未来知識で2回目の人生を無双する予定が即崩壊した上にネットミームとなってしまった件について 作:かにしぐれ
今生きている世界が何なのかを理解し、パソコンの前でフリーズしていた私はママ上に無事に確保された。生後数か月の赤ちゃんがパソコンを操作したという異常事態だったはずなのだが、我がママ上は慌てず騒がず私をベビーベッドに戻すだけだった。
そして、後日ママ上は私の手にタブレット端末を渡してきた。WHY?
どうやら、ママ上は私がハイハイでパソコンに近寄り電源を付ける所からスマホのカメラを構えて見守っていて、ログイン画面でログインできずに癇癪を起す瞬間を微笑ましいホームビデオとして記録しようとしていたのだった。
しかし私はログイン画面を難なく突破し、その後も赤ちゃんボディを巧みに駆使してパソコンを操作し続けたためママ上の当初の目論見は外れたわけなのだが、こっちの映像の方が面白いとママ上はお思いになられたらしく撮影を続行。
そして、私が【ふじゅ~】にたどり着き目を見開いてピタッとフリーズするという実に絵になる状況まで撮影できたのでその時は非常に満足したそうだ(これは絶対にバズると確信したとのこと)。
それはそれとして私の異常性にも当然ママ上は気づいたのだが、パパ上にこの時の動画を見せて夫婦間で協議した結果、面白そうだからタブレットでも与えてみようという結論に至ったそうな。
なんだろう、我が両親は頭に摩虎羅でも飼っておられるのだろうか。私という赤ちゃんの異常に対して適応が早すぎやしないか?
とはいえ私を受け入れてくれているのは非常にありがたいので、ありがたくタブレットは頂戴致します。ぶっちゃけ赤ちゃんは暇やねん。そうして動画投稿サイトを見てみればヤチヨの動画が出るわ出るわ。
前世の現実ベースで考えればVtuberの始祖そのものに相当するお人な訳で、しかも前世よりも早い段階から「AI」と「Vtuber」を名乗る存在なわけで世間での認知度が凄くすごい(語彙力喪失)。
「AI」の部分に関しては
ChatGPTの一般公開は2022年からとかだったはずなので、7年以上技術の革新を早めているのですがそれは…
他にもヤチヨが存在することによって起きている変化があると思われる。当初のプランが崩壊した以上、焦っても仕方が無い。じっくりと情報収集をしなくては。
結論から言おう。前世から細々とした違いが多すぎる! ここはバッチェヤチヨが存在する世界線である! 一般地球とはやり方が違う!
失礼。前回に引き続きまたしても取り乱しました。しかし、世界史はともかく日本史の細部に違いが発生しすぎて頭がこんがらがりそうだ。それでいて現代までは歴史の大筋に変化は無いのだから、まるで意味がわからない。
前世からと大幅な違いと言えば、現代においてIT・半導体産業において日本が最先端を走り続けていることだろうか。その甲斐があってからなのかはわからないが、GDPランキング第2位の地位はもうしばらく安泰なようだ。
面白い所を挙げるのならば、ヤチヨがクソコテとして常駐していた2〇ゃんねるの運営が某ひ〇ゆき氏のままであることだろうか。こちらについては、どうやら前世の現実でひろ〇き氏が裁判を起こされる原因となったスレッド及びレスについてヤチヨが問題になる前に削除したことで訴訟そのものが無くなっていた事が原因のようだ。
さらに、前世では2ちゃ〇ねるで犯行予告が投降されてから起きた痛ましい事件のいくつかが「突如として聖母と化したクソコテyachi8000」によって当該レスをした人たちが浄化されたために未然に防がれている事も確認された。秋葉原の通り魔事件も当然起きていないため、秋葉原の歩行者天国は一度も中止されることなく現在も続いているらしい。
そういえば、ヤチヨがレスバしている描写がありましたねぇ…。Vtuberとして活動できるようになるまでは常駐していた場所だったから、きっと環境の整備に尽力していたのだろう。それはそれとしてクソコテをやっていたのには草を禁じ得ないが。
こうして赤ちゃんとして暇な時間を過ごしていたある日、前世でも存在した「赤さん」のクソコラ画像列伝を見てキャッキャと笑っていた時に私の頭脳に電流が走った。このハイスペ赤ちゃんBODYで何か面白い事をすればバズって動画からの広告収入をガッポガッポと行くのではないか?
現に、私がPCを操作している動画はママ上から聞いた限りでは相当バズったようなので、きっと需要はあるはずだ。問題は何をするかだ。何か良いネタは無いものかと動画を漁っていた私の目に、キング・オブ・ポップのダンス動画が飛び込んできた。…これだ!
善は急げとたまたま手の届くところにあったパパ上のサングラスを拝借し、コンプラ対策のためそのまま装着。その状態でマイケル・ジャクソンの楽曲に合わせてダンスを完コピして踊った。
前世ではダンスなど踊ったことも無かったが、今生のこの身体は赤ちゃんBODYながら私の意図した通りに動くことができるハイスペックBODYであり、私の頭脳は一度見た者は完璧に記憶できるハイスペックなBrainである。このパーフェクトな頭脳と身体が揃った状態ならやれるのだ!
我がママ上は私がパパ上のサングラスを装着した時点で何かを察したようでスマホを構え、私のダンスを余すことなく撮影しそのまま投稿。題材がキングオブポップの曲だったこともあり日本だけでなく海外でも話題となり、瞬く間に収益化の条件を達成。私の当初の予定とは色々と異なるが、無事に今生の両親に収益をもたらすことに成功したのだった。
後にこの事を知ったパパ上が本気を出して私のマイケルダンスを撮影&編集するようになり、最初のホームビデオから大幅にクオリティの上がった動画を数本投稿することになる。
その数本の動画の中で特に人気となったのが、身体を前に限界まで傾けるパフォーマンスをする「Smooth Criminal」のダンスだった。あの身体を傾ける仕掛けは舞台と靴と
そこで動画に登場したのがデカいキングスライムのぬいぐるみだった。私は例の身体を傾けるパフォーマンスの箇所に差し掛かるとダンスをしながら自然と画面左側に設置されているキングスライムの横まで移動し、そこでキングスライムに向かって倒れ込み、そこから反動をつけて起き上がることで一連の動きを再現したのだ。
この動画を某ニ〇〇コ動画にも投稿した時、該当の箇所にて
『さ す が に 無 ☆ 理 』
『わざとらしい人間アピール』
『 王 の 献 身 』
『 よ き に は か ら え 』
等々様々なデカい赤文字のコメントが流れる大人気ポイントに。そこから他の動画にも人が流れたようで複数の動画投稿プラットフォームで一時期はランキング上位に常駐することになった。
これで終われば良い話で済むのだが、あまりにも話題となってしまうとネットミームとして登録されてしまうのが世の常である。かくいう私も見事に「ダンシング・ベイビー」として世界的なネットミームとして無事に登録が完了される事態に。
日本においても無駄に編集技能が高かったパパ上のせいでたいそう切り抜きが捗ったようで、「赤さん素材」として私のダンス中や決め顔しているところを抜いたカットが多数登録されてしまった。
つまりは、まぁ、はい。私は収益と引き換えに一生ネットのおもちゃになってしまったのである。ちなみに、この時の動画は未だに再生回数が増え続けているので、何十年にもわたり我が家にお金を落とすありがたい継続収入となっている。
認めたくないものだな、若さゆえの過ちというものは…