。なんだよ【夜の蝶】って!」
.....えぇ?そこ、そこですかい?
「......なんかお酒とか飲めて綺麗な女の人がいるお店」
確かあの時は....あれ?お客さんいなかったぞ?せわしなく動いてるエルフの人たちはいたけど。あれか?定休日とかなのかもな。
「くそ...いいな。俺だって綺麗な姉ちゃんと一緒に.....ぐふふ」
「うわきっしょ」
「しょうがないだろ男なんだから!.....まぁそんなこと言っても俺の相棒は、もういないんだけどな.....」
それ相棒は相棒でも相棒のことだろうが。なんかしんみり言ってるけどよ。
「というかナギサもちゃっかり楽しんでたりするんだろ?」
「え.....あーうん。どうだろ」
ユキナのアレで凍りかけたからもうあんまし覚えてない。フィルさんとは喋るようになったけど....まぁ接客スマイルだろ。
「なんだよ?パットしない感じだけど.....ってあぁ、ユキナか。ユキナ一緒だったもんな」
頭を抱えるリムル。スライムだからかぺしょぺしょしてるようにしか見えない
「....まぁいいや。とりあえず来てくれてありがとう。明日ここから出れたらこっちからそっち向かう。夜の蝶で大丈夫か?」
「うーんどうだろ。まぁ多分大丈夫だ。そこで落ち合おうか」
まぁリムルたちがここから明日出れてるかはわかんないけど。
「んじゃ、バイバイ。明日出れてなかったら明日も来るわ」
「分かった.....帰る時バレるなよ?」
「分かってるよ....《
ということで俺は静かに詰め所を離れボチボチ夜の蝶へと変えるのだった。
なお、その外出がバレた結果部屋の中が死ぬほど冷たくなったのは後の話。
今気づいたけどオリキャラしかほとんど喋ってなくね?ま、まぁ…俺は書きたいシーンがあって書き始めたから…。そこ以外多少雑でも…ね?
とりあえず感想と評価ください(乞食)。どれだけ卑しくても俺は這ってでも乞いにいくぜ…!
全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?
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ヒナタのドロドロ感情劇場
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リムルから見たナギサ
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日向と凪沙の昔話
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黙って続き書けや