未来知識で2回目の人生を無双する予定が即崩壊した上にネットミームとなってしまった件について 作:かにしぐれ
朝起きると、赤ちゃんになっていた。何を言っているのかわからねーと思うがというジョジョのポルナレフの台詞が頭に浮かぶような状況だっが、赤ちゃんとなってしまった私には泣くことしかできない。
そうして泣いていると親と思わしき人物が私を
結局、この状況は夢ではないようだった。あれから体感で数か月が経ったが、一向に私は赤ちゃんのままである。自由が利かない身体だが、何故か良く見える目であたりを見回したところ、どうやら現代日本のようだった。
これがファンタジー世界とか、あるいは文明レベルが現代日本に遠く及ばないような時代だったとしたらと思うと背筋が凍るような思いだ。だが不幸中の幸いと言うべきか、視界に入るカレンダーには2015年と書いてあり、その横には小さく平成という元号も書いてあった。何故赤ちゃんの眼でここまで視えるのかは些か疑問ではあるが、とりあえずそれは考えの外に置いておく。
重要なのは此処が日本であり、元号の変遷が前世(とはまだ認めたくないが、諦めるしかない)と一緒であることから、私の知識が生かせるだろうということだ。
2015年ならば、まだ暗号通貨が日本でも認知が広まる寸前といった時代である。ならば、今からでも億万長者を目指せるのではないか?
よし、善は急げだ。早いところ暗号通貨をマイニングして我が家に巨万の富をもたらそう。今生の両親に早速報いる時が来たと、赤ちゃんながら既にハイハイどころか立ち上がることまでできるハイスペックな我が身体を動かして部屋にある母親のパソコンの前まで移動する。
何、この数か月で母親のパソコンのログインパスワードはしっかりと視て記憶済み。そして、この部屋は私にとって都合が良いことにすべてが低い位置に物が設置してある。我が今生の母親は畳の部屋で座椅子派だったのだ。
前世から慣れ親しんだ動作でパソコンを起動する。ここが2015年の日本であることはわかっているが、もしかしたら私の記憶にある日本とは違う可能性も残っている。情報の下調べを怠るわけにはいかない。
幸い、前世の記憶については細かい所まで
なんだかとても怖くなってきたが、死ぬ寸前の記憶を思い出しても普通に就寝するところまでしか思い出せないので、少なくとも神様転生とか超常の存在が関わっている可能性は無いとは思う。死因はわからず仕舞いだったが、家に隕石でも降ってきたのだろうか?
そんな益体もない事を考えながらも赤ちゃんのぷにぷになお手手でマウスを操作しつつ軽快にキーボードを叩き、このPCに2015年当時では最高スペックのグラフィックボードが刺さっている事をdxdiag先輩に教えてもらったところで、さっそく暗号通貨についてグーグル先生で検索をする。
ビットコインか、あるいはイーサリアムをマイニングしようかと考えていたが、グーグル先生が導き出した結果を見て私はフリーズしてしまう。確かに、画面にはビットコインもイーサリアムも表示はされていた。だが、検索結果の一番上に出てきたのはそのどちらでも無かったのだ。
グーグル先生が暗号通貨として提示してきた一番目は、【ふじゅ~】だった。「ふじゅう」でも「ふじゅー」でもなく、【ふじゅ~】である。なぜその延ばし棒が波線なのか。そして何故それが正式名称なのか。そもそも【ふじゅ~】とは何だ【ふじゅ~】とは!
おっと失礼、取り乱しました。だが、これはマズイ。非常にマズイ。私にはこの【ふじゅ~】について見覚えがある。そして、これが記憶通りのものであるのならば、私の前世の未来知識は役に立たない可能性がある。それはつまり、巨万の富を築く計画の頓挫を意味する。すまない、今生の両親よ…!
つまるところ、私はどうやら、『超かぐや姫!』の世界に転生したようだった。