バコタ「退屈だな」
囚人「そうですねぇ」
バコタ「何か面白い話はねーか?」
囚人「ないですねぇ」
バコタ「あー、マジで退屈だな」
囚人「そう言えば聞いてみたかったんですけどね」
バコタ「ん?、何だ?」
囚人「バコタの旦那は素早さがダントツなんですよね?」
バコタ「ああ、自慢じゃないがアリアハンじゃ誰にも負けねー自信はある」
囚人「それなのに何で捕まっちまったんですか?」
バコタ「あー、それな」
囚人「旦那の素早さが高いのは私もそこそこ知ってますがそこが不思議でならないんですよ」
バコタ「ナジミの塔の老人は魔法使いでな」
囚人「魔法使いなんですか?」
バコタ「お前、ボミオスって魔法知ってるか?」
囚人「いや、知らないですけど」
バコタ「相手の素早さを下げる魔法だ」
囚人「そんなのがあるんですか」
バコタ「ああ、それでそのボミオスを使われて動きを遅くされちまったって訳だ」
囚人「なるほど」
バコタ「それがなかったらとっ捕まってねーな」
囚人「魔法ってのは厄介ですね」
バコタ「ああ、本当に魔法は厄介だ、使う方は便利だろうけどな」
囚人「あ、魔法って言えば魔法の玉ってのは魔法で作られた玉なんでしょうかね?」
バコタ「いや、俺も詳しくは知らねーが何か魔法とは違う火薬とかいうモンらしい」
囚人「それが爆発するんですか?」
バコタ「ああ、それはレーベの村の職人が作れるらしいな」
囚人「それってその職人にしか作れないって事ですか?」
バコタ「それが本当か嘘かは知らねーがな、前に偽物を作って失敗して大爆発起こして大怪我した奴は確かにいたな」
囚人「あー、爆弾男って奴ですね、詳しくは聞いてなくて爆弾男がどこかに爆弾を仕掛けて失敗して大爆発させて大怪我したって事しか知りませんでしたがそれが魔法の玉だったんですね」
バコタ「多分アリアハンを脱出したかったんだろうな、しかし爆弾仕掛けて自分も一緒にドカンよ」
囚人「それでも壁は壊れなかったんですよね?、魔法の玉って凄くないですかい?」
バコタ「だな」
囚人「でも変ですね」
バコタ「何がだ?」
囚人「どっちも爆発させるのに本物の方は壁を破壊できて偽物の方はビクともしないなんて」
バコタ「いや、ビクともしなかったかどうかは知らねーが」
囚人「聞いた話じゃ傷一つつかなかったとか、世の中にゃ頑丈な壁があるもんだとその時は聞き流してましたが」
バコタ「確かに本物と偽物がどう違うのか分からねーな」
囚人「でしょ?」
バコタ「魔法の玉っていうぐらいだから何か魔法も込められてのかもな」
囚人「あ、そうかも知れないですね」
バコタ「それにしても何だ?、魔法の玉に興味でもあんのか?」
囚人「いやぁ、勇者ちゃんが魔法の玉を使って壁を破壊したって話なんでどんなのなのかなぁ…て感じで」
バコタ「口開いたら勇者ちゃん勇者ちゃんって、ファンにも程があるだろ」
囚人「ファンですよ、私は」
バコタ「どのみちアリアハンから出たんだから勇者の情報は無くなるだろうがな」
囚人「それなんですよねぇ、何なら脱獄しますか?、旦那」
牢番「誰が脱獄するって?」
囚人「こりゃ番守の旦那、冗談ですよ冗談」
牢番「滅多な事を言うと牢にぶち込むぞ」
囚人「既にぶち込まれてますし」
牢番と囚人のやり取りを聞きながらバコタは考えた。
バコタ「脱獄か、良いかもしんねーな」