アリアハン王「勇者はルイーダの酒場に仲間を探しに行ったか?」
大臣「はい、行ったようです」
アリアハン王「勇者はレーベの村に着いたか?」
大臣「はい、着いたようです」
アリアハン王「勇者はナジミの塔に行ったか?」
大臣「はい、ナジミの塔の老人から盗賊の鍵を渡したと通知が来ました」
アリアハン王「勇者は魔法の玉を手に入れたか?」
大臣「はい、レーベの玉職人から魔法の玉を渡したと伝書鳩で知らせてきました」
大臣「王様、勇者がいざないの泉の壁の爆破許可を求めております」
アリアハン王「許可する」
大臣「王様、壁が無事に爆破されました」
アリアハン王「そうか、でかした勇者、いや…勇者達は爆発に巻き込まれてはいないか?」
大臣「それは大丈夫のようです」
アリアハン王「そうか、いよいよアリアハン大陸から旅立つのだな」
大臣「そうでございますね」
毎日のように勇者はどうした勇者はいまどこにいるとうるさい王にうんざり気味だった大臣。
いくら勇者がオルテガの意思を継ぐアリアハンの希望の星とはいえこう毎回だと仕事にも差し障る。
しかし目の届くアリアハン大陸を脱出した後は追い辛くなるので本来の仕事に集中できそうだし、王にも遅れなくハンコを押す仕事をしてもらわなくてはならない。
アリアハン王「現在の勇者のレベルはいくつだ?」
大臣「恐らく6か7辺りだと思われます」
アリアハン王「そうか、しかしロマリアのモンスターは強い筈だ、勇者達は大丈夫だろうか?」
大臣「勇者はあのオルテガの血を引いております、遅れを取る事はないかと存じます」
アリアハン王「そ…そうか、そうだな」
心配性の王。
王には一つの後悔がある。
それは勇者に貧相な武器の棍棒やひのきの棒、大した防御力のない旅人の服、そして50ゴールドの旅費しか渡してやれなかった事である。
かつては世界を統べたアリアハンも戦争によりその地位からは滑り落ち鎖国状態になり今に至る。
全ては国内だけで賄わなくてはならないので今は貧乏国になっている。
兵士の装備も銅の剣と皮の鎧、皮の盾、皮の帽子という貧弱さ。
勇者には鋼の剣ぐらい持たせて旅立たせたかったが国自体にそんな余裕はないのだ。
オルテガの旅立ちの時はまだ余裕が多少なりともあったため鉄の斧と鋼の鎧を持たせたものだ。
しかしその当時より財政は逼迫しどうにもならない。
アリアハン王「それで大臣よ、爆破された壁の修理だが…」
大臣「残念ならがその費用が捻出できませぬ」
アリアハン王「無理か?」
大臣「はい、あれは特殊な材料で作られた壁でございますので修理費は高額になり、今すぐにの修理は無理でございます」
アリアハン王「やはりか…ならばどうする?」
大臣「破壊されたままの状態にしておくしか出来ません」
アリアハン王「しかしロマリアからの兵が…」
大臣「王、戦争は終わりロマリア王も当時の王ではありません、それに我が国はもう貧乏国、攻めてくる事はございますまい」
アリアハン王「なるほど、そうかもしれん、しかしロマリアからのモンスターの流入はあろう、それはどうする?」
大臣「はい、泉を管理している泉守の祠に対策部隊を常駐させて見張らせるのが得策かと」
アリアハン王「それしか方法はないか…」
大臣「はい、それしか方法はございません」