めちゃくちゃ誤字報告多くて申し訳ないです…。
気をつけるようにはしますが、いかんせんスマホ投稿なもんで中々難しいんですよね。
そうしてあの三人組が完全に立ち去ったのを確認し、俺たちも行動を再開した。
扉を抜けた先は分岐のある構造らしく、ますますダンジョンっぽさを醸し出している。
数ある分岐の内、一つを「どちらにしようかな」で選び、足を踏み入れた―――その瞬間。
チロチロリ
「おっふ」
目が合ってしまった。
俺の体を遥かに超える体長の、巨大な蛇と。
今の状況を表すなら、まさしく"蛇に睨まれた蛙"。
まぁ………吸血鬼とスライムなんだけど。
気づかれているのは明白。
支援者さん曰く『《隠密行動》は既に察知されている場合、無効果です』とのことなので、もう意味をなさないだろう。
「どないしよか、リムル」
(よくそのノリ保てるな!?とりあえず体を大きく見せて後ろに下がれ!)
どう考えてもクマへの対応な気がしてならないが、リムルの指示に従い、手を広げてバカ丸出しのポーズをカマシ、そっと足を引こうとした、その瞬間――
シャァァァァァァッ!!
逃がすものかといわんばかりに、鋭い威嚇音が空間一帯に響いた。
完全にロックオンされている。
「詰んだンゴ」
(まだ諦めるなよ!?えっと…なにかまだ…)
「ふっ……俺に任せておけよリムル。俺ならワンパンだぜ?」
(お前マジで言ってんのか!?さっき詰んだって言ってたのはどこのどいつだよ!?)
「ふっ……我は吸血鬼ぞ。あのようなヘビ畜生他愛もないわ」
(アホかお前ーーー!!!アホだろ絶対アホだろー!!!)
と、そんな感じで大言壮語を吐いては見たものの、内心―――
(どうしようどうしようどうしようどうしよう――アッ日向が川の向こうで手を振っているような気がする…)
完全にパニックである。
パニックを通り越し既に、三途の川?が見えている。
だか蛇は待ってくれない。
ゆっくりと鎌首をもたげ、こちらとの距離を詰めてくる。
逃げ場は無い。
リムルは俺に対してのツッコミで精一杯で対応策が思いついていない。
なら―――
「奥の手ッ!!!助けて支援者サァァァァァァァンッ!!!」
(結局他人任せかい!)
◆
現在進行系で大ピンチ。
そんな時に俺の助けを求める声が届いたのか、救いの声が聞こえた。
『告 スキル《吸血牙装》の発動を推奨。発動しますか?』
ありがてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
流石すぎるぜ支援者様。マジで愛してるぜフォーリンLOVE。
『早くしてください』
あっはいすんません。早速お願いします!!!!
そう頼んだ瞬間。
『《吸血牙装》発動――牙装:
ずるり、と。
右腕の内側から、ナニか――血が滲み出した。
黒く、濁り、粘つくそれは、
まるで意志を持つように蠢きながら皮膚の内側を這い回る。
「うおっ!?」
(どうした大丈夫かナギサ!?)
皮膚の下で脈打つ。
膨れ歪み、破れた。
裂けた皮膚からあふれ出した黒血が、そのまま腕全体を覆う。
血が骨格のように絡み合い、筋肉のように収縮し、装甲のように硬質化する。
ギチ、ギチ、と軋む音を立てながらそれは一瞬で"形"を成した。
黒く、鈍く光る外殻。
もう指なんて言えないサイズの、刃のような鉤爪。
外殻からは、牙のような突起があり、ところどころ覗く血管のような管は紅く発光している。
「……ん?」
さらに、シユゥ……と空気を吐き出す音。
同時に、口元へと"ソレ"が、形成される。
骨格よのうなフレームに、血が流れ込み膜を張り、またたく間に固定されていく。
それはまるで―――
(ガス、マスク?)
無機質で冷たい形状。
しかしそれは確かに己を保護するためのものであった。
その、ような変化が終わり空間に静寂が広まった時思わず呟いた。
「うそーん………どゆこと……?」
(えっと…その、あーと、えっと………大丈夫そう?)
リムルからも心配される始末である。
しかし当然ともいえるだろう、
このあまりにも人間からかけ離れ―――元がほぼ人間のため違和感も増し、かといって"吸血鬼"とも言い難い容貌。
まるで―――
「ナニコレ?」
(なんで発動したはずの本人がわかってないんだ)
しょうがないやんけ!
今の今まで支援者が説明してくれなかったから!!!
俺は悪くないもん!
そもそもさっきまで、このスキルの名前すら知らなかったのだ。
そんな状況で「はいどうぞ」と言われても困る。
(いや、自分のスキルなら自分で発動できるだろ)
ごもっともである。
(というかさ、説明無しで実戦投入はどうなのよ支援者さん)
『解 最も効率的です』
鬼かな????
そんなくだらないやり取りをしている間にも―――
目の前の大蛇は、ジリジリと距離を測っている。
さっきまでの余裕は無い。
だが、完全に逃げる気もない。
様子見だ。
「…これまずくね?」
相手も警戒している、それはこの右腕の強さを裏付けるとともに、相手の知性を保証するものでもある。
知性がある大きな相手と戦うのは難しい気がする。
じわり、と嫌な汗――は出ないが、そんな感覚が背中を伝う。
(………ナギサ…どうする?)
「………とりあえず」
わからん。
分からないけど―――何もしなかったら俺らが美味しくいただかれるだけである。
ゆっくりと"それ"を構える。
黒い腕がわずかにきしんだ。
「あたって砕けろ、だな」
(それ砕けるの俺たち側にならない??)
「縁起でもないこと言うな」
―――瞬間。
大蛇が動いた。
◆
『告 来ます。補助は必要ですか?』
(いる―――ッ!!!めっちゃいるッ!!)
即座だった。
考える余裕など一切ない。
目の前では大蛇が動き出しているのだ。
筋肉が唸り、地面を這う音が耳にとどく。
速くね?
デカいくせに速くね?
(ナギサ来るぞ!!!)
「見りゃ分かるわぁぁぁぁッ」
そして、大蛇が弾けた。
視界から一瞬消え―――次の瞬間には眼の前。
大口を開き、丸呑みにせんと迫ってくる。
(ちょっ――!?)
『補助開始』
その一言で世界が、遅くなった。
(はえ?)
空気の流れ、ヘビの軌道、自分の体の位置。
全てがはっきりと見える。
『演算補助・身体制御補助を開始』
(うおっ……!?)
体が勝手に動く―――というか、もはや操れるような感覚に近い。
『振り抜きます。合わせてください』
(ハイっ!?わ、わかりましたぁぁ!?)
迫る牙を、紙一重で躱す。
頬をかする風圧に、思わず息が詰まる。
流れるように背後を取り、そのまま――――
黒い腕を振り抜いた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
だいぶ情けない声が出た気がするが、そんなこと気にしてる暇はない。
―――グシャッ
重い手応え。
切ったようなものではなく、"壊した"感触がわかる。
その振り抜いた先で、大蛇の胴体がズレる。
(おぅ………)
人拍遅れて、ブシュと、吹き出す音。
体液が噴き出し、地面を濡らす。
思わず顔をしかめようとしたが……、そのまま体は止まらない。
『追撃します』
(ちよっまっ――)
振り上げた腕をそのまま叩き落とす。
狙いは―――首。
叩き込むように下ろされた。
ゴッ
鈍い衝撃とともに、大蛇の首が落ちる。
遅れてドサリ、と巨体が崩れた。
動かない。
完全に沈黙した。
「えぇ……」
間の抜けた声が漏れる。
しばらくして、
「グロ…」
と、呟いた。
◆
結果としては、俺の異世界初戦闘は無事"勝利"に終わったのだが――
「血塗れなんだけど……」
(うわぁ汚っ)
「ひどくね……?」
世界は残酷である。
既にあの《吸血牙装》なるものは引っ込み、ガスマスクも溶けるように消えていった。
そして残ったのは…
大蛇の血で全身シャワーを浴びた俺である。
「なんか、変な匂いする……」
(そりゃヘビの血だからな…あれでもナギサ吸血鬼なんだろ?血大丈夫では?)
「確かに?」
言われてみればそうかもしれない。
吸血鬼と言うのは古今等どんな物語でも血を吸って生きている存在だ。
こうして聞くとまんま蚊なんだが。
それはさておき
(支援者、これってどうなるの?)
こうなってくると支援者しか頼りが無い。
吸血鬼すらよく分かっていないのにここ来て新たな問題が生えてきたのだ。
もはや自分のことを一番知っているのはスキルである。
『解
なんだよ毒かよ。
『体内に取り込まない限り問題無いですし、ガスマスクもあるのでそのような事態は起こりません』
なんてこったちゃんと考えられてるじゃないか
『付着した血も、直に魔素に還元されます。死体も放棄して大丈夫です』
「ありがとう御座います!!!!」
(うるさっ)
「ごめんて」
とっさに出てしまった。
素晴らしく便利なスキルを手にしてしまったものである。
それに――
(……良かった、血を見て「美味しそう、いただきます」ってならなくて)
心底そう思うのだ。
きっとまだ…俺は人であることをやめたくないのかもしれないな、なんて思いながら未だ文句を言っているリムルを追う。
(俺は……多分戦えるかな?)
さきの一戦で、スマートとはいかずともそれ相応に対応できて、事実勝っている。
(支援者ありだけど……)
スキルも己の実力の内であろう。
『告 その認識で間違っていません。私の補助ありきです』
………スキルも己の実力の内である。
そんなことを思いながら、次の部屋へと進む。
未だ見えない地上への期待を背負いながら。
疲れたんごね。
いっぱい感想と評価ください………モチベ維持のために。
全然書いてないけどイフリート戦終わったら、他の視点やる?
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黙って続き書けや